マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

決着(ケリ)はついたかな ――シン・エヴァンゲリオン劇場版――

2021-03-14 20:03:18 | スパロボ


ネタバレ嫌な奴は、読まないでよ!!


まあ、「ケリはついた」とはいえますね。ちゃんと完結していると思います。
正直、「ポカン」とした部分もあるけど(笑)、一応はハッピーエンドなんでしょうね。
っていうかね、





「マリさん、ユイさんには袖にされたものの、息子のシンジくんをGETすることでリベンジ」



まさかの「マリ・エンド」
(笑)。



って、マリがユイに惹かれていたのは、マンガ版だけかな?
ともかく、あとになって考えてみると、


このポスター、シンジくんのすぐ傍にいるのがマリで、綾波、アスカは彼と微妙に距離を置いているのは、このエンディングを暗示してたんですかね?
まあ、「穿った見方」ですかね。そもそも、シンジとマリが明確に結ばれた描写や説明はなかったし。
あくまでも、「そうともとれる終わり方」ね。
で、このラストシーンのシンジくんの声は、神木隆之介だったのかな。
綾波は、相変わらずの「圧倒的なヒロイン力」ではあったんですが・・・
Qのラストで、アスカに引きずられるかのように連行されたシンジと、そのふたりについていった綾波は、「第三村」と呼ばれる、千人ばかりの人々が細々と暮らす集落に辿り着きます。
その地で、シンジはしばらく塞ぎ込んでいたんですが、綾波は人々との触れ合いの中で、徐々に人間らしさを身に着けていきます。
っていうか、





田植えをする綾波を見ることができます(笑)。



で、彼女としては自分なりにシンジくんのことを案じてね。それもあって、シンジも復活、成長していくんですが・・・
そんな綾波だったんですが、最後は、





シンジの目前で「好きな人と一緒にいれて、うれしかった」みたいなことを微笑混じりに呟き、消滅します(LCLへと帰します)。



綾波は、ネルフ本部でしか生きていけない体のようでね。
で、アスカがいってたんですが、「綾波タイプは、サード・チルドレン(つまりはシンジくん)に好意を抱くように調整されている」んだってね。
序や破において、旧劇とは異なり、綾波がシンジに好意を示していたのは、そういった理由があるようです。「ユイのクローン」っていう設定は、なくなったのかな?
そんな彼女の死を目の当たりにしたシンジくんですが、それまでの彼なら発狂したかのように叫びつつ、取り乱しそうなものの、この時点ではいろいろと覚悟を決めてたんで、そういった様子は全く見せませんでしたね。
で、その「シンジの成長」ですが――この第三村には、トウジ、ケンスケ、ヒカリといった旧友たちがいてね。彼らが示してくれた情や、綾波との触れ合い、アスカの厳しさなんかによるものでしょうね。
ちなみに、トウジとヒカリは結婚して、娘を儲けています。この、生まれたばかりの赤ちゃんと、綾波のやりとりが微笑ましかった(笑)。
っていうか、トウジが医者って・・・トウジ、ヤンチャな割に勉強はできたんだな(笑)。たとえ、「真似事」であっても、医者のそれは、頭よくなきゃできんだろ。
ケンスケはインフラ調査やヴィレへの情報提供なんかを生業にしててね。あのアスカが彼に心を許すほど、しっかりとした大人に成長してましたね。
っていうか、アスカ、ケンスケ(やシンジ)の前で、素っ裸でウロついてたもん(笑)。
ヒカリも、穏やかで奇麗な、いい奥さんになってたなぁ。岩男ボイス、健在でした(笑)。
アスカはね、やはりシンジに「好きだった」「でも、私のほうが先に大人になっちゃったから」みたいなこといって、終盤で退場していきましたね。
っていうか、





