マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

COWBOY BEBOP (お気に入り次回予告集)

2022-03-12 10:34:05 | カウボーイ・ビバップ

以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は「お気に入り次回予告」の紹介。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。

ビバップを語るには欠かせない、数々の名ゼリフ。
無論、作中のセリフにも同じことはいえるのだが、この作品はなんといっても、「次回予告」における各キャラのセリフややりとりがカッコいい!
ここでは、私自身がとくに気に入った「次回予告」を紹介していきます。
ただし、「私が自らの耳で聞き取った」ものにすぎませんので、多少の誤記はご容赦ください(苦笑)。

Session#3(ホンキー・トンク・ウィメン)予告
フェイ「諸行無常がこの世の掟。
盛者必衰のカネが鳴る。
カネは天下の回りものだが、
いつの日からか借金の山・・・
流れ流れて宇宙の彼方。
出会いましたは、カウボーイ。
――調子っぱずれのメロディで奏でるセッション、
『ホンキー・トンク・ウィメン』――」

Session#5(堕天使たちのバラッド)予告
スパイク「壊れたはずのオルゴールが突然鳴り出して、懐かしい曲が流れてくる。
オレはふと夢から覚める。オルゴールなんかは、ありはしない。
だが、オレの掌には、小さなオルゴールが乗っている。
そしてオレはまた夢から覚める。
まるでタマネギを剥き続けるように、どこまでも続く夢・・・
現実に辿り着かない――そんな夢だった。
次回、『堕天使たちのバラッド』――」

Session#7(ヘヴィ・メタル・クィーン)予告
スパイク「ヘヴィメタルって知ってるかぁ!?」
フェイ「なぁに? よく聞こえないんだけど!?」
スパイク「ヘヴィメタルだよっ!」
フェイ「なぁんだってぇ!?」
ジェット「おぉい、このうるさい音、何とかしろ!」
スパイク「次はずっと、これが流れてんだぜ!」
ジェット「オレ、出るのやめようかなぁ・・・」
フェイ「ぜぇーんぜん、聞こえないわよ!」
スパイク「次回、『ヘヴィ・メタル・クィーン』!」
フェイ「ちゃんと伝わってんの!?」

Session#9(ジャミング・ウィズ・エドワード)予告
エド「え~、来週から、エドが出まぁす。エヘヘヘ」
スパイク「『エヘヘ』って、誰だよ、おまえ?」
エド「え~、自己紹介します。エドワード=ウォン=ハウ=ペペル=チブルスキー4世だよ~」
スパイク「長っげぇ名前だなぁ・・・」
フェイ「誰よ、こいつ?」
エド「名前は自分でつけました。カッコいい~!」
スパイク「だいたい『4世』って何だよ?」
エド「次回、『ジャミング・ウィズ・エドワード』
ジェット「え~・・・ところで、この子誰なんだ?」
エド「見てねぇ~」

Session#10(ガニメデ慕情)予告
フェイ「逃げた女にゃ、未練はないが、心に刺さる小さな棘。
時の流れに身を任せ、ひとり生きては来たけれど、寄せては返す波の音に、心惹かれる渡り鳥・・・
次回、『ガニメデ慕情』――ジェット=ブラック、心を込めて歌い上げます」

Session#12(ジュピター・ジャズ前編)予告
エド「というわけで、みんなお亡くなりになりました。
みなさま、短い間、ご声援ありがとうございました。
最終回でした。ご冥福をお祈りします。アーメン。
次回からは、『カウガール・エド』をお送りしまぁ~す!
エドが主役だよ~。エヘヘ~」
スパイク「おぉい、ちょっと待て!」
フェイ「あんた、なに勝手なことをっ!」
ジェット「次回、『ジュピター・ジャズ(前編)』
スパイク「次もちゃんとあるぞぉ!」

Session#13(ジュピター・ジャズ後編)予告
スパイク「なぁ、男と女って、どう違うのかなぁ?」
フェイ「女は男よりも肝心なものを隠してる、って気がするけど・・・?」
スパイク「ふぅ~ん・・・でも、女らしくない女ってのも、いるよな?」
フェイ「男らしくない男だっているわ」
スパイク「『普段は女らしくないのに、ふとした瞬間、女っぽさが見える』ってのが、オレは好きだな」
フェイ「あらぁ?」
スパイク「おまえのことじゃないぞ」
フェイ「じゃあ、誰?」
エド「エドかなぁ~? エヘヘ~」
スパイク「次回、『ジュピター・ジャズ(後編)』――」
ジェット「オレかなぁ?」

Session#14(ボヘミアン・ラプソディ)予告
スパイク「どうなってるのか、この世界。一寸先は闇。
まったく、世の中間違ってる。
こうなりゃこっちが踏み外し、ドロップアウトなこの人生。
そんな風なあなたに送る、サイケデリックな狂詩曲――
次回、『ボヘミアン・ラプソディ』
さあ、君も、一緒に人生棒に振ってみないか?」

Session#15(マイ・ファニー・バレンタイン)予告
フェイ「愛! それはすべてを信じること」
スパイク「おいおい、マジかぁ?」
フェイ「愛! それはすべてを与える心」
ジェット「おぉい、そんな話だったっけ?」
フェイ「愛! それはすべてを受け入れる心」
スパイク「どうも怪しいなぁ」
フェイ「ウィットニー、そんなにあたしを愛して・・・?」
ジェット「ビバップの予告は、アテになんねぇからなぁ」
フェイ「恋人たちに贈るロマンティック・ラブストーリー。
――次回、『マイ・ファニー・バレンタイン』
スパイク「きっとウソだな」
ジェット「ああ、ウソだ、ウソ」

Session#16(ブラック・ドッグ・セレナーデ)予告
ジェット「さて、次回のカウボーイ・ビバップは、はっきりいって暗い。そして重い。
出てくるのは、いい年こいた汗臭い男ばかり。いいたかないが、地味だ。
子供は見ないほうがいいだろう。女性もよしたほうがいい。
それに、若い男も見ないほうが賢明だ。
――次回、『ブラック・ドッグ・セレナーデ』
オヤジだけは見てくれ」

Session#19(ワイルド・ホーセス)予告
スパイク「なんか、オレたちがこう予告やるってパターンも飽きてきたなぁ・・・。たまにはほかの奴にやらせ――」
アイン「アン、アン!」
スパイク「お、ちょうどいいな。よし、今回はおまえがやってみろ」
アイン「アン、アン!」
スパイク「へぇ~・・・」
アイン「アン、アン!」
スパイク「あ、そうなんだぁ」
アイン「アン、アン!」
スパイク「そりゃ、おもしろそうだなぁ」
アイン「次回、『ワイルド・ホーセス』
スパイク「あ、喋ったぁ・・・」

Session#20(道化師の鎮魂歌)予告
東風「ハハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
ハハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
アハハハハハハハ!
――次回、『道化師の鎮魂歌(レクイエム)』

Session#21(ブギ・ウギ・フンシェイ)予告
スパイク「最近、何かおかしいと思ってたんだよなぁ~」
フェイ「そういうことだったんだ~」
ジェット「んんっ? 何の話だ?」
スパイク「人は見かけによらない、つーか」
フェイ「不潔だわ、ホント」
ジェット「おいおい、何の話してんだよ?」
スパイク「まさか10代の娘になぁ・・・」
フェイ「軽蔑しちゃうわね」
ジェット「誰の話なんだよ!?」
スパイク「次回、『ブギ・ウギ・フンシェイ』
ジェット「オ、オレはなにもしてないぞぉ!」

