時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

武士道シックスティーン 46

2010-04-30 | 映画
磯山香織15歳
剣道一筋に生きてきた中学チャンピオン
負け知らずの香織が
ある大会で同学年の選手と対戦し敗退…

東松学園 甲本



半年後
香織の姿は
東松学園の女子高等部にあった
練習初日
宿敵・甲本の再会を
その剣筋から見極めんとするが
なんと…

へっぴり腰で逃げ回るばかり
その上
何につけてもヘラヘラしている
西荻??



拍子抜けした香織でしたが
何だか憎めないヘラヘラ女・西荻早苗16歳
ケーキ食べ放題やらプリクラ
お揃いのサンダルまで買ってしまった…
香織は
早苗の強さを引き出そうと
自分の父の道場に連れてきて
半ば無理矢理にマンツーマンの稽古をつけ始めた

香織はどうなりないの?
強い相手と戦って勝ちたい!
勝ったら?
また強い相手と戦う!
それじゃ~強い相手を全部倒したら?
・・・




早苗は
剣道が好きで
楽しむために剣道を続けてきた少女
方や
香織は
幼少の頃より竹刀は真剣と同じ
勝つか負けるかの真剣勝負に生きてきた
だから
上級生を容赦なく撃破し
休み時間には一人
鉄アレイを片手に宮本武蔵の「五輪書」に親しみ
身も心も剣道に懸けてきた

剣道に対する考え方も
打ち込み方も
正反対の2人なのでありました



インターハイ関東地区予選大会
先鋒として出場した香織だったが
試合の合間に早苗と口論になり
はずみで手首を捻挫してしまう
香織の代わりに
決勝戦に出場することになった早苗

邪心のなり無の境地での面打ちが見事に決まり
メン」は見事に決まり
東松学園は見事
インターハイの出場を決める

だが
その日を境に
香織の心情に変化が起き始めます

何故自分は戦うのか
何の為に戦うのか
勝った先に何があるの?




インターハイまで1月を切っても
まだ自分の答えが見つからない
戦う理由を見失った香織は
怪我が完治しても稽古に参加せず
遂にレギュラーから外されてしまう
香織に代わり
レギュラーに選ばれた早苗もまた
負けるのが怖くなり
今までのように
無心で打ち込むことが出来なくなっていた

何のために剣道を続けるのか
どうして勝敗にこだわるのか
答えを見つけようとしてもがく二人

苦しくても
怖くても
剣道が好きな気持ちは誰にも負けない!

自分の気持ちに決着をつけるため
早苗は
香織に果たし状を突きつける!

決戦の日
巌流島を思わせる小高い丘で待つ早苗
はたして香織は現れるのか?



香織のお兄ちゃん・和晴も
有能な選手だったようですが
岡巧(早苗のお姉ちゃん緑子の彼氏)との
中学全国大会進出を賭けた大会で負け
その時の
周囲の冷たい視線に
香織同様
何の為に剣道をしているのか解らなくなり
剣道から離れてしまってます
だからこそ
香織の悩みや苦しみも解る
何気ないアドバイスをしてくれる
良い兄ちゃんです

因みに兄ちゃんは
亡き母に代わり
主婦として磯山家の家事全般を担当
料理の腕前はプロ並みです
石黒英雄くんが演じております
優しい兄ちゃんを好演しとります

早苗と香織を通して
もう一度
剣道と向き合うようになるといいんだけど…
岡巧も待ってる

かも・・・


         

山下リオちゃんも
早苗の友達役で出演!
早苗のお姉ちゃんは
剣道には全然興味ないんですけど
試合会場でカッコいい剣士を
ナンパするのが趣味みたいです
でゲットしたのが岡巧くん…

きいちゃんは
『ラブファイト』『ハルフウェイ』で
鼻っ柱の強い女の子を好演しておりましたが
早苗役も良かったです
雄叫びをあげる璃子ちゃんも
貫禄ありました
何やかんや言って
この2人の映画は見ちゃうんだなぁ~

璃子ちゃんは
来月『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』
6月には『シーサイドモーテル』が公開されます

お互いに切磋琢磨しあい
成長していく姿って良いですね
ライバルってやつです
早苗は
両輪が元鞘に戻り
家族揃って九州へ引っ越してしまいます

そして一年後
インターハイ会場で再会をはたす
早苗・香織
17歳

西荻西荻…
すいませ~ん 今は甲本なんですけどぉ~
間際らしいんだよ
一年ぶりだね~♪えへっ(笑)
早苗!
負けたらぶっ殺す!
うん~♪決勝で会おうね
決勝で!