彼女のアイパッチ、「失明していたため」というよりは「能力を封印するため」のものでした。



最終決戦でね、





アイパッチを外すことにより、使徒と化して能力を開放していました。



まあ、最終決戦はそれほどに壮絶だったわけですが。

ミサトさんはね、「かわいいお姉さん」「エロかっこいいお姉さん」ぶりは、影を潜めてました。その代わり、





最後は母親の顔になってましたね。



それもそのはず。彼女と加持との間には男の子が誕生しててね。名前は加持リョウジと、親父さんと同じ名前なんですが。
14歳になった彼は、ケンスケの紹介により、シンジくんと出会います。結構、ウマが合ってたかな。
ちなみに、親父の加持さんは、14年前のニアサード・インパクトで、自らを犠牲にしています(最後に出番はあったけどね)。
で、ミサトさんとしては、いろいろと負い目もあって、息子の加持くんとは会っていなかったようです。
それでもね、やはり母親ともなると、シンジくんとの最後のやりとりの際なんかも、それらしくなりますよね。
そして、彼女もまた、自ら犠牲になります。
ほかに、印象に残ったキャラは、やはり鈴原サクラですかね。トウジの妹で、ヴィレ所属の少尉ですね。
っていうか、彼女を演じた沢城みゆきは、やっば上手いと思う。彼女のような「新卒の新人らしいかわいらしさ」「少女ではないけど、20代前半なんで、初々しいかわいさも」って表現、演技も、できる人なんだよね。普段は不二子ちゃんのようなエロい女性役が多いみたいですが
まあ、オレの中では絶望先生のマ太郎でもありますが(笑)。

ラスボスはマダオです(笑)。予告動画なんかでもありましたが、シンジくんの初号機と戦っていた13号機を操縦していたのは彼です。
まあ、この人は「かわいそうな大人」ですね。決して、同情しているのでなしに。
だからといって、世界をあのようにしていいわけはないんでね。
まあ、最後はね、すべてのケジメをつけるために、自身の乗る初号機のコクピットに向けて、自ら槍を刺そうとしたシンジの身代わりになったユイと一緒に、ね。

で、ラスト、アスカは「エヴァのない世界」へ、綾波は「ここではない、別の世界」へと旅立っていき、冒頭で述べたように、元に戻った(?)世界で、シンジとマリがいい感じでね。
あ、綾波はラストで復活しました。この際の、ロングヘアの綾波も、かわいいやね(笑)。
この「カップリング」というわけでもないのかもしれませんが、「シンジと各ヒロインとの関係」についてはね・・・まあ、あくまで「オレの邪推」でしょうが、

綾波=過去
アスカ=現在
マリ=未来


――それぞれ、上のような「象徴」なんじゃないかな?
前述の、綾波の好意について、シンジくんはなにも言いませんでした。
アスカの「好きだった」云々に対しては、シンジくんも「ボクも好きだった」という言い方をしています。
で、マリとは前述のようなラストシーン。
パッと出の、新劇から加わった新キャラであるマリと、いい感じにしたのは、「過去はもちろんのこと、現在でもなく、人は未来に向かって、生きていくんだよ」「シンジは未来を手に入れた」といった、作り手のメッセージもあるのかな? 恋愛云々だけではなく、ね。

ともかく、これでまあ、ケリはつきましたよね。「エヴァ」という作品の。
まあ、新劇版の一連の作品で、パラレルワールドのような存在が示されてるんでね。その気になれば、続けられなくもないでしょうが・・・もう、庵野さんはやらないでしょ(笑)。
作り手としては、やり尽くしましたよ。予告動画でも流れた、シンジくんの「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」の台詞のとおり、ありとあらゆるエヴァは消滅しましたし。
まあ、「別世界のアスカ」や「別世界の綾波」なんかは・・・誰かが二次創作でやるでしょう(笑)。
オレも一応、小説を書いている人間ですが・・・二次創作はFF7しかやったことないんだよなぁ(SS除く)。
主人公として動かしやすそうなのはアスカでしょうね。あるいは、「元いた世界に戻ってきて、クワトロ大尉よろしく、加持ジュニア辺りを導く存在に」なんてね(笑)。
恋愛的にハッピーエンドを用意するなら、綾波。別世界のシンジくんとの間にね(笑)。

まあ、いい終わり方だったと思いますよ、個人的には(それにしても、庵野さんは実写を混ぜるのが好きだな/笑)。
「時代の徒花」といえるかもしれないけど、たしかに一世を風靡して、後続の創作物(アニメに限らず)にも影響を与えたキャラたちを生み出した、稀代の作品らしい、「そんな作品ならではのハッピーエンド」といえるんじゃないでしょうか。
正直、喪失感は少しありますね(笑)。もうちょっと、続いてほしかった気も・・・
でも、「腹八分」がちょうどいいんでしょう。って、前述のとおり、パラレルワールドがあるので、ガンダムみたいに「別の監督さんによる新作」も、あるのかもしれませんが(ないかな。『庵野エヴァ』と比較されちゃうだろうし/笑)。
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氷室京介・アルバム総評 「FOLLOW THE WIND」「IN THE MOOD」「"B"ORDERLESS」

