マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

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氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

もっとあぶない刑事・第20話「迷惑」

2013-12-28 12:47:56 | あぶない刑事
簡単にストーリーを紹介すると、こんな感じです。

向井京一・通称103号という殺し屋を追って、警視庁刑事・が横浜に流れ着く。
横浜には橘の元相棒で、ともに向井を追っていた金子が経営しているバーがある。金子には、かつて橘に囮として使われ、向井のために片足を失ってしまった、という過去がある。
一方の向井としては、長年追われ続けることを苦痛に思い、ここらでケリをつけるために、金子を人質に橘を誘き寄せることを画策する。
それも予測していた橘は、銀星会のチンピラとあえて乱闘騒ぎを起こすことで、自分の相棒になる骨のある刑事を探していた。そこへ駆けつけたタカとユージを相手にさらに乱闘を巻き起こすことで、とくタカに目をつけ、彼を相棒に指名する。

今回、





久しぶりに「ハードボイルドなあぶ刑事」って感じで、見応えありました。



ただし、





「かなり男臭い、昭和のハードボイルド」



って感じなんで、若い人には重苦しく映るかも(笑)。まあ、もっとあぶない刑事放送中に年号替わってますが、平成元年なんてほとんど昭和です。
今回の話、ルパンに例えるなら「昔のTVシリーズにおける、次元がメインのエピソード」ビバップなら「ジェットがメインのエピソード」ってトコですかね(笑)。
ともかく、結構、重いです。
まあ、冒頭に近いシーンで、

ユージ「とどめは、オレのクロスカウンターパンチよ」
鈴江「なにせ、カミソリパンチだからな」
カオル「カミソリ? それが?」





瞳ちゃん(ユージの拳を見て)「タワシみたい」



なんてのもありましたが(笑)。
っつーか、これは瞳ちゃん(長谷部香苗)にしては珍しいアドリブかと思われます。本人も素で笑いながら言ってたし、メンバー全員(とくに浅野温子が)、素で噴き出してました(笑)。
まあ、それはいいとして。
まず、橘って刑事についてですが、タカやユージ以上に問題児だったりします。ちょっとアル中で、拳銃もまともに撃てず(このため、タカのような相棒を探していた、という面もあり)、向井を追っているのも上からの指示ではなく、「独断で日本全国を追い続けて、今回、横浜に辿り着いた」といった、警視庁でも浮いた存在です。
ただね、もちろん、問題のある人で見習っちゃいけない人なんですが、事件への執念はまさにプロフェッショナルで、態度は悪いけど情にも厚い人でね。
ユージを始めとする港署のメンバーとしては、「橘が、今度はタカを囮にしている」なんて考え、とくにユージは彼に反発してたんですが――

タカ「103号の狙いはオレじゃない」
ユージ「タカぁ」
タカ「103号は、金子を脅して、橘を横浜に誘き寄せたんだ」
ユージ「誘き寄せた? 何のために?」
タカ「橘は、103号を3年間追い続けた。その執念に恐怖を感じて、橘さえ殺せば安全だと思ったんだ」

タカ「昔、同僚だった金子を脅せば、橘がやってくると思った」
ユージ「じゃあ、奴はなんで、あんなにタカのことを?」
タカ「橘刑事は、最初から103号に殺される覚悟だったんだ。





自分を囮にして、103号を誘き寄せるつもりでいたんだ



ユージ「それじゃ、あの人がタカを欲しがったのは、自分を標的にして、タカに103号を捕まえさせるためだった、ってわけか」
タカ「・・・





キザな野郎だぜ



まあ、つまりはそういうことです。って、誰よりもキザなタカにそんなこと言われたくないでしょうが(笑)。
ともかく、橘のような不器用なやり方しかできない刑事さんって、いかにも昭和の刑事ドラマって感じでいいですよね。スマートなやり方は決してできない、自分にはこういう損なやり方しかできない、っていうのは男の哀愁を感じます。
あぶ刑事は、おしゃれで小粋な作風がウリではあるんですが、そこは(ほぼ)昭和の時代にやってただけあって、こういう「泥臭くも切ない展開」「人情味のある、浪花節な話」も多かったりします。
橘刑事って人は、タカ&ユージや、あるいはトオルのような「スマートなイケメン刑事さん」ではなく、ちょっと汚い、いかにも昭和のおっさん(ただし、男前ではある)って風貌でね。こういう人がそういう展開やるもんだから、キャラクターと話の流れがはまるはまる。
橘役の苅谷俊介の演技も、ホントにすごい。ワイルドでダーティなおっさん刑事を熱演してます。
一時は石原プロにも所属した人で、西部警察にも出てました。ってか、無印あぶ刑事でもゲストで出てましたね。
そういえば、無印のDVD-BOXの最終回レビューで、銀星会会長演じる室田日出男の演技についても触れましたが、貫禄があったり、あるいはこの橘のような役を演じる俳優さんって、見なくなりましたねぇ。
黒幕役の人も、非エリートな人も、ちょっと前までカッコいい主役級だった、おしゃれな中年俳優さんが演じるようになっちゃって・・・そもそも、橘みたいな役自体が見かけなくなってるかも。
ラスト、御殿山プールで、金子を人質にとった103号=向井と対峙するシーンの橘は最高にカッコいいです。
施設に入る前、多分、舘ひろし歌う切なげなバラード(曲名は不明)をバックに、「最後の一杯」とばかりに、常に携帯していた(多分)ウィスキーをグビッとやり、

