マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

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氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

氷室京介・アルバム総評 「FLOWERS FOR ALGERNON」「NEO FASIO」「HIGHER SELF」

2020-12-27 11:19:23 | 氷室京介
田家さんと子安さんなんかが、ヒムロックのソロデビューからラスギグまでの活動内容やアルバム、楽曲なんかをラジオ(だったかな?)で語っててね。それを文字にして掲載されてたページを読んで、「そういや、ウチのサイトでも、アルバム総評はやってたな」なんて、思い出してね。
テキストサイト閉鎖しちゃったんで、ご覧いただく機会がなくなっちゃったんですが・・・だったら、ブログで復活させてみようかな、と。
テキストサイトからの、それも古参のゲストのみんな・・・





「焼き直し(プッ)」とかいうな! (笑)



軽く推敲、加筆修正はやってますよ。とはいえ、





いずれも10年以上前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。



FLOWERS FOR ALGERNON(1988.9.1)

収録曲
1.ANGEL
2.ROXY   
3.LOVE & GAME
4.DEAR ALGERNON
5.SEX & CLASH & ROCK'N'ROLL
6.ALISON
7.SHADOW BOXER
8.TEST OF MONEY
9.STRANGER
10.PUSSY CAT
11.独りファシズム

Songs written by――1.3.4.9.10.KYOSUKE HIMURO(word & music)、2.8.KYOSUKE HIMURO(word)・KYOSUKE HIMURO & KEN YOSHIDA(music)、5.~7.KYOSUKE HIMURO & GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、11.SHIGERU IZUMIYA(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

ヒムロックの記念すべき「ソロ第一弾アルバム」です。
「第1作」ってこともあって、結構、BOφWYを引きずってます(笑)。そういう意味では、ファンの間でもやや賛否両論的なトコもなくはないです。
でも、オレは好きですね~。なんていうか、こう、「それでもBOφWYとは“なにかが”ちがう曲調」「後のソロともちがう」っていう感じで、





何となく「ヒムロックがやりたかったBOφWYって、じつはこんな感じだったんじゃ?」なんて思わせるトコなんかが好きです。



BOφWYって、いうまでもなく、氷室と布袋が主導権を握ってたわけですが、両者は「“ポップン・ロール”=“(ロック+ポップス)/2”的な楽曲をやりたい」ってトコでは、一致していた。
でも、それはあくまで「大局的なもの」であって、布袋は「それでもロック志向」であるのに対し、氷室は「結構、ポップス志向」なんだよね。まあ、「氷室=メロディ寄り、布袋=サウンド寄り」とでもいうか。
ってか、氷室の場合、「カッコよけりゃ何でもいい」的なトコがあった(笑)。だから、「DON’T ASK ME」(BOφWY)や「DEAR ALGERNON」「独りファシズム」(ともにソロ)のようなフォークっぽいのもあったりする。
まあ、「ヴォーカリストとギタリストの違い」いわれちゃえば、そのとおりだと思うけどさ・・・ただ、そのせいか、この1stは「めちゃめちゃわかりやすい、ヴォーカル・アルバム」になっており、「たしかに“BOφWYっぽい”んだけど、“布袋の志向”が抜けている分、『BOφWYよりもさらにポップなロック』になってる」みたいなことがいえると思います。
でも、そのせいで、「BOφWYから入った組」からは、「ちょっと(バランスが)ポップのほうに片寄りすぎてない? っていうか歌謡曲すぎない?」みたいなこといわれ、「中期以降の氷室ソロから入った組」からも、「何ですか、この『薄っぺらい』っていうか『軽い』音は?」みたいなこといわれて、敬遠されがちだったりする(笑)。
氷室本人やファンにとっての代表曲ともいえるANGELは、アルバムverです。この曲はシングルverのほうが疾走感があって、カッコいいかな。このFFA収録verは、ややスローテンポですよね。
って、氷室の楽曲(先行シングルや、シングルカットされた曲)は、全体的に「シングルverのほうがいい」という傾向があったりしますが(笑)。
「SEX & CLASH & ROCK'N'ROLL」は、ライブver――とくにONSやラスギグのバージョンなんかもカッコいいです。ラスギグのジャズ・テイストを取り入れたようなバージョンは、お気に入りです。
STRANGERも、色褪せない名曲ですね。


NEO FASIO(1989.9.27)

収録曲
1.OVERTURE
2.NEO FASIO
3.EPCAPE
4.CHARISMA
5.COOL
6.SUMMER GAME
7.RHAPSODY IN RED
8.MISTY
9.CAMOUFLAGE
10.CALLING
11.LOVE SONG

