表紙は剣心と斎藤。ただし、斎藤はまだ負傷中ということもあり、この巻では戦闘はありません。
このふたりですが、すっかり仲間ですよね。まあ、互いに仲間意識を否定はしてるけどさ。
撃つな! かわせ!
剣心にアドバイス送る斎藤なんて、無印、とくに京都編だったら、あり得なかった。
まあ、白也に尋問を行う際、その条件として、彼が剣心との対戦を望んでね。それを受けて、剣心が戦うことになったんですが。
じつは、このシーンの前にも、
斎藤「緋村、意識を切り替えろ。剣客兵器連中は、生半可な敵ではない」
剣心「ああ」
なんてシーンもあってね。
ただ、京都編の斎藤なら、絶対になにもいわなかったでしょうね(笑)。いずれのシーンも。
「フン・・・この程度でくたばるのなら、抜刀斎も所詮はその程度の男だったということ」と言わんばかりに、黙ってたでしょうね。
正直、剣心と斎藤はそれくらいの距離感であってほしかった気もしますが・・・まあ、
5年経ってますからね。
北海道編は「無印から5年後のお話」なんでね。これはこれでいいのかな、とも思ってはいます(斎藤をバキバキに警戒してた薫殿でさえ、『剣心は斎藤さんと一緒に飲んでるんだ』みたいなことを穏やかな顔つきで/笑)。
で、正直、オレは剣心というキャラには、昔から興味を抱けなくってね。それはこの北海道編でも・・・多少は好きになってるかな? (笑)
まあ、それでも、いまの剣心も「(斎藤のように)ハマれるキャラ」ではないんですが、
九頭龍閃三連発は、ちょっと燃えました(笑)。
剣心の体はもうガタガタなんですよ。技のキレは相変わらずだけど、もう無理はきかない体になってます。その状態で、圧巻の三連発でしたからね。
やっぱ、バトル作品のヒーローはこうでないと(笑)。
一方、それでも白也は気を失う程度でした(いや、ダメージとしては当然、デカいけど)。
この白也の頑丈さ――弾丸でも、斎藤の牙突三連発でも、剣心の九頭龍閃三連発でも(って、斎藤の三連発があったから、剣心も三連発という演出にしたのかも)殺せない、彼の硬質な体には、何らかの秘密があるようですね。
同じ作者の「エンバーミング」という作品と、世界観は共有しているようですので、そっち関係の技術かな? エンバーミング、ほとんど読んだことないんで、よくはわかりませんが。
斎藤辺りは薄々、気づいているかもしれません。白也と戦った時点で、「何らかの“カラクリ”」に気づいてたこともあり。あるいは、剣心や永倉なんかも?
また、白也の闘姿(とうし)。これは、ある程度は明確になりましたかね。
永倉や安慈曰く、「あいつの言っている闘姿なんて、あるわけがない」「本来、あるはずのないものが視えている」「凍座白也は精神の平衡を喪失している」ということであるようです。
元々、白也は惨めなくらいに弱かったらしいです。負け続けた人生なので、精神を病まなければ、正気を保てません。矛盾しているようにも思えるかもしれませんが、心を病むというのはね、「自身の精神、生命を守るための防衛本能」という部分もありますからね(もちろん、それだけではないだろうけど)。
ゆえに、白也には闘姿というものが見えるようになったようです。あるいは、自身が弱かったために、(防衛本能により)相手の実力を「闘姿が表れる」という形で察することができるようになったのかもしれません。当初は避けるべき戦闘を避けるためだったものが、いつしか応用できるようになり・・・?
その白也の言葉により、剣客兵器としては、次の実検戦闘の地に小樽と札幌を選んだことが判明します。
このため、斎藤は隊を三つに分けます。
小樽は剣心、左之、新キャラトリオ、札幌は斎藤、永倉、栄治(彼は十本刀、とくに宗次郎への復讐をとりあえず保留しています)、函館留守役は安慈、宗次郎、張、鎌足、蝙也。
なお、薫殿と剣路は、函館で薫の親父さん探しです。
この際、剣心と別行動になるにあたって、薫殿の頼みで、
家族三人の写真を撮影します。
それをひとり一枚ずつ、お守りとして、持つことに。
薫殿、奇麗になりましたね(笑)。
で、お話は剣心一行をメインに進んでいきます。
斎藤ファンとしては、彼や永倉の戦闘シーン(そういえば、永倉はまだ本格的に戦ってない/笑)がお預けになるのが残念。
ただ、左之が剣心の体を気遣って、「次、大将格と当たるときはオレが」みたいなことをいってたんでね。久しぶりに左之の熱いバトルを楽しめそうですね。
また、明日郎が戦いそうな雲行きですね。剣心が「無限刃・・・抜くなよ、明日郎・・・」みたいなことを心の中でね。
って、もし蝙也が裏切って、明日郎と戦うことになったら・・・「また子供に負けた男」などという展開に・・・? (笑)
いや、十本刀が裏切らないとも限らないんでね。安慈は性格的に、張は斎藤と剣心の恐ろしさを痛いほど知っているから、宗次郎は志々雄、剣心、斎藤以外の人間は認めないっぽいんで、その三人はなんだかんだで寝返ることはないと思ってますが・・・あるとしたら、鎌足と蝙也かな、と(って、宗次郎も展開次第ではあるかもしれん)。
このふたりは、剣心にも斎藤にも、何ら所縁がないので。あるいは、鎌足は「(何らかの理由で)薫殿の親父さん探しを妨害することになって、彼女と再戦」なんてことも?
ともかく、ようやく明日郎、阿爛、旭にも、スポットが当たりそうな感じになってきましたかね。主力と当たるのは左之だろうけど、彼がその一方で、新キャラトリオを監督する形で(?)。
そういえば、終盤で「小樽では、庶民に至るまで、粗悪な刀が出回っている」なんてエピソードになってましたが、これは「GUN BRAZE WEST」でやりたかったことなのかな?
「開拓地で、庶民に至るまで、粗悪な銃が出回っている」という設定をね。