マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

気がつけば、歴史マンガばかりに ――マンガ紹介――

2024-09-21 23:09:07 | マンガ
私が最近――といっても、かなり前のものも含まれますが、ともかく、読んだ作品を。
今回、紹介する作品は、いずれも「以下、続刊」です。
マンガはそう時間をかけずに楽しめるので、今でも重宝してますかね。

湘南爆走族ファースト・フラッグ 3巻

湘爆の前日譚です。
時代設定は昭和54年。江口たちはまだ中坊、いや、小学生ですかね? まあ、作中に江口や津山さん、アキラ、権田二毛作らは出てきません(少なくとも、現時点では)。
主人公はマコと茂岡ですかね。マコは湘南のお嬢様学校に通う女子高生で、華奢な体で500SSマッハ3を操るクールビューティな少女です。「白煙の女王」などと異名を取っています。
茂岡(=シゲ)は、やりたいことさえ見つからず、イライラを募らせている高校生で、そんな状況下でマコの噂を耳にし、彼女の走りに挑もうと(シゲはZ400)、彼女を追い続けることになります。まあ、ふたりは既に邂逅を果たしてますが。
まず、昭和50年代の雰囲気がいいですよね。昭和も最早、「歴史」なんでしょうが、「昭和50年代について、前半はかろうじてながらも、後半は確実に体験してきた」といえる私としては、やはり懐かしい。作中で、テレビの音声から、「江川投手、1年目のシーズンは云々」とかね(笑)。
また、主役ふたりのキャラもいいですよね。マコとシゲの関係性、今後はどうなるのかも気になります。

私、湘爆(無印)のマンガはほとんど読んだことないんですよ。実写映画も、チラッと見ただけ。ただ、高校生のころ、友達の家なんかでOVAを何作か見せてもらってね。





江口vs権田のタイマンは、マジでよかった。



江口も権田も、たまらなくカッコよかった。




昔のマンガには、権田のように「普段は主人公にイジられる三枚目だけど、一方では主人公が一目置く、あるいは背中を任せる」といった具合に、「腕はたしかで、決めるときは決める」というキャラがいたんですよね。「CITY HUNTER」の海坊主とか、「コータロー」の天光寺とか、「幽遊白書」の桑原なんかも、そうかもしれません。
ともかく、この湘爆は無印のころから、キャラが魅力的ですよね。

鎮護庁祓竜局誓約課 2巻

1巻については、こちら(『「波よ聞いてくれ」と「鎮護庁祓竜局誓約課」』)を。
斎(いつき)の「治癒能力過剰」の理由は、ハチくんにあるようですね。また、による“怪異”の説明も進みましたね。いずれも仮設の段階ですが。
ヒロインの草乃(かやの)は相変わらず、身体能力が半端ない(笑)。ってか、彼女の斎に対する想いも健気なままですね。それと、彼女には健康的な色気がある(笑)。
新キャラの翠(あきら)さんと八雲さんも、いい感じ。ふたりとも女性で、翠さんは「斎は(男として)どうか」みたいなこといわれ、「ないない」なんて答えてたのが(笑)。まあ、このふたりは合わないでしょうね。
また、神奈と六人部(むとべ)というキャラも出てきました。神奈は草乃の同級生で、少し飄々とした性格ながらも、朴念仁な斎に惹かれている草乃のことを心配しています(といっても、斎は草乃の気持ちを察してはいますが)。
六人部は斎の後輩で、同じく誓約課に所属する青年です。この六人部は、ワケアリかも。
なんつーか、「B級感」はあるかもしれないけど、たしかにおもしろい作品です。

逃げ上手の若君 17巻

アニメもおもしろいですね。
亜也子が自分に気のある敵将・桃井(もものい)のことを誘き寄せようと、ちょっとした色仕掛けで彼を誘ってね(もちろん、作戦上でね/笑)。
で、最後は桃井に、「私、ただデカいだけで、まだ十二歳!」なんて宣言してね。それを聞いた桃井が「オレは十歳の女児にベタ惚れして、二年間も追ってたのか。男としてというより、人として・・・」と、嘆いてました(笑)。
ただ、この時代、十二歳なら嫁入りできたんじゃないかな? 亜也子は、(胸はないけど)体つきは大人の女と比べても遜色ないし。
まあ、亜也子自身は若(時行)の奥さんになるつもりでしょうが(とはいえ、正室には拘ってないかな?/笑)。
やはり若の「お付き」である雫が、少しだけ正体を明かしましたね。敵将・高師直に斬られたんですが、なぜか無傷で――