居眠り磐音 江戸双紙30 ~侘助ノ白~64

2010-04-29 | 読書
尚武館道場のデブ軍鶏こと
重富利次郎は
父・土佐藩近習目付重富百太郎と共に
高知に辿り着きますが
国許に着いた途端
思わぬ危難に見舞われます
豊後関前藩の御家騒動モドキ!
何処の藩も
財政は貧窮しているようでござんす

土佐出立の前に
旅路での剣の心構えを
磐音から伝授されたいた利次郎
初めての真剣で勝負にも
臆することなく挑む事ができました

一方
江戸の神田
神保小路の直心影流尚武館道場に
またまた新しいキャラクターが登場です!
富田天信正流
槍折れの小田平助という
旅の武芸者です
福岡藩郡奉行支配下芦屋洲口番の五男
三十年余りの武者修行の旅をして来た御仁

この御仁
師走
道場恒例の餅搗きの最中
稽古中なら一手ご指南お願いしたい
と尚武館道場にやって参りました

『餅搗きを邪魔しては悪かろう。明日出直して参る』
『お待ちあれ お急ぎなくば搗きたての餅を食していかれませ』
『搗きたての餅などこの十年食したことはない!
 じゃが、馳走になれば情が生じよう…』
『われら武芸者は一期一会の縁を大切に致します
 それがしでよければお相手致します
 その後 餅を食しませぬか』

これまで尚武館道場にやって来た
不埒な武芸者ではないんですねぇ~
人間味磐音との立会い後
餅搗きにも参加して
和気藹々

玲圓も磐音も
人目で
小田平助の人柄と
剣の上前を見抜きました

暫く逗留されては?

それでは
長屋を掃除して…

尚武館道場も大所帯
小田様が
ずっと住みついてくれると有難い by季助

と言う事で
棒術使いの老剣小田平助
尚武館道場が終の棲家となりそうです

尚武館道場の名番犬・白山が
素通りさせた人物ですからね~
人間が
相当出来てる感じです

餅搗きの後は
おこんのおとっつあん
どれらの金兵衛こと
深川六間堀の金兵衛さんが
風邪を引いたらしく
磐音とおこんが
看病に馳せ参じます

金兵衛さん弱気…

そうそう
冬桜ノ雀で登場した
盲目の剣士
タイ捨流丸目喜左衛門高継ですが
御側御用取次・速水左近を狙わんと
速水屋敷にやって参ります

金兵衛さんを見舞った帰り
速水屋敷を覆う
妖気を察した磐音は
丸目喜左衛門高継と相対します
して
その勝敗は…

磐音に左肘を切り落とされて
姿を消しました

生きてんだか
死んでんだか…

アリス・イン・ワンダーランド 45

2010-04-28 | 映画
アリス
只今華の19歳
しかし
母親と馬車である場所に向かうアリスの気分は
かなり憂鬱…
20歳を前に
自分の未来に
これから成すべき事が何なのか
安穏で平凡な日々に
埋もれていく自分に不安を抱きつつも
どうすればいいのか…

その上
双子の叔母達から
今回のパーティーが
自分の婚約パーティであると告げられます



招待客の前で
告白されたアリスでしたが
その返答に答えられず
その場から逃げ出してしまいます

すると
目の前に
チョッキを着た白うさぎを発見!
追いかけているうちに
うさぎの穴に落ちたアリスは
再び
不思議の国に迷い込んでしまいます
この世界の奇妙な住人達は
皆アリスを知っています

何故?


            

現在このワンダーランドは
頭の大きな恐ろしい
赤の女王に支配されておりました
この国には
‘予言の巻物’とも言うべき
‘国の年代記’があり
そこには
アリスという救世主が現れると予言が…

残忍な
赤の女王の恐怖政治の元
抑圧された日々を過ごす住人にとって
アリスは残された唯一の希望だったでのです



赤の女王の妹である白の女王は
自ら殺生することを避け
アリスの助けを利用し
再び
女王の座を手に入れる事をも目論み
帽子屋のマッドハッターは
赤の女王に
復讐の炎を燃やしております



ですが
ここでも
突然突きつけられた
岐路の判断の前にして
逃げ出してしまいます

ワンダーランドに現れた‘アリス’は
本当に皆が待ち望んでいたアリスなのか!
分岐点に立つアリスは
己の岐路を
進むべき道を選び
自らの人生を切り開くことが出来るのか!?



