マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

SINCE:2002.2.24
氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

復活 ――帰ってきたあぶない刑事 感想――

2024-06-22 20:57:36 | あぶない刑事
まだネタバレ注意としておきましょうかね。

前回、「タカとユージはもう刑事ではないので、ドンパチができない」「梨花が落とした拳銃をタカが勝手に撃った程度」といったことを書きましたが、それではあぶ刑事として成り立ちません(笑)。
結局はタカもユージもドンパチやるんですけどね。彩夏やステラ救出のために向かった、海堂一派の待ち構える埠頭の倉庫街でね。
じつは海堂一派としては偽旗テロを計画しててね。県警幹部もそれを察知してはいたんですが・・・利権が絡んで躊躇しとったんですよ。そこをトオルが、どうにか幹部たちを動かしてね。「委嘱状発行」という形で、タカとユージのふたりが臨時に刑事となり、銃の携帯と使用が許されることに。
ついでに、レパードもね(笑)。トオルが運転してきて、ユージに引き渡してました。
まあ、あとは「あぶ刑事名物の銃撃戦」ですよね。
まずはユージによる軽快なガン・アクション。彩夏を庇いつつも、お得意のランニング・ショットを披露してくれましたね。
そして、こちらも「あぶ刑事名物」――タカによるバイク・アクション。
この際、ユージが彩夏に対し、





「タカのショータイムだ」



って呟いてね。
まさに、このあとはタカの見せ場でしたね(笑)。
バイクを走らせながら、ショットガンをぶっ放してね。対する海堂も、車を走らせながら発砲してきてね。
で、すれ違いざまに勝負は決まりました。
直後、車ごと海へと落下する海堂――。
そのあとはね、あぶ刑事らしい大団円というか・・・まあ、彩夏は一度、故郷に戻ったようですが。
このとき、タカもユージも、彩夏に未練タラタラでね(笑)。っていっても、恋愛感情ではないけど。
ともかく、ユージなんかは「探偵には美人秘書が・・・」なんて台詞をね。
で、直後、その話を聞いてたわけでもないんですが、カオルがタカ&ユージ探偵事務所にやってきて、





自らを「美人秘書」いって、売り込んできてね(笑)。



それに対し、タカとユージが、





「間に合ってます!」



と、CMでも流れたやりとりがね(笑)。
そんなわけで、本編は終了。途中、昔の映像と音声が差し込まれたうえで、





近藤課長による「この、大馬鹿者!!」



なんて演出もあって、うれしかったです(笑)。

本編の上映終了後、舞台挨拶がありましてね。


この席で、仲村トオルが「あぶ探、やりましょうよ。猫を探して、最後にスナック・カオルで謎解き的な」「カオルさんも出演できるし」みたいなことを笑顔で語ってましたね。
それに対し、柴田恭兵が「断る権利がある」、舘ひろしが「バカにしてんのか?」と(笑)。
でも、「あぶ探」、ちょっと見たい。
この仲村トオルの構想が、前回の記事で紹介した「『あぶ探』とでも、呼ばれてろ~!」というアドリブにつながるわけです(笑)。
でね、この舞台挨拶のとき、予めSNSなんかで募集していた質問がいくつか読み上げられたんですが、「あぶ刑事といえば、漢字2文字のサブタイトルですが、今回の映画にサブタイをつけるとしたら?」ってものもあってね。それに対し、





原監督「復活」っていってね。



まさに復活だろうね。前回記事の冒頭で、「さらば」より今回のほうが「あぶ刑事らしかった」といえるかもしれません、と書きましたが、そう思ったのはオレだけじゃなかったと思う。多くの観客の中で共有された認識じゃないかな?
まさに「あぶ刑事シリーズの一作品」――同窓会的な雰囲気は、いい意味で感じられなかったと思う。
とはいえ、続編は難しいでしょうね。作風、設定、ストーリー的には可能だと思いますが、主演のふたりが揃って70代だし。
次回作、80で動けるかな? 動けたとしても、80の人間がドンパチで敵を倒すというのも違和感が・・・。
まあ、そうはいっても、彩夏をアシスタントにしたタカ&ユージ探偵事務所の話も、見てみたい気はします(笑)。
カオルはスナック・カオルのママで(笑)。トオル、ナカさん、瞳ちゃんも出してもらってね。

そうそう、横浜市の広報誌で――



こんな写真が(笑)。

舘ひろし、柴田恭兵と、横浜の山中市長が対談した企画もあったんですが、ここで舘さんが、





「横浜は人も景色も潤っている『濡れた街』」



いってましてね。これ、まさにそのとおりなんですよね。舘さんとしては、そんな横浜が好き、と。
で、恭兵さんが、





「撮影の時に走り回った、ちょっとした路地も一つひとつが、横浜という街を作っているピースだと感じています」



いっててね、これもそのとおり! (笑)
まずね、横浜ってウェットな街なんですよ。単純に「海や川、あるいは運河が多い」ってのもありますが、「開港以来」「明治大正以来」「昭和以来」の景色が残ってて、どこか懐かしく、そして「必ずしも古いものを否定せず、あえて残す」といった人情というか、心意気が感じられてね。
このとき、舘さんとしては横浜の対比として、東京を「ドライな街」と表現しててね。もちろん、そんな東京も好きですが、やはりどこかウェットな横浜が好きですね、私としても(ってか、東京もいい意味でウェットな部分もあるとは思うけどね。ただ、そういう部分は横浜のほうが大きいかもね)。
また、恭兵さんがいってた「路地」、この名もなきスポット――必ずしも綺麗な建物、街並みだけでなく、汚く古い場所もあるそれらも込みで、横浜なんですよ。
つまりは「陰と陽」。あぶ刑事のTVシリーズのころなんか、陰の部分もまだ色濃かったもんです。
ま、おふたりとも横浜との付き合いは長いですからね。街に対する理解も深いですよね。

ってわけで、二回にわたり、「帰ってきたあぶない刑事」の感想を書いてみました。
もう一回くらいは、劇場でも見たいかな。

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It’s Show Time! 帰ってきたあぶない刑事 感想

2024-06-01 23:39:43 | あぶない刑事

ネタバレ注意!