Session#23(ブレイン・スクラッチ)予告
アンディ「今回のミーの活躍、しっかり見てくれたかな?」
スパイク「おい、ちょっと待てよ」
アンディ「さ~て、次回のネクスト・ストーリーだが――」
スパイク「なんで、おまえが予告やってんだよ!」
アンディ「またしてもミー、つまりはアンディが大活躍!」
スパイク「おまえの出番は終わってんだって!」
アンディ「『スペース侍』となったミーが、カウボーイたちをバッタバッタとなぎ倒す!」
スパイク「もう出ないんだよっ!」
アンディ「次回、カウボーイ・ビバップ、『アンディの逆襲』
スパイク「そんなタイトルじゃねぇだろっ!?」

Session#24(ハード・ラック・ウーマン)予告
エド「♪フフフフフフン、フフフフフフン
♪フフフフフンフフフーフン
♪フフフ、フフフ、フフフフフ、フーフン
♪フフフフフフン、フフフフフフン
♪フフフフフフンフフフ・・・ン
――次回、『ハード・ラック・ウーマン』

Session#25(ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編))予告
ジェット「どんなものにも始まりがあり、そして終わりがある。人生はその繰り返しだ。
来てほしくない終わりもあるが、避けられない終わりを経験していくこと――それが、大人になっていくってことなんだ。
早いモンで、ビバップも残りあと二回だが、その終わりをちゃんと見届けてくれよ。
――次回、『ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)』

Session#26(ザ・リアル・フォーク・ブルース(後編))予告
スパイク「いろいろあったが、次で最終回だ」
ジェット「え!?」
フェイ「えっ!?」
ジェット「長かったなぁ、でもなぁ・・・」
フェイ「過去は過去、未来は未来・・・」
スパイク「『やっと』って状況だな。ジェット、どうだ?」
フェイ「男は男、女は女、“いま”は“いま”・・・」
ジェット「これのおかげで、オレはアインを飼う羽目になったんだよなぁ・・・」
フェイ「あたしはあたし、あんたはあんた・・・」
ジェット「かわいいなぁ、やっぱり犬ってのはなぁ・・・」
フェイ「ただそれだけのことよ・・・」
スパイク「おい、ジェット。フェイはなにいってんだ?」
ジェット「でも、人にあげちゃったんだよなぁ・・・」
フェイ「どうでもいいけど――」
スパイク「っていうか、全然オレの話聞いてねぇじゃねぇか」
ジェット「お、おお・・・なんだっけ?」
フェイ「エド、どこいったの?」
スパイク「ま、いいや。というわけで、次回、『ザ・リアル・フォーク・ブルース(後編)』
――またどっかで会おう
フェイ「えっ、終わり?」


こうして振り返ってみると、やっぱビバップの予告はどれも魅力的ですよねぇ。
シャレた物言いややりとりもあり、コミカルなそれらもあり、そして意味不明、っていうか、「全然、予告になってない予告」(笑)もあり・・・。
仮に「予告コレクション」みたいなのがあったら、それだけでも楽しめるかも。
とくに、最終回の予告、





スパイクというか山ちゃんによる「またどっかで会おう」は、たまらなくカッコいい(笑)。



「堕天使たちのバラッド」の予告も、カッコいいですよね。

最後に、ビバップという作品についてですが。
これほどまでにハマッた作品、あくまで「オレにとっては」だけど、もう二度と出ないかもしれませんね・・・(っていうのは言い過ぎかもしれないけど、少なくとも、そうは出ないでしょう)。
ただ、だからといって、「続編」って言われるとちょっと・・・それはそれで、シラけちゃうでしょうね。
この作品は、「ああいう終わり方をしたからこそ、丸く収まった」っていえるのかと。
まあ、そうはいいながらも、仮に実現したら、絶対に見ちゃいますけどね(それと、ネトフリの実写版も見てみたい/笑)。


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COWBOY BEBOP (エピソード集2)

2022-02-05 19:44:52 | カウボーイ・ビバップ
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は「お気に入りエピソード」の紹介(PART2)。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。


ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)

エドとアインはすでに去り、(この回の以前に)記憶を取り戻していたフェイもビバップ号を出て、当てもなく火星をフラつく。その間、ジュリアの存命を確認したスパイクは、足を撃たれて動けなくなったジェットのためにフェイを呼び戻し、自身はビバップ号を飛び出していく――。
さて、最終回です。
まず、冒頭でクーデターに失敗し、捕らえられたビシャスによる、





「殺せ! いますぐに!」


「覚えておくんだな・・・蛇の毒はあとから効いてくるものだということを・・・」




といった台詞回しがカッコいいです。まさに悪の華! (笑)
で、組織(レッド・ドラゴン)としては、これを機に「少しでも障害になる可能性のある異分子」を排除する方向に動きます。
死んだことにして組織を抜けていたスパイクも、そして、やはり死んでいるはずのジュリアも例外ではありませんでした。
ジェットと飲んでいるトコを襲われるスパイク。
数も装備も圧倒的に相手のほうが上。そのうえ、ジェットが片足を撃たれ・・・
そんなピンチに駆けつけたのが、死んだはずのリンそっくりな男――シンでした。
何でも、このシンはリンの弟とのことですが・・・まあ、これはちょっと「ご都合主義」だとは思います(笑)。
さらにいえば、スパイクがあれだけ探して確証は得られなかった「ジュリアの存命」も、シンの口からあっけなく確認することができちゃいます(笑)。
まあ、ビバップという作品は、「緻密な設定」とかより「ノリやテンポ、あるいは各キャラの“生活描写”」がメインな作品ですからね。あんまり細かいこといっちゃうのも、ナンセンスでしょう。
それはともかくとして。
「この場はボクが」というシンの言葉に甘え、スパイクはジェットを連れ、おそらくは「モグリ」である馴染みの医者の元へと駆け込みます。
そこでジェットの治療をしたうえで、ビバップ号へ。
その間、ジュリアの危機を偶然、救うことになったフェイは、彼女の口から「スパイク」という言葉を耳にし、たしかな動揺を見せます。
このとき、ヒロインふたりが海を眺めながらタバコを吹かす姿は、めちゃめちゃ絵になってましたねぇ。
ふたりとも、「大人っぽい、落ち着いた佇まい」なんだけどさ、ジュリアのそれは「あくまでクールで、どっか陰のある感じ」がするのに対し、フェイのは「ちょっとだけ(カッコいいという意味での)ケバさをも醸し出している」感じがして。
このとき発していたふたりのそれぞれの雰囲気は、ジュリアもフェイも「自然に出てしまっているもの」であることは間違いないものの、ジュリアのほうは「いつの間にか身についていた」、フェイのほうは「意識して出しているうちに、やがて自然と出せるようになっていった」「気取っていたら、いつしか板についていた」って感じが何となく出てる気がします。
まあ、オレの「深読み」かもしれませんが(苦笑)、このふたりの“微妙な対比”は、個人的には大好きな演出です。
で、別れ際にフェイは、「スパイクに会ったら伝えて・・・“あの場所”で待ってる、って・・・」と、ジュリアに告げられるわけですが・・・