2021-03-06 21:22:03 | 氷室京介
はい、以前、テキストサイトでUPしてた氷室のアルバムレビューの復活企画、今回は標記の3タイトルです。
軽く推敲、加筆修正はやっているとはいえ、いずれも10年以上前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。



FOLLOW THE WIND (2003.8.20)

収録曲
1. VIRUS
2. Weekend Shuffule
3. FOLLOW THE WIND
4. MONOCHROME RAINBOW
5. LOVE SHAKER
6. Claudia
7. FOOLMAN’S PARADE
8. SACRIFICE
9. RAP ON TRAP
10. ARROWS

All songs written by YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

「I・DE・A」同様、「“ビート系”、“聴き手にやさしくない系”、“メロディアス系”とすべて詰まった感」はするんだけど、「I・DE・A」が「そのうち“ビート系”寄り」だったら、今回はどちらかというと、「“聴き手にやさしくない系”寄り」かな? (笑)
すなわち、初心者にはちょっととっつきにくいです(苦笑)。
個人的には、「『NEO FASIO』をいま風、かつ、もうちょっとだけわかりやすくしたアルバム」って気がしてます。
少なくとも、いわゆる「氷室らしさ」に乏しいかもしれませんね。
このアルバムで特筆すべきは、何といっても、ラップ的要素を採り入れているところでしょうね。
もうね、初めて聴いたときは、「ヒ、ヒムロックが、やたらと韻を踏んでるぅ~・・・!」なんて思っちゃいました(笑)。
正直、「この“なんちゃってラップ”さえなけりゃ、めちゃめちゃいいアルバムなのに・・・」っていうのが、私の本音だったりします(苦笑)。
まあ、それを踏まえても、個人的には、「捨て曲のない、結構いいアルバム」とは思いますけどね。2ch辺りで叩かれていた「雪之丞朗読」も、オレは気にならんし(「愛してるといったときから・・・」/笑)。
それと、これも2chの氷室スレでは評価低かったんだけど・・・オレはタイトル曲の「FOLLOW THE WIND」、お気に入りです。





「やっぱミディアム・バラード書かせたら、そして歌わせたら、ヒムロックの右に出る者はいない!」



――改めてそう思っちゃったくらいだもん(笑)。
たしか、COH(ライブ)が初披露だったんですよね。客席にいましたが、初めて聴く曲なのに、すっげぇ染みてきた、っつーか。
そのほかには、ラスト・ナンバーの「ARROWS」。これも好きですね。
「FOLLOW THE WIND」同様、メロディアスなんだけど、こっちはもうちょっとスローテンポで、「FOLLOW~」が「キーボードを(比較的)メインに、しっとりと聴かせる」って感じなのに対し、「アコギの乾いた音で情緒を表している」って感じがして、これはこれで好きです。
「SACRIFICE」なんかも好きですね。メロディアスなミディアム曲(といっても、『FOLLOW~』とは違い、『バラード』ではないと思われる)なんだけど、やっぱり氷室って人は、ビート系よりも、こういうミディアム系や、あるいはバラード系のほうが、作曲(&アレンジ)のセンスがあるのかな、なんて思ってます。
と、まあ、「なんちゃってラップ」がちょっとだけ気に入らない以外は(まあ、それももう慣れたけど)、たしかに名盤だとは思えるんですが・・・「3年ぶりで10曲」は少ないかな? (あと1,2曲はほしかった・・・)



IN THE MOOD (2006.12.20)

収録曲
1. EASY LOVE(IN THE MOOD EDITION)
2. IGNITION
3. BITCH AS WITCH(ALBUM MIX)
4. WILD ROMANCE(ALBUM MIX)
5. HARVEST
6. SAY SOMETHING
7. IN THE NUDE -EVEN NOT THE MOOD-
8. SWEET REVOLUTION
9. SHADOW OF YOUR SMILE
10. PAIN
11. MISS MURDER
12. STAND ALONE