横浜の開港記念日にUPできるとはね(笑)。いや、狙ってやったわけじゃなく・・・こういうご縁みたいなものも、あるんですかね(笑)。

さて、感想です。
ホント、よかったわ。正直、「さらば」より今回のほうが「あぶ刑事らしかった」といえるかもしれません。
いや、「さらば」もよかったけどね。ただ、「さらば」はちょっと同窓会というか・・・「卒業式」というべきかな? そういう雰囲気もあった気がしますが、





今回は「終始、あぶ刑事シリーズの一作品」ってノリでしたね。



「長いシリーズの中の一作品」っていうか。いい意味で「次回作への繋ぎ」的な感覚。
わかりやすくいえば、「TVシリーズの中盤」的な。「作品の流れが続いており、さらには最も脂が乗ってる時期のお話」というか。
そんなわけで、楽しめましたね。

ストーリーとしては、「刑事として定年退職を迎え、ニュージーランドに渡り、探偵業をやりながら悠々自適に暮らしていたタカとユージだが、現地で問題を起こし、探偵ライセンスを剥奪される。さらには、国外退去を強いられ、8年ぶりにハマに帰ってくる」といった導入でね。
このOP、よかったな。「横浜の夜景の中、ふたりを乗せる車が高速を降り、埠頭へと向かう。その突堤で佇むタカとユージ。やがて彼ららしい、陽気なやりとりを」って感じだったんですが、導入部から「あぶない刑事」(TV版のOP曲ね)が流れててね。この演出、見習うトコがあったかな。
で、この際、タカがステラ・リー(吉瀬美智子)の姿を見かけて――。
その後、横浜でも「タカ&ユージ探偵事務所」を開業したふたりだったんですが、留守を預かっていたユージのもとに、永峰彩夏(アヤカ。土屋太鳳)という若い女性がバイクで乗り付けてきてね。
その間、タカは馴染みのチャイニーズマフィア・フェイロン(岸谷五朗)のもとを訪れていてね。埠頭で前述のステラが乗った車がフェイロンのものだったので、そこから彼とステラの繋がりを察し、「あの女はナツコではないか?」と問い質します。
まあ、オチとしては「ステラ=ナツコ」なんですが・・・このナツコ、彩夏の母親でもあります。
彩夏としては、この母親の探索をタカ、ユージに依頼することになります。
で、ナツコというのが、「昔、横浜のクラブで歌っていた歌手(あえて『ヴォーカリスト』とはいいません/笑)」で、タカ、ユージ、そしてフェイロンを始めとする多くの男を虜にした女でした。
こんとき、回想シーンが入ったんですが、タカ、ユージ、フェイロンが若い姿で映っててね。最初、このときのタカ=舘ひろしを見て、「昔の映像?」と思ったんですが、ユージ=柴田恭兵が髪型はいまのものだったし、シリーズ初出演であるフェイロン=岸谷五朗まで若い姿で・・・特殊メイクや、あるいはCGとは思えないしなぁ? なんか、そういう映像技術なんですかね?
そんなナツコの娘である彩夏は、すぐにタカ&ユージと馴染んでね。
ふたりの住居にもなっている探偵事務所のベランダで、「彼女とユージが陽気に踊って、それを眺めていたタカが、ふたりに微笑みを向けながら、グラスを傾ける」ってシーンがよかったですね。
この彩夏、「タカかユージ、どちらかの娘かも?」なんて話も上がってましてね。
その話題になったときの、タカとユージのやりとりもよかったです。

ユージ「タカが(ナツコと)付き合ってるって知ってたら、手出さなかったよ」
タカ「オレだって・・・」

これ、「“たしかにモテた男”同士の友情」だよな。どちらか一方でも「中途半端にしかモテなかった奴」だったら、知ってても手出して、それで友情が壊れてたかもね。

この間、捜査課長になって久しいトオル(仲村トオル)と、瞳ちゃん(長谷部香苗)も出てきてね。
トオルが「猫でも探している、あぶなくない探偵――





『あぶ探』とでも呼ばれてろ~



なんて言っててね。この台詞、仲村トオルのアドリブらしいですが、後の舞台挨拶時のコメントに繋がっていきます(笑)。
まあ、直後、タカとユージが港署に姿を現すと、昔の「ちょっとヘタレな後輩キャラ」に戻るんですが、それに対し、瞳ちゃんはちょっと違ってましたね。
あの、タカとユージのことを全肯定だった瞳ちゃんが、今回は「課長! ガツンと言ってやるんじゃなかったんですか」なんて台詞も。
まあ、女は年取れば、逞しくなりますからね。箱入り娘だった瞳ちゃんも、タカとユージに対し、ちょっと当たりが強くなることも、あるのかもしれません。
で、ほかのレギュラーキャラとしては、まずはナカさん(ベンガル)
「さらば」では定年後、屋台のラーメン屋をやってたナカさんでしたが、今回は情報屋になってました。
絡みはタカとのみで、ユージとは絡んでませんでしたね。タカと飯食いながら、海堂巧(早乙女太一)の情報も。
この海堂が、タカとユージが射殺した銀星会会長・前尾源次郎(柄本明)の息子でね。それゆえに、ナカさんも最初は「鷹山、おまえは知らないほうがいい」なんて台詞も口にしてましたね。
もうひとり、肝心な人を忘れてはなりません。
カオル(浅野温子)もハマに帰ってきてました。
カオルはね、もう早い時期、それこそ1作目の映画からコメディリリーフですよね(笑)。ストーリーに絡んだのって、最初のTVシリーズの数話だけじゃないかな?
ちなみに、今回の彼女の衣装や髪型、