橘「出てこい、103号! きたねぇ真似するな。おまえの標的はオレのはずだ!」

――ここで103号(向井)による狙撃。橘、物陰に隠れ、拳銃を抜く――

橘「三年間だ。ここまで三年かかっちまったぜ!」
向井「大したデカだぜ! もっと早くに決着つけとくべきだったな」
橘「お互いにな!」
向井「拳銃を捨てて出てこい!」
橘「金子を返せ! 金子は関係ねぇ!」
向井「いいだろう」

――金子解放――

向井「拳銃を捨てろ!」

――橘、拳銃を捨てる――

向井「これでオレもやっと自由になれる」
橘「笑わせるな。





たとえオレが追わなくなっても、おまえみたいな奴に自由があるわけがねぇ!



この橘の台詞、カッコよかったなぁ。言葉の内容ももちろんですが、なんか橘が「魂の叫びを振り絞っている」って感じがして。
もちろん、最後はタカとユージが〆ることになりますが。
ちなみに、このときのふたりの台詞もカッコよかったです。
上の橘の言葉のあと、向井が「なんとでもほざけ!」いってライフルの引き金引こうとしたところ、

「おまえの自由は、死刑台の向こうにあるんだ」

直前に発砲して向井の狙撃を妨害しつつ、そんな言葉を口にしながら登場するユージもまた、男の色気を漂わせてます。
また、傍に寄ってきた橘に「鷹山」いわれたあとのタカの台詞――

「オレに命を預けるって、最初からそういってくれりゃよかったんですよ」

これもよかったわ。最初、橘が態度悪いから、反発し合ってたんですよね。渋々、彼とともに103号追うことを了承したとはいえ。
で、上の台詞を口にすると同時に、橘に手錠を渡し、彼に向井を逮捕させることで花を持たせようとする。やっぱハードボイルドと浪花節は紙一重! (笑)
忘れちゃならないのが、橘の元相棒の金子。
このあと、最後の悪あがきに、隠し持っていた拳銃を抜き発砲しようとした向井に対し、片足を失っていたゆえに常に杖をついていた金子がそれを放り投げ、命中させることで向井の反撃を阻止する。さすが、元刑事なだけあります。

そんなわけで、あぶ刑事風ハードボイルド(すなわち、浪花節/笑)を堪能した回でした。
正直、「もっと」はレビュー書くほどではないかな、なんて思ってたんですが、今回の話は書かずにいられませんでした(笑)。
コメント (5)
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進撃の巨人12巻

2013-12-15 13:34:57 | マンガ
母カルラを食い殺した巨人と遭遇するエレン。
ライナーらに腕を縛られていたため、ミカサに解いてもらうまでは手が出せず、その間、やはりカルラと縁のあったハンネスが、「敵討ち」とばかりに巨人に攻撃を加えるも、彼も無残に・・・
自分が殺すべき巨人に、母を食われた巨人に、恩人であるハンネスも食われ、さらには重症を負っているがゆえに反撃もままならないミカサや自分までもが狙われる状況に。このままでは大事なものすべてを奪われ、復讐すらままならず・・・


母さん・・・オレはなんっにもできないままだったよ!





進撃の巨人らしい、ヘビーで救いようのない展開。
これこそ、これでこそ、進撃の巨人です。
読者はただただ、息を飲みながら、ページをめくるのみ。





・・・えっ?


エレン、聞いて。伝えたいことがある。





えっ?





ミカサが・・・














え、えーと・・・これ、進撃の巨人ですよね?





えと・・・





ミカサが女の子してるんですけど!



いや、だって、





これが――





これですよ!