Songs written by――1.2.12.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、3.~5.7.~9.YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、6.TAKURO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)
10.JAMES ADKINS、THOMAS D.LINTON、RICHARD BURCH、ZACHARY LIND(word & music)、11.HUNTER BURGAN、ADAM CARSON、DAVID MARCHAND、JADE PUGET(word & music)

約3年半ぶり(笑)のオリジナルアルバムです。しかも、「内6曲がシングル(及びc/w)、内2曲が洋楽カバー」なんで、実質、新曲は4曲だったりします(苦笑)。
で、まずは全体的な印象なんですが、前作「FOLLOW THE WIND」が「『NEO FASIO』をいま風、かつ、もうちょっとだけわかりやすくしたアルバム」って印象だとしたら、この「IN THE MOOD」は「『FLOWERS FOR ALGERNON』をいま風にしたアルバム」っていう気がしてます。
すなわち、前作とは異なり、かなりわかりやすくなっています。まあ、それでも氷室ファン以外からすれば、「まだわかりにくい」のかもしれませんが(笑)、少なくとも前作(あるいは「NEO FASIO」辺り)と比べれば、全然とっつきやすいので、もし「(いまから)氷室を聴いてみたいんだけど」って人がいたら、このアルバムから入るのもアリだと思います(もちろん、最もわかりやすいのはベスト盤でしょうが)。
あるいは、「わかりやすい」という意味では、「MEMORIES OF BLUE」なんかも近いのかもしれませんが、同アルバムはかなりメロディアスなイメージがありますからね。やはり「わかりやすいビート系が多い」ということから、個人的には「FFAをいま風に」って感じがしてます。
ただね・・・これは「FFAと『NEO~』との比較」でもいえることなんだけど、氷室の場合(ほかのミュージシャンもそうなのかな? 少なくとも、オレがかつて聴いていた“80年代組”は、そういう傾向にあった気がしてますが)、「ヒムロックの趣味が全面に出てる」「ゆえに、“聴き手にやさしくない”、“初心者には非常にとっつきにくい”」系のほうが、「あとに残る名盤」だったりするんですよ。
なんつーかね、「噛めば噛むほど味が出る」って感じで(笑)、リリース当初はさほどでもないんだけど、何年経っても「不意に聴きたくなる衝動にかられる(しかも、その回数が意外と多かったりする)」って感じでね。
個人的には「氷室って人は、ミディアム・テンポな曲や、あるいはスローバラードのほうが、センスがある」「じつは、ビート系は当たり外れが大きい」なんて思ってるんですが、“対外的なイメージ”としては、やはり「氷室=ビート系」なんでしょう。
で、そのビート系なんですが、スイレボと「IN THE NUDE」は、やっぱり文句なくカッコいいですね。





とくに「IN THE NUDE」は、「氷室が久しぶりにエロかっこいい曲を!」って感じがして(笑)。



ライブでも、イントロの時点で盛り上がっちゃう、というか。
ただ、「Wild Rmance」と「SAY SOMETHING」は・・・。それでも、前者は「あくまでスイレボや『IN THE NUDE』と比べれば」って感じであって、好きなことは好きではあるんですが・・・
で、そろそろヒムロックお得意のミディアム・テンポな曲へ。