きゃりーぱみゅぱみゅを意識したものだったそうです(笑)。



何気に、時代に沿った(?)出で立ちなのね。

作中、所々で昔のBGMが流れてきたのは、うれしかったたですね。
とくに「Cops And Robbers」。小比類巻かほるによるヴォーカル部分はなかったかもしれんけど、この曲は未だに燃えるものがあるね(笑)。
あと、彩夏役の土屋太鳳が歌って、その流れで回想シーンになり、ナツコが同じ曲を歌うことになるんですが(前述の『タカたちが若返ってたシーン』ね)、これも最初のTVシリーズから使われてた曲じゃないかな?
で、番外編としては、





カオルによる「大都会」(笑)。



まあ、カオルが歌ってたんですが、これは笑いを取りに行った演出でしょう(笑)。
そういえば、ナツコの女優さんって、誰だったんだろ? ステラは整形した設定のようだし・・・やはり映像技術によって、吉瀬美智子が別人のように映ってたのかな?
ちなみに、ステラの整形については、彼女を「ナツコである」と直感したタカが、彼女のことを後ろから抱きしめつつ、





「顔を変えても、抱きしめればわかる」



なんて囁いてね。いかにもタカらしい、気障な台詞、気障な演出ですよね(笑)。

早瀬梨花という役で、西野七瀬が出てたんですが、まあ、トオルの部下、すなわち、港署の刑事でね。そのトオルに命令されてタカを尾行してたんですが、港が見える公園にて、タカに感づかれてましたね。
この辺は「場数の違い」ですよね。
で、その後、海堂の手の者たちと戦闘になり、タカとユージ(港署の若い刑事たちも)がどうにか撃退したんですが、この際、梨花がタカに手錠をかけてね。
タカがやはり気障なこといったのかな? そのせいか、梨花が「『口説かれそうになったら、手錠をかけろ』と、町田課長が」いってね。それに対し、タカが「あいつ・・・」と(笑)。
この戦闘、もう刑事ではないタカとユージは、銃を持ってないわけでね。当初は格闘戦だったんですが、ふたりとも相手に手も足も出なくてね。ユージが苦し紛れに、「これぞ、ホントの老いるショック」なんてね(笑)。
ピンチでも軽口叩ける辺りが、ユージらしい(笑)。
まあ、老いたりといえど、タカもユージも強いけどね。相手が(格闘戦では)強すぎるというか。
そうだ、このとき、梨花が落とした拳銃をタカが拾い上げて、敵にぶっ放してね。そのあと、人差し指だけ立てた手を自らの口元にそっと寄せてね。この辺もタカらしい気障な仕草ですよね(そりゃ、令和の若者である梨花なら、警戒しますよね/笑)。

まだまだ書きたいことがあるんですが、ちょっと長くなりそうなので(既に長いかもしれませんが/笑)、また後日に。

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あぶない刑事 Blu-ray BOX

2021-09-04 15:06:36 | あぶない刑事
あぶない刑事のTVシリーズがBlu-ray化するんだってね。ただ・・・まあ、昔のドラマだから、エピソードの数が多いとはいえ、





高い・・・(笑)。



金額がね。
無印=全51話、「もっと」=全25話なうえ、スタッフジャンパーや、タカとユージのフィギュア(タカは無印の特典、ユージは『もっと』の特典)も付くらしいんでね。
ですんで、無印のみ予約しようかとも思ったんですが・・・結局、どっちも。さすがにフィギュアはいらんし、ほかの特典もあまり興味ないんですが、まあ、「記念として」といった感覚でね。ただ、特典のひとつである警察手帳は興味深い(笑)。また、フィギュアも、





タカはポカリを、ユージはポッカ(と思われる)の缶コーヒーを持った手にも換装できるそうです(笑)。



その辺の芸は細かいですよね。作中でタカとユージがやったように、ポカリとコーヒーを交換させてみるのも、おもしろいかもしれませんね(笑)。
「もっと」のBOXは、最後まで悩みましたね。「安くなってから(中古が出たら)」と、考えたことも。
ぶっちゃけ、「もっと」は軽すぎるんですよ、ノリが。まあ、無印も後半からかなり軽薄になってますが(笑)。
それでも無印は「ハードボイルドな雰囲気と、コミカルなノリのバランスが取れてた」といえると思うんです。「ハードボイルド」いっても、設定も雰囲気も昭和末期的な和風ハードボイルド(いや、『和洋折衷ハードボイルド』か?)ではありますが、ともかく、それがあぶ刑事の魅力だと思うし。まあ、無印終盤におけるカオルのノリやコスプレぶりは、どうかとも思いますが(カオルはやっぱ、『朗らかで、ちょっと抜けているけど、奇麗なお姉さん』くらいでよかったんです/笑)。
まあ、内容がおもしろいのは間違いないんでね(そりゃ、いま見ればタルい部分もありますが)、楽しみではあります。
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我が青春の「あぶない刑事」 PART2

2021-05-03 20:57:22 | あぶない刑事
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、2005年ごろに書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。


あぶない刑事(1986~87・日本テレビ系列・東映・セントラルアーツ)


レビュー2
こちらでは、おもにお気に入りの回をピックアップして、レビューさせていただきます。
ちなみに、この作品のサブタイトルはすべて漢字2文字になっており(続編の『もっとあぶない刑事』でも)、当時はそれが妙に「おしゃれっぽい」っていうか「小粋っぽい」感じがしましたね。
ただ、「もっと~」も合わせると、合計1年半続いたドラマだっただけに、スタッフとしても考えるのが大変だったでしょうね(笑)。
いや、ただでさえ、サブタイトルって、意外と考えるの難しいうえに、「漢字2文字」という制限つきでしたからね(笑)。当時のスタッフの方たちには、頭が下がります。
まあ、それはともかく。
「お気に入りの回」とはいったもののですね・・・・・・




ただでさえ、全51話であり、「ほとんどすべてが“お気に入り”である」ため、語り尽くせるわけがありません(笑)。



ですんで、もちろん「これら以外にもお気に入りはたくさんある」んですが、ホンットに、「強いて選ぶなら」という観点で、以下の回を厳選しました。
とくに印象深い回はこんな感じです――

