マッシュムラムラ(仮) ――クラ鈴が斬る!――

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氷室京介、あぶない刑事、マンガ etc

気がつけば、歴史マンガばかりに ――マンガ紹介――

2024-09-21 23:09:07 | マンガ
私が最近――といっても、かなり前のものも含まれますが、ともかく、読んだ作品を。
今回、紹介する作品は、いずれも「以下、続刊」です。
マンガはそう時間をかけずに楽しめるので、今でも重宝してますかね。

湘南爆走族ファースト・フラッグ 3巻

湘爆の前日譚です。
時代設定は昭和54年。江口たちはまだ中坊、いや、小学生ですかね? まあ、作中に江口や津山さん、アキラ、権田二毛作らは出てきません(少なくとも、現時点では)。
主人公はマコと茂岡ですかね。マコは湘南のお嬢様学校に通う女子高生で、華奢な体で500SSマッハ3を操るクールビューティな少女です。「白煙の女王」などと異名を取っています。
茂岡(=シゲ)は、やりたいことさえ見つからず、イライラを募らせている高校生で、そんな状況下でマコの噂を耳にし、彼女の走りに挑もうと(シゲはZ400)、彼女を追い続けることになります。まあ、ふたりは既に邂逅を果たしてますが。
まず、昭和50年代の雰囲気がいいですよね。昭和も最早、「歴史」なんでしょうが、「昭和50年代について、前半はかろうじてながらも、後半は確実に体験してきた」といえる私としては、やはり懐かしい。作中で、テレビの音声から、「江川投手、1年目のシーズンは云々」とかね(笑)。
また、主役ふたりのキャラもいいですよね。マコとシゲの関係性、今後はどうなるのかも気になります。

私、湘爆(無印)のマンガはほとんど読んだことないんですよ。実写映画も、チラッと見ただけ。ただ、高校生のころ、友達の家なんかでOVAを何作か見せてもらってね。





江口vs権田のタイマンは、マジでよかった。



江口も権田も、たまらなくカッコよかった。




昔のマンガには、権田のように「普段は主人公にイジられる三枚目だけど、一方では主人公が一目置く、あるいは背中を任せる」といった具合に、「腕はたしかで、決めるときは決める」というキャラがいたんですよね。「CITY HUNTER」の海坊主とか、「コータロー」の天光寺とか、「幽遊白書」の桑原なんかも、そうかもしれません。
ともかく、この湘爆は無印のころから、キャラが魅力的ですよね。

鎮護庁祓竜局誓約課 2巻

1巻については、こちら(『「波よ聞いてくれ」と「鎮護庁祓竜局誓約課」』)を。
斎(いつき)の「治癒能力過剰」の理由は、ハチくんにあるようですね。また、による“怪異”の説明も進みましたね。いずれも仮設の段階ですが。
ヒロインの草乃(かやの)は相変わらず、身体能力が半端ない(笑)。ってか、彼女の斎に対する想いも健気なままですね。それと、彼女には健康的な色気がある(笑)。
新キャラの翠(あきら)さんと八雲さんも、いい感じ。ふたりとも女性で、翠さんは「斎は(男として)どうか」みたいなこといわれ、「ないない」なんて答えてたのが(笑)。まあ、このふたりは合わないでしょうね。
また、神奈と六人部(むとべ)というキャラも出てきました。神奈は草乃の同級生で、少し飄々とした性格ながらも、朴念仁な斎に惹かれている草乃のことを心配しています(といっても、斎は草乃の気持ちを察してはいますが)。
六人部は斎の後輩で、同じく誓約課に所属する青年です。この六人部は、ワケアリかも。
なんつーか、「B級感」はあるかもしれないけど、たしかにおもしろい作品です。

逃げ上手の若君 17巻

アニメもおもしろいですね。
亜也子が自分に気のある敵将・桃井(もものい)のことを誘き寄せようと、ちょっとした色仕掛けで彼を誘ってね(もちろん、作戦上でね/笑)。
で、最後は桃井に、「私、ただデカいだけで、まだ十二歳!」なんて宣言してね。それを聞いた桃井が「オレは十歳の女児にベタ惚れして、二年間も追ってたのか。男としてというより、人として・・・」と、嘆いてました(笑)。
ただ、この時代、十二歳なら嫁入りできたんじゃないかな? 亜也子は、(胸はないけど)体つきは大人の女と比べても遜色ないし。
まあ、亜也子自身は若(時行)の奥さんになるつもりでしょうが(とはいえ、正室には拘ってないかな?/笑)。
やはり若の「お付き」である雫が、少しだけ正体を明かしましたね。敵将・高師直に斬られたんですが、なぜか無傷で――