個人的思考を
述べさせて頂ければ
アリス…
あんまり可愛くない


他力本願的な白の女王
好きになれない

アリスの助けを利用し
再び女王の座を手に入れる事をも目論み


と言う表現がピッタリ!



確かに
恐怖政治で
強引に統治しようとする
赤の女王の行為も
賛成しかねますけど…

そもそも
赤・白双方とも
利己主義と申しますか
相手を拒否するばかりで
いただけない




『アリス・イン・ワンダーランド』は
アリスのワンダーランドでの冒険物語と云うより
アリスの内面的な成長に
焦点が当てられいる感じなので
彼女自身が
自分を見つめ直し
自らの足で立ち
自分の意思で判断し
人生の海原に漕ぎ出そうとするまでの
サクセスストーリーとして
観賞して頂ければと存じます




         

インディゴの夜4 ~Dカラーバケーション~ 63

2010-04-27 | 読書
「7days活劇」
「サクラサンライズ」
「一剋」
「Dカラーバケーション」
の4章から構成された
『インディゴの夜』シリーズ第4弾!
最新作でございます


前作『ホワイトクロウ』
改装に取り掛かった‘club indigo’ですが
2006年6月5日に施行された
風俗営業法の大幅改正に合わせ
‘club indigo’も営業形態の変更を余儀なくされております
これまでのメンバー達が担当するのは
午後7時から午前1時までの第一部
そして
「アフタヌーンパーティ」と銘を打った
新人・若手ホストが中心となる第二部
の二部構成で
集客を目指しております

ですが
晶から見れば
一部も二部も
均一的に若者なんですけどね
当人たちにしてみれば
ビミョ~な温度差と申しますか
世代格差があるようです

「7days活劇」
渋谷に出没した‘エコ女’に遭遇した
二部の売れっ子ホストトリオ
手塚・川谷・酒井に降りかかった災難の謎を解き
都市伝説と化した
‘エコ女’の正体を暴こうと
メンバー一同
一致団結?

この章で
憂夜さん…
茶道にも精通していることが判明
軽やかに優雅にお茶を点てる憂夜って…
それどころか
人一倍研究熱心なようです

烏龍茶風の濃い茶色の液体
一口飲むと漢方薬のような匂いと味はきついがまずくはない
面白い味ね 中国茶かしら?

はい ‘チュウフンチャ’といいます
善玉菌が多く含まれ
疲労回復や二日酔い
整腸などの効果があると言われています

チュウフン?
どんな字?

虫の糞と書いて虫糞
その名の通り
ガの幼虫の糞と茶葉・蜂蜜を
5:1:1の割合で混ぜあわせ煎ったもので…


「サクラサンライズ」
秋葉原で
偶然であったカリーム21歳
アラビア半島のバラダイから留学生として
来日したと云う青年と
‘club indigo’のメンバー達の
国境を越えた友情を描いております!?
特に
二部のナンバーワンホスト手塚は
カリームを
‘soul mate’と豪語する程…
ですが
カリームには
人には言えないもうひとつの顔がありまして…

「一剋」
豆柴と新コンビを組むことになった
酷いあがり症なのに
射撃の名手
そしてスウィーツ道に精通する
早乙女勘九郎が初登場!
その早乙女くんが
‘club indigo’に
シェ・オゼキのバナナケーキ持参で
持ち込んだ事件とは
何と!
豆柴こと
柴田克一の収賄罪容疑を晴らして欲しい…
事件解決に挑むメンバーですが
今度は
高原晶が殺人事件の犯人!?