まずは第14話「死闘」ですね。
「現金輸送車から3億5千万円が強奪され、『警備員の小堺が共犯』と踏んだユージが、彼の尾行を開始し、最後には廃工場にて、彼が襲撃犯と落ち合った現場を取り押さえるも、もうひとりの共犯に撃たれ、重傷を負ってしまう」――ストーリーはこんな感じです。
レビュー1でも少し書いたけど、序盤のユージはどっかコミカルではあったんだけど、タカ同様、ハードボイルドな面も強くてね。
ただ、タカと比べれば、「かなり“茶目っ気”というものがあり、そのうえ、どっか(いい意味で)汗臭い部分も多分にある」っていう感じでした。
つまりは、ユージは「コミカル:ハードボイルド=5:5」、タカは「コミカル:ハードボイルド=2:8」、「タカが次元ならユージは(1作目の)ルパン」って感じでしたね。
まあ、それが次第に「ユウジ=コミカル:ハードボイルド=7:3」、「タカ=コミカル:ハードボイルド=3:7」くらいになってくんですが(笑)。
ともかく、このころのユウジはまだ「5:5」だったころでね。
銃で撃たれたことから、腹部から出血しちゃって、段々意識が朦朧としてきてさ、そのうえ、じつは弾もなくなってんのに、気力とハッタリで犯人たちを釘付けにして、タカたちの救援を信じて待つ彼の姿は、




「おしゃれでクールながらも、どっか汗臭くて人情味もある」



という、「あぶ刑事最大の魅力を体現している」って感じがして、とくに印象深いですね。
ラストにおける、

タカ「ユージ、待たせたな」
ユージ「おせ~よ~、タカ~・・・」


といった、ふたりのやりとりもよかったです(笑)。
この回は、なんといっても、ユージの魅力が滲み出てた回でしたね。

続きまして、第20話「奪還」




タカが銀星会に拉致られます。



「銀星会のシャブが元銀星会幹部・尾崎に盗まれる。それにより、銀星会が尾崎の娘・絵里香を狙うと睨んだタカが、ユージとともに、絵里香が遊びにいっている河口湖に急行。無事、彼女を保護するも、やはり銀星会に襲われて・・・」って感じでね。
ちなみに、この絵里香に限らず、あぶ刑事に出てきた女の子って、当たり前だけど、みんな80年代ファッションでね。もう、腿んトコが必要以上に広がってるパンツだったり、あるいは、




“真っピンク”なストッキング



だったりしてね(笑)。いま見ると、あまりの懐かしさに、ついつい笑っちゃいます(笑)。
まあ、それはともかく。
湖畔での銃撃戦はカッコよかったですね~。
まあ、それでも「多勢に無勢」で、やむなくタカがユージに「絵里香を連れていけ」みたいなこといってね、自分は囮として残るんですよ。
で、足を撃たれて、結局・・・
このあと、ユージの報告を受けた近藤課長が、彼を伴って銀星会に乗り込み、




穏やかながらもはっきりとした口調で、「私の部下を殺したら容赦しない」みたいなセリフをいったのが、カッコよかったですね。



普段は癇癪持ちで、どっちかというと、みんなから煙たがられている(まあ、なんだかんだで、慕われてもいるんだけどね)課長が、なんていうか、「大人のカッコよさ」を見せてくれましたね。
銀星会にボコボコにされても、決して屈しなかったタカの精神力もお見事です。
そういえば、タカはやたらと、この銀星会を目の敵にしてましたよね。
「日本最大級(と設定されている)の暴力団に対しても、常に強気で自分自身の正義を貫く」
という面も、タカの魅力のひとつでしたね。
まあ、別の回では、銀星会会長に、「あんたなんて、殺ろうと思えばいつでも殺れる」みたいなこといわれて、キレてたりもしましたが(っていうか、このときの銀星会会長のセリフって、じつは現実的にはそのとおりなんだよね。一介の刑事が日本最大級の暴力団に・・・/笑)。
って、ちょっと話がそれちゃいましたね(苦笑)。
まあ、結局、この回は「死闘」のときとは逆に、ユージがタカを救出し、最後は無事ふたりで銀星会の連中に逆襲したうえで、見事逮捕することになります。
タカのハードボイルドな魅力が全開な回でしたね。

で、また「タカ絡み」になっちゃうんですが・・・
第33話「生還」では、彼がシャブづけにされてしまいます。
「シャブの密売人に接触したはいいが、ドジ踏んで逆に捕まり、シャブづけにされたうえで、売買にまで利用されてしまったタカ。その場は何とか逃げることに成功するも・・・」って感じのお話です。
って、よくよく考えると、




タカって、結構拉致られてますよね(笑)。



まあ、「刑事ドラマの宿命」ってやつなんですが(笑)。
それはそうと、この回は、なんといっても、




体内のシャブを抜く際のタカのキレっぷり



がよかったですね。
もう、ホントにタカ、錯乱気味でしたもんね。
シャブの売買の現場から街に出て彷徨ったあげく倒れこんだ彼を、敬子という女性が匿います。で、その家からユージを呼び出したうえで、手錠でベッドにつないでもらい、誰も部屋に入らせずに、ひとり禁断症状と戦うタカ――彼の狂気をも感じさせられた名演出だったと思います。
心配したユージに、「病院いかなくていいのかよ?」なんていわれても、




「そんなみっともない真似ができるか!」



と答えたシーンに、「彼なりのダンディズム」というか「ポリシー」みたいなものを感じさせられましたね。

お次は、第36話「疑惑」
「現金輸送車が襲撃され(「またかい!」っていうツッコミは却下/笑)、現場に駆けつけたタカとユージが、警ら課の警官たちと犯人を追い詰めるも、警ら課の新田が犯人のひとりを射殺してしまう」――
まあ、結局、新田は査問委員会で「問題を追及しない」ってことになったんですが、その際、彼がタカに向かって口にした「当然です」といったセリフや、あるいは、やはりタカとのやりとり――