雫(もっと力を出さなきゃ。いずれ、消えてなくなる身なのだから)
師直「貴様、人ではないな」


なんてシーンがね。まあ、その直後の雫の言葉は、彼女の存在の根幹にかかわるでしょうから、ここではやめときます。軽く調べてみたら、そういう信仰があるみたいね。

だんドーン 4巻

日本警察の父、初代大警視・川路利良を主人公にした作品です。「ハコヅメ」の作者によるもので、1巻のおまけページでは「ハコヅメ」のメインキャラたちが、銅像になっている川路さんの周りで、彼が残した「心構え」を読んでたりします(藤さんなんか、川路さんの顎を撫でてたような/笑)。
川路利良が主役ということは後々、斎藤一も出てくるんでしょうかね。るろ剣でも、このふたりは出演しており、川路は左之に「デコッパチ」なんて呼ばれてましたね(笑)。
とはいえ、「だんドーン」の川路さんは、まだ下っ端の薩摩藩士です。ようやく桜田門外の変が起こったトコなんで、斎藤の出番はまだまだ先ですね(池田屋、蛤御門の変、鳥羽伏見辺りで、ちょっと出てくるかも?)。
でね、オレは「ハコヅメ」という作品、ドラマとアニメしか見てないんですが、この作者のキャラは皆、いい意味で飄々としているというか、惚けたトコがあるのは何となくわかりますよね。
それと、川路たち薩摩藩と敵対する彦根藩お抱えの忍び――その女当目であるタカ。この人も魅力的ですね。
幕末の名君で、川路や西郷隆盛、大久保利通らが慕う島津斉彬は、タカの手にかかっています(この作品では、斉彬公は暗殺されたことになっています)。ってか、タカさんは見た目が美人な分、そのときの手口がよりえげつない描写になってたと思います。
また、タカさんが妙にエロいんですよね(笑)。とくにナイスバデーというわけでもないんですが、なんか妙に艶めかしい。やっぱ女作者の描く女性キャラって、そういう傾向にあるんですかね。この作者の絵柄も、決して美麗ではないんですが。
ともかく、そんな具合に、斉彬公のときはタカさんらが、川路らを出し抜きましたが、桜田門外では逆に、川路たちがタカさんらを出し抜きましたね。
そして後々、川路らは勝ち組として維新を迎えることになるわけですが、タカさんはどうなっていくんでしょうかね。案外、川路付の密偵になったりして(斎藤とコンビ組んだりね/笑)。

角栄に花束を 12巻

池田勇人による宏池会結成――これを「疾風の勇人」のほうで見たかった・・・。
池田の盟友であり、ライバルでもある佐藤栄作も周山会を立ち上げました。角さん(田中角栄)は、佐藤派に属することに。
このとき、角さんとしては葛藤があってね。池田も佐藤も、吉田学校の兄弟子ですし、どちらとも馬が合ったようですからね。
池田も当然、(池田の甥と、角栄の娘が結婚したことにより)親戚になったこともあり、角栄は自分のところへ来ると思ってたんですが・・・

「ワシには日本のためにどうしてもやり遂げねばならん“計画”がある。





そのときが来たら、派閥を超えて力を貸してほしい。頼めるか?