そして
最大のエピソードは
最終章
「Dカラーバケーション」でしょう

‘club indigo’開店以来
定休日以外一日たりとも
休めと勧めても休んだことのなかった憂夜が

一週間ほど
お休みをいただきたいのですが


とのたもうたこと

余りの驚きと
好奇心もあって
どこで何をするのか訊いてしまった
晶の気持ち
解るよぉ~

そして
休暇を取ってまもなく
憂夜を頼って
二十代半ばくらいの細身長身の美人
水原カンナが神戸から訪ねて参ります

カンナは
亡き母から生前
『東京で困ったことがあったら渋谷の
‘club indigo’を訪ねるように』と言われていたとか

25年前
憂夜さんは神戸に住んでいたんだ…
( ..)φメモメモ


私の家族とも知り合いで
面識のない私にも
プレゼントとかお小遣いとかを
度々送って下さいました(カンナ談)

プレゼント!?小遣い!?( ..)φメモメモ

25年前…
当時18歳位だとして憂夜さん40超え!?
18歳…
ん~カンナの父親とかぁ!?



第4弾で
ついに憂夜のヴェールぐがぁ~
隠された過去ぐぁ~

手塚曰く
本人が留守なのをいいことに
人捜しにかこつけて過去を暴く
それって憂夜さんにも
カンナさんにも失礼じゃないですか


ごもっとも
ですが

話は
そう安易な展開にはならない

カンナの叔父曰く
憂夜は
香港からの船で
曲馬団や魔術師の一団と一緒に流れてきたとか

25年前
カンナの祖父のジュエリーショップに押し入った
Uギャングなる窃盗団一人が
なんとぉ憂夜さんに
そつくり

そんな過去が語られると
時を同じくして
憂夜から
怪しげな場所から電話が入る
それも発信番号852って
どう考えても
日本じゃないエリアからの電話
(香港からでした)

それに
受話器の向こうから流れてくるBGMは
出向間際の船着場からとか
家具や建物が破られガラスや陶器が割れるような音
奇声の応酬よ激しい格闘音
車のエンジン音とキューブレーキ
マシンガンの発射音
女の悲鳴と男の怒声

憂夜~
君は一体何処で
何をしているんだい!?

空也やなきさままの協力を得て
事件は時効前に解決します

その翌日には
憂夜が休暇を終え
‘club indigo’に出勤して参ります

何も話さないのは
出来るだけ長くあなたと一緒にいたいからです


ラストの数頁
これは…読んで!

‘club indigo’よ永遠なれ!


空也は
人間の赤子も瞬時に落としますが
ワン子(♂♀)も瞬殺します
凄いです
そしてもう一つ
空也が受けた
憂夜の世話&恩は
憂夜イズム
なるモノだそうです

日本いや
日本中のホストが一度は耳にした事のある言葉
伝説とも言うべきか
その洗礼を直に受けられた
数少ない男が自分であると
空也は語っております

相変わらず
謎の多い憂夜ですが
‘club indigo’にはなくてはならない
存在であることは
疑いもない事実です

居眠り磐音 江戸双紙29 ~冬桜ノ雀~62

2010-04-26 | 読書
木枯らしが吹き
江戸が寒気に包まれる頃
佐々木磐音夫妻は
神保小路の尚武館道場で
穏やかな日々を過ごしております

大工の棟梁・銀五郎から
千鳥ヶ淵一番町の御屋敷に咲く
寒緋桜が見事だと聞きた磐音が
おこん・霧子・早苗を誘い
花見に出かけます
その寒桜は
高家瀬良播磨守定満の屋敷にありました
一同
白梅にも似て凛とした佇まいに
見惚れておりましたところ

瀬良播磨守定満が乗り込む駕籠に
神沼家の家臣が走りより
瀬良家が借りた
神沼家に伝わる千宗易縁の茶道具を
返した返さないと口論が始まります
一度は
磐音が仲裁しますが
欲に目が眩んだ瀬良定満…
借りたものは返しましょうね
嘘は駄目です嘘は!
不正を許さぬ佐々木磐音

上役には
とことんへつらう瀬良定満の性格を逆手に取って
磐音経由
御側御用取次速水左近より
バッサリ!

豊後関前藩の千石船を餌に
盗賊一味を一網打尽にするなんつー
南町奉行所・年番方与力・笹塚孫一の
捕り物話もありますが
こちらは
勿論
佐々木磐音の全面的協力の賜物です
定廻り同心・木下一郎太も
いい加減
磐音の助勢は控えた方が…
と言ってるんですけどね(笑)
おこんさんの視線も
日増しに厳しくなっております