タカ「初めて人を撃ったあとは、悩まされるものなんだがな」


新田「悩む必要なんかありませんよ。“社会のダニ”を処分してるんです」


タカ「・・・『正義の味方』にでもなったつもりか?」


新田「もちろんです。「正義」が引き金を引かせるんです


などといったセリフに、まれに見せる「あぶ刑事のダークな部分」を垣間見ることができますね。
っていうか、この回は、よくよく見てみると、新田の「正義」があまりに歪んだものであるせいか、全体的に結構ダークかもしれません。
まあ、もうひとりの襲撃犯・日野が逃げてたんで(実際は捜査の過程で新田に殺されてたんだが)、この新田ともうひとりの制服警官・九条は捜査に参加してたわけですが、ビビッてイモ引いた九条を新田が変装したうえで撃っちゃうんですよ。
さらには、良心の呵責もあったのか、タカに真相を話そうとした九条を新田は射殺します。
まあ、「新田と九条が手柄を立てるために、襲撃犯ふたりに現金輸送車のルートを教えて犯行を実行させ、それを自分たちが撃った」という自作自演だったんですけどね。
で、それに気づいていたタカは、“陰謀”を企てます。
(おそらくは別件による)拳銃取引の連絡があり、新田を伴って埠頭に向かうタカ。
この現場にて、彼は、援護を命じた新田を置いてひとり突っ込んでいき、




犯人に新田を射殺させ、「出世のための自作自演」などという県警始まって以来の不祥事をもみ消します。



たしか、課長にも報告はしてなかったと思います、この“陰謀”の真相は。まあ、課長も、そして相棒のユージも気づいてはいましたが。

そして最終回の「悪夢」
「港署に助けを求める電話が入り、吉井と田中は連絡のあった倉庫裏の電話ボックスに向かうが、そこで男の死体を発見する。その男の身辺を調べ始めたタカとユージは、彼を刺した男を見つけ出し、逮捕する。これにより、事件は一件落着と思われたが・・・」――
まず、特筆すべきは、港署が襲撃されます。
って、まあ、それまでも襲撃されたことはあったんですけどね。瞳ちゃんが人質に取られ、課長以下、署の人間全員が留置所に入れられて、それぞれ「外で捜査してた」「仮眠室で寝てた」ために難を逃れてたタカとユージ、そしてカオルに救われるんですが。
ともかく、この回の犯人はそんなまどろっこしい真似も、また、何らかの要求も一切せず、しかもたったひとりで、署内でショットガンを撃ちまくります。
白い帽子を深く被り、同じく白いコートで全身を覆い、無言かつ無表情で、ひたすらショットガンをぶっ放す犯人――彼の「気味の悪さ」を簡潔に強調している演出には脱帽モンであり、また、ちょっと不謹慎ながらも、「警察」という巨大な権力に向かって銃を乱射し、署内を破壊していく光景には、ある種の爽快感をも覚えましたね。
まあ、そんだけの発砲事件であったにもかかわらず、




「港署内では、死傷者がひとりも出なかった」っていうのは、ご愛嬌ってことで(笑)。



ほかのトコでは重傷を負わされた警察官が何人かいましたけどね(それでも死人は出てない)。
まあ、それはいいとして。
この犯人っていうのが、




それこそ“亡霊”の如く、神出鬼没



でしてね。タカ&ユージも追い詰めはするんだけど、逆に追い詰められたりもして・・・
ちなみに、最終回ってこともあって、このときもタカが「バイク追撃」を見せてくれましてね。
まあ、「右手で撃ってる以上、エンブレが効きまくって、ターゲットから離れていっちゃうんじゃ・・・?」なんてツッコミどころもなくはないんですが(笑)、やはり彼のこの「バイク追撃」は最後までカッコよかっですねぇ。「タカと犯人が対峙した時点で一度止め、双方がそれぞれバイクと車を走らせたトコで、再度イントロからかけ直した」といった挿入歌の流し方もよかったですね。
それはともかく、「追い詰めてもすぐに消えてしまう」「そのくせ、予想もしない所から現れ、自分たちを何度も危機に陥れる」といった状況に、さすがのふたりもかなりの危機感を抱きます。
正体は不明。そして、亡霊のように、現れては消え、消えては現れる犯人・・・
そんな手の打ちようがない状況に、タカはユージに対してこう呟きます――

「ユージ・・・“逮捕”はあきらめよう」

無論、ユージは一瞬、疑問に思い、「あん?」と呟くのですが、それを見越していたかのように、タカは自らの言葉を補足します。





「“退治”するんだよ」



――この瞬間、ふたりは「犯人の射殺」を決意します。
こんときのふたりは、やっぱカッコよかったですね~・・・
タカによる「“退治”するんだよ」といった不敵なセリフといい、「待ってました」とばかりにその策に乗るユージの「イケイケぶり」といい・・・
それに、ただカッコいいだけでなく、「ふたりの役割分担」みたいなものを最後の最後まで印象に残してくれましたよね。
「策を立てるタカ(それでいて、自らも動く)」に「その策を全面的に信頼し、何の躊躇もなしに自分の実力をフルに発揮するユージ(それでいて、『考えなしの無鉄砲』ってわけではない)」っていうふたりの個性が、如何なく発揮されていたと思います。
で、まあ、クルーザーで海に逃げながら発砲してくる犯人に対し、ふたりが反撃に撃った弾が命中し、犯人はまるで消滅するかのように海の中へと落ちていくわけですが・・・
そのあと、ふたりは埠頭で静かに海を眺めながら、「(あの犯人は)結局、なんだったんだろうか?」みたいなことを、自分たちなりに考えてみたりします。
あるいは、「知らぬうちに、数多くの恨みを買ってしまっている警察に対する怨念」のようなものなのかもしれない――そういえば、人質を取った強盗犯を追っていた最中だったとはいえ、自分たちも(前述の)「助けを求める通報」を無線で知らされてはいたのだが、その電話ボックスを無視して通過していた・・・

ユージ「怖くなったんじゃねぇのか?」
タカ「なにが?」
ユージ「刑事の仕事」
タカ「全然。おまえは?」
ユージ「こんな楽しい“遊び”はないね」
タカ「ロクな死に方しないぞ」
ユージ「タカもな」


そしてラストシーン――




ガッン!