といった台詞を口にすることで、角さんのことを快く送り出します。角さんもそれに対し、「もちろんだとも!!」と。この約束は守られることになります。
これね、角さんが池田派ではなく佐藤派へいったことについてね。
まあ、まずは「池田のもとには、彼が大蔵次官だったころから弟分、子分として彼に付き従ってた前尾繁三郎や大平正芳がいた」「このため、自分が後継になるには障害が多い。また、大平と自分との友情もある」といったことが挙げられるだろうね。
前尾とも関係はよかったようだし、やはり角さんは情の人ですよ。
ただ、「佐藤派に自分のライバルがいなかったか」といわれると、ちょっとわかんないですけどね。のちの自身によるクーデターは、佐藤が実兄・岸信介の後継者である福田赳夫を総裁選で押したことによるものですし。
それと若き日の佐藤は(その後も?)、人に対する好き嫌いが激しいというか・・・そのライバルである池田は、佐藤と同じく官僚出身の政治家ではあるものの、(好き嫌いはあっても)親分肌のところもあったから、苦手な相手も取り込めるところがあったようですが、佐藤は徹底的に毛嫌いするトコがあるからね。角さんから見れば、危なっかしく見えるトコもあったんだろうね。
「池田の兄貴は、オレみたいなトコがあるから、オレがいなくても大丈夫だろうが、佐藤の兄貴は、人間関係に限っては」とでもいうか。
これらは史実においても、いえるトコがあるんじゃないかな? 史実における「角栄と、池田、佐藤との関係性」という部分についてね。
ともかく、この間、総裁選に勝った石橋湛山(総理大臣)が病に倒れ、65日で退陣し、副総理であった岸信介が総理総裁に。
その岸により郵政大臣に任命された角さん。「戦後初の30代の大臣」(このとき、角さんは39歳)となったものの、時の郵政省は・・・。
それでも、持ち前のバイタリティと、“地頭(じあたま)のよさ”をもって、突き進んでいき、いくつもの困難をクリアしていく角さんに、爽快感やカタルシスのようなものを感じますよね。
今後の「安保騒動→総裁選→池田勇人総理大臣、田中角栄大蔵大臣の誕生」までの流れが楽しみです。


峠鬼 7巻

古代日本を舞台にしたファンタジー――といっていいのかな? 微妙に史実や、実際に伝わっている伝説なんかと、リンクしていると思われるトコもありますが、神様も大勢、出てきますからね。
「古代神話にファンタジーやSFの視点を加えた作品」といった紹介がされているようですね。
主人公は妙(みよ)という名の少女で、生贄にされそうになったところを行者・役小角(えんのおづの)に救われ、以後は彼の弟子として、彼の旅に同行することに。
小角のもとには、善(ぜん)という名の少年――飢饉のため、やむなく家族の死肉を口にしたことで、になった少年もおり、小角の一行は(基本)三人で、倭国中を旅することになります。
ってか、神様の世界や、あるいは月面なんかに行くこともあったりします。
それでも、古代の日本、神話の時代の日本の雰囲気みたいなものを楽しむことのできる作品ですよね。
まあ、各キャラの設定的には、青年向けマンガなら小角が、昔の少年マンガであれば善が、それぞれ主人公になりそうではありますが、そこは「最近の“いい意味でB級マンガ”」です。やっぱ主人公は、道士としての才能豊かな少女・妙になるんでしょう。
7巻では妙が、三貴神の一柱であるスサノオと戦ったのですが、それが「街づくりSLG」というか、「人の世を進化させていくようなSLG」的なゲームによる対戦でね。
まあ、結局、妙が勝ち、スサノオは一行に力を貸すことになります。
この7巻最後では、倭国自体に動乱の兆しが見え始めていますね。壬申の乱になるのかな?

それにしても、歳のせいか、歴史マンガばっかだなぁ、オレが所有しているマンガって。鎮護庁が例外的というか(今回、挙げたものの中では。湘爆も昭和ですからね)。まあ、元々、歴史は好きでしたが。
上で紹介した作品以外では、お友達ブログで紹介されてた「ガス灯野良犬探偵団」や「石神戦記」なんかも、おもしろいですね。
「ガス灯」は、シャーロック・ホームズに協力していたベーカー街遊撃隊を大胆にアレンジした作品ですかね。「ベーカー街のストリートチルドレンたちが」というのは踏襲してるのかもしれませんが、主人公たち三人組――リューイ、ジエン、アビーのようなキャラたちは、この作品オリジナルなのかな?
リューイはとくに強いわけでもなく、靴磨きの経験から来る洞察力で解決していくタイプで、戦闘はジエン、身体能力が求められる場面はアビーが担当しているといった具合に、役割分担されてるのがいいですね。これにより、魅力、個性も分散されるし。
また、ホームズやワトソン、ハドソン夫人なんかのキャラも、かなりイジッてます。
「ダーティでニヒルで毒舌家なホームズ」や、「戦場帰りのイケメンなワトソン」「かわいい風貌に反し、ブチギレキャラであるハドソン夫人」などなど(笑)。
まあ、元々、ホームズもワトソンも武闘派だったり、ワイルドだったりするらしいですが。
「石神」は和風ファンタジーというか、「架空戦記」をかなりライトな絵柄やノリで描いた作品ですかね。もっとも、ノリのほうは「骨太な戦記モノ」という部分も色濃くありますが。
主人公のイサザとヒロインのヤチホもいいけど、兄上とミオさん、リッカさんのトライアングラー(?)が気になります(笑)。
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願いのアストロ