めちゃめちゃヒロインじゃないっすか! (いや、最初からヒロインですが/笑)
もちろん、ミカサ好きだけどさ、こんなに女の子な表情ができるとは・・・
まあ、そのあとはね。






「やはりエレン、やはり進撃の巨人」って感じではありますが。






ってか、これはミカサも惚れるし、アニも気に入りますよね。これこそがエレンの魅力であり、進撃の魅力の一部分ですね。
って、ここにカルライーター(カルラを食った巨人)がいて、作中ではすぐ近くでアルミンも戦っているんで、以前、ウチでも紹介した「アルミン=カルライーター説」は否定されましたね(笑)。

ストーリーのほうに話を移すと、まず、壁外にも人類はいるようですね。
壁内の人類に追い出されたか、あるいは敗れたか・・・ライナー、ベルトルト、アニがその壁外人類の工作員であり、座標となる者と、壁の謎を知る者を自分たちのテリトリーに連れ去ろうと、画策していたようです。あるいは、壁内人類の殲滅も考えての潜入だったのかな?
で、座標である可能性の高いエレンと、壁の謎を知る一族のひとりであるクリスタを釣る餌と成りうるユミル(彼女は彼女で謎があったりしますが)をさらって逃げていたのだが、エルヴィン率いる壁内人類軍の動きが予想以上に速く、また、一応はエレンも時間稼ぎしたために、エルヴィン軍(彼は調査兵団の団長で、率いている兵のほとんどが調査兵団所属なんですが、憲兵団やら、ハンネスら駐屯兵団も混ざっていたので、あえてそのように呼称)に捕捉され、さらには彼らが誘導した巨人たちにも囲まれ、乱戦状態に陥ることに。
ここで気になるのが、まず「壁外人類はどこで生活しているのか。どうやって、巨人たちから身を守っているのか」ということですかね。
単行本の付録のDVDが、「イルゼの日記」をアニメ化したものなんですが、作中、壁外で馬も立体起動も失ってしまったイルゼが、「北へ」みたいな言葉を呟きながら、壁外の大地を必死に逃げていました。
あるいは、北の地になにかあるのかもしれません。
また、エルヴィンが無知性巨人たちをライナーらの位置に誘導したかのように思えるトコも興味深い。「無知性巨人は知性巨人を(人間より)優先的に攻撃する」ということは作中では明言されてなかったと思いますが、エルヴィンは立場的に知っていたのでしょうか? そうなると、人類側の王族やら有力貴族、あるいはウォール教の幹部らも知っているということに。
ちなみに、ユミルも元々は無知性巨人であったっぽい描かれ方してます。
彼女が無知性時代に食らったのが、ライナー、ベルトルトの仲間であったマルセルです。
ユミル本人には記憶はないようですが・・・それにより、ユミルという人間に戻った、というか、人間になった、ということでしょうか。すなわち、無知性巨人が人間を食うと知性巨人になる・・・?
だとすると、父グリシャから打たれた注射が人工的に巨人化させるものだったとした場合、エレンもまた、人間を食らったということでしょうか。「初めての巨人化=無知性巨人」であり、すぐそばにいた人間――グリシャを食らうことで知性巨人になっていなければ、初めてエレンゲリオンになった際、すぐそばにいたミカサを食おうとするはず。
でも、それだと、「じゃあ、カルライーターは? ってか、巨人出現以来、人類のほとんどが食われまくったわけであり、それなら、巨人の多くは知性巨人では?」といったことが言えるわけだし・・・。やっぱ「知性巨人を食ったら」であり、ライナーらの仲間のマルセルも、彼ら同様、知性巨人だったということですかね?
まさに謎が謎を呼ぶ、ですね。
謎といえば、もうひとつ。
エレンの新能力





アパッチの雄叫び。



って、まあ、それは冗談ですが。
ともかく、エレンが感情を昂らせ、叫び声を上げることで、無知性巨人たちを使役し(?)、自分とミカサに迫っていたカルライーターを攻撃させる結果につながります。
「つながります」としたのは、エレンが狙ってやったものではなく、冒頭の画像のあとで、ブチギレて雄叫び上げた彼に無知性巨人たちが感応したかのように、カルライーターに食いついて行ったため、そのような表現にしました。
エレンがこの能力を使いこなせるようになったのかはわかりませんが、直後、自分たちに襲い掛かってきた鎧の巨人(ライナー)に対しても、同じ能力をもって、無知性巨人たちをけしかける結果になっています。
人類にとっては頼もしい能力の発現ではあり、ユミルはそれを見て「壁の中にも未来はある」と考えてました。ただし、壁外人類であろうライナーは「最悪だ。よりによって座標が・・・最悪な奴の手に渡っちまった」とかなり悲観しています。
このライナーの台詞も非常に気になります。壁外人類から見れば、壁内人類は悪魔の末裔といったまでの認識であるようなので。

こうして考えると、謎や伏線がちょっと回収されたかと思ったら、また新たなそれらが発生しちゃってますね(笑)。うまい具合に畳めるんでしょうか。
最後に、ある意味、最も気になったともいえることですが――





今回、嘘予告がない。



あれ、何気に楽しみなんですが(笑)。
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