――素早く体を反転させ、海に向かって銃を撃つふたり。

やっぱ最後のやりとりと、「ラスト・ショット」はカッコよかったですね。
まあ、後者は無難といえば無難な終わらせ方なんですが(笑)、前者のやりとりは、なんていうか「不敵、クール、そしてどっか小粋な物言いを好むタカとユージらしい、このふたりにしか似合わないやりとり」って感じがして、それを最後の最後まで見せてくれたのは、ファンとしてはうれしかったですね。
「名作」っていうのは「終わらせ方」まで求められちゃうモンだと思いますが、このあぶ刑事の最終回は、充分に及第点はいってると思います。

この作品が好きだったもうひとつの理由に、「舞台が地元横浜だから」というのもありましたね(1回、ホントに家の近くのレストランがドラマで使われたときは、なんか妙にうれしかった/笑)。
さすがに、ドラマの舞台となった場所をわさわざ見に行くことは、あまりなかったけどさ、やっぱ「自分の知ってる場所、いったことのある場所が舞台に」っていうのは、ちょっとうれしいもんです(笑)。
それに、いまとなっては、作品を通して80年代の古きよき横浜を見ることができるし。
あぶ刑事で舞台となった場所は、「土地」や「施設」に関しては、結構いまでも残ってます。
山下公園やマリン・タワー、外人墓地はもちろんのこと、あのきったねぇ運河(笑)や、あるいは赤レンガの倉庫まで。
ただ、「あぶ刑事」で使われた「店」――バーやブティックやらディスコやらは、もうほとんど残ってないようです。
って・・・・・・




「ブティック」とか「ディスコ」やらは、言葉自体が・・・(笑)



もうすっかり死語ですもんね(笑)。
それはそうと、そういう意味では、いまの横浜は、「あぶ刑事の雰囲気」はいくらか残ってるものの、「タカやユージたちが出入りしてたおしゃれな店にいって、その店で当時を偲ぶ」というのは、ほとんど不可能になっています。
まあ、たまに横浜駅周辺の運河を何気なく見てると、やっぱり「あぶ刑事」や「80年代後半の横浜という街」に思いを馳せたり、あるいは当時の自分を思い出して、心の中でクスッと笑ってしまったりしますけどね。
って、あんまり長い時間、街中で浸ってると、「ヤバい奴」と思われそうなんで、ハッと我に返ったりもするんですが(笑)。
ともかく、振り返ってみると、「あぶ刑事」の時代の横浜って、すっごいよかったなぁ・・・
いや、いまの横浜も好きだけどさ、やっぱ80年代ってのは、「70年代以前の古い文化や慣習と、90年代以降の新しいそれらが入り混じった、ちょうど分岐となった時代」であってさ、もちろん、双方の悪い部分もあったけど、双方のいい部分も入り混じってて、幕末の開港以来、常に「古いものと新しいものが共存、同居している街」である横浜としては、




「最も“らしい”時代であり、個性が発揮された時代」



だったと思うんですよねぇ・・・
月並みな言葉だけど、できることなら、もう一度、あの時代の横浜にいってみたいものです。
向こう側の角から、いまにもタカやユージが勢いよく走り抜けてくるような雰囲気さえあった、あの時代の横浜に・・・

ここからは、完全新規記事です。
そういえば、いまやってる「ネメシス」というドラマ(広瀬すず、櫻井翔主演)で、あぶ刑事のパロディがありますね(笑)。
主演のふたりは探偵ですが(櫻井翔=風真が探偵で、広瀬すず=アンナが助手。って、風真はポンコツ探偵で、アンナが代わりに推理して、コナン君よろしく、風間に説明させるんですが/笑)、横浜が舞台ということで、神奈川県警の刑事にタカとユージがいてね(笑)。
千曲鷹弘と四万十勇次を勝地涼と中村蒼が演じてます。
このふたりが、本家に影響されたような出で立ちと言動でね(あ、伝説の刑事たちに憧れているだけではなく、ちゃんと捜査もやってます/笑)。ただ、本家とは異なり、こっちはタカが熱いタイプで、ユージがクールなタイプになってるかな?
また、

ユージ「殺人の容疑は晴れても、詐欺の容疑はある。(妹に)お別れをいってこい」
タカ「メソメソしてんじゃねぇぞ。兄貴なんだろ」

といった台詞も、本家なら逆だったかな。
まあ、それでも、あぶ刑事ファンとしてはうれしいですね(あぶ刑事は昔からパロディが多いので、我々ファンとしては、パロディには嫌悪感を抱かないものです/笑)。タカは結構、銃を撃ってくれるし(笑)。
そして、このふたりの後輩に「カオル」と呼ばれる女刑事もいます。ただ、こっちはとくに影響されていないのか、「下の名前で呼ばないでください」なんて、文句いうことも。
さらには、このドラマには仲村トオルが出てます(笑)。なんでも、「ふたり(勝地涼と中村蒼)の演技には、どうしても厳しい目を向けてしまう」とか(笑)。まあ、仲村トオルは、刑事役ではありませんが。
最終回、舘ひろしと柴田恭兵も、ゲストで出てくんねぇかな(笑)。
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我が青春の「あぶない刑事」

2021-04-03 21:19:00 | あぶない刑事
以前、テキストサイトでUPしてた記事です。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、2005年ごろに書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。


あぶない刑事(1986~87・日本テレビ系列・東映・セントラルアーツ)

