マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

何となく、Zガンダムを語ってみた

2021-02-20 21:12:39 | スパロボ

TVKで再放送が始まるんでね。まあ、直前まで1stの再放送がやってたんで、「次はZかな」とは思ってましたが。
私と同世代の男子は、1 st ガンダムの直撃世代だと思います。再放送、劇場版のOA、そして、最初のガンプラブームなんかで。
ですんで、1 stのことはご存知の方も多いものの・・・続編である、このZのことは、あまり知られていないのではないでしょうか。かくいう私も、25,6になって、初めて見ました。リアルタイム世代ではありますが、Zが始まったのは中学生になった前後・・・その後もアニメからは離れてね。オレにも「野球少年→普通の兄ちゃん」って時代もあったんです(笑)。
ともかく、そんなわけで、まずはZの概要というか、冒頭部分を紹介してみますかね。

1 st ガンダムにおける、連邦対ジオンの戦争(一年戦争)から七年後のお話です。
一年戦争最後の戦い、ア・バオア・クーの攻防戦に敗れ、同要塞から脱出したシャア・アズナブルは(1 stの劇場版のラストでは、巨大戦艦のブリッジに、見覚えのあるシルエットが描かれてたりします)、地球と火星の中間地点・アクシズへと逃げ込みます。
まあ、連邦も戦争末期はボロボロだったので、そんな辺境の小惑星は、黙殺したんでしょうね。ジオン公国の後継国家であるジオン共和国と和平が結ばれたことも影響してんでしょうか?
そんなわけで、シャアは以後、そのアクシズ内で、政治の中枢に入ります。
ちなみに、そのアクシズには、ドズル・ザビの忘れ形見であるミネバ・ザビも逃げ込んでおり、アクシズ政権の象徴とされていました(このときはまだ赤ん坊ですが、成長後は別の作品でヒロインになります)。
ただ、そこでもシャアの理想は達成されず・・・失望した彼は、アポリー、ロベルトという、ふたりの部下を引き連れ、地球圏へと舞い戻ります。
そのころ、地球圏というか連邦軍内は、地球やそこに住む人々(アースノイド)至上主義であるティターンズと、宇宙移民者(スペースノイド)寄りの組織・エゥーゴに別れ、権力闘争が始まりつつありました。
あ、エゥーゴは「エウーゴ」という読み方になります。っていうか、





「エゥーゴ」なんて、誰も発音できません(笑)。



作中でも「エウーゴ」といわれてますし。
ともかく、シャアは連邦軍人クワトロ・バジーナ大尉という身分と立場を得たうえで、エゥーゴへと参加します。
ちなみに、「クワトロ」とはイタリア語で「四番目」とか、そういう意味らしく、「キャスバル→エドワウ→シャア」に続く、「四番目の名前」ということで、監督さんなんかは付けたんじゃないでしょうか。
ですんで、Zのシャアは、制服もパイロットスーツも、連邦軍のものを着用しています。まあ、そこはシャアなんで、赤いカラーリングにしたうえで、カスタマイズしてますが(笑)。
で、ここから作品はスタートするわけですが(今までの流れは、裏設定というやつで、映像には出てきません)、ティターンズが「新型ガンダムを開発し、テストを予定している」という情報を得たシャアは、アポリー、ロベルトを率いて、グリーン・オアシスと呼ばれるコロニーに潜入します。
この際ね、最初はモビルスーツ(以下、MS)――リック・ディアスという、ドムとガンダムを参考にし、発展させたようなMSに乗ってたシャアの一行ですが、そのディアスで強襲する直前、母艦であるアーガマに艦砲射撃を要請してね。
「潜入するコロニーに向かって、戦艦からのビームが」ってことで、一年戦争でサイド7に潜入した際と似たような光景になったためか、



「ほう」と呟くシャアが、印象的でしたね。

で、そのコロニーにはカミーユ・ビダンという新主人公が住んでいました。
このカミーユ、簡単にいってしまえば、「アムロを喧嘩っ早くしたような兄ちゃん」「アムロより情緒不安定な少年」といったキャラになります(笑)。
アムロも、「内向的な少年」言われてた割には、すぐに殴りつけるようなトコもありましたが、カミーユはそれ以上です。
ティターンズのエリート士官であるジェリド・メサ(後に、執拗にカミーユを狙うようになる)を殴り倒し、その罪でMPの取り調べを受けていたカミーユでしたが(ティターンズ基地内で)、この際、シャア一行による基地への奇襲攻撃と、ガンダムMK2(2はローマ数字です)強奪作戦が始まり、そのどさくさで外へ出ることができたカミーユは、三機の内の一機のMK2に乗り込み、MPへの報復として、彼に向かい、