2024-07-06 22:28:53 | マンガ
「東京リベンジャーズの作者(和久井健)が、ジャンプで連載を始めた」という話は聞いていたんですが、地元のTSUTAYAに1巻があったんで、買ってみました。
読んでみて、久しぶりにマンガのレビューを書きたくなったかな。
まずね、率直な印象としては、





決して批判ではなく、



「ジャンプ風味の東リベ」




といった感じでした。
主人公の世剣(よつるぎ)ヒバルは、なんつーか、ガラの悪いルフィ(笑)。いや、ルフィもアウトローですが、そこまでオラついた感じはしないじゃないですか(まあ、20年くらいはワンピを読んでないんで、いまのルフィのキャラがどうなっているかはわかりませんが)。
ですんで、「ヤンキーなルフィ」というべきですかね? (笑)
で、そこはジャンプ・ヒーローらしく、「最初から強い」「義理人情に厚い」「ちょっとおバカなキャラ」といった造形ですよね。
東リベの主人公である花垣武道(タケミッチ)は、「義理人情に厚い」「ちょっとおバカなキャラ」ではありますが、ケンカは弱いですからね。まあ、私は東リベという作品、実写映画とアニメしか見てませんが。
ともかく、ある意味でマガジンっぽいヒーローというか。拓ちゃんやヤザワを踏襲しているというか・・・タケミッチは拓ちゃんタイプかな。ヤザワのようなクズなトコはないんで。
もちろん、ヤザワっぽいトコもありますが、それは「時に幸運とハッタリで切り抜ける」といった部分で共通しているというか。ただ、タケミッチの場合はあくまで「時に」ね。
今回のヒバルは、マガジン・ヒーローであるタケミッチとは異なる、あくまでジャンプっぽいキャラですかね、現時点では。
で、その相棒である世剣テラス





こっちは「ほぼ千冬」ですね(笑)。



東リベでタケミッチの相棒だった千冬ね。って、これも批判ではないですよ。多分、作者さんとしては、千冬っぽいキャラが好きなんだと思う。作家が好きなヒーロー像のキャラを、名前やデザインを変えて出し続けるのは、よくあることだし。
ちなみに、ヒバルと同じ苗字ですが、このふたりは兄弟――義理の兄弟です。テラスのほうが半年だけ早く生まれているせいか、彼のほうが兄貴ヅラして、ヒバルが「兄貴ぶるなよ!」みたいな台詞をね。
義理の兄弟というのはね、ヒバルの親父で、世剣組の先代組長である金剛という人が面倒見のいい人でね。数多くのヤンチャな子供、ワケアリな子供たちを養子に迎えて、育てていたためです。
まあ、「ヒバルという実子がいながら」ではあるんですが、金剛さん持ち前の義侠心から来るものです。ヒバルも義に厚い子供、少年と成長しているので、その辺は気にしないんでしょう。
ただ、養子を何人も迎えていたがゆえに、金剛さん亡き後、跡目争いというか、兄弟ごとに組、あるいはチームのようなものを持って、分裂してしまってね。
ちなみに、金剛さんはヒバルを跡目に指名してたんですが、その遺言を本人から聞かされたヒバル(一応、テラスもいたけど)は、ほかの兄弟たちに対して、「テラスが後継者」と嘘をいってね。ヒバルとしては、「オレは義侠心を貫く、極道になりたい」「兄弟たちが組の運営をビジネス化しすぎて、いまの組は冷てぇ」「オレの考えは古い。そんなオレがトップになったら、組が割れる」「テラスはオレみたいに不器用じゃないから、上手くやっていけるさ」といった考えからのものであるようです。
なお、上述の「極道になりたい」の「極道」は、「ヤクザそのもの」という意味ではなく、「道を極めたい」という意味合いですかね。
ともかく、そんなヒバルの考えとは裏腹に、兄弟たちは分裂してしまいます。もっとも、ヒバルが親父の遺言どおり跡目を継いでも、分裂しとったでしょうが。

