時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

寿歌

2012-02-01 | 舞台/役者
核戦争ですべてが廃墟と化した街に
リヤカーを引いた旅芸人
ゲサクとキョウコがやって来る
二人の頭上には
制御不能のコンピュータによって
眩い光を放ちながら
核ミサイルがひっきりなしに飛び交い
追いかけてくる低い破裂音が
世界の終わりを告げていく

花火みたい…

そこに
どこからともなく
物品引き寄せの術
(現物から複製を作り出す)
が出来る
謎の男・ヤスオが現れ
ゲサクとキョウコの旅に同行することになった

米ひと粒見つければ
あれよあれよと米が増え
久しぶりの白米にあり付けると
ゲサクとキョウコは大喜び

火垂…

いや あれは放射能じゃ


三人は
あれやこれやの‘エエカゲン’な会話を交わしながら
焼き尽くされた滅びの荒野を彷徨う
ある時
廃墟の街に到着した三人は
人を集めて芸を披露する

(観客には見えないし役者も登場しません)

ヤスオは
客寄せのために物品引き寄せの術
キョウコのロザリオを複製し配りはじめる

そのロザリオに雷が落ちて
一面火の海
勿論
ロザリオを持っていた人は落雷にあって…
ゲサクは
ピストルの暴発により背中に弾を受け…

ゲサクの位牌を囲み
キョウコとヤスオが途方に暮れていると

おまっとさん
とゲサクが登場

すると
ヤスオが唐突に
二人と別れ
エルサレムへ行くという

ヤスオ…あんた本当は「耶蘇」(キリスト)やないんか?

ヤスオと一緒に行くか?

ゲサクは?

俺は無理や

じゃうちも行かん!


ゲサクにほだされ
一旦は
ヤスオの後を追ったキョウコだが
ゲサクのところに戻ってくる

行かんかったんか!?
あいつは火垂やったんや…


寿歌を歌うキョウコ

何やその歌!?

知らん


そして放射能の灰と共に
本当の雪が降り出した

何処行く!?

モヘンジョ・ダロ(死の丘)!

帰りにエルサレム寄っていこか?

櫛のお礼もせにゃあかんなぁ~

ほな子供でも作ってやったらどや!?

そやなぁ~

なぁ~エルサレムにも雪降るんかなぁ~

さぁ~

モヘンジョ・ダロにも雪降るんかなぁ~

ほな行こか!?

うん!


ゲサクとキョウコは
モヘンジョ・ダロへと旅立つのでありました

                    ~完~

劇団☆新感線の舞台でしか
その演技を拝見したことがにゃい橋本じゅん氏…
とって不思議な感じがしました

舞台の競演もある
堤真一氏のと掛け合いは
お手の元?
ふたりが醸し出す‘ま’とか‘空気’
ええ感じでした

そして
舞台のツワモノである二人に混じり
初舞台?と思われる戸田恵梨香さん
頑張ってました
時折
SPECの当麻紗綾を彷彿させるオーラが…
個人てきには
棒のような細い足にビックリ!

関西弁の軽~いノリで
ストーリーが展開して行きますが
実は
核戦争後の世界なんですよ
まさにターミネーターの
未来に訪れる「審判の日」の後の世界…

無制御の核ミサイルが空を飛び
放射能が世界を蓋う世界
人類を含め生物はほぼ壊滅状態
そんな世界の物語

そのテーマは
限りなく重かったりしております

世界の終わりを経験してもなお
人は
果てしのない旅路へと歩み出す

ヤスオ=キリスト?は
エルサレムへ向かい
ゲサク&キョウコ=人類(アダム&イブ)は
モヘンジョ・ダロへと向かおうとする

この別々の選択が
これまた滅茶苦茶怖い

宿命と申しますが運命と申しますか
啓示的な意図?余韻が感じられ…

堤真一氏の次回作は
シダの群れ
今年は舞台に力を入れられるのでしょうかね?
嬉しいけど
チケット取れるかが問題です

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