主演
舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、中条静夫

作品概要
キザで女好きな鷹山敏樹と、お調子者の大下勇次――神奈川県警始まって以来の問題児ぶりを発揮するふたりの刑事。
その捜査方法は、常に「法にスレスレ」だったり「安全度外視」だったりする。
まさに「あぶない刑事」――そんなふたりが、港町横浜にて繰り広げる、おしゃれでハードボイルドな刑事ドラマである。
――と、まあ、そのはずだったんだが・・・中盤以降は結構、コミカルになっていったりする(笑)。

レビュー
当時、中2~中3でしてねぇ・・・丁度、「大人の世界」ってものに憧れる年代ですわ。
私も例に漏れず、やっぱ憧れちゃいましたね~(笑)。
なんていうか、それまで目にしたことがなかった、




「アイドル的なカッコよさ」とはちがう、「クールな大人のカッコよさ」


ってのが、タカ(鷹山敏樹・舘ひろし)ユージ(大下勇次・柴田恭兵)には感じられてねぇ・・・もう、ある意味、ショッキングな感覚でしたねぇ・・・
DCブランドのスーツに身を包み、曇ってるシーンでもグラサンかけて、クールな仕草でタバコに火を点ける・・・
当時、みんな真似してましたもん(笑)。まあ、さすがに「中高生にDCブランド」は、いろんな意味であり得ないので、そこは「それっぽいカッコ」(ジャケット&チノパンとかね)で済ませてましたが。
ってか、私、いまでも日差し強いときはグラサンかけたりするんですが、元々はあぶ刑事の影響ですし(笑)。
ちなみに、私はタカファンでした。ですんで、――まあ、いまでは両方とも好きですが――「あぶ刑事に影響された」というよりは「タカに影響された」といえるかもしれません。
ただね、よりコミカルだったせいか、当時はユージのほうが人気あったんですよね。
だから、オレの周囲も、もうみーんな、




エセ・ユージ



だらけでしたね(笑)。
それも、学校いってるときは先生やヤンキーがうるせぇから、「放課後限定のユージ」ね。遊びにいくときなんかは、少なくとも髪型だけは“ユージだらけ”だったもん(タカファンだった私ですら、部活引退して髪が伸びたころにもなると、何度か真似したモンです。まあ、クセ毛なんで、あまり似せられなかったけど/笑)。
ちなみに、まあ、「もうちょっとあと」だったけど、私や当時の友人たちがタバコ吸い始めたのだって、やっぱ「あぶ刑事の影響」だったし(結構、形から入るモンです/笑)。

この「あぶない刑事」というドラマなんですが、「作品概要」にあるように、最初は結構、「おしゃれなハードボイルド路線」だったんですよ。「骨太な部分」もあった、というか。
それまでの「太陽にほえろ」「西部警察」における「浪花節」を「ハードボイルド」という言葉に置き換えたうえで昇華させ、「探偵物語」「プロハンター」のおしゃれで比較的軽い雰囲気を「80年代後半」という時代に合わせたうえで、さらに強調し、それらがホントにいい感じでブレンドされたような作風だったんです。
アクションシーンなんかもそういう面が見られたしね。
ガンアクションにしても肉弾戦にしても、あるいは、タカによる「バイク追撃」も、ユージによるカーチェイスも、やはり「どっか汗臭さを残しつつも、おしゃれで軽いノリも併せ持ってる」って感じがして。
まあ、「タカのバイクシーン」も「ユージのカーチェイス」も、スタントが入ってる部分も多分にあったんですが(それでも、タカのバイクシーンは、舘さん本人によるケースも多かったけど/笑)。
それにヒロイン格のカオル(真山薫・浅野温子)も、序盤に関しては、




「いい意味で、おバカな部分が抑え気味」



だったしね(笑)。
序盤の彼女は、「ちょっとコミカルな部分もあるんだけど、どっちかっていうと、きれいでおしゃれな“お姉さん刑事”」って感じでしたもんね。
のちに「タカさ~ん」なんてバカっぽく呼んでた(笑)タカのことも、「鷹山さん」なんていってたし。
とくに、(たしか第3話『挑発』で)タカがキレていまにも発砲しそうな言動見せたときに(結局は演技だったんですが)、そんな彼を制止するかのようにいった「鷹山さん!」には、中盤以降の彼女からは考えられないほどの「ちょっとコミカルながらも、抑えるトコは抑える」っていう設定が色濃く出てたしね。
そのせいか、やはり「挑発」にて、そのラストにおいて、タカとユージを交互に指差しながらのセリフ――





「あ・ぶ・な・い・刑・事」



が、なんか妙にかわいく感じてね(笑)。「この時期の彼女にしかない、かわいらしさ」ですよね。
っていうか、タカとユージだって、まあ、前者は「ちょっとだけ」だったけど、後者はカオル同様、めちゃめちゃコミカルになっていったからね。
まあ、ユージの場合は、「タカとの差別化」上、どうしてもしょうがないんだけどね。「タカ=クールでダンディ」である以上、自分も似たような設定のままじゃ、どうしたってタカに食われちゃうわけですし・・・
ってわけで、ユージの変貌ぶりはわかるし、彼の場合はどっちかっていうと、それがいい方向に進んでいったから成功だったんだろうけど、カオルの場合は、個人的には「序盤のまま」でもよかったんじゃないかな、なんて思ってます(やっぱカオルは、中盤以降はちょっと壊れすぎ/笑)。まあ、「カオルは中盤以降にああなったからこそ、魅力的になったんだ!」っていう意見も、わからなくもないですが。
っていうかさ、やっぱ序盤は全体的に「手探り状態」だったんだろうね。
いまいったユージやカオルの豹変ぶりはもちろんのこと、パパさん(吉井刑事・山西道広)ナカさん(田中刑事・ベンガル)の呼び名だって、最初は「吉井さん」「田中さん」だったしさ(まあ、パパの場合は、中盤以降も『吉井さん』と呼ばれるケースも少なくなかったが)、トオル(町田トオル・仲村トオル)も最初は「いかにも新人類(って、単語自体が懐かしいなぁ/笑)」って感じで、近藤課長(中条静夫)に対してはもちろん、後にいいように使われてしまうタカやユージにまで、シラけムード全開で接して、逆にふたりをシラけさせたりもしたしね。
さらにいえば、じつは瞳ちゃん(捜査課の事務担当・長谷部香苗)は、