そんなこんなで、主人公のヒバルは相棒のテラスとともに、兄弟たちに決闘を挑むことで、再び組をまとめ上げていく、というのが全体的なコンセプトですかね。
行く行くは、最強のライバルになるであろう長兄の獅鷹(しおう)とその一派を倒しに行くんでしょうか。って、いま気づいたけど、「北斗の拳」っぽいトコもあるんだな(笑)。
まあ、やはり「ジャンプ風味の東リベ」なのかな、と。
バトルもね、東リベらしく、殴り合いで戦うのが基本なんですが・・・





ジャンプらしく、特殊能力バトルでもあります。



まあ、物語の冒頭で、流星群が地上に落下したんですが、この流星群がもたらした何らかの影響で、世剣兄弟(ヒバル、テラスを含む)全員、そして、ほかのキャラたちまでもが「アストロ」と呼ばれる特殊能力に目覚めてましてね。
たとえば、ヒバルはビルをも吹っ飛ばすパンチ力、テラスは強力な攻撃を防ぐ「盾のアストロ」。あるいは、腕がドスに変化するアストロを持ったキャラもいましたね。
まあ、そうはいっても、いまのトコは前述のとおり、殴り合いというか、ケンカのようなバトルなんで、ジャンプ本誌からは離れてしまった私のようなおっさんでも、楽しめますかね。
久しぶりに、「単行本を集めてみようかな」と思える作品ではありますね。2巻では、ヒロインである世華(よばな)金羽(きんぱ)が出るようだし(笑)。
東リベでいえば、ヒナちゃんというよりは、エマや柚葉っぽいキャラなのかな?
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被弾するヒーローはカッコいい! (るろ剣・斎藤一)

2023-12-16 20:30:02 | マンガ


アニメの話も出てきますが・・・カテゴライズは「マンガ」にしときました。

まあ、斎藤のことは、ウチのブログでは散々、紹介してますが。
新作(リメイク)アニメで、前々回から出てきてね(第一話にも、剣心の回想で、声付きで出てましたが)。で、今回、





剣心vs斎藤



でしたね(最終回はまだ見てません)。
この戦闘は、るろ剣屈指の名勝負ですよね。オレ的にはベストバウト。
で、この斎藤はやたらと、下手すれば、剣心よりも被弾する――相手の攻撃を食らうんで、「強いんだか弱いんだか、わからない」みたいなことをいわれがちなんですよね。
この「vs剣心」のときも、彼の「延髄斬り」を食らってるんで、意外と過小評価されちゃう人だと思います、斎藤という人は。「この時点で、真剣だったら首チョンパじゃん」といった具合にね。
ただね、この一戦をちょっと解説させてもらうと――
まず、当初は斎藤も本気ではありません。大久保、川路からの命令による任務のため、剣心を殺す気なんてありませんでした。一方の剣心も「るろうにモード」で、かつ、動揺がありました。つまりはふたりとも、前半はまるで本気ではありません。
もし、斎藤に殺意があったら、この時点では剣心が「るろうにモード」なので、



対空の牙突で、彼は串刺しにされてました。

斎藤のほうもまだ本気でないとはいえ。
まあ、それでも、あのハイレベルな戦闘ですからね。ふたりとも、大したモンです。
で、劣勢だった剣心が徐々に「人斬りモード」に移行していき・・・ここで前述の「首チョンパ」なんですが、この時点でもまだ、剣心も斎藤も本気ではないんですよ。斎藤は「正真正銘、手加減なしの牙突だ」いってましたが、それでもね。
ふたりが本気――互いに殺意を抱くのは、

斎藤「もう殺す」
剣心「寝惚けるな。『もう殺す』は、オレのほうだ」

辺りでしょうね。
それらのうえで、「剣心が斎藤の刀を折り、それでも斎藤が引かずに、ベルトのバックルで剣心の逆刃刀を叩き落とす」「制服の上着で剣心の首を締め上げることで、彼の首の骨をへし折りにいく斎藤と、藻掻きながらも逆刃刀の鞘で斎藤を攻撃し、逃れる剣心」――直後、斎藤は拳打で、剣心は鞘で攻撃をしかけたところ、川路と大久保による制止。
と、まあ、こういった具合に、