新たな展開としては
ゆうに齢百歳を超える
盲目の剣士
タイ捨流丸目喜左衛門高継なる人物が出現
共は
西国肥後・阿蘇
遊摩衆の忍・歌女
丸目高継の孫娘らしい…

まるで
山田風太郎の『魔界転生』です
とうとう
妖術遣いまで登場してしまいました

よりによって
この妖魔
田沼意次の意向を持って
徳川家基を呪い殺そうとするんですね~

妖魔と化した宮本武蔵柳生十兵衛
みたいな…

今後の展開
明るくはないわね

長屋暮らしをしていた
坂崎磐音の頃が
読んでて楽しかったかなぁ~

オーケストラ! 44

2010-04-25 | 映画
かつて
ボリショイ交響楽団の
天才指揮者だったアンドレは
ある事件が原因で
キャリアの絶頂期に職を追われ
今はしがない清掃員として劇場で働いていた



ある日
アンドレは
支配人の部屋を掃除中
パリのシャトレ劇場から
出演できなくなった楽団の代わりに
出演して欲しいと言う
依頼FAXを偶然目にします

パリ!公演!!

アンドレは
クビになったかつての楽団仲間を集め
ボリショイ交響楽団のオーケストラに成りすまし
パリに乗り込もうと思いつく
早速
元チェロ奏者のグロスマンに話を持ちかけるが…



ロシアの空港ロビーで
堂々とパスポートの偽造して
そのままフランスへ…

ありえない


パリ・シャトレ劇場での演目は
チャイコフスキー

チャイコフスキーだって!?
絶句する元団員達

ソリストに指名されたのは
パリ在住の
ヴァイオリニストのアンヌ・マリー

彼女が演奏しなければ
公演はしない!

そう言い切るアンドレ



再び
音楽で輝きたいという
思いとは別に
アンドレには思惑があったのです

何故
アンドレはパリに拘るのか
チャイコフスキーに
アンヌ・マリーに固執するのか
そもそも
30年前
アンドレ達に起きた事件とは何だったのか



チャイコフスキーを
一度も演奏したことがない
アンヌ・マリーは
リハーサルもなしで本番にのぞもうとする
アンドレ達に不安を抱く

そんなアンヌ・マリーのアパルトマンへ
グロスマンがやって来た

演奏すれば
君の両親のことがわかるかもしれない

両親?
どう言うこと?


本番当日
リハーサルに参加せず
パリの街で
思い思いに楽しんでいたメンバー達の携帯に
メッセージが送られた

レアのために
劇場に集まれ!




音楽から離れざるをえなかった
楽団員たちは
アンヌ・マリーの奏でる
ヴァイオリンの音色に
30年前の悲劇を想いを馳せる

レア…

悲運の果てに
この世を去った同僚への思いと共に
再び
楽器を手にする喜びを
思いのたけをこめて
彼らの演奏が最高潮に達する

ラストに演奏される
チャイコフスキー「名曲ヴァイオリン協奏曲」
良いですよ~

ブレジネフ政権下
ユダヤ人の排斥が強行され
彼らをかばった
ロシア人までもが弾圧・冷遇された
その悲劇に
アンヌ・マリーが絡んでいます
そしてレア
彼女は
アンドレによって
チャイコフスキーに魅入られてしまった
悲劇のヴァイオリニストだったのです



演奏していく中で
アンヌ・マリーも
レアが誰なのか
自分が何故パリにいるのか
楽団員の
アンドレのコンサートにかける
音楽に対する思いを理解するのです

感動ですよ

パリでの大成功の後
このにわか楽団とアンヌ・マリーらは
ドイツ・日本・オーストラリア・アメリカ・ロシアと
世界中演奏して回ることにまります
ロシア滞在中
アンドレ夫妻の家で
両親の写真が
沢山貼られたアルバムを見ながら
楽しそうに語らうアンヌ・マリーの姿も映し出されます

個人的には
もっと沢山演奏シーンを
見たかった&聴きたかったです




         

古着屋総兵衛影始末2 ~異心! ~61

2010-04-24 | 読書
元禄14年
大黒屋総兵衛に
赤穂浪士を討ち阻止
浪士抹殺の命が‘影’から下りた

神君家康の時代から
徳川安寧のため
隠れ旗本として
任務を果たすように命じられた鳶沢成元六代目
大黒屋総兵衛こと鳶沢勝頼

しかし
武家諸法度にある
喧嘩両成敗に反する下知を下した
‘影’に対し不信感を抱いく総兵衛…

‘影’の不可解な言動の背後に潜む
御側御用人・大老柳沢保明の影…

隠れ旗本として何を成すべきか

鳶沢村で
瞑想を続ける総兵衛…


総兵が下した結論

それは
影となり
赤穂浪士の討ち入りを助成する
でした

時を同じくして
江戸の大黒屋では
貞吉なる人物が
縁あって働くこととなります
実はこの貞吉
主君浅野内匠頭の無念を果たすべく
吉良上野介を討ち果たそうとする
赤穂浪士の一人・奥田貞右衛門なのでありました