バルカン砲を撃ち込みます(笑)。



相手は生身の人間です(笑)。



もちろん、威嚇ですけどね。ただ、その際のカミーユくん、「ハッハッハ! ざまぁねぇな!」なんて笑ってましたが。
ともかく、この際の彼の操縦センス、そして同じニュータイプ(以下、NT)としての可能性を感じ取ったシャアが、カミーユをエゥーゴへ勧誘します。
カミーユも誘いに乗り、MK2を駆って、シャアらとともにアーガマへと帰還します。
まあ、一年戦争から七年後ですから、MSも一般に、競技スポーツ用や作業用として普及している時代ですので、カミーユのような普通の少年(空手少年ではありますが)でも、普通に操縦できるわけですが、それでもシャアはカミーユの才能を感じ取ったんでしょうね。
その後、一年戦争で最も活躍したといえるホワイトベースの艦長を勤めたブライト・ノアや、カミーユの幼馴染の女の子であるファ・ユイリィ、あるいはティターンズから投降した形になっていた女性士官のエマ・シーンなんかも加え(ブライトは大佐として、アーガマの艦長に)、ティターンズとの小競り合いを重ねたうえで、





エゥーゴはジャブロー降下作戦へと乗り出します。



この作戦は・・・戦闘はエゥーゴの勝利といっていいんでしょうが、じつはティターンズによる「壮大な罠」でして・・・
その後、シャアとカミーユらは、地球上でハヤト・コバヤシや、





アムロ・レイと出会います。



シャアとアムロにとっては再会ですね。この再会のシーンは、名演出です(笑)。
ちなみに、カイ・シデン、フラウ・コバヤシ(ボゥ)、ミライ・ノア(ヤシマ)なんかも、この辺で出てきますが・・・
カイはカミーユやレコア・ロンドとは面識を得ましたが、とある理由で、シャアには会っていません(遠目で彼の姿は見かけてますが)。また、フラウはアムロと再会しただけで、カミーユ、シャアとは会ってませんし、ミライさんもシャアとは会っていません。
まあ、ミライさんが出てくるころには、シャアは宇宙に戻ってましたからね。エゥーゴの重要人物ということもあり。
ともかく、カミーユはやがて、フォウ・ムラサメという強化人間(薬物や記憶操作等で、人工的にNT能力を備えつけられた人たち)の女パイロットなんかとも出会い・・・

「概要」のつもりが長くなっちゃったな(笑)。
まあ、そんな感じで、中盤以降に主役メカZガンダムなんかも出てくるようになります。
で、この作品の魅力は、





「前作要素:新作要素=50:50」になっているトコ、



だと思ってます。個人的には。
前作に絡むストーリーはシャア(ときにアムロやブライトさん)が、新作からの設定やストーリーはカミーユ(ときにフォウやジェリド)が、それぞれメインを張って、バランスよく表現されており、「まさに続編のお手本」といった作風といえると思います。
ってか、シャアも「アクシズから続く、ハマーン・カーンとの因縁」など、新作要素も表現させられてますけどね。
そういう意味では、主人公については、「メインがシャア、サブがカミーユ」といえるかもしれません。画面に映っている時間はカミーユのほうが長いかもしれませんが、作中世界の政治や思想を扱う場合なんかは、やはりシャアがメインですし。
ついでにいえば、エンディングのクレジットも、「シャア・アズナブル 池田秀一」が最初にくる形です。
もちろん、ガンダムシリーズの中で(全作品を見たわけじゃありませんが)、「単純に(最も)好き」といえるのは1 stです。私の世代はしょうがない(笑)。
ただ、「最もストーリーや設定が上手くできている」と思えるのは、このZガンダムですかね、私としては。
「逆襲のシャア」(CCA)も好きだけど・・・あのシャアは、個人的にはあまりカッコいいとは思えない。その代わり、CCAはアムロとブライトがカッコいいと思いますが。
やっぱりね、ZとCCAは「シャアの物語」なんですよ。1 stだって、メインは「アムロやホワイトベースのクルーたちの成長物語」ではあるんだけど、「影の主人公はシャア」ってトコもあるし。少なくとも「宇宙世紀の最重要人物はシャア」くらいのことは言えると思う。
で、このZという作品は、そのシャアが最も魅力的だった時代のお話にも思えてね。
いや、正直、





