空中庭園
2007-07-31 | 読書

角田光代 文春文庫
かつて高度経済成長期に造られたニュータウンも
今や「ダンチ」と呼ばれる集合住宅
京橋家の人々は"家族問では秘密をつくらない"という自分たちで作ったルールを守ることもできず
それぞれ誰にも言えない秘密をもっている
たとえば娘のマナ
学校をさぼり「ディスカバリーセンター」と呼ばれる巨大ショッピングセンターで時間を過ごす
時には
見知らぬ男性とラブホテルに向かう
弟のコウもまた
学校に行ってない雰囲気・・・
父・貴史に関しては浮気に忙しい
妻・絵里子も
実母・さと子とのこれまでの関係に悩み
自分がかつてひきこもりの少女であった事実をトラウマとして抱え
生きている
ふとしたきっかけから
貴史の第三の女・ミーナが
コウの家庭教師として京橋家に乗り込んでくる・・・
隠し事のない家族
そんな家族あるわけない

すでに崩壊している家族なんだけど
バラバラな家族なんだけど
微妙な均衡を保って
この家族は家族を演じている
実際
家族ってこんなもんなんだろうな~
核家族なんてぬるいもんじゃない
家族ってものが成立しない
現代社会・・・
これが現実かもしれない