「なんで知ってんのよ!?」という言葉とともに、珍しく「不安そう」ともとれる目を浮かべたフェイが印象的でしたねぇ。



まあ、この時点で、「スパイクはやはりこの女の元へ・・・」っていう予感があったんでしょうね。
いや、彼女のスパイクに対する感情っていうのは、





「仲間意識以上、恋愛感情未満」



っていう感じだと思いますが、それでも、やはり「ある意味、嫉妬にも似た寂しさ」っていうのも、どっかにはあったんでしょう。
フェイって、普段は悪女っぽさを出したり、クールを気取ってたりするんだけど、時折、こういう風に「地」が出るんですよねぇ~(笑)。
ちなみに、彼女、記憶をなくす以前は、家柄のいいお嬢様だったりします。
まあ、そういったところが、彼女の魅力なんでしょうね。





アダルト、セクシー、そして「悪女」っぽく見せてはいるけど、じつは結構、情が深い。そのくせ、それを素直には見せようとしない。



――こうして考えると、やっぱフェイもかわいいなぁ(笑)。
当初は、「ジュリアもフェイもどっちも好き」って感じだったけど、しばらくしてからは「フェイ寄り」だったかな? (笑)
って、まあ、それはいいとして。
で、フェイはビバップ号に戻り、スパイクにジュリアからの伝言を伝えます。
そんときのフェイの、彼女なりのもどかしさ――スパイクの後ろ姿を見て、うれしいんだけど、「ジュリアの言葉を伝えなければならない」=「スパイクはいってしまう」といった寂しさから、声をかけられないでいたトコなんかは、またかわいいですよね(笑)。
まあ、結局、スパイクに「・・・何だ?」なんていわれて、いつもの口調や態度に戻るんですが(笑)。
それはともかく、こんとき、どうやらフェイは後をつけられていたらしく(スパイクには、『ま、早いか遅いかの違いだ』なんて、いってもらえましたが)、レッド・ドラゴンの戦闘機により、ビバップ号が襲撃されます。
それを迎撃するスパイク、フェイ、そしてジェット。
やがて、粗方のケリがつくと、ジェットはスパイクに対し、「行けよ」という言葉を口にします。
当然、ジェットとしては、やっぱスパイクとの間に友情を感じていたから、ホントは行かせたくないんですけどね。「ジュリアと再会したら、スパイクは自分の元へは顔を出さなくなる」からではなく、ジュリアの立場も何となく察していたから、スパイクが彼女と行動を共にするようになれば、かなりの率で、彼にも「死」というものが迫ってくる・・・。
このシーン以前に、「引き返せよ・・・」「もう、おまえはレッド・ドラゴンとは関係ねぇだろ!?」みたいなこともいってたしね。
それでもスパイクをけしかけるジェット――。
この辺は、男同士にしかわかんない感覚かもね(実際、フェイは、そんなジェットに愚痴ってたし)。
もちろん、友に死なれるのはつらい。とはいえ、スパイクという男は、(よくも悪くも)「自由気まま」を貫く男・・・。
そして、自分は彼のそんなトコに、手を焼かれながらも、惹かれていた。





そんな男との友情に応えるには、ここは引き止めるべきではない。



――ジェットとしては、そう判断したのかもしれませんね。あるいは、「仮に止めることができたとしても、ジュリアに会えないがために、抜け殻のようになってしまったスパイクなど、見るに忍びない」っていうのもあったのかも。
もっとも、





「どうせ止めたって、聞きゃあしねぇだろ」



っていう考えもあったんでしょうが(笑)。
まあ、いずれにせよ、彼にとっては「苦渋の選択」だったでしょうね。
こういうトコに、彼の男気、情の深さ、そして懐の広さみたいなものを感じます。この人は、立派な大人ですね。
そして舞台は変わって、“あの場所”。
雨のラストシーン。墓地に辿り着いたスパイクは、そこで待っていたジュリアに銃を向けられる――。



「前編」はここで終わってます。ただ、続く「後編」の冒頭で、ジュリアは銃を下ろし、スパイクと軽く抱擁を交わします。
そして今度こそ、




「このままどこかへ逃げよう・・・」



――このシーンを見てる限りだと、やっぱ「スパイク×ジュリア」という関係もいいよな~、なんて思っちゃいます(笑)。
たしかに、ジュリアほどの女だったら、すべてをかなぐり捨ててでも、一緒に逃げたくなるわ(笑)。
めちゃめちゃ美人だし、物腰も落ち着いて穏やかだし、どっか陰があるんだけど、それがやたら絵になってるし。
「普通の女よ・・・奇麗で危なくてほっとけない、普通の女・・・」――フェイがジュリアをそう評してましたが、たしかに「かばってやりたくなる」感じがするし、また、彼女のほうも男をかばうことができるような、すなわち、「お互い支え合うことができそうなタイプ」ですよね。まさにそういう意味では、スパイクがいってた「なくした欠片」っていう表現がピッタリ当てはまる。
いや、フェイもさ、付き合ってみれば、きっとそうなんだろうけどさ、彼女の場合、それが“パッと見”や、付き合いが浅いうちはわかりにくい(あの手の女を気取ってますからね/笑)。
対して、ジュリアみたいな女だと、「互いに支え合うことができそうなタイプ」であることが非常にわかりやすい。っていうか、その特有の“陰”や「儚げな雰囲気」から、たしかに男に「大丈夫?」といいたくなるような気持ち――保護欲みたいなものを生じさせやすいといえる。
この辺りに、「結局、スパイクの瞳にはジュリアしか映らなかった」所以があるのかもしれませんね。
で、スパイクとジュリアがとりあえず逃げ込んだ先――ふたりにとっては昔の恩人・アニーの店に飛び込んだトコから、物語はいよいよ佳境へと向かって走り出します。
「あんたは死んだ、っていったんだけど・・・」「ジュリアに会えたんだね」といったセリフを残し、息絶えるアニー。
そう、彼女は既にレッド・ドラゴンの襲撃を受けており・・・。
直後、再びレッド・ドラゴンがこの場を襲撃してくることを察し、無言のまま、アニーが奥に隠しておいたと思われるショットガンを持ち出し、弾を込めるスパイク。
そんな彼に対し、ジュリアはこう呟きます――「どこかへ逃げるのに、そんな武器はいらないわ・・・」
これも私の憶測ですが、この台詞、ジュリアにとっては「ダメモト」で口にしたものじゃないかな?
「“ふたりの今後”を考えた場合、アニーには悪いけど、一刻も早くこの場から立ち去るべき」「でも、この男(スパイク)には、そんな理屈は通用しない」――あるいは、そういう男だからこそ、自分は惹かれたのかもしれない。
まあ、この時点で、ジュリアは「直後の自身の運命」を察してたのかもね。そして、覚悟を決めたのかもしれません。
前述の台詞をスパイクに黙殺された彼女でしたが、だからといって反発することもなく、銃を抜いて彼の援護に回ります。
そんな彼女を待ち受けていた運命は・・・・・・