斎藤も剣心も、互いに殺意を抱いたあとは、完全に互角なんですよ。



ゆえに、名勝負。それが斎藤だけ「剣心が本気だったら、殺されていた」いわれるのは、ちょっと心外かな(笑)。
ただね、たしかに斎藤は被弾の多いヒーローだとは思うんですよ。
「vs宇水」「vs志々雄」はいうまでもなく、人誅編の八ツ目や、上海マフィアの量産型みたいな敵キャラからも。
まあ、宇水はなんだかんだで、十本刀のNo.2ですし(安慈との差はほぼない――『状況によって、どっちが勝ってもおかしくない』って感じだとは思うけど)、志々雄はラスボス格のキャラですからね。このふたりからの被弾はしょうがない。ってか、志々雄には負けてるし。
って、八ツ目も量産型も、強キャラではあるんでしょうが。
それはともかく、やっぱね、





それでも「被弾しつつも、最後には勝ちを拾うヒーロー」って、カッコいいんですよ。



そもそも、





「被弾する」ということは「そんだけ、強い敵と戦っている」ということなんでね。



ケンシロウだって、キン肉マンだって、(スポーツだけど)翼くんだって、被弾(あるいは苦戦)しまくってたでしょ。冴羽リョウだって、そうですよ。とくにジャンプ・ヒーローは皆、苦戦、被弾しながら、どうにか勝っていくもんなんです(まあ、リョウは作風や彼自身のキャラクターもあり、圧勝も多かったけど)。
昭和のころのヒーローだけではないですよ。平成のジャンプ・ヒーローだって、湘北の面子も幽助も、ルフィも銀さんも、あるいは「ぬら孫」のリクオだって、苦戦、被弾はしとった。
ってか、剣心だって、「vs蒼紫」辺りから、被弾するようになりましたけどね。「vs斎藤」から被弾しまくるようになったのが、オレが彼を見直していった所以かな。
ってか、ジャンプ系でなくとも、例えばマガジンのヤンキーマンガなんかだって、ヒーローは被弾しまくってたでしょ。まあ、拓ちゃんとヤザワは元々、「ケンカ自体は弱い」という設定がありましたが、「強い」とされる、周りのヤンキーキャラたちでさえ。
英吉や龍二は「強い」とされてたけど、やはり被弾してた。
最近では東リベのキャラたちもそう。主人公のタケミッチは、拓ちゃんたち同様、「ケンカは弱い」なんで、被弾しまくるのは当然として、相棒で強いはずである千冬や、作中最強格であるマイキーやドラケンだって、話が進むにつれ、被弾するようになっていった。
あるいは、「葬送のフリーレン」なんかも、(アニメにおける現時点では)被弾せずに鮮やかに勝っちゃうフリーレンやフェルンより、敵の攻撃を受けつつも、どうにか勝ちを拾うシュタルクのほうが好感持てますね、オレとしては。
まあ、「フリーレンとフェルンは女魔法使いなんで、被弾なんかしたら、あっさり死んじゃうんだろうから、敵の攻撃を彼女らに当てるわけにはいかない(バリアみたいな魔法で防ぐ)」「対して、シュタルクは屈強な戦士だから(スペック的にね。性格はかなりヘタレですが/笑)」ってとこもあるんでしょうが。
それでもやっぱ、シュタルクの戦い方のほうが好きですね。って、彼の場合、「ちょっとコミカルなキャラクター性」が好き、ってのもありますが。とくに、「シュタルクが気になっているせいか、面倒見のいいところを見せつつも、やたらと彼には辛辣でもある」といったフェルンとのやりとりなんかね(笑)。
かなり話は逸れましたが(じつは、斎藤だけでなく、シュタルクも今回の『被弾するヒーロー』として取り上げるつもりだったんで、その名残ではありますが)、いつの世も「男子が憧れるキャラクター」というのは、被弾しまくりつつも、どうにか勝ちを拾っていく人たちなんですよ。
斎藤一には、そういう魅力もありますよね。ダーティ・ヒーローだけど、「ヒーローの伝統に沿っている」というか。
まあ、彼の場合、高圧的な物言いをするキャラなんで、悲壮感のようなものはありませんが(笑)。ただ、北海道編では「年齢による衰え」もあるのか、ちょっとそういうとこも出てきてますかね。

それはそうと、「剣心vs斎藤」の回、





薫殿の声優さんが迫真の演技でしたね。



「このままでは剣心が自分の元から去ってしまう」「また剣心が修羅の道へ戻ってしまう」といった焦燥感からくる絶叫のシーンね。
とても「からかい上手の高木さん」と同じ声とは思えない(笑)。って、それいったら、西片もエレン・イェーガーですが。
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因縁と復讐 るろ剣北海道編・巻之八

