NHKの朝ドラ「花子とアン」で白蓮事件の場面を見て、亡き母が「昔、材を捨て心の富を選択した絶世の美人、平和の語り部がいた」と話したのを思い出す。母が語った美人とは歌人、柳原白蓮のことではと憶測。白蓮を知りたい衝動にかられ、妻に「何か知らないか」と尋ねる。いちき串木野市に白蓮が来た形跡があるという。長崎鼻に赴くと、波打ち際に白蓮の歌碑が建つ。「右も海 左も海の 色蒼く 沖の小島に 想ひは ふかし」と刻んである。さざ波の音を子守唄に戦死した息子への鎮魂歌か。今、我も白蓮と同じ波音を聞き,平和な海を見る。
出水市 宮路量温 2015/1/8 毎日新聞鹿児島版掲載
出水市 宮路量温 2015/1/8 毎日新聞鹿児島版掲載