ジュリア「これは・・・夢ね・・・」
スパイク「ああ・・・悪い夢さ・・・」


このジュリアとスパイクの“最後のやりとり”は、必ずしも現実逃避ではなく(まあ、そういう部分も、全くないわけでもないでしょうが)、なんていうか、いかにも「彼ららしい別れの挨拶」って感じがしていいですね。
「最後まで“しゃれた物言い”で終わらせた」って感じがして。
で、ふたりとも涙を見せなかったのと、ジュリアの死に顔(上の画像)があまりに奇麗、「儚げな美しさ」だったのが、かえってこのシーンの印象を深めてくれましたね。
スパイクも、表には出してなかったけど、余計に・・・。
直後、当然、彼は(『ビバップ号に一度、顔を出したうえで』ではありますが)、レッド・ドラゴンに乗り込むことになります――。
一方、ビシャスは、処刑直前の“大逆転劇”で、レッド・ドラゴンを完全に掌中に収めることに成功します(スパイクとジュリアを襲ったのも、それまでの長老派ではなく、既にビシャスの手の者と化した構成員たち)。
この“大逆転劇”における、彼の台詞――





「紅い涙を流すがいい・・・!」



は、文句なくカッコよかったですね。まさしく“悪の華”です。
まあ、直後に、長老の眼球を刀で横一文字に斬り捨てる行為は、ちょっとグロかったですが(笑)。
ただ・・・この“大逆転劇”、矛盾も見受けられる気が・・・(苦笑)。
多分、長老派の中にも“隠れビシャス派”がいたんでしょう。彼らが処刑直前に蜂起するのはわかる。
でも、だとしたら、結局は失敗に終わった最初の蜂起の際、その直前に「長老側に漏れている」って密告があってもおかしくないはずだし(隠れビシャス派→ビシャス本人にね)、それにより、ビシャスのクーデターは1回目で成功してそうなモンなんだが・・・(『漏れている』ってことを逆手に取るなどしてね)。
かといって、「1回目は“隠れビシャス派”は不在だった」というのはちょっと考えにくい。いくらビシャスが「戦いの中でしか生きられない男」であっても、そんな不確定すぎる勝算で、大勝負に臨むとは思えない。
まあ、前述のとおり、「ビバップは細かい設定を楽しむ作品ではない」ですからね。ここもスルーしましょう(笑)。
ともかく、アニーの店にあとから駆けつけたビシャスは、ジュリアのコートやパスポートなどを確認すると、「奴は来る」と判断し、「スパイク追撃」を切り上げます。
「ジュリアが死んだ以上、奴はすべてのケリをつけにくる」――かつては友情すら感じ、戦闘においては互いの背中を預け合った仲です。スパイクの今後の行動は容易に予測できます。
その後、レッド・ドラゴンのビルの最上階で、静かに彼を待ち受けることに。
そして、物語はいよいよ佳境に――。
なにげなく、フラリとビバップ号に帰ってきたスパイク。それを確認したジェットの驚いた様子などお構いなしに、あくまで普段どおりの口調で、

「なんか食いモンないか? 腹ペコなんだ」

といった台詞を口にします。

スパイク「相変わらず、あんたの作る料理はまずいな・・・」
ジェット「その割に随分、食ってんだろうが」
スパイク「空腹は最高の調味料、ってやつさ」

――あくまで普段どおりのやりとりをしたあと、スパイクによる「百万回死んで、百万回生まれ変わり、愛し合ったメス猫が死んで百万回泣き、そして自分もようやく死に、二度と生き返ることがなかった猫の話」が。





スパイク「オレはこの話が嫌いだ。

――オレは猫が嫌いだ」




どってことないオチのあと、にもかかわらず、互いに爆笑するスパイクとジェット。
やっぱ、このとき、スパイクはもちろん、ジェットのほうも「最後の晩餐」であることを悟ってたんですよね。
「爆笑」ではあったけど、双方とも、どっか乾いた感のあるそれだったし・・・。
もちろん、ジェットとしては、ここに至っても行かせたくはないんだけど、「言って聞くような奴」じゃないし、「“ヤクザな生き方をしている男”っていうのは、ときには命を賭してでも臨まなければならないこともある」ってことを、自身も「同じ種の男」だから、余計にわかってしまってたんじゃないかな・・・?





これぞ、男の友情!



もう、男にしかわからん感覚かもしれませんね。
これ、もしオレがスパイクと同じ立場、彼と似たような性格であったら、やっぱ行かざるを得ないし、ジェットと同じ立場、似たような性格だったら、やっぱそんな相棒を止めることなんてできないよなぁ・・・。
しかし、女はそうはいきません。

「どこ行くの? ・・・なんで行くの?」

スパイクが部屋から出ようとしたところを、彼の横顔に銃を向けることで止めようとするフェイ。
その表情には、「怒りの色」すら窺えます。

フェイ「いつかあんた、いったわよね? 『過去なんて、どうでもいい』って・・・

――あんたのほうが過去に縛られてる!

これ、スパイクにとっては、ある意味、図星だよね。
「過去」そのものには拘ってないけど、「ジュリアへの想いと、彼女との記憶」となると、たしかに拘っていると言わざるを得ない。
ビシャスとのケリをつけるのだって、結局は「ジュリア絡み」でもあるわけだし。
それでも、スパイクの決意は変わりません。

スパイク(自分の顔をフェイの顔に近づけながら)「この目を見ろ。事故でなくして、片っぽは作りモンだ。
そんときから、オレは片方の目で過去を見て、もう一方で現在(いま)を見てた。
『目に見えるモンだけが、現実じゃない』――そう思っていた」

フェイ「そんな話しないで。『身の上話』なんてしたことなかったくせに・・・いまそんな話しないでよ」

スパイク「醒めない夢でも見てるつもりだった。
――いつの間にか、醒めちまってた」


フェイ「私、記憶戻ったの。でも、いいことなんてなかった・・・帰る場所なんてどこにもなかった・・・





――ここしか帰る場所がなかった!



一転、俯き気味に、叫ぶように呟くフェイ。
それでも、スパイクは無言のまま、なにも答えず・・・。

フェイ「それなのに、どこ行くの? なんで行くの?
――わざわざ命を捨てにいくってわけ!?」





スパイク「死ににいくわけじゃない。オレがホントに生きてるかどうか、確かめにいくんだ」



最後にそういい残すと、スパイクはその場をあとにします。
直後、フェイが引き金を引くも、スパイクに当てられるはずもなく、銃声だけがむなしくビバップ号船内にこだまします。
このシーン、ちょうどこのとき、「ザ・リアル・フォーク・ブルース」の、普段のエンディングではかからないフルコーラス・バージョンが流れるんですが・・・
イントロがかかった瞬間、





マジで泣きそうになりました(笑)。



「“彼なりに”ではあるけど、いつになく険しい表情を浮かべて、レッド・ドラゴンに乗り込むスパイク」「ビバップ号の船内から、ただ黙って窓の向こうの風景を見つめるジェットの後ろ姿」、そして「フェイの涙」・・・。
最初のうちはスパイクに感情移入してましたが、何度かこのシーンを見ているうちに、フェイの姿に「グッ」とくるものが芽生えましたね。
顔を少し俯かせることで、サイドの髪を垂らすも、さほど長くはないせいか、完全には隠れない横顔・・・たしかに確認できる彼女の涙・・・。
そのように、各キャラ(とくにフェイ)に最後のスポットが当てられたうえで――スパイクは、やがてレッド・ドラゴンのビルに辿り着きます。
玄関口で、手榴弾を蹴っ飛ばし、その爆発をもって、自ら戦端を開くスパイク。
見応えのあるガン・アクションを繰り返し、とはいえ、自らもダメージを受けるも、順調にフロアを上がっていきます。
途中、シンという心強い味方を得ることで、さらに最上階を目指すことに。
しかし、そのシンも敵の銃弾に倒れます。「ホントは、あなたに戻ってほしかった」という台詞を残して。
それでも、その悲しみを乗り越え、ビシャスのもとへと急ぐスパイク。
最上階で、瞑目したまま椅子に身を沈めていたビシャスも、ここに至ってようやく、ゆっくりと腰を上げます。
そして、三度(みたび)、対峙する両雄・・・!