Songs written by――1.MASAHIDE SAKUMA(music・インスト)、2.~5.7.~9.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、6.KYOSUKE HIMURO(word & music)、10.11.KYOSUKE HIMURO & GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

かなりヒムロックの趣味が全面に出てます。





「どポップス」でも「ハードロック」でもない、「(いわば)“B級ポップ”感全開!」



って感じで、初心者には非常にとっつきにくくなってます。
かくいう私も、最初はダメでしたが(苦笑)、聴いているうちに好きになってましたね~。
いや、ホントに、最初は嫌いだったんですよ(笑)。「やっぱBOφWYのほうがいい」「こんなのやってたら、ソロでは成功しないんじゃない?」って感じで。
「音」的には、なんていえばいいのかなぁ・・・? なんか、こう、「変に“サイバーっぽい”」とでもいえばいいのか、「80年代末にイメージできた世紀末感」とでもいえばいいのか・・・。マンガの「AKIRA」の世界観っぽい、とでもいうか(オレは、AKIRAという作品は未読、未視聴ですが/笑)。
とくに、「EPCAPE」「CHARISMA」「MISTY」なんて、当時はそのよさが全くわからんかったし、「CALLING」(なぜか20年近くして『FF7AC』のEDに使われた曲ね/笑)も、「氷室も綺麗事歌うようになっちゃったか・・・」なんて、ある意味で見損なっちゃったトコもあったり・・・
まあ、「COOL」と「SUMMER GAME」は好きでしたけどね。タイトル曲「NEO FASIO」も、元々好きだったかな。
ってか、「SUMMER GAME」と「RHAPSODY IN RED」は、このアルバムの中では毛色が違っててね。
前者は、「疾走感あふれるビートロック」って感じで、「ANGEL」や、のちの「NATIVE STRANGER」なんかにも通ずるトコがあるような気がします。
ちょっと話はそれるけど、ヒムロックのビート系の曲って、やっぱこういった「疾走感あふれる」系の曲のほうが好きですね。
同じビート系でも、「KISS ME」「SLEEPLESS NIGHT」「Claudia」といった「マイナー調なビート系」なんかは、たしかに「サマゲ」なんかと同様に「ビートが心地いい」ってとこはあるし、好きではあるけど、なんつーか、「サマゲ」なんかが「短距離走」「まさに疾走」って感じなら、「KISS ME」なんかは「中距離走」「飛ばしてはいるけど、どっか微妙にペース配分も」って感じがしません?
そういったこともあって、「サマゲ」は当時から好きでしたね(同じ理由で、「ANGEL」も「2003」より無印のほうが好き)。
まあ、そういっても、このアルバム、はっきりと「ビート系」といえる曲は、「サマゲ」くらいなもんです。
かといって、メロディアスなポップ・ナンバー(やバラード)が多いかといわれれば、そんなこともない(強いていうなら、前述の「RHAPSODY IN RED」が該当するくらい。まあ、個人的には「~BLUE」のほうが好きだったりもする/笑)。
やはり前述のとおり、「ポップスでもロックでもない、B級ポップ」としかいいようがないですね。まさにヒムロックの(当時の)趣味全開な作品です。
ただ、まあ、最初はダメだったけど、ある程度、年齢を重ねた以降は、このアルバムも大好きになってましたね。
当時はそのよさが全くわからんかった「EPCAPE」「CHARISMA」「CAMOUFLAGE」「MISTY」なんかも、30過ぎた辺りで、普通に好きになってたし。ってか、「MISTY」は、いまでは大好き(笑)。
そんなわけでね、この作品は、ファンへのサービス要素を大幅に削ったのが、逆に成功につながった数少ない例だと思います。それにより、「作品の特殊性」を表すことに成功し、また、「その特殊性による統一感」も築き上げることができたわけだから。


HIGHTER SELF(1991.4.6)

収録曲
1. CRIME OF LOVE
2. BLACK-LIST
3. VELVET ROSE
4. PSYCHIC BABY
5. MAXIMUM100の憂鬱
6. WILD AT NIGHT
7. STOMY NIGHT
8. CLIMAX
9. CABARET IN THE HEAVEN
10. MOON
11. JEALOUSYを眠らせて(Album ver)
12. LOVER’S DAY(インスト)

Songs written by――1.8.KYOSUKE HIMURO(word & music)、2.3.5.7.9.10.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、4.6.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO & SHOICHI TOMOMORI(music)、11.KYOSUKE HIMURO & GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、12.KYOSUKE HIMURO(music・インスト)