「ユージに気がある」という、中盤以降は完っ全に忘れ去られた設定なんかもありましたよね(笑)。


っていうか、この瞳ちゃん、私は何気に好きでした(笑)。当時、10代の私にとってはホント、




「かわいいお姉さん」だったんですよ(笑)。



じつはこんなシーンが用意されてたりしてね――

(たしか)課長「町田! おまえ、昨夜どこにいた!?」
トオル(つい、ポロッと)「ホ、ホテルに・・・」
瞳ちゃん「・・・」(トオルの背中を肘で小突いたうえで)





「ふ・け・つ」と、口パクしてたりね(笑)。



まあ、箱入り娘の瞳ちゃんらしいですよね。
そんな彼女のかわいいところをもうひとつ。


瞳ちゃん「町田くーん」(トオルに受話器を渡しつつ)
トオル「女の子?」
瞳ちゃん「も~う、モテるんだから~」
トオル「もしもし!」
トメ吉(ケチなスリ)「あ、町田さんですか?」


このシーンはホント、瞳ちゃんがかわいい! 瞳ちゃんはマジ天使! (笑)
って、話を戻して――
それと、「序盤」といえば、「序盤の数話にしか顔出さなかった松村課長(木の実ナナ)」ね。
ホントに数話しか出てないんだけど(OPのテロップも途中で外された)、妙に存在感ありましたよね~。
っていうかね、木の実ナナが序盤の数話しか出なかったのは、最初からそういう契約だったんだってね。
なんか、当時、ミュージカルやってて、スケジュール的に「最初の数話にしか出演できない」って状況だったんだって。
まあ、当時は正直、「スタッフとケンカでもしたのか~」なんて下世話な想像してましたけど(笑)・・・どうりで、映画版にも「もっとあぶない刑事」にも出てたわけだ(まあ、後者については、やはり『序盤の数話』だったけど)。

この作品は、劇中で使われてた音楽についても、結構思い入れがあったりもします。
ホント、いい曲が多く使われてましたね。
まずはOPテーマ。
これって、舘ひろしが作曲したんだってね。
カラッとした感じの、それでいてポップでダンサブルな(一応)インスト曲です。
「タカが港署に入ってきて、ユージをはじめとする仲間たちと軽くあいさつをかわしながら捜査課に向かいつつ、最後は近藤課長になにやら報告なり意見なりを言いかける」って感じに演出されてるOPシーンに、ピッタリ合ってますね。
で、挿入歌なんですが、いろんな曲が使われてましたね。
ちなみに、BOφWYの「DANCE CRAZE」も使われてました(氷室ではなく、布袋がヴォーカルとってる曲です)。
たださ、これは「DANCE CRAZE」にもいえることだけど、あぶ刑事の挿入歌って、大抵は全編英語詞だったから、どの曲も洋楽だとばかり思ってたんですが(『DANCE CRAZE』にしたって、このころはまだBOφWYファンじゃなかった気がする)・・・
「WAIT AND SEE」にしても「COPS AND ROBBERS」にしても、





歌ってんのは、鈴木聖美や小比類巻かおるなんだってね(笑)。



ちなみに、「WAIT AND SEE」が鈴木聖美、「COPS AND ROBBERS」が小比類巻かおるによって歌われてる曲です。
ともかく、曲調もさ、なんかやたらと80年代洋楽ポップスっぽいモンばっかだったこともあって、DVD-BOX買って初めて知ったときは、ホントに驚いたわ(笑)。
しかも「ロンリー・チャップリン」や「CITY HUNTER ――愛を止めないで――」歌ってた人たちですよ(笑)。
まあ、でも、ホントにポップな感じがして、いい曲ばっかだったと思いますけどね。
それと、「あぶ刑事の挿入歌」といえば、忘れてはいけません。
そう、主演の柴田恭兵も歌ってます。
「RUNNING SHOT」とか「WAR」とか、好きだったな~(笑)。
まあ、当時よくあった「ビートロック系」の曲でしたよね。ビートロック好きだった私としては、やっぱ彼の曲も好きでしたね。
ただ・・・・・・





歌唱力のほうは・・・(笑)



いや、まあ、役者さんだからしょうがないんですが、それにしても、コーラスの姉ちゃんらの声量のほうが上回ってましたからね(笑)。
恭兵さんの声、コーラスが重なるパートに入ると、完全にかき消せれちゃってます(笑)。
最後に、エンディング曲・「冷たい太陽」
こちらは、もうひとりの主役・舘ひろしが歌うバラードです。
ちなみに、作詞作曲も舘さんです。
「♪I LOVE YOU~」で始まる、舘さん特有のセクシー・ボイスと、どっか欝的な歌詞が妙にハマッた曲ですね。
当時、この曲が流れると、妙にブルーな気持ちになったりしてました。
ただ・・・・・・





やはりこの人も、歌唱力のほうは・・・(笑)



まあ、「バンド上がり」だけあって、恭兵さんよりはマシでしたが(苦笑)。
それはそうと、なんだかんだで、やっぱいい曲揃ってましたね。
とりあえずいえんのは、





仲村トオルが歌う曲がなくて、ホッントによかった! (笑)



この人の場合、舘さん、恭兵さんどころじゃなかったもん(笑)。
後に恭兵さんが、





「新宿純愛物語」



聴いたとき、





「椅子から転げ落ちました」



なんてジョークをいってたくらいですからね(笑)。
まあ、それはいいとして。
なんだかんだで、結構名曲揃いなのは、間違いないと思います。
ですんで、「さらば あぶない刑事」上映後にリリースされた「あぶ刑事のベスト盤」(サントラ)、いまでもたまに聴いちゃいますもん(笑)。
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