スパイク「ジュリアは逝っちまった・・・終わりにしようぜ」

ビシャス「望みどおりに!」


発砲したうえで、間合いを詰めるスパイク。
突進してくる彼に小型のナイフを投げつけることで、応戦するビシャス。
そして、互いの弾丸と刃先が、互いの体を捉える・・・・・・。
これ、個人的には勉強になりましたねぇ~。
いや、私も一応は「アマチュア・クリエーター」(笑)の端くれなんですが、「現代劇、もしくは“架空現代劇”(ビバップは“架空未来劇”ですが)で、刀剣を使うキャラっていうのは、(銃による)遠距離攻撃にどう対応するのか?」っていう疑問が常々ありましてね。このビシャスの「投げナイフ」は、その「答え」のひとつだと思います。
いくらなんでも、「刀剣キャラに弾は当たらない」とか、「刀剣キャラに対し、銃を使う敵をぶつけない」っていうのは嘘すぎるしね(笑)。
まあ、それはいいとして。
ついに、この作品のラストシーン。
片足を引きずりながら、ゆっくりと階段を降りるスパイク。
ビシャスとのケリは着いたものの、自身も瀕死のダメージを負っています。
そのせいか、敵である彼の姿を確認しても、銃を下ろし、しばし惚けたように見つめているレッド・ドラゴンの生き残りたち。
そんな彼らに対し、人差し指と親指で銃の形を作った右手をゆっくりと上げるスパイク。
そして、人差し指の先端が丁度、彼らのほうを指し示したとき――



スパイク「バァッン」



小声ながらもたしかにそう呟くと、静かにその場に倒れ込む。
そんな彼の死に顔には・・・うっすらとした笑みが浮かんでいた――。
これ、スパイクとしては、「充分に生きた」っていう感覚があったんだろうね。
あるいは、スパイクのことだから、「悔いはあるけど、最後までそういったネガティブな気持ちを見せないために」っていうのも、あるのかもしれませんが。
私としては、「前者である」と信じたいですねぇ。
たしかに、自由気ままに生き、「馴れ合わず、離れすぎず」といった仲間たちに恵まれ、そして、最後には愛する女と再会できて、さらには昔の因縁とケリをつけることができたわけだし。
まあ、「死んじゃったら何にもならない」「残された仲間(とくにフェイ)にとっては、ただ悲しいだけ」っていうのも、わかるけどね。
それでも、男としては、彼の生き方って、





「理想形のひとつ」



だと思います。
ここまで自由気ままに、そして悔いなく生きられたキャラって、私が知る限りではスパイクだけであり、ルックスや小粋な言動、あるいは戦闘における強さももちろんそうですが、なによりも、そういった面がスパイクの魅力であり、後々に至るまで、私が彼に強く惹かれていた要因だと思います。
こんなにまで感情移入できた主人公って、今後、そうは出ないだろうなぁ・・・。そのうち、「フィクションのキャラクター列伝」でもやろうかな? まあ、スパイクは確実にリストアップされるでしょうね(笑)。
ってわけで、最後にこんな思いを言葉にして、締めくくりたいと思います――





オレも、スパイクみたいに自由に生きて、自由に死にてぇぇぇぇっ!!



いや、別に自殺願望があるわけじゃないですけどね(笑)。
まあ、銃もまともに扱えないし、あんな度胸ないし、なによりあんなにカッコよくできてない私には無理でしょうけどね(ビバップ号の面々ほどの『逞しい生活力』もないし/笑)。


さて、「ビバップ記事の再アップ企画」、次回は「次回予告集」を予定しています。それでとりあえずは〆る形でしょうね。
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COWBOY BEBOP (エピソード集)

2022-01-15 22:05:35 | カウボーイ・ビバップ
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は「お気に入りエピソード」の紹介。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。

このビバップという作品は、各エピソード、キャラ、BGM、そして次回予告など、“各部”においても、非常に魅力的といえます。
で、このうち、各エピソードについてなんですが・・・って、「エピソード紹介」というより、「お気に入りの回の紹介」ですかね?
個人的なお気に入りは、「ホンキー・トンク・ウィメン」「堕天使たちのバラッド」「ガニメデ慕情」「ジュピター・ジャズ(前編)(後編)」「ブラックドッグ・セレナーデ」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「道化師の鎮魂歌(レクイエム)」「ブキ・ウギ・フンシェイ」「カウボーイ・ファンク」「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」辺りですね。
まあ、それらの中から、かいつまんでレビューしています。


堕天使たちのバラッド

この回は、





序盤のヤマ場です。



この回は、「スパイクと彼自身の“過去”との因縁の始まり」ですね。
スパイクとしては、「もうどうでもいい」としたい記憶・・・だが、それを許さない男――かつての盟友・ビシャスの登場・・・。
じつは双方とも「過去そのもの」には拘ってないんだよね。まあ、スパイクの場合は、「ジュリア」という要素が絡んでくると、話は別だけど。
スパイクは「組織」だとか「抗争」だとか、そういったものに縛られるのを「よし」とせず、気ままな生活を望み、それを実践している。
一方のビシャスは、「スパイク(とジュリア)との過去」ではなく、「過去のスパイク」に一応の拘りを見せてるだけ。しかも、「牙」を失った、すなわち「戦いが生き様」だったころのスパイクでないと知ると、さっさと殺そうとする。
それでいて、ふたりとも、互いとの直接対決ともなると、






完全に過去に戻ってしまう。



ちなみに、このとき、スパイクは、人質に取られたフェイのことなどお構いなしに、彼女を盾にしている男の眉間を撃ち抜いてます(フェイの顔に返り血が/笑)。
こんときの彼の表情や佇まいはカッコよかったですねぇ・・・冷めきったものではあるものの、珍しく「意志」のこもった眼差しを浮かべ、静かに、そしてゆっくりと引き金を引く・・・。
一方のビシャスのほうも、戦闘を通じてスパイクが昔の彼に戻ったせいか、彼に対する殺害目的こそ変わってないけど、途中からその顔に、どっか(ビシャスなりの)喜色みたいなものが見受けられるようになってたもんね。
この辺りの描写は好きですね。
いま述べたような「視聴者にも明確にわかる心理描写」と、「なぜ、ビシャスは、“スパイクとの”過去には拘ってないのに、彼個人の“変化”は許せなかったのか?」「拘ってないはずなのに、なぜスパイクはビシャスとの戦いに応じたのか?」といった、