Zのシャアはかなり情けないです(笑)。



颯爽として、わかりやすくカッコいいのは序盤だけです(笑)。
そして、「Zの彼は弱い」なんてことも言われてますが・・・これはね、一年戦争で「MS戦のノウハウ」というものが確立しちゃった後だし(ゆえに、Zは名もなきパイロットも強い)、愛機である百式が、性能が悪いわけではないんだけど、ライバルたちのMSと比べるとね・・・
けど、情けないところも多い分、「最も人間らしいシャア」と言えるんじゃないかな? 「カッコいい部分も、ダサい部分も」って、人間にとっては当たり前だし。
それでも、イケメンで妙なカリスマもあるから、挫折したトコも絵になるんですよね、シャアの場合。
まあ、「シャアが魅力的」というのも、Zガンダムの長所のひとつでしょうね。

で、このZガンダム、TV版と劇場版があります。
両者の違いは、なによりラストですかね。TV版では救いのない終わり方になってしまったカミーユでしたが、劇場版では・・・
まあ、TV版でも、続編のガンダムZZで救済されてましたが。
おすすめなのは劇場版かな。TV版は昭和のころのアニメなので、一年間、放映された作品であり、このため、50話の長丁場ですんで。
内容としても、劇場版はTV版ほど「暗く、救いのない作風」というわけではありませんし。
ただ、劇場版では、





シャアのダカール演説がカットされてるのが・・・



あれはストーリーを進めるうえで、めっちゃ重要なシーンだと思うんですけどね。あれにより、旗色がエゥーゴに有利になった部分もあるし。
っつーか、「シャアとアムロが共同作戦を張るシーン」でもありますからね。
また、TV版だと、一度だけですが、





「ガンダムに乗るシャア」を見ることもできます。



前半の主役メカであるMK2ですけどね。それでも、1 st世代としては、感慨深いですよね。
ってか、劇場版は全体的にマイルドになってます。カミーユの性格なんて、かなり落ち着いて見えます。「MPにバルカン」も、劇場版ではカットされてます(笑)。
また、シャアの「情けない部分」も、かなり削られてますかね。カミーユがロザミアに撃墜されかけた際、

ロザミア「貰った!」
シャア「こちらがな!」

いって、ロザミア機の背後から襲い掛かるシーン、新規カットだと思うんですが、この辺は震えましたね(笑)。
ただ、前述のとおり、シャア、すなわちクワトロの魅力は、「情けなさ」もあってのものだとは思いますけどね(そうそう、完璧な人間がいてたまるか!/笑)。

そんなわけで、Zの再放送、私としても楽しみではあります(笑)。

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氷室京介・アルバム総評 「I・DE・A」「MELLOW」「beat haze odyssey」

2021-02-07 19:02:31 | 氷室京介
はい、以前、テキストサイトでUPしてた氷室のアルバムレビューの復活企画、今回は標記の3タイトルです。
軽く推敲、加筆修正はやっているとはいえ、いずれも10年以上前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。



I・DE・A(1997.12.10)

収録曲
1. RE-BORN
2. SWEET MOTION
3. FLOWER DIMENSION
4. 堕天使
5. NATIVE STRANGER
6. LOST WEEKEND
7. NO MORE FICTION
8. DRIVE
9. HEAT
10. DISTANCE

Songs written by――1.3.5.8.9.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、2.GORO MATSUI(word)・STEVE STEVENS & DONNIE VIE(music)、4.TAKASHI MATSUMOTO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、6.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO & STEVE STEVENS(music)、7.KYOSUKE HIMURO(word)・KYOSUKE HIMURO & STEVE STEVENS(music)、10.KYOSUKE HIMURO & GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