大黒屋の大番頭・笠蔵をはじめ
信之助らが
貞吉の素性を調べるのは朝飯前
一方
貞吉にしても
大黒屋が
ただの古着問屋じゃないことに気づきます

互いの素性を探りつつ
信頼を深めていく
鳶沢一族と赤穂浪士の面々…

大黒屋が
赤穂浪士討ち入りの助成をするのは
運命だったのかも!?
これも
神君家康公のお導きか…

赤穂浪士は
見事
仇討ちを成し遂げます

その後
彼らは切腹することになりますが
貞吉には妻と赤子がおりました
短い間でしたが
大黒屋の長屋に
家族揃って身を寄せていたわけです
討ち入りを前に
医学を学ぶため新たな屋敷へ移ると言う名目で
長屋を去ろうとする貞吉に

女房と赤子を連れての勉学は大変だろうから
お二人を大黒屋の長屋で
これまで通りお預かりいたします

と伝える総兵衛…
多くを語らず
しかし
真意は切ないくらいに伝わっております


前作『死闘!』で
古着問屋惣代の地位を
江川屋彦左衛門に奪われた総兵衛ですが
この彦左衛門こと松太郎
とんでもない奴です

京都の古着問屋じゅやく屋の元奉公人で
百十三代東山天皇のご近臣
中納言坊城公積(ぼうじょうきんみつ)様の次女
祟子様に手をつけてました!
先の朝廷勅使柳原前大納言資廉(すけかど)が叔父にあたるらしい…
名家のお姫様に手をつけて
子供まで孕ませといて
江戸で柳沢保明と縁の娘を
嫁に迎えようとしておりました

彦左衛門こと松太郎は
商人の道に反した行いをした上に
世話になったじゃらく屋に
後ろ足で泥をかけるようなまねをしちまいました


あきません…
祟子様をつれ江戸まで出てきた
じゃらく屋の番頭佐助さん
堪忍袋の緒が切れました

今をときめく綱吉様の御用人の力は
わてかて知らぬわけではおまへん
しかし
しょせんは成りあがりの役人のひとりだす
京の公卿衆は何百年の時をかさねて生き残ってきた高貴なひとたち
このことをよう存念なされ!
京で何百年とのれんを上げてきたじゅらく屋の力をあもうみたらあきまへんえ!

ときたよ…

一方
大黒屋に対するしゅらく屋と祟子の評価は絶大!
祟子は総兵衛に
生まれた第一子の名付け親になって欲しいと願う程!!

公卿の姫様と
京のじゅらく屋という
強い味方をつけた総兵衛の
反撃開始です

江戸柳生と尾張柳生との確執もあったりして
読み応えありました

終章・本懐では
高輪泉岳寺へ向かう
奥田貞右衛門
大石内蔵助
赤穂浪士一行と
死闘を終えた総兵衛が
すれ違う場面が描かれております

信ずる道を
同道と突き進む両雄の姿…
感無量でございました

そうそう
祟子さんのお子様ですが
坊城佐総(ぼうじょうすけふさ)と名付けられました
佐助さんの‘佐’と総兵衛の‘総’から取ったみたいです
後に
彦左衛門こと松太郎は
祟子様と夫婦になりますが
江川屋の商いはイマイチ
器が違います器が…
そのうち
大黒屋の傘下に下りそうです

それと
江戸領内に入ろうとした
大石内蔵助を抹殺せんとする
出羽米沢藩江戸家老率いる刺客のひとり
女剣士・深沢美雪の存在が
総兵衛と鳶沢一族に大きく関わってきそうです