「視聴者に“想像”の余地を残した心理描写」



を併せ持ってるような気がしてね。
一見、っていうか、かなり矛盾してるでしょ? (苦笑)
でも、人間の心理なんてもんは、やっぱ矛盾が伴うわけで、この矛盾を見せたことで、スパイクとビシャスの彼らなりの“人間らしさ”というものを垣間見ることができてよかったと思います(創作におけるすべての『矛盾』を肯定してるわけじゃないので、注意)。
で、「ジュリア」という、ある意味、「物語のキー」となる人物を軽く、それでいて確実に、印象に残るような紹介をしておいて、「跳ねっ返り女」であるはずのフェイの意外性(スパイクを看病?)を見せておいて、この回は終了。
同じような状況で、偶然同じ鼻歌を歌ってたジュリアとフェイに対する、「スパイクの対応の違い」というものが、ジュリア、フェイというヒロイン(?)たちの性格やキャラの相違というものを、なにげにうまく表していると思います(それにしても、フェイのキレ具合はちょっと笑えた/笑)。


ガニメデ慕情

この回はジェットが主役です。
「昔の女(アリサ)との再会・・・そして、彼女のいま現在の男に賞金が・・・」っていう感じです。
まず、ジェットとアリサのやりとりがいいですね。

ジェット「・・・結婚したのか?」
アリサ「・・・





もう子供が三人



これ、彼女によるジョークなんですが、大人の男女――「大人」といっても「若僧」といえる世代じゃない、「中年」といっていい世代による「年相応のカッコよさ」が滲み出ている会話であり、ジョークですよね。
まあ、ジェットはなんだかんだで35歳だし、アリサも20代後半に見えるくらいなんで、「中年」といっていいものか、わかりませんが(笑)。
ちなみに、ここでフェイが、(その場にはいなかったけど)お得意の下世話ぶりを発揮してくれます(笑)。

「男って、昔の女がいつまでも自分を想ってくれてる、なんて思ってんのよね~」

いかにも彼女らしい、意地の悪い物言いです(笑)。
まあ、結局、スパイクに、

「『女がみんな、自分と同じ』だなんて思ったら、大間違いだぜ」

みたいなことをいわれ、フェイとしては「ぬっ・・・」といった表情を浮かべるわけですが(笑)。
また、エドによる名文句(?)・





「♪浪花節ブシ、鰹節~」



は、このふたりのやりとりの直後に見られます(笑)。
ともかく、ジェット周りに話を戻すと――。
この回のジェットの心情は、男としては痛いほどわかる気がしましたねぇ。
スパイクにいわれるまでもなく、「情け」なんてかける気はさらさらないんだけど、やはり相手は昔の女・・・。
強がりでも何でもなく、未練などあろうはずがない。それでも、男というのは「情の生き物」・・・とくにジェットは、ほかの誰よりも情に厚い・・・。
さらにいえば、「追いかけているのは、昔の女のいまの“男”」・・・見逃せば、「情けをかけた」、捕まえれば、「やはり嫉妬も・・・?」などと、あらぬ疑いをかけられるかもしれない。
それでも最後、アリサに発砲されながらも(彼女は素人なので、当たるはずもない)、結局は相手をとっ捕まえ、





「・・・守ってやれるほど、強くなれ」



なんて台詞を吐きながら、その場をあとにする・・・





男やね(笑)。



まあ、相棒のスパイクは、「やはり嫉妬も・・・?」なんて考える奴じゃないし、フェイにしたって、下世話ではあっても最低限の“境界線”みたいなものは、さすがにわかってるだろうしね。
だから、「仲間に恵まれたからこそ、やれたこと」ともいえるかもしれないけど、それでも、なかなかできることではないし、なかなかいえることではありません。

ジュピター・ジャズ(前編)(後編)

この回は、





中盤のヤマ場です。



「金庫の金を持ち逃げしてビバップ号を出ていったフェイは、木星の場末のジャズ・バーで、グレンと出会う。一方、『ジュリア』の名前を耳にしたスパイクもやはり木星へと飛び出していく。その木星にはビシャスとリンの姿も・・・」って感じの回です。
前編は、はっきりいってフェイにやられました(笑)。





「ほら、あたしって、いい女じゃない・・・?

――だから、男どもで取り合いになっちゃうのよねぇ・・・」




こんときの口調と仕草における、「微妙なアダルトさ、セクシーさ」が、何とも彼女らしくっていいですね。
しかも、いってることは、おもいっきり嘘っぱちですし(スパイクもジェットも、彼女にそんな感情持ってません/笑)。
まあ、結局、グレンに本心を見抜かれちゃうんですが。
で、後編のほうは・・・こっちもやっぱ、フェイですかね(笑)。
つまりは、私個人としては、「ジュピター・ジャズ」はフェイの心理描写が好きな回のようです(笑)。
結局、彼女、グレンの部屋で、ベッドで手錠かけられて軟禁されてたトコをジェットに助けられるんですが・・・





「ねぇ・・・ジュリアって女・・・何なの?」



などと、ハンマー・ヘッド(ジェットの愛機)の後部座席から、あくまで「興味はないんだけどさ」といわんばかりのアンニュイな口調と態度で、ジェットに問いかけてたシーンがあってね。
じつはグレンからも「ジュリア」の名を聞かされてたんで、単に「男どもに何らかの“縁”を持たせるその女は何者なのか?」といった、「ジュリアという女に対する好奇心」みたいなものからくる台詞なのか、あるいは「スパイクがこれほど固執する女って・・・」といった感覚からくるものなのか・・・?
まあ、最終回と照らし合わせると、後者のほうが強い気もしますが、この時点ではどちらともとれるような描写がいいですね。
それと、「仲間に対して素直になりきれない」という、「彼女特有の可愛げ」も、この2話では読み取ることができるんですよね。この辺りも、「名エピソード」たる所以といえるかと思われます。
ちなみに、「ベッドで手錠かけられて軟禁」されてたことから、ジェットに「そういう趣味の男だったのかぁ?」なんていわれてたのには、ちょっと笑ってしまいましたが(いや、意外とシリアスなシーンなんですがね/笑)。

マイ・ファニー・ヴァレンタイン

フェイの過去にちょっとだけ触れてます。
彼女がコールド・スリープから目覚めた際、なにかと面倒を見てくれた初恋(?)の相手(ウィットニー=ハガス=マツモト)とのシーンにおける、「ドレスを纏ったせいか、ちょっとだけ恥ずかしそうにウィットニーの顔を見上げるフェイ」がかわいいですね。
ちなみに、その回想は「フェイがアイン(犬)に語りかける」という手法をとってたんですが・・・じつはそのすぐ後ろにあるトイレにスパイクが入っていて、ようやく話が終わるころ、トイレの水を流す音とともに、





「・・・話、長ぇよ」



などと、手を拭きながら出てきたのには、ちょっと笑ってしまった(そのときのフェイの表情と態度――『い、いたの・・・?』/笑)。スパイクとしては一応、気を使ったんですけど、“出るタイミング”というものが、なかなかね・・・(笑)。
で、その後、ウィットニーが賞金首として、しかも変わり果てた姿でビバップ号にしょっぴかれてくるんですが・・・この際の、ガンを飛ばすかのような目でジロジロと確認するフェイの表情が、前述の「テレたような表情」と対比になってて、なかなかおもろいです(笑)。
ラストにおける、

フェイ「そんなに、あたしに帰ってきてほしかった?」
スパイク「よっくいうぜ」
フェイ「妬けたくせに。
――あたしの過去、なーんも、わかんなくなっちゃったな・・・」
スパイク「過去はどうあれ、未来はあるだろ?」


といった、フェイとスパイクによるやりとりも、よかったですね。
ただ、この際のスパイクによる最後の台詞が、最終回のふたりの会話に、あのような形で絡んでくるとは、思いも寄らなかったですが・・・。


