時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

グラスホッパー

2016-07-26 | 映画
愛する人を失った悲しみを
復讐心に変える平凡な男・鈴木
命を奪うことで
生きる意味を模索する哀しき殺し屋たち
出会うはずのない男たちが闇の中で交錯する─
グラスホッパー(=トノサマバッタ)は
密集して育つと
黒く変色し凶暴になる
人間もしかり…



世界有数の人口過密都市
東京・渋谷
昼夜関係なく
人が行き交う雑踏に
真っ黒に染まった
凶悪な街の住人たちが
紛れ込んで生きている
ハロウィンの夜
渋谷スクランブル交差点で起きた
ある事件をきっかけに
気弱で心優しい草食男が
彼らの標的となった
巻き込まれたのは
元中学校教師の鈴木
彼が
場違いな
黒社会に身を置くきっかけとなったのは
無差別で凄惨な
あの事件によって殺された婚約者
百合子の復讐のためだった



百合子が息絶えた事件現場で
本当の犯人は別にいる
と言うメッセージが書かれた
メモを拾った鈴木は
そこに書かれた
フロラインという会社に潜入
事件の背景に裏社会のドン
寺原会長と
イカれた2代目・寺原Jr.の存在を知る

そんな矢先
またもや渋谷で
事件が起きる
今度のターゲットは
何と寺原Jr.



鈴木は
寺原会長の腹心で
フロイラインの女性幹部
比与子の命令で
寺原Jr.を襲った殺し屋
押し屋・槿(ムクゲ)を追いかけるはめになる
しかし
状況は二転三転
鈴木は組織から追われる身に



また一方で
組織と繋がる
殺し屋たちが蠢いていた
人を絶望させる
不思議な力を持ち
‘自殺屋’と呼ばれる
自殺専門の殺し屋・鯨
彼を消すことを依頼された
裏社会の交渉人・岩西と
その相棒にして
驚異的な身体能力を持つ
ナイフ使いの若き殺し屋・蝉



圧倒的な力を持ちながら
闇の中でもがく
彼らの生きざまは
非情ながらもどこか悲哀に満ち
黒社会での生き方を
模索しているようでもある
そして
出会うはずのなかった殺し屋たちと
鈴木が交わるとき
意外な真実が明らかに
果たして
鈴木は目的を果たし
この世界から抜け出すことができるのか



伊坂幸太郎氏の作品は
今回で
11作品目の映画化になります
でもって
何気に
見ているσ(^_^;)

出演者も
伊坂作品の世界観
常連の役者さんがちらほら

最愛の人である
百合子を
突然失い
復讐を誓った鈴木でしたが
自分の目の前で
犯人である
寺原Jr.が
車に魅かれて
あっけなく死んでしまいます

何それ~~

ただし
それは
単なる交通事故ではなく
横断歩道に立っていた
寺原Jr.を
通称‘押し屋’が
故意に押して
殺害したのでありました

いるんだ
そ~ゆ~人



その一部始終を
見ていた鈴木は
比与子の命令で
‘押し屋’を尾行し
家をつきとめたまでは
いいけれど
その男には家族があり
美しい妻と
2人の息子がいるんですよ

一般人に紛れながら
殺し屋家業
まるで
必殺シリーズです

過程や方法はどうあれ
百合子の命を奪った
憎っくき寺原Jr.に
復讐出来た訳です
万々歳
このまま
シラをきるとか
姿を消しちゃえばいいんだろけど
生来
ビビりで大人しい鈴木



息子の敵討ちとばかりに
‘押し屋’を
躍起になって探す
父親・寺原から逃げ出すことも
ままならず
逆に
フロラインから
命を狙われる羽目に…

絶体絶命と思われた
その時
それぞれの思惑
欲望を秘めた
自殺専門の殺し屋・鯨と
ナイフ使いの殺し屋・蝉が
現れた

寺原を含め
フロラインサイドの
人間はすべて殺され
鯨と蝉も死んじゃって
鈴木だけが
無事生還~



ラスト
遊園地で働く鈴木の前に
押し屋の妻・すみれと
息子が現れます

力には力
暴力には暴力
悪には悪

すみれから
聞かされた組織の存在は
まぁ~
余りにも
唐突でして…

ん?
この男の子
百合子が助けが子じゃん!

自分を助けてくれた
百合子への恩返し?
だから
鈴木に加勢した?

いやいや
フロラインvs対フロライン(押し屋一派)
の抗争中に
寺原Jr.が事件を起こし
そこに百合子が
遭遇しちゃって
結果的に
鈴木と押し屋一派の
利害関係が
一致したってことだ!



フロラインに拉致され
寺原Jr.の慰み者になるかと思われた
メッシュの女が
実は
単なる
アホなギャルなどではなく
寺原抹殺の命を受けた
一端の
殺し屋だったんですよぉ~

見事な豹変ぶり!
素敵~~

原作とは
違うみたいなので
機会があれば
読んでみようと思います

              画像は映画.com他より引用しています