雫(もっと力を出さなきゃ。いずれ、消えてなくなる身なのだから)
師直「貴様、人ではないな」


なんてシーンがね。まあ、その直後の雫の言葉は、彼女の存在の根幹にかかわるでしょうから、ここではやめときます。軽く調べてみたら、そういう信仰があるみたいね。

だんドーン 4巻

日本警察の父、初代大警視・川路利良を主人公にした作品です。「ハコヅメ」の作者によるもので、1巻のおまけページでは「ハコヅメ」のメインキャラたちが、銅像になっている川路さんの周りで、彼が残した「心構え」を読んでたりします(藤さんなんか、川路さんの顎を撫でてたような/笑)。
川路利良が主役ということは後々、斎藤一も出てくるんでしょうかね。るろ剣でも、このふたりは出演しており、川路は左之に「デコッパチ」なんて呼ばれてましたね(笑)。
とはいえ、「だんドーン」の川路さんは、まだ下っ端の薩摩藩士です。ようやく桜田門外の変が起こったトコなんで、斎藤の出番はまだまだ先ですね(池田屋、蛤御門の変、鳥羽伏見辺りで、ちょっと出てくるかも?)。
でね、オレは「ハコヅメ」という作品、ドラマとアニメしか見てないんですが、この作者のキャラは皆、いい意味で飄々としているというか、惚けたトコがあるのは何となくわかりますよね。
それと、川路たち薩摩藩と敵対する彦根藩お抱えの忍び――その女当目であるタカ。この人も魅力的ですね。
幕末の名君で、川路や西郷隆盛、大久保利通らが慕う島津斉彬は、タカの手にかかっています(この作品では、斉彬公は暗殺されたことになっています)。ってか、タカさんは見た目が美人な分、そのときの手口がよりえげつない描写になってたと思います。
また、タカさんが妙にエロいんですよね(笑)。とくにナイスバデーというわけでもないんですが、なんか妙に艶めかしい。やっぱ女作者の描く女性キャラって、そういう傾向にあるんですかね。この作者の絵柄も、決して美麗ではないんですが。
ともかく、そんな具合に、斉彬公のときはタカさんらが、川路らを出し抜きましたが、桜田門外では逆に、川路たちがタカさんらを出し抜きましたね。
そして後々、川路らは勝ち組として維新を迎えることになるわけですが、タカさんはどうなっていくんでしょうかね。案外、川路付の密偵になったりして(斎藤とコンビ組んだりね/笑)。

角栄に花束を 12巻

池田勇人による宏池会結成――これを「疾風の勇人」のほうで見たかった・・・。
池田の盟友であり、ライバルでもある佐藤栄作も周山会を立ち上げました。角さん(田中角栄)は、佐藤派に属することに。
このとき、角さんとしては葛藤があってね。池田も佐藤も、吉田学校の兄弟子ですし、どちらとも馬が合ったようですからね。
池田も当然、(池田の甥と、角栄の娘が結婚したことにより)親戚になったこともあり、角栄は自分のところへ来ると思ってたんですが・・・

「ワシには日本のためにどうしてもやり遂げねばならん“計画”がある。





そのときが来たら、派閥を超えて力を貸してほしい。頼めるか?