で、最後に、「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」もやりたかったんですが・・・2話だけであるにもかかわらず、かなりの量になってしまうので、後日。
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COWBOY BEBOP (キャラ紹介)

2021-12-31 21:43:13 | カウボーイ・ビバップ
Netflixで実写化された記念というわけでもありませんが(ネトフリ版、あまり評判は・・・/笑)。
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は主要キャラの紹介。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。

作品概要
舞台は2070年の太陽系。“ゲート”(めっちゃ簡単に説明すれば、ワープ空間)開発と、地球以外の惑星の開拓に成功した人類は、その生活空間、居住地域を太陽系のほぼ全域へと拡大していった。
一方で、順調な科学文明の発達とは裏腹に、治安の悪化は著しく、警察機構だけではとても維持しきれないほどにもなっていた。
このため、政府としては、開拓時代のアメリカなどにあった「賞金稼ぎ」の制度を復活させ、カウボーイと呼ばれる連中にも、治安の一翼を担わせることに――。
で、この作品の主人公のスパイクは、相棒のジェットとともに賞金稼ぎ=カウボーイとして勝手気ままに暮らすも、結局は・・・っていうオチです。
まあ、途中、不二子ちゃん以来の(?)「アダルトでセクシー・ダイナマイトなヒロイン(?)」・フェイやら、天然おバカなハッカー・エドなんかも仲間になり、クールでダンディでセクシーで、 ちょっとおバカなストーリーを繰り広げていく、っていう感じです。
まあ、「おしゃれで小粋なハードボイルド・アニメ」ってトコですかね。

キャラ紹介
スパイク=スピーゲル(CV.山寺宏一)
いわずとしれた主人公。
27歳。出身地・火星。名前とは裏腹に、見た目は東洋人。
長身痩躯といっていい体格。が、脱ぐと結構、いい体をしている。着やせするタイプ?
フェイ曰く「モサモサ」な髪と、ルパン並みに細い足が特徴。
ルックスは“優男的いい男”。まあ、顔の作りそのものは「ずば抜けて」というほどではないが、黙っていると、哀愁すら醸し出すような顔立ちをしており、それが彼の魅力となっている。
飄々として、何事に対しても気怠そうな(実際、大抵はやる気がないのだが)態度で取り組むような性格。
が、腕はたしかで、かつては「レッドドラゴン」というマフィア組織にも属していた。
「ガキと、ケダモノと、跳ねっ返りの女が大っ嫌い」らしい。
愛銃はジェリコ941改(イスラエル製)。ジークンドーの使い手でもある。愛機(戦闘機)はソード・フィッシュⅡ
やっぱ好きですねぇ、こういう主人公。「腕はたしか」とはいえ、ヒーローにありがちな「超人的な強さ」を感じさせないトコもいいやね(笑)。
彼を演じる山ちゃんといえば、コミカルなイメージが強いかもしれませんが、エヴァの加持さんといい、このスパイクといい、二枚目キャラをやらせると、めちゃめちゃカッコよくなる(笑)。

ジェット=ブラック(CV.石塚運昇)
スパイクの相棒。
35歳。出身地・金星。
人種は不明だが・・・残り少ない髪の色や、その性格から考えると、日本の古きよきオヤジ像が浮かぶ・・・。
ガタイはかなりいい。顔つきも、強面ではあるが、整ってはいる。頭は禿げ上がっているが、彼の場合、それが短所になっていない。むしろ魅力のひとつかも。
元ISSP捜査官。ISSP時代、とある事件で片腕をなくし、現在もそこだけサイボーグ化したままである。
「いまどき再生手術なんて安いモンじゃない?」――フェイにそのことをツッコまれていたが、本人は手術する気なし。
熱血オヤジではあるが、じつはビバップ号(彼らの居住空間となっている宇宙船)の中で、唯一の常識人。趣味は盆栽。
愛銃はワルサーP99。愛機はハンマーヘッド。また、ビバップ号のオーナーでもある。
スパイク、フェイ、エドにペースを乱されっぱなしなトコが、何となくかわいい(笑)。
誰よりも渋く、そして面倒見のよい男。こういうオヤジキャラもいいですね。
運昇さんは故人です。ガタイのいいキャラを演じさせたら、逸品な方だったんですが、じつはニュースステーションのナレーションなんかもやってたんですよね。

フェイ=ヴァレンタイン(CV.林原めぐみ)
ビバップ版不二子ちゃん。
23歳。が、そのじつ、50年前の事故により、当時の医療技術では治療不可能であった重傷を負ったことから、コールドスリープを施されており、数年前に目覚めたという、実年齢は不明なお姉さん(?)。
出身地・地球。少女時代は品のいいお嬢様。
中国系。っていうか、多分、華僑の家柄でしょう。
最初は「アダルトでセクシー・ダイナマイトな姉ちゃん」なんて思ってたんだが・・・そのじつ、「アダルトに見えないこともないが、アダルトになりきれない」「セクシーな格好や言動を見せてはいるが、セクシーになりきれない」「跳ねっ返りに見せておいて、跳ねっ返りになりきれない」ってトコが魅力なんだよね。「不二子ちゃんになりきれない」っていうか。他人に対しても、冷めているように装ってるけど、じつは結構、情が深い。
まあ、記憶のない姉ちゃんが、しかも荒れた時代を生き抜くには、あれくらいしたたかで強気に変貌しなければならなかったのでしょう。
っていうか、元からその素質はあったのかも(笑)。
自称・ロマニー。が、スパイクに「“ロマニー”なんてのも、ウソなんじゃねぇのかぁ?」と、いわれたりもした。
愛銃はグロッグ30。愛機はレッドテイル。
「一応はアダルトでセクシー・ダイナマイト」とはいえ、不二子ちゃんのように爆乳ではないので注意(だから、おっ〇い星人は、あまり萌えないかもしれない)。
こういうヒロイン(?)も大好きです! 以前は「フェイもジュリアもどっちも好き」だったが、何度も見てるうちに、フェイのほうに傾いていきましたね。って、もう10年くらいは見てないけど(BD-BOXが出たときに見て以来か?/笑)。
林原さんは、綾波レイで初めて知ったんだが、その綾波の直後にフェイという全く違ったキャラだったんで、「声優って、すげぇ」と思いましたね。

エド(CV.多田葵)
本名:エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世(長っ!)。っていうか、自分でつけた名前なので、本名といえるかどうかわからんが・・・
出身地・地球。人種は不明。肌は褐色だが・・・
15,6歳かな? 外見、言動とは裏腹に、女の子なんで、要注意!
天然おバカキャラだが、超一流のハッカー。彼女に対し、何だかんだツッコミを入れながらも、ビバップ号の面々は、その能力を結構、アテにしていた。
ブキ・ウギ・フンシェイにて、メイファに対し、「(ジェットの)愛人さんですか~?」と、宣ったのには笑った(その際のジェットの反応は・・・/笑)。
彼女を演じていた多田葵さんは、本放映時、現役女子中学生だったらしい。

アイン
そのじつ、脳を手術され、それにより犬とは思えないほど高い知能を有している。
このため、学術的にも経済的にも、非常に価値が高いのだが、ビバップ号の面々はそのことに気づいていない(あるいは、エドは・・・?)。
人間の言葉も理解しているようだ(ただし、言葉が話せるわけではない)。
「ビバップ号の主人はジェット」と認識しているようであり、そのせいか、スパイクは何度か噛まれている。まあ、スパイクのほうも、アインをかわいがっているわけではないが。
フェイから、彼女の過去を聞かされた経験あり。