出羽米沢藩がどうして
赤穂浪士の討ち入りを阻止しようとしたか…
米沢藩城主・上杉綱憲は
吉良上野介の実子だったからで~す

‘影’が
柳沢保明と結託していたとは言え
‘影’の命に叛き
約定を破った事に変わりはない!
今後の展開が気になりますね~

そうそう
『死闘!』で
江川屋に殺されかけ
寸での所を大黒屋に助けられ
大黒屋での奉公を始め
『抹殺!』では
京のじゃらく屋の番頭・佐助と
中納言坊城公積(ぼうじょうきんみつ)様の次女
祟子様を総兵衛に引き合わせた
元江川屋番頭・清吉が
柳沢保明一派
北町同心・新藤鬼八郎と
十手持の黒烏に拉致されてしまいます

鳶沢村で
幼い頃から修行してきた
信之助達とは違います
一般ピープルなんですよ!
早く奪還してくれぇ~

居眠り磐音 江戸双紙28 ~照葉ノ露~60

2010-04-23 | 読書
「第一章 酒乱の罪」は
2010年1月1日
「陽炎の辻 正月スペシャル:海の母」
と云うタイトルで
ドラマ化されております

直参旗本二千百五十石
設楽小太郎貞綱が
父貞兼を殺した佐江傳三郎を
仇討ちせんがため
旅をする話です

仇討ちとは申せ
諸悪の根源は殺された貞兼なのであります
酒乱癖のある貞兼の
妻・お彩に対する撲る蹴るの打擲を
諌めようとした折の
偶然の事故!

佐江傳三郎は
設楽家御用人の命で
打擲を止めようとしただけなのに…

その場で
切腹しようとすした傳三郎でしたが

もうたくさんです

っと
お彩が傳三郎の腕を掴み
共に設楽家を出奔したのであります

設楽家に使える者も
城中でも
貞兼の酒乱が原因と解っている
誰が悪いのか
承知であるにも関らず…

この時代
主殺しは大罪であり
設楽家を存続させるためには
嫡子である小太郎が
早々に仇討ちをしなければ
お家断絶…

設楽家を守るため
尊敬する師匠である傳三郎と
大好きな母を討たねばならない
十三歳の小太郎…

やるせないですね~

一方
竹村武左衛門が
とうとう刀を捨てます
品川柳次郎と磐音が奔走し?
陸奥磐城平藩五万石安藤対馬守下屋敷の門番として
新たな生計を始めます
当人は至ってお気楽です
心配するのは周囲の人達ばかり也

土佐藩士の次男坊
でぶ軍鶏こと重富利次郎が
父・百太郎と共に江戸を出立
国許・土佐帰郷するため
尚武館を後にしたり

第十代徳川将軍家治の体調思わしくなく
田沼意次が放った
第四・第五の刺客が江戸に舞い戻り
佐々木磐音は
次期将軍と称される徳川家基の剣術指南役として
江戸城西の丸に上がります

再び
田沼派反田沼派の戦いが
始まろうとしております

徳川家基さんって
実際は
将軍職に就く前に
18歳の若さで亡くなるのよね~
田沼意次一派による毒殺だったとか?
ってことは…

嫌な予感

ハート・ロッカー 43

2010-04-22 | 映画
2004年夏
イラク・バグダッド郊外
アメリカ軍の爆発物処理班は
死と隣り合わせの前線の中でも
最も死を身近に感じながら
爆弾の処理を行うスペシャリストたち



ある日も
爆弾の処理を行い
退避しようとした瞬間に突如
爆弾が爆破
一人が殉職してしまう



新しい中隊のリーダーに就任した
ウィリアム・ジェームズ二等軍曹は
基本的な安全対策も行なわず
まるで死に対する恐れが
全くないかのように振舞う




補佐に付く
J.T.サンボーン軍曹と
オーウェン・エルドリッジ技術兵は
いつ死ぬかもしれない緊張感
特に一瞬の判断のミスが
死に直結する爆発物処理の任務のなかで
徐々に
ジェームズへの不安を募らせていく



彼は
虚勢を張る只の命知らずなのか
それとも
勇敢なプロフェッショナルなのか…
そんな
男たちの想いとは無関係に
激しい戦闘行為が繰り返される日常は続き
爆弾処理の毎日が過ぎていく
ブラボー中隊
任務明けまで
あと38日…




イラクに駐留する
アメリカ軍の中でも
最大の危険を伴う
爆発物処理班の兵士を描いた作品で
命知らずの兵士と
仲間との確執と友情を軸に
緊張感あふれる
爆発物処理の現場を
リアルに映し出した『ハート・ロッカー』



と言うことなんですけど
確執はともかく
友情ね~
ウィリアム・ジェームズ二等軍曹の
爆発物の処理能力は認めますけど
任務の範疇を超えた
無謀な行動とか
仲間を巻き込んでの
テロ犯捜査…
ど~なの?