「IGNITION」、好きですね~(笑)。



前述のとおり、世間的には「氷室=ビート系」っていうイメージなんだろうけど、オレはむしろこういったミディアム・ナンバーのほうが、“氷室節”っていえると思ってます。
「ハードすぎず、ポップすぎず」「アップ・テンポすぎず、スロー・テンポすぎず」って感じのね。
同様に、「HARVEST」や「STAND ALONE」といったミディアム・バラードもいいですよね。って、「STAND~」は(どちらかといえば)「スローバラード」に分類されるのかもしれませんが(笑)。
「スローバラード」といえば、「SHADOW OF YOUR SMILE」。これも好きですね。
いや、(「Wild~」のc/wだったんですが)それまでは「なんか退屈なバラードだな」なんて思ってたんですが(笑)、改めて聴いてみると、やっぱいい曲だわ。ユッキーの歌詞も、なんていうか“深い”ものがあるし(ラブソングではありますが)。
で、いまちょっと挙がった歌詞についてなんですが、今回、やはり「作詞:森雪之丞」と「作詞:松井五郎」が「共存」してましたね。私個人としては、もちろん、「SHADOW~」を始めとするユッキーの歌詞も好きではありますが(「HARVEST」の「♪なにか今、いいかけて~」っていうフレーズなんて、めっちゃお気に入り/笑)、「あるいは、オレはユッキーの歌詞より松井五郎の歌詞のほうが肌に合うのかも」なんて気もしてたりします(笑)。
やっぱ、この辺の「ミディアム系」は、不意に頭の中でメロディが流れてきたり、あるいは(メロディを)口ずさんじゃったりするほどお気に入りです。
それと、今回、洋楽のカバーが2曲収録されてます(『PAIN』と『MISS MURDER』)。まあ、ヒムロック、英語ペラペラですからね(発音はどうなのかわかりませんが/笑)。
じつは、私にとっては「“英語詞を歌うヒムロック”って、『PSYCHOPATH』(BOφWY)以来」だったりします。いや、2ndシングル「DEAR ALGERNON」のc/wがデビット=ボウイの「SUFFRAGETTE CITY」のカバーだったんですが・・・「シングルは買わない主義」だったんで(片や「PSYCHOPATH」はアルバム曲)、2,3回聴いただけでしてね(それも遥か昔に)。
まあ、「『PSYCHOPATH』=BOφWYのオリジナル(作曲・氷室、アレンジ・布袋)」「『PAIN』&『MISS MURDER』=カバー曲」ではあるんですが。
ともかく、私にとっては実質、「初めて聴く、全編英語詞の氷室ソロ曲」といえることから、たしかに新鮮味みたいなものはありましたね。そして、いまでも好きかな。当初はは、「MISS~」のほうはちょっと違和感を覚えていましたが。
そんなわけで、今回、ちょっと長くなってしまいましたが、まあ、私個人の印象・感想としてはこんな感じです。
前述のとおり、今回は(比較的)わかりやすいアルバムなんで、「入門編」にもなるし、“ベテラン・ファン”にとっても、(『わかりやすい』とはいえ)「ヒムロックが、L.A.での生活の中で、いま現在最も影響受けてる“音”を参考に」って感じらしいので、「聴き応えのあるアルバム」になってると思います。


"B"ORDERLESS(2010.9.8)

収録曲
1. My Name is "TABOO"
2. PARACHUTE
3. Rock’n’Roll Suicide
4. Doppelganger
5. The Distance After Midnight
6. 忘れてゆくには美しすぎる...
7. Sarracenia
8. Time For Miracles
9. Never Cry Wolf
10. Traumatic Erotics
11. BANG THE BEAT
12. Across The Time
13. Safe And Sound

Songs written by――1.2.5.6.TAKURO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、3.4.7.9.10.12.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、8.Johannes / Shneider(word & music)、11.SPIN(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、13.Gerard Way(word & music)

はい、約4年ぶりです(笑)、オリジナルアルバム。
まあ、ベテランミュージシャンはどうしてもね。クオリティを追求する必要があるし、なによりネタ切れ、っていうか、キャリア重ねてりゃ、簡単に新しいメロディとかも出てこなくなるからね。
ってわけで、無駄に長くやってるウチのサイトも、それゆえに更新が遅くなりがちなのは大目に見てね。

今回のアルバム、発売日が「KYOSUKE HIMURO TOUR 2010-11 "B"ORDERLESS “50×50 ROCK’N’ROLL SUICIDE”」の初日の武道館ライブと、ほぼぶつかってましてね。
普通、新譜が出た直後のライブでも、それなりに期間が空いているんで、ある程度(例えば、『歌詞は無理でもメロディは』って感じで)は覚えていけるんですが・・・今回は、ほとんどぶっつけ本番でした(笑)。