といった台詞を口にすることで、角さんのことを快く送り出します。角さんもそれに対し、「もちろんだとも!!」と。この約束は守られることになります。
これね、角さんが池田派ではなく佐藤派へいったことについてね。
まあ、まずは「池田のもとには、彼が大蔵次官だったころから弟分、子分として彼に付き従ってた前尾繁三郎や大平正芳がいた」「このため、自分が後継になるには障害が多い。また、大平と自分との友情もある」といったことが挙げられるだろうね。
前尾とも関係はよかったようだし、やはり角さんは情の人ですよ。
ただ、「佐藤派に自分のライバルがいなかったか」といわれると、ちょっとわかんないですけどね。のちの自身によるクーデターは、佐藤が実兄・岸信介の後継者である福田赳夫を総裁選で押したことによるものですし。
それと若き日の佐藤は(その後も?)、人に対する好き嫌いが激しいというか・・・そのライバルである池田は、佐藤と同じく官僚出身の政治家ではあるものの、(好き嫌いはあっても)親分肌のところもあったから、苦手な相手も取り込めるところがあったようですが、佐藤は徹底的に毛嫌いするトコがあるからね。角さんから見れば、危なっかしく見えるトコもあったんだろうね。
「池田の兄貴は、オレみたいなトコがあるから、オレがいなくても大丈夫だろうが、佐藤の兄貴は、人間関係に限っては」とでもいうか。
これらは史実においても、いえるトコがあるんじゃないかな? 史実における「角栄と、池田、佐藤との関係性」という部分についてね。
ともかく、この間、総裁選に勝った石橋湛山(総理大臣)が病に倒れ、65日で退陣し、副総理であった岸信介が総理総裁に。
その岸により郵政大臣に任命された角さん。「戦後初の30代の大臣」(このとき、角さんは39歳)となったものの、時の郵政省は・・・。
それでも、持ち前のバイタリティと、“地頭(じあたま)のよさ”をもって、突き進んでいき、いくつもの困難をクリアしていく角さんに、爽快感やカタルシスのようなものを感じますよね。
今後の「安保騒動→総裁選→池田勇人総理大臣、田中角栄大蔵大臣の誕生」までの流れが楽しみです。


峠鬼 7巻

古代日本を舞台にしたファンタジー――といっていいのかな? 微妙に史実や、実際に伝わっている伝説なんかと、リンクしていると思われるトコもありますが、神様も大勢、出てきますからね。
「古代神話にファンタジーやSFの視点を加えた作品」といった紹介がされているようですね。
主人公は妙(みよ)という名の少女で、生贄にされそうになったところを行者・役小角(えんのおづの)に救われ、以後は彼の弟子として、彼の旅に同行することに。
小角のもとには、善(ぜん)という名の少年――飢饉のため、やむなく家族の死肉を口にしたことで、になった少年もおり、小角の一行は(基本)三人で、倭国中を旅することになります。
ってか、神様の世界や、あるいは月面なんかに行くこともあったりします。
それでも、古代の日本、神話の時代の日本の雰囲気みたいなものを楽しむことのできる作品ですよね。
まあ、各キャラの設定的には、青年向けマンガなら小角が、昔の少年マンガであれば善が、それぞれ主人公になりそうではありますが、そこは「最近の“いい意味でB級マンガ”」です。やっぱ主人公は、道士としての才能豊かな少女・妙になるんでしょう。
7巻では妙が、三貴神の一柱であるスサノオと戦ったのですが、それが「街づくりSLG」というか、「人の世を進化させていくようなSLG」的なゲームによる対戦でね。
まあ、結局、妙が勝ち、スサノオは一行に力を貸すことになります。
この7巻最後では、倭国自体に動乱の兆しが見え始めていますね。壬申の乱になるのかな?

それにしても、歳のせいか、歴史マンガばっかだなぁ、オレが所有しているマンガって。鎮護庁が例外的というか(今回、挙げたものの中では。湘爆も昭和ですからね)。まあ、元々、歴史は好きでしたが。
上で紹介した作品以外では、お友達ブログで紹介されてた「ガス灯野良犬探偵団」や「石神戦記」なんかも、おもしろいですね。
「ガス灯」は、シャーロック・ホームズに協力していたベーカー街遊撃隊を大胆にアレンジした作品ですかね。「ベーカー街のストリートチルドレンたちが」というのは踏襲してるのかもしれませんが、主人公たち三人組――リューイ、ジエン、アビーのようなキャラたちは、この作品オリジナルなのかな?
リューイはとくに強いわけでもなく、靴磨きの経験から来る洞察力で解決していくタイプで、戦闘はジエン、身体能力が求められる場面はアビーが担当しているといった具合に、役割分担されてるのがいいですね。これにより、魅力、個性も分散されるし。
また、ホームズやワトソン、ハドソン夫人なんかのキャラも、かなりイジッてます。
「ダーティでニヒルで毒舌家なホームズ」や、「戦場帰りのイケメンなワトソン」「かわいい風貌に反し、ブチギレキャラであるハドソン夫人」などなど(笑)。
まあ、元々、ホームズもワトソンも武闘派だったり、ワイルドだったりするらしいですが。
「石神」は和風ファンタジーというか、「架空戦記」をかなりライトな絵柄やノリで描いた作品ですかね。もっとも、ノリのほうは「骨太な戦記モノ」という部分も色濃くありますが。
主人公のイサザとヒロインのヤチホもいいけど、兄上とミオさん、リッカさんのトライアングラー(?)が気になります(笑)。

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