じつは、「ソロ9年目にして、初めて“傑作”と呼べるアルバム」といえる作品だと思います。
いま思えば、オレの中で「氷室京介がBOφWYを超えた」のは、このアルバムがきっかけだったと思います(まあ、あくまで「オレの中で」ですが)。
このアルバムからですかね。「ビート系はよりハードに、とくにギターに厚みを持たせる」「バラード系はよりメロディアスかつスローテンポに」といった具合に、二極化したうえで、それぞれを昇華させていったのは。
まあ、バラードは中期辺りからその傾向が見られたんですが、ビート系の昇華については、このアルバムからスティーブ=スティーブンスというギタリストと組むようになったためでしょうね。
やっぱヒムロックのプロデュースは、ヒムロック自身か、もしくは、BOφWYのころから彼のキャラクターをよく知っている佐久間正英(故人ですが)か、あるいは、スティーブのような(海外の)ギタリストが合ってると思います。
ともかく、ビート系の曲がよりハードになった、というか「ギターがさらに前面に出てくるようになった」せいか、中期におけるそれらが「スピード重視ではあるけど、どっか微妙にペース配分も考えた中距離走」になっていたのとは異なり、初期の「とことん疾走感に溢れた短距離走」に回帰してくれたような気がしたため、個人的にはうれしかったですね。
そのうえで、よりハードに、よりギター・サウンド重視になったから、めちゃめちゃカッコよく感じましたね。バラードは、はっきりいって「ヴォーカルのもの」ってトコあるけど、ビート系はやっぱ「ヴォーカルとギターのためのもの」でしょ(笑)。
で、その傾向は、ソロ初期や中期はもちろん、BOφWYのときよりも顕著になってたからね。まあ、ホントは、それぞれの時代背景とかを考えたら一概には比べられないんだけど、やっぱ「このアルバムで、ようやくBOφWYから卒業できました」っていう、私みたいな氷室ファン、結構多いんじゃないですかね?
それくらい、このアルバムは、「中期以降は課題といえたビート系の曲に、期待以上の答えを出してくれた」といったことがいえる名盤だと思います。
ヴォーカル部分はじつはミディアム・テンポなんだけど、アレンジによって「ギターには“疾走感”と“厚み”を出している」といえる「RE-BORN」といい、「スローテンポとアップテンポが見事に融合した」といえる「SWEET MOTION」といい、そして、「おもいっきりハードな曲調に、内省的かつスピリトゥアルな歌詞を乗せた、いわば“大人のアウトロー・ソング”」といえるであろう「NATIVE STRANGER」「LOST WEEKEND」「DRIVE」といい、ビート系といえそうな曲はどれも大好きですね。
この中でもとくに「NATIVE STRANGER」は、「完全氷室作曲作品」(じつはヒムロックは、さほど多くはないとはいえ、曲についても『共作』があったりする。『LOST WEEKEND』なんかもスティーブとの共作)においては、未だに「最高峰」だと思ってます、個人的には。次点で、サマゲやITNや「Rock’n’Roll Suicide」? (ANGELは別格ね/笑)
っていうか、このNATIVEも、これまで何回聴いただろ? ベスト盤にもライブ盤にも入りまくってるし(笑)、ライブでも定番なんで、あるいは「ANGELの次に、人生の中で数多く聴いてる曲」かも(『ANGEL、サマゲの次』か?/笑)。
それでも「飽き」がこないんだから、やっぱ、かなり好き、というか「ツボ」なんだろうね、オレにとっては。
で、以前は「ビート系が優れている分、バラード系とミディアム系がちょっと弱いかなぁ・・・?」なんて思ってましたが、こっちも年齢を重ねるにつれ、普通に好きになってますね。
「堕天使」は、以前は苦手だったけど、やっぱ名曲ですよね。
また、ミディアム系も、いかにも「氷室的ポップ」な「HEAT」は元々好きでしたが、苦手だった「NO MORE FICTION」なんかも、年々、その意識は消えていきましたね。
ただ、「弱い」と思っていたバラード系の中でも、ラストの「DISTANCE」は別で、最初から好きでしたね。





「こういう『ロック調バラード』『ミディアム・バラード』書かせたら、そして歌わせたら、やっぱヒムロックの右に出る者はいない!」



――そう思える曲で締めくくってくれているのも、この作品の完成度の高さに貢献してると思います。


MELLOW(2000.2.23)

収録曲
1. SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~
2. 永遠~Eternity~(album mix)
3. Still The One
4. Believe
5. Silent Blue(album mix)
6. So Far So Close
7. ダイヤモンド・ダスト
8. Chaos
9. Jive!
10. brining da noise

Songs written by――1.2.5.7.10.YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、3.6.8.GORO MATSUI & KYOSUKE HIMURO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、4.9.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