基本的には、前作同様、「B級ポップ感全開」なアルバムです。
ただし、こちらは、前作と比べれば、かなりバラード寄り。
「VELVET ROSE」「STOMY NIGHT」「MOON」は、まさに名バラードです。
とくに、「VELVET ROSE」はかなりのお気に入り。その、遠慮なしに「悲恋」というものを漂わせまくってるメロディと歌詞は、まさに秀逸!
――といった趣旨を、かなり前に某2chで書き込んだら・・・「おまえ、女だろ」「30過ぎのオババ」認定されちゃいました(いや、オレ、当時の時点で30過ぎのおっさんだって/笑)。
まあ、そうはいっても、このアルバムも(全体的に)発売当時はそのよさがわからなかったアルバムでしたけどね(これも、ある程度は年齢を重ねて、ようやく・・・/笑)。
JEALOUSYもやっぱ、シングルverのほうが好きですね。
「CRIME OF LOVE」は、後のONSのアレンジがカッコいいかな。
「LOVER’S DAY」はね・・・





やっぱり、歌詞ありのシングルverを収録してほしかったです(笑)。



まあ、発売前から、「シングルとはバージョンが違うんだろうな」というのはわかってましたけどね。
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歴史系マンガが好きだ! PART2

2020-12-05 22:08:59 | マンガ
前回(?)のことは、こちら(歴史系マンガが好きだ!)
世間が鬼滅フィーバーで沸いているというのに、「おっさん、おばさんからしか受けないような作品」のレビューで、すんません(笑)。


賊軍土方歳三 1~2巻(以下続刊) 赤名修
江戸~明治時代

2巻のレビューを。1巻のことは、こちら(賊軍土方歳三)をご覧ください。
まあ、なんというか・・・山本八重が美人(笑)。「麗しの女銃士」って感じです。
また、土方、沖田、斎藤、島田と、(ここからは回想ですが)新選組隊士たちの入浴シーンも。こっちは女性読者サービスですかね。
で、白河の戦いにて、斎藤が指揮する新選組抜刀隊が(土方、沖田も同行はしている)、西軍薩摩隊と激突するんですが・・・薩摩隊には、斎藤と因縁のある清原清の姿が。
清原は元高台寺党――新選組ファンなら、それだけで、斎藤との因縁はわかるでしょう。対する斎藤らにとっては、清原は近藤を・・・
斎藤と清原の一騎打ちは、見応えありましたね。「剣vs銃」ではあったんですが、一応は銃の盲点を突いて・・・
そういえば、ラストでは、土方も山本八重の銃撃をうまい具合にかわしてましたね。
っつーか、「斎藤一に山本八重」となれば、





時尾さんも多分、出てくるんでしょうね(笑)。



どのような時尾さん像になるのか、そして、この作品の、強面な斎藤が少しばかり照れ臭そうな姿を見せてくれる(?)さまが、楽しみです(笑)。


るろうに剣心 北海道編 1~5巻(以下続刊) 和月伸宏
明治時代

まあ、るろ剣の北海道編は散々、語ってますが(笑)。今回は出たばかりの5巻のことを。
正直ね、「新キャラ三人――明日郎、阿爛、旭は、持て余し気味じゃね?」なんて、思ってたんですが・・・この5巻では、阿爛のキャラを上手い具合に話に絡めてますね。
ってか、