ジュリア(CV.高島雅羅)
スパイクにとって重要な女性。作中、彼が唯一、愛した女性である。
長身痩躯で(スパイクとも大差ない)、ブロンドの長い髪が印象的であり、目つきにも雰囲気にも、どこか陰がある。
落ち着いた雰囲気の、大人の女性。
が、スパイクともビシャスとも関係を持っていた。
そのため、フェイのファン、とくに「スパイク×フェイ」派には、めちゃめちゃ嫌われている。「ジュリアって、女狐じゃん!」って感じで(笑)。
エンディングでは、彼女とスパイクとビシャスの三人が、信頼し合っていたころのセピア色の光景が・・・。
フェイも好きですが、ジュリアも好きですね~。
女性のファッションに関しては、どういうわけか、「露出の少ないファッション」が好きでして、そういう意味では、服装に関してはジュリアのほうが好きですね。

リン&シン(CV.緑川光、檜山修之)
スパイクがレッドドラゴンにいたころの弟分たち。
「双子?」っていいたくなるほど同じ顔だが(笑)、兄のリンのほうがオールバックで、弟のシンは髪を下ろしている。
ふたりともスパイクを慕うと同時にビシャスも慕っており(シンはそうでもないかな?)、スパイクがレッドドラゴンを抜けたあとも組織に残ったのは、その辺りに理由があるのかもしれない。
木星において、スパイクがビシャスに挑んだ際、ビシャスのガードを務めていたリンはスパイクに銃を向け、引き金を引く。結果、スパイクは意識を失う。とはいえ、弾丸は麻酔弾に替えてあった。
その後、ビシャスがグレンに奇襲を受けた際、リンはビシャスを庇って、この世を去る。
一方のシンのほうは、スパイクにジュリアの居場所を教え、また、ジュリア死亡後、単身レッドドラゴンに乗り込んだスパイクに手を貸し、一時的に共闘もした。
が、その戦いで死を迎えることに。
「スパイクとビシャス」という両雄の間(はざま)で・・・あるいは、この兄弟はビバップで最も辛い宿命を背負わされた男たちかもしれない。

グレン(CV.堀内賢雄)
両性具有のサックス・プレイヤー。
ビバップ号を飛び出したフェイが、木星にてチンピラに絡まれた際、彼女を救う。っていうか、彼女のほうが圧倒的に優勢だったんだが(笑)。
その後、自室に彼女を招き入れた際のふたりの会話は、なかなかおしゃれかつセクシー(とくにフェイが/笑)で見応えがあったのだが、ビシャスとの繋がりを知ったフェイに、シャワーを浴びているところを乗り込まれる。
その際、フェイが目にしたものは・・・女性のような乳房と、男性の象徴を併せ持つグレンの姿であった。彼はただ微笑を浮かべるのみ・・・。
結局、身動きが取れないようにベッドの上に縛られたフェイ。だが、それを発見したジェットに「そういう趣味の男だったのか~?」とツッコまれるも、「そんなんじゃないわよ」と、ボソッと答えるのみであった。普段の彼女だったら、ギャーギャー騒ぎそうではあるが(笑)、あるいは彼女なりに、グレンの「わけありで、儚げな雰囲気」に同情を禁じ得なかったのかもしれない。
直後、ビシャスとの戦闘で死亡。
じつは元傭兵であり、土星にてビシャスとともに戦ったことのあるグレンは、彼を「戦友」と考えていたのだが、彼に裏切られ、刑務所に服役することになった、という過去を持っている。
「裏切られた」ことに苦悩したグレンは、服役中に精神安定剤を過剰に服用し、その副作用で、このような体つきになったのだが、やはり最期までビシャスの裏切りに対し、「憎しみ」よりも「疑問」の感情のほうを強く抱いていたようだ。それはビシャスへの、性別を超えた想いによるものかもしれない。
最期は、スパイクの手により、自身の望みどおり、愛機とともに土星へ向けて打ち上げられた。

メイファ(CV.小笠原亜里沙)
ジェットとちょっとした縁のあった風水師の娘で、自身も風水に精通している。
中国系ではあるが、肌は褐色(それ以外はたしかに中国系)。
10代半ばの少女であり、あまり異性というものを意識しない性格かもしれない。
結構、ハキハキと喋るものの、明るすぎず、暗すぎずといった、「風水に通じている」以外は普通の女の子っていう感じの子。
「ジェット=ロリ」説を定説にした少女(笑)。まあ、メイファ本人は、意識すらしてなかったが。
一方のジェットはというと・・・まあ、彼のほうも「女性」としては全く意識してなかったが、少なくとも「親子」とは見られたくなかったようだ(笑)。

フェイ「ねぇねぇ、愛人?」
スパイク「にしちゃ、若すぎるだろ?」
フェイ「じゃあ、隠し子?」
スパイク「にしちゃ、歳食い過ぎてんだろ?」


――メイファをビバップ号に招き入れた際の、フェイの下世話ぶりが笑える(笑)。

ビシャス(CV.若本規夫)
銀髪と日本刀が特徴的な、スパイクのライバル的キャラ。
非常に寡黙な男で、スパイク同様、とらえどころのない男ではあるが、スパイクがどこか飄々としたタイプであれば、ビシャスは「どこか不敵な男」である。が、スパイクに対しては蛇のような執着を持っている。
スパイクがレッドドラゴンに属していたころは、彼の相棒的な立場であり、彼による回想シーンでは、ふたりで共闘している姿も見受けられる。その際、ふたりとも互いに対し、信を置いているような笑みを浮かべていた。
ジュリアを含めたこの三人の中には、たしかに「友情」というものが存在したようである。
そんな彼がなぜスパイクと敵対し、彼に執着するようになったのかは、作中では明らかにされていない。
ジュリアを寝取られた恨みか? 「戦い」というものに対し、(ある意味)柔軟な見方をするようになったスパイクに絶望し、もう一度彼を修羅の道に戻そうとしたためか? ――その答えは、ビシャス自身にもわからないかもしれない・・・。
もっとも、彼は典型的な“戦いの中でしか生きられない男”であり、そのため、スパイクという「強い男」と戦えさえすれば、それでよかったのかもしれない。
レッドドラゴンを乗っ取った際、長老の眼球を横一文字に斬るなど、冷徹さ、残忍さをも持っている。が、その際の「赤い涙を流すがいい・・・」というセリフはカッコよかった(笑)。
まあ、あまり出番のなかった男ではあるが、ライバルキャラというのはそれくらいのほうが、インパクトがあっていいと思う(ガンダムのシャアなんかは、ライバルを超越したキャラなんで、そういう場合は出番が多くなるのも頷けるが)。その代わり、出演した回は確実に、絶大な存在感を示してたし。
声を当てた若本さんは、「すべらない話」のナレーターなど、近年ではコミカルなナレーションや演技が多いようですが、昔はクールな悪役をカッコよく演じていたんです(笑)。「EVE burst error」のロス御堂も、名演技でしたよね。


ほかにもね、「お気に入りエピソードのレビュー」なんかも、再UPを考えていますが・・・まあ、後日。

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