2023-01-06 22:55:23 | マンガ








宇水さん、意外と人望あったんだな(笑)。


はい、新年一発目はるろ剣です。
ってか、





「新年一発目の画像が宇水さん」というのも、どうかと思いますが・・・



まあ、男前の斎藤もいれば、イケメンといえる糸魚さんも描かれてますんでね。って、宇水さんもダンディさんではあるんでしょうが。
この伊差川糸魚(いさがわいとい)、5年前に斎藤が殺した魚沼宇水(作中の時系列としては京都編)の弟弟子でね。兄弟子の仇として、斎藤のことを狙ってましたよね。北海道編の初戦闘である斎藤vs白也の際にも、「斎藤一・・・」なんて、密かに闘志を燃やしてましたね。戦闘には参加してなかったけど。
ちなみに、斎藤vs白也のことはこちら(斎藤一は、まさに狼! るろ剣北海道編第六幕)で。
ってか、あんなに陰湿だった宇水さんも、この糸魚のことは可愛がったんですかね? 単純に強さだけで、ここまで慕われないだろ。志々雄の強さに惹かれた宗次郎だって、結局は袂を分かつことになったんだし(まあ、宗次郎の場合は、結果として毒家族から解放されたうえに、自身も強くなるきっかけを与えられたわけではありますが)。
まあ、この斎藤vs糸魚の、因縁の対決はとりあえずお預けとなります。
で、ちょっと話を戻して――斎藤、永倉、阿部vs雹辺の結末について。
まずは永倉の必殺技が披露されましたね。





「受(うける)・崩(くずす)・殺(ころす) 龍尾三匹」



――永倉らしい、派手な技です(笑)。ともかく、この技が雹辺を捕えます。
ただ、この雹辺、ふたり一組で戦う兄弟で、それまでは二人羽織(ただし、上下ではなく左右に並んでの、変則的な二人羽織)で戦っていました。それが永倉の「龍尾」により、兄のほうが右腕を切り落とされ、戦闘不能に。
それでも弟のほうは健在で、阿部をつけ狙います。
ところが、阿部のほうにも奥の手があって、隠し鉄砲――フィストピストルをもって、雹辺弟を迎撃。
この弟、兄よりも攻撃力は上ですが、防御力は劣るせいか、阿部の銃撃により傷を負います。さらには、栄次による狙撃でも傷を・・・
また、これらに活路を見い出した警官隊も懸命に発砲を加えてね。最後には、斎藤の牙突で撃破されることに。
やっぱり牙突は通常型のほうが見栄えがいいかな。奥の手である零式より、こっちのほうが好き。カッコいい。
ただ、斎藤が用いた刀が、雹辺兄が落とした奇天烈な刀でね。先端が曲がってて、(突き技をやるにあたっては)切っ先が己のほうに向いているといった、鎌のような形状だったので、雹辺弟を殺すには至りませんでした。
結果、直前に自害した兄とは異なり、弟は捕らえられます。
で、任務を終えた斎藤らが函館に戻ろうとしたところ、この記事の冒頭のとおり、糸魚に襲撃された、ということになります。
この際、斎藤は左腕の傷を広げてしまい、永倉の配慮で、しばらく休養に。この休息には、剣心も賛同してました。
これ、新たな刀を入手するまで、斎藤はお休みですね、「出番」という意味でも。糸魚に劣勢だったのも、「牙突に耐えきる刀ではなかったため」というのもあるんでね。糸魚に「だったら、新しい剣を手に入れろ」みたいなことも言われてるんでね。
斎藤ファンとしては、少し寂しいです。

今回ね、作者による「登場人物制作秘話」が興味深かかったですね。
無印のころは新選組の研究も進んでなかったため、斎藤が沖田より年下であることを知らなかったんだってね。作者自身が。知ってて、演出のために斎藤を年上にしたのかと思ってたよ(笑)。
澄州(すみす)隊長は、「あるキャラの関係者」なんて書いてありましたが・・・10年くらい前に、読み切り(特筆版の上巻に収録)でるろ剣をやった際に出てきた仮面の美女・エルダーさんの関係者ですかね。マスクの形状的に(笑)。

追伸
阿部の奥さんに癒されました。美人で、できた女でね。へそ曲がりな阿部も、奥さんには感謝してるみたいですね(笑)。
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カムイ31巻(完結)と「まっ探」12巻