観柳とセットで、いい味出してた気もしますが(笑)。



ともかく、あとは明日郎と旭ですかね。まあ、このふたりも、この5巻ではそこそこ活躍してましたが。
で、いま、名前を出した武田観柳。この人のキャラについては、るろ剣ファンに対しては、クドクド説明するまでもないでしょう(笑)。
ただ、この人さ、剣心たちの味方になりそうな雲行きじゃない? そこは観柳だから、剣心や左之に憎まれ口を叩いてるけど(刀馬鹿と力馬鹿/笑)。
味方というか、「互いの利害が一致しているうちは、剣心たちに協力する」といった感じかな。阿爛が彼を上手い具合に乗せて、彼も阿爛のことは気に入ってるみたいだから、乗せられたふりをして。
この作品で最も好きなキャラは斎藤一なんですが(散々、語ってますが)、ってか、この作品の彼は、「いままで見てきた数多くのマンガキャラの中でも、上位に入る」くらい好きなんですが、るろ剣という作品において、彼に次いで好きなのは左之助なんですよ。
「この人が主人公でもおかしくない」ほどに、王道なヒーローですよね。マンガ的な。拳で戦うのも好き(最初は斬馬刀を使ってましたが)。
で、和月さんの上手なトコは、「戦闘において、どのキャラも苦戦させる」「その描写がわかりやすい」ってトコだと思うんですよ。剣心、志々雄、斎藤のBIG3でさえ、ヤバいくらいのダメージを負わせたうえで、辛勝だったり、それに近い形だったり。まあ、志々雄と斎藤は高圧的な物言いを見せる人たちなんで、一見しただけではわかりにくいかもしれませんが(笑)。
ってか、京都編以降の話かもしれませんけどね、「苦戦が魅力」になったのは。それまでは、剣心は圧勝する場面も少なくはなかったかもしれんけど。
もちろん、圧勝は圧勝で、カタルシスのようなものもあるかもしれませんが、やっぱ戦いは泥臭いほうがおもしろいんですよ(見てる側は/笑)。
で、左之の戦いは常に泥臭い。今回の於野(おの)冨鷹(とよたか)との戦闘も、「むしろ左之の判定負けでは?」って思うくらい(笑)。
まあ、最後は於野に握手を求めるトコで、終わってますけどね。
ともかく、この5巻では斎藤は出てきませんでしたが、左之が戦ってくれたんでね、私としては読み応えがありましたね。


角栄に花束を 1~2巻(以下続刊) 大和田秀樹
昭和

まあ、これもね、先日、こちら(個人的おすすめマンガ?)のほうで軽く紹介してるんで、よろしかったら。
2巻では、角さんは満州に出征しています。出征いっても、戦闘に加わることはなく、兵站を主な任務とする部隊にいたようですが。
ここでも、角さんの人たらしぶりが遺憾なく(笑)。
「気に食わんから」という理由で殴りつけてくる鬼軍曹も、エリート意識ゆえに見下してくる見習い士官も、若くして海千山千な角さんには、むしろ手懐けられる始末。
そして、角さんの実務能力・・・軍での生活は案外、順調にも思えました。
ところが、角さんの身に病が・・・
このため、日本に帰還した角さん。病状は一向に回復することはなく、自身も「死」を覚悟したほどでした。
さらには、妹たちが若くして亡くなり・・・。
ただ、彼女たちが身代わりになったわけでもないでしょうが、自身の病状は奇跡的に回復します。
そして、元々の仕事に戻り、はなさんというお嫁さんも貰い、ようやく順風満帆になっていくかと思われましたが・・・対英米戦、開戦。
角さん自身もその周囲も、やがて・・・
そりゃね、持って生まれた胆力のうえに、こんだけの人生経験を積んでれば、やがて天下を取りますよね。常人だったら、潰れちゃうくらいに波瀾万丈。
まあ、そんだけの人だから、日本を(世界的に見れば)平和で豊かな国にしてくれたんでしょうね。まあ、国防は岸が安保で、経済は池田が所得倍増計画で担保してくれていた部分もあるでしょうけどね。前任の佐藤が、「自民党による政権担当を安定化させた」と、いえないこともないでしょうし。
それでもね、角さんが天下を握ってた時代(首相時代のみでなく、フィクサーだった時代も合わせて)が、日本人にとっては最も幸せな時代だったと思いますよ。
頂点にいるこの人が誰よりも人情家だったから、「日本全体が牧歌的で人情に溢れていた」とも、いえるんじゃないかな?
ともかく、「日本史上、(現時点では)最後の偉人」といえるでしょうね。田中角栄は。
もちろん、功罪の双方があるでしょうが。


そういえば、冒頭で触れた鬼滅も一応、大正時代らしいんで、歴史系ではありますね。
鬼滅はチェックしてませんが、やっぱり歴史系のマンガが増えましたよね、単行本を買ってる作品は。
前回、というか、以前に同じタイトル(無印)で紹介したマンガは、いまでもチェックしてますよ(ってか、秘本義経記の続きは?/笑)。
前回と今回に紹介した以外では、「新九郎、奔る!」(戦国)、「センゴク」(戦国)、「昭和天皇物語」(大正、昭和)ですかね。「極東事変」も「昭和史」といえるかな。
「昭和天皇物語」の7巻は、るろ剣5巻と同日に発売だったのかな? オレは同日に買いましたが。
この作品は、「激動の昭和」に入りましたね。即位直後から問題が山積みで、さらには戦争の足音が・・・昭和天皇の苦悩が、ますます深いものになってしまいますね。

歴史系以外のマンガは・・・また別の機会に(笑)。
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