前作とは打って変わって、メロディアスなバラード・アルバムです。というより、「ミディアムナンバーの多いアルバム」というべきかな。
ギターは引き続き、スティーブなんですよね。ギタリストである彼としては、前作とは違い、ビート系が少なくなったアルバムって、どう思ったんですかね。まあ、ミディアムやバラードであっても、ギターサウンドといえる楽曲ばかりではありますが。
とはいえ、ビート系の曲もなくはないんですけどね。OPナンバーの「SLEEPLESS NIGHT」が該当します。
この曲、正直ね・・・最初は凡作かな、思ってました(笑)。それが、やはり年々、好きになってましたね。改めてPVを見たりすると、やっぱりカッコいい。
で、肝心のバラード系ですが、「名曲揃い」といえると思います。
いや、正直ね、買った当初は、あんまり好きな曲はなかったんですわ(笑)。「Believe」は当時から好きだったけど、ほかのバラードは・・・
「ダイヤモンド・ダスト」にしたって、その前に出てた、





オリジナルアルバム未収録曲の「炎の化石」っていうバラードに、あまりにはまってしまったせいか、



「それほど・・・」って感じだったし。
ただね、氷室の曲って、全体的に結構そういうトコがあるんだけど、何度か聴いてるうちに、段々と好きになっていくもんなのね。いつの間にか、不意に頭の中でメロディがよぎったり、あるいは口ずさんでたりする。
とくに、「Still The One」は、いまでは大好きといえる曲ですね。「永遠~Eternity~」もすっかり好きになっていったんで、このアルバムの最初の4曲の並び自体も好きになっちゃいました。まあ、「Silent Blue」「ダイヤモンド・ダスト」も好きになってましたけどね。
このアルバム、ほかに特筆すべきことは、オリジナル・アルバムにしては珍しく、「作詞・松井五郎」と「作詞・森雪之丞」が共存しているトコですかね。
いや、氷室の場合、歌詞についても(作詞家へ丸投げではなく)「テーマ出し」はやっているんですが、そこは職人肌のヒムロック。少しでも気に入らないと、相手が誰であろうとダメ出ししまくるそうです。
でも、松井五郎のほうも「実績のある作詞家」であることから、相応のプライドはあります。あまりに連発するヒムロックのダメ出しに、「なに書いても満足できないんじゃない?」みたいなことを口にし、これ以後しばらくは、氷室曲の作詞からは手を引いたようですね。
「松井作詞」と「雪之丞作詞」が共存しているのは、この辺りに理由があるのかと。ヒムロック自身も、雪之丞のことを「戦うロック詩人」「あの人は(オレの注文にも)決して逃げない」などと褒めることで、暗に松井を批判(氷室自身に自覚があろうとなかろうと)し、そのせいか、両者はしばらくの間、一緒に作品を手がけることがなくなります。
まあ、のちに和解したのか、「EASY LOVE」ってシングル以降は、再び松井五郎も作詞を手がけてます。


beat haze odyssey (2000.10.18)

収録曲
1. OUTSIDE BEAUTY
2. Girls Be Gromras
3. 幻想と真実
4. PRESSURE
5. The Vacant World(Without Love)
6. Julia
7. ONE

All songs written by YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)
Exception:「ONE」=TAKASHI SORIMACHI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

このアルバムは「ボツ曲集」だそうです(笑)。
まあ、ポリドールが、放出した氷室京介による赤字を少しでも補填しようと、無理矢理出したのかもしれません。
たしかに、前作、前々作と比べると、あきらかにクオリティは劣ってます。
っていうか、たしかに、ヒムロックのやる気のなさが・・・(笑)
ただ、その割に、ライブでは定番になっている「Girls Be Gromras」や、あるいは「Julia」といった名バラードもあったりするんで、また、ほかの曲も“全体を通して聴く”と、とくに「駄作」とも思えないので、「ヒムロック、なにが気に入らないんだろ?」って疑問もなくはなかったりします。
とくに「Julia」は、「ババア受けしかしない」なんてケチをつけられることもありますが(そんくらい、メロディアスで、甘~いバラード/笑)、私は好きですね。
なんていうか、「“別れ”はたしかに自覚してんだけど、やっぱりどっかで、でも確実に未練が残ってる」「とはいえ、その未練を美麗な字句で飾り立てることで、“未練がましさ”を“自分の弱さ”と置き換え、聴き手の感動を呼び起こしている」――未練を素直に未練と表現しつつも、「弱さ」とも置き換えてる、ある意味、“意地っ張りなバラード”を歌わせたら、やっぱヒムロックの右に出る者はいないでしょう(笑)。
ってわけで、私の中では、このアルバムは、





鶏肋



っていえるアルバムだったりします(笑)。
なお、ラスト・ナンバーの「ONE」は、反町隆史に提供した曲で、歌詞は反町が書いてます。
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