そこまでする
ジェームズの真意と言うか
背景が
イマイチ掴み切れなかった
あっ!でも
折角仲良くなった
ベッカム少年を無視するに至る経緯
ジェームズの心境は
解りましたよ



それとですね~
基本的な事なんですけど
あの爆発物って
一般人が住む町中とかにセットされてますけど
それを
何故処理する必要があるんですか?
テロ組織がセットして
巻き添えをくうのは大半が一般市民…
自国内で
同族殺してどうすんだろう…



無知&浅はか承知で書きますけど
イラン人以外は
国外退去するわけにはいかないわけ?
あの手の国は強制的に鎖国させて
勝手に自国で自給自足して
好きに暮らして貰えばいいのに…

『NIGHT・HEAD』で
岬老人が地面から天空にかけて
結界張り巡らして
そこから霧原兄弟を出させなかったんですけど
それと同じような結界発明して
覆っちゃえば?

こっちも干渉しないから
そっちも干渉しないで!

みたいな…



異国の文化や宗教観にも
ある程度理解を示し
共存する道を選ぶ事が出来る人だけ
それと子供達は
国からさっさと出て
(国を去るのは辛いかもしれませんけど)
あとは鎖国して!鎖国!

爆発物の処理をする人間が
必要とされているのは解る
でも
誰の為に
命を張ってるのか…



強制的に
自爆させたれた一般人を
同じ民族の人間が
何事ともなかったかのように
平然とみつめる姿
何事もなかったかのようにで
凧をあげる男…

‘死’に対する感覚が
完全に麻痺している一般人の
淡々とした姿が
余りにも不気味であり
ゾッとした


        

と同時に
何と言われようと
八百万の神仏が共存する多神教の島国
ジャパンに生まれて
良かったと本当に思う

技術的な部門でしか
『アバター』が
受賞出来なかったのは納得だけど
アカデミー賞の作品賞受賞する程の
作品とは思えないなぁ~
選考基準もかなり偏見あるし
見解の相違と趣味の問題でしょうか…


ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い 42

2010-04-21 | 映画
1763年・ベネチア
ユダヤ人の少年が
キリスト教へと改宗し
神父になった
彼の名はロレンツォ

数年後
神父として聖職についていたが
その裏で
信仰に反する詩を書くなど
背徳行為を行っていた
そして
ついにそれが上層部にバレ
15年国外追放



ヴェネツィアを離れるに際し
友人・カサノヴァからウィーンに住む
アントニオ・サリエリに宛てた紹介状を一筆したためて貰い
いざ!
新天地へ…

1781年のウィーン
劇作家として
すでに名声を得ていたロレンツォは
自由な気風の大都市ウィーンで
新進気鋭の音楽家モーツァルトと出会う…



イタリア語のオペラ制作に
意欲的なモーツァルトの台本を任されたダ・ポンテは
稀代の色男‘ドン・ジョヴァンニ’に
自らの愛の体験を反映させ
ヴェネツィア時代に出会った女性
アンネッタへの純愛を織り込んだ作品を
完成させようとしていた

その物語に魅せられたモーツァルトは
身を削って作曲に没頭していく…




途中
睡魔に襲われてしまった…

歌うなら歌うだけ
演技するならそれに徹して欲しい
σ(^^;) 的に…

とは云え

自分の想いを愛を
素直に受け入れてくれないアンネッタに
どうにか理解して貰おうと
2人の駆け引きを作品にし
その上
モーツァルトに曲をつけさせ
それをアンネッタに演奏させるんですよ

モーツァルトが
何気に恋のキューピットに変身~

女性にモテモテでありながら
意中の女性が現れた途端
猛然とアタックするダ・ポンテ
それも
得意ジャンルを駆使して
モーツァルトにまで助太刀させるとは

いやはや…参りました




ダ・ポンテは
1792年から1805年までロンドンで過ごした後
アメリカに渡米
フィラデルフィアを経てニューヨークへ移り住む
市民権を得て89歳の人生を全うしたそうです
自由な生き方を追求した
ダ・ポンテらしい人生といえるのかな?