今年は
太宰治の
「人間失格」に始まり
谷崎潤一郎の
「春琴抄」が読み収めになりました
1933年(昭和8年)
『中央公論』に発表された短編小説
文庫での初版は昭和26年1月31日とありました
明らかに
昨今の小説家の文体と異なっており
或る意味
新鮮でした
そして斬新
この頃の作品は
殆どの漢字に仮名がふってあるんですよね
以前
美輪明宏さんが
大人だけでなく子供も読めるように配慮されていた
読書をすることによって
自然と漢字が学べるようになっていた
と言うのをふと思い出しました
句読点や改行が極力省かれていたり
言葉の言い回しや文体の流れにも特徴があり
とは言え
それが読みにくいと言う訳ではない!
むしろ
一字一句
言葉のひとつひとつを
丁寧にじっくり読み進めよう言う
意識が出て参りました
確かに読み進む速度は遅くなりますが
春琴と佐助
二人の佇む情景が
とても鮮明に浮かんだように思います
男と女の関係を結び
子まで生しておきならが
夫婦にならず
終生
師匠と弟子の立場を貫いた二人
はたから見れば
屈折した愛情と思えなくもない
共に
盲目となり
不幸のどん底に落ちるかと思いきや
そそくさと
世間を逸脱し
二人だけの世界に
埋没していく春琴と佐助
須弥山とまでは参りませんが
少なくとも
人間界の中でも
より精神性の高い次元に
身をおいているように感じられるのでありました
自己中心的な性格
その性格が災いしてか
二度までも酷い目に遭遇してしう
自業自得とも思える春琴は
明らかにサディズム的性格を備えている
一方
罵倒され虐げられても
春琴を慕い
遂には
自ら目に針を刺すと言う所業まで
なんなく行う佐助は
マゾヒズム的性格者
この二人のエピソードを
見事なまでに美しく
気高いヴェールで包み込み
昇華させてしまう文才…
恐るべし
谷崎潤一郎!
太宰治の
「人間失格」に始まり
谷崎潤一郎の
「春琴抄」が読み収めになりました
1933年(昭和8年)
『中央公論』に発表された短編小説
文庫での初版は昭和26年1月31日とありました
明らかに
昨今の小説家の文体と異なっており
或る意味
新鮮でした
そして斬新
この頃の作品は
殆どの漢字に仮名がふってあるんですよね
以前
美輪明宏さんが
大人だけでなく子供も読めるように配慮されていた
読書をすることによって
自然と漢字が学べるようになっていた
と言うのをふと思い出しました
句読点や改行が極力省かれていたり
言葉の言い回しや文体の流れにも特徴があり
とは言え
それが読みにくいと言う訳ではない!
むしろ
一字一句
言葉のひとつひとつを
丁寧にじっくり読み進めよう言う
意識が出て参りました
確かに読み進む速度は遅くなりますが
春琴と佐助
二人の佇む情景が
とても鮮明に浮かんだように思います
男と女の関係を結び
子まで生しておきならが
夫婦にならず
終生
師匠と弟子の立場を貫いた二人
はたから見れば
屈折した愛情と思えなくもない
共に
盲目となり
不幸のどん底に落ちるかと思いきや
そそくさと
世間を逸脱し
二人だけの世界に
埋没していく春琴と佐助
須弥山とまでは参りませんが
少なくとも
人間界の中でも
より精神性の高い次元に
身をおいているように感じられるのでありました
自己中心的な性格
その性格が災いしてか
二度までも酷い目に遭遇してしう
自業自得とも思える春琴は
明らかにサディズム的性格を備えている
一方
罵倒され虐げられても
春琴を慕い
遂には
自ら目に針を刺すと言う所業まで
なんなく行う佐助は
マゾヒズム的性格者
この二人のエピソードを
見事なまでに美しく
気高いヴェールで包み込み
昇華させてしまう文才…
恐るべし
谷崎潤一郎!