今回、氷室初心者にはおすすめできません。ってか、氷室信者でも、意識が「90年代前半の氷室サウンド」のままでいる人、あるいは「90年代前半の彼のサウンド」が最も好きな人にとっては、とっつきにくいでしょうね。
わかりにくい、というか、氷室さんらしいメロディアスな感覚――バラードはもちろん、「ビート系でもどこかメロディアスなサウンド」というのは、鳴りを潜めている感じがします。
いろんなサイトやブログ(あるいは2chなんか)でもいわれてるけど、今回、ヒムロックはアレンジにあんまり参加してないのかもね。あるいは、「名義貸し」だけで、曲作りのみに専念したか・・・?
まあ、オレ、楽器やってたわけじゃないし、バンド経験もないんで、くわしいことはわからんけど・・・
多分ね、ここ最近のヒムロックの音作りとしては、「アレンジまで自分ひとりでやった」って場合は、FTWみたいな音になると思うのね。あんまりスピーディなビート系は作らず、ミディアムからスローテンポが多くて、どっかメロディアスで、そのくせわかりやすい「ポップなサウンド」ではない、ちょっとだけ難解な(いまどきの)B級ポップって感じでさ。
で、「アレンジに関しては、アレンジャーと共同作業」って場合は、ITMみたいになるんじゃないかな。
ポップな曲はFTWよりはわかりやすいポップさで、ビート系は結構速くて激しくて。何となく、二極化してる感じ。
それらに対して、今回の「"B"ORDERLESS」は、どちらかというとバンドサウンド(あるいはギターサウンド)、それも最近のヒムロックが影響を受けているであろう洋楽(オルタネイティブっていうのか?)的サウンドって感じかと。
いや、元々、氷室さんって人は、「ヴォーカリストのくせにバンドサウンド寄り」っていうかさ、「わかりやすいヴォーカルアルバム」というのはあまり作らない人ではあるんだけど(それこそ、FFAやMOBくらいじゃないかな? 『MELLOW』だって、スティーブのギターに花持たせている部分もある気がするし)、それでもどこかメロディアスなトコは忘れずにいたっていう印象があるのね。
それが、この「"B"ORDERLESS」では・・・いわゆる「氷室らしい曲」ってほとんどないような気がします。強いていうなら、「BANG THE BEAT」「Across The Time」くらいか?
って、まあ、私、洋楽わからんので、あんま偉そうなことはいえませんが(笑)・・・まあ、それはいつものことなんで。

それでは、各曲について――
まず、1.から3.の並びはすぐにはまりましたね。いや、ほかの曲も好きだし、3.から4.以降へつながる流れも好きだけどさ。
OPナンバーの「My Name is "TABOO"」は、ノイズ混じりのイントロからして、なんか「じわじわとした高揚感」みたいなものを覚えます(笑)。
「PARACHUTE」は、ギターソロのとこ、もちろんギターもカッコいいんだけど、なによりベースの音色がマジでカッコいい。
で、「Rock’n’Roll Suicide」なんですが、これは氷室さん自身もとくにお気に入りなんだろうね。
これはホントに、「なにもかもがカッコいい」っていうか・・・なんか久しぶりな気もする、ヒムロックのキレたヴォーカル(とくにギターソロ前のシャウトがたまらなくカッコいい!)はもちろん、トリッキーなんだか王道的なんだかようわからんけど、たしかにカッコいいギターのサウンド、そして、なんか妙にリズムを取りたくなっちゃうベースやドラムの音・・・あと、キーボードなんかもあるのかもしれないけど、とにかく身震いしちゃいそうになるサウンドです。
4.の「Doppelganger」は、サビのトコ――「♪Which side is Doppelganger...?」っていう氷室によるリピートと、それに乗っかって畳み掛けてくるようなサウンドがたまらなくカッコいい。
「Rock’n’Roll Suicide」のすぐ次なんで、あるいは霞みがちかもしれませんが、この「Doppelganger」も「Rock’n’Roll~」同様、CDで聴いてもライブで見てもノれる、っていうか燃える曲だと思います。
5.の「The Distance After Midnight」は、「PARACHUTE」同様、とくにベースがカッコいいと思う。ギターソロのトコといい、そのあとの「♪ときぃはー、迷いー子~、膝を抱え、泣いている~」ってフレーズのトコ。
6.の「忘れてゆくには美しすぎる...」は・・・いかにもTAKUROらしいタイトルやね(笑)。ってか、最初(タイトルしか知らなかった頃は)、バラードかと思ったよ。
7.と10.はですね・・・最初、めちゃめちゃタルかったんですよ(笑)。とくに前者。
CDはもちろん、初日の武道館ライブも、この曲のときは退屈だったんですが、何遍も聴くうちに、逆にないと物足りなくなってった感じが・・・
まあ、ヒムロックお得意の「するめソング」ですね、この7.と10.は。聴けば聴くほど味が出る。
8.はアダム・ランバートのカバーです。前作でも洋楽カバーが2曲ありましたからね。今後も「カバー・シリーズ」続くのかもしれません。
9.と12.は、どっちも名バラードだと思います。
12.については、前々作(FTW)における「ARROWS」のような、なんていうか、「アコギによる乾いた音」が心地よいですね。
最後に11.と13.について。
11.は本人出演のCM(アサヒ・グリーンコーラ)でも流れてたんで、氷室ファン以外の方もご存知かもしれません。
ヒムロックにとっての「名刺代わり的なサウンド」というか・・・いかにもシングル向けな曲ですよね。
でも、そこは氷室さんで、「シングル向け」といっても、いつまでも「KISS ME」「Claudia」といった「おしゃれロック」路線だけではありません。“いま現在のヒムロック”にとってのシングル向けな曲。私はサウンド的にはカッコいいと思います(歌詞も嫌いではないが、曲やアレンジのほうが好きかな)。
13.は、「My Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)」のヴォーカリスト、ジェラルド・ウェイとのコラボです。
って、コラボいっても、曲も歌詞もジェラルド・ウェイですが(笑)。
まあ、FF7ACCで起用されてる曲です。もちろん、同作品のED映像も映えますが、やっぱヒムロックとジェラルドによるPVの映像をバックに流したほうがカッコいいと思います。