2022-07-30 23:07:26 | マンガ

まずはゴールデンカムイから。
7年くらいですかね。大作になりましたね。
歴史系の、ハードともいえる設定ではありますが、ギャグも多くてね(笑)。
普段は男らしく、案外、カラッとした性格でもあるんだけど、戦うときは「ブチギレたバーサーカー」で、かつ、天然でとぼけたトコもある(決して、気取っているわけではない)杉元佐一――主人公からして、こうですからね。
さらには、ヒロインのアシリパさんも・・・(笑)





ションベン引っかけられて、満面の笑みを浮かべて喜ぶ主人公とヒロインなんて、初めて見ましたよ(笑)。



まあ、感動の再会のシーンでしたけどね。さらには、極寒の環境下で抱き合ったがゆえに、杉元の服のボタンとアシリパの瞼がくっついてしまい、無理に剥がすわけにもいかなかったため、白石由竹が咄嗟にションベン引っかけたんですけどね(白石も笑顔で/笑)。って、これは杉元が指示したんだったかな?
で、31巻ですが、土方歳三と牛山辰馬の散り方がよかったですね。ふたりとも、最後までカッコよかった。
ラストバトルという意味では、杉元vs鶴見中尉。これもよかったわ。まさに壮絶。鶴見はラスボスにふさわしいキャラですね。
そして、最終回。


このときの白石は、粋でカッコよかったですね。そのうえで、あのラスト(笑)。白石が最も勝ち組かもしれません(笑)。
ラストといえば、数年後の杉元とアシリパさん。共に暮らしています。
昔のマンガだったら、「ふたりの子供をアシリパさんが抱きかかえている」なんて描写もあったんでしょうが、それでも、このふたりが結ばれたことはたしかでしょうね。
さらに、おまけページもありまして・・・まあ、杉元とアシリパさんの描写はありませんでしたが、鶴見中尉(と思わしき人物)が太平洋戦争終結時、マッカーサーを動かしていたとは・・・
これさ、最初は鶴見中尉のことに気づかず、金塊の絵がコイン状だったから、白石王国のコインかと思っちゃってさ、





「白石、歴史を動かしたのか!?」なんて、思っちゃいましたよ(笑)。



まあ、よく考えれば、わかることだったのかもしれませんが(笑)。
ともかく、この作品には長い間、そして最後まで楽しませてもらえましたね。もちろん、中弛みもあったけど、そういう部分は「長期連載の宿命」みたいなもんでしょう。進撃の巨人なんかも、そういうトコあったし。
ともかく、楽しい作品をありがとうございます。

そういえば、実写化されるんだってね。
キャスト、どうなるんでしょうね。杉元は想像つかないなぁ。アシリパさんは、「10代序盤」という設定を無視するなら、橋本環奈辺り? アシリパさん、ポーランド系のせいか、目が大きく、パッチリしてるんで。体も小柄だし。
「10代序盤」という設定を重視するのなら、





「妻、小学生になる」で、小学生になった奥さん役を演じてた蒔田彩珠なんか、ハマるんじゃないかな。



この人は、演技も上手かったし。
白石は、錦鯉の長谷川さんが、もうちょっと若かったら・・・(笑)。

続きましては、「まったく最近の探偵ときたら」
相変わらず、ギャグがキレてますね(笑)。

猫木「子供はもういるのか?」
カグヤ「はい。ノムさんとサッチーを足して2で割ったような子が
名雲「それ、ただのカツノリじゃねぇか」

オレとしては、お気に入りです(笑)。
っていうか、カグヤさん、いいよな。クールビューティな女性なんですが、無表情かつ冷めた口調で、どぎついボケを(笑)。準レギュくらいにはなってほしいです。
そして、





試食さん(笑)。



試食さん回に外れなし! (笑)
いや、






「試食さんとマキさんが絡む回に外れなし」というべきか? (笑)


この辺は、噴き出しちゃいました(笑)。
まあ、マキさんも災難ですよね。この人、「さすマキ!!」(さすがマキちゃん、嫁に来いの略)なんて言われるほど、できた女性なんで、余計にね。
マキさんの魅力については、こちら(『まったく最近の探偵ときたら 9巻』)なんかを。
この作品、作者にとっては「最長な作品」になりつつあるんだってね。ほかの作品は知らんけど。
まあ、ギャグは長続きさせるのが難しいジャンルですが、この調子で突っ走ってほしいものです。
コメント
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