と、こんな感じでレビュー(?)してみましたが・・・
次にこのコンテンツを更新できるのって、いつなんでしょう? (笑)
ってか、次のオリジナルアルバム出るころもまだ、このサイトは続いてんのか? (笑)
はっ! もしかしたらこのアルバム・・・ヒムロックのオリジナルアルバムとしては、オレにとっては30代最後の作品・・・?
――なんてことを以前、書いていたら・・・




「30代最後のオリジナルアルバム」になりました(笑)。



っていうか、40代も終わりそうなんですが・・・(笑)。

ここからは、完全新規記事ね。
この前ね、Twitterのほうで、「氷室京介のアルバムで、最も好きなのは?」といった企画が流れてきてね。
オレは「I・DE・A」に投票しました。「アルバム通しで」なら、この作品ですね、私としては。
ただね・・・最近、「一周回って、FFAかも・・・?」なんて思いも(笑)。
っていうか、





収録されているANGELが、シングルverであったなら、このFFAに投票してたかもしれません。



いや、なんつーか・・・やっぱり、「わかりやすいヴォーカルアルバムでありながら、ちゃんと氷室のセンスも凝縮さるてる」っていう気がするんですよ、このアルバムは。
「I・DE・A」や「"B"ORDERLESS」、あるいはITMのビート系などのようなゴリゴリのギターサウンドとは言い難いので、物足りなさはあります。
かといって、MOBやFTWなどの楽曲ほどは、メロディアスなわけでもないので、しっとりとした気分になれるわけでもないと思います。
ただし、それらの分、安定感みたいなものはありますよね。ビート系もバラードも、「氷室初心者が聴いても、とりあえず外れは少ない」というか。つまりは、後のJ-POP、J-ROCKの草分け的なサウンドというか。
そのうえ、「DEAR ALGERNON」や「STRANGER」のように(あるいは、『独りファシズム』なんかもそうかもしれません)、後のNATIVEや「IGNITION」に通ずる、




あくまで内省的で、破壊的ではない、「大人のアウトローソング」



も充実してる気がするので。
考えてみれば、ANGELも「大人のアウトローソング」か(笑)。いま挙げた楽曲と比べると、カラッとした曲調ではありますが。
氷室の楽曲は、「おしゃれでエロい世界観」や「未練タラタラな失恋系ラブソング」だけでなく、「内省的で、あくまで自分の弱い部分への反抗や、社会の理不尽に対する皮肉」といった要素もあり、むしろそれが真骨頂だと思います。
オレ自身、「I・DE・A」が好きで、FFAを再評価しているのは、そういった要素がより強いアルバムだから、って部分もあるのかもしれません。
ってわけで、現時点での「氷室のオリジナルアルバムTOP3」は、「3位=FFA、2位="B"ORDERLESS、1位=I・DE・A」ですかね。オレ的には。
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