韓国の労働運動は日本のそれより、ちょっと元気だという印象があるのですが、どのように評価すればいいかというニュースが入ってきました。
現代自動車労働組合(金属労組現代自支部、イ・ギョンフン支部長)は、定年退職者や勤続25年以上の社員の子供を優先採用するものとする団体交渉案を20日、確定した。しかし、会社側はこうした「雇用世襲」を拒否する意向を明らかにしており、今後の労使交渉では激しい攻防が予想されている。労組内の一部派閥や非正規職労組も「正規職採用世襲」と強く非難しており、労働者同士の溝も深まりそうだ。
現代自労組は同日の臨時代議員大会で、「雇用世襲」と指摘されている「採用」項目を削除する案について賛否投票を行い、これを否決した。出席代議員約350人中、賛成は約150人で、過半数に達しなかった。
このため、労組は「採用」項目を含む団体交渉案を原案通り確定し、来週中にも労使交渉に入る。
「採用」項目は「会社は新規社員採用時、定年退職者および25年以上の長期勤続者の子供について、採用規定に適合すれば優先採用することを原則とする」と規定している。労組は「このための加点付与など詳細事項については別に定める」と規定に付け加えた。会社側はこれに対し「特別扱いだという批判が避けられない規定のため、受け入れがたい」との見解を示している。
韓国の労働運動が本格的に始まるのは80年代の後半からで、その流れの中から95年に<全国民主労働組合総連盟(民主労総)>が結成、99年に合法化します。この現代自動車労働組合も民主労総の中心組合の一つで、賃上げや労働条件の改善のため、ストライキなどの実力闘争も行ってきた戦闘的な組合です。
そんな組合が、「社員の子供の優先雇用」を会社側に要求する方針が採択され、進歩的な政党からも批判を浴びています。この組合は正規の社員の組合で、これ以外にも非正規(契約社員)の組合もあります。日本と同じように、正社員と契約社員の違いは大きく、非正規社員組合は、一定の条件を満たしたら正社員にするように要求していますし、
裁判所もたしか会社側に正社員化をするようにという判決をだしたと記憶しています。
正社員と契約社員だと、2~3倍以上の給料の違いがあるようです。僕も大学で日本語を教えていた時は1年契約の講師だったので、正規の韓国人教授の給料と大体2倍ぐらいの違いがありました。(時間講師だと休む場所もなく、自分の荷物を置く場所もないという悲惨な状況でした)
経済的な状況が厳しくなくなる中で、労働運動に対する世間の目がどんどん批判的になる中で、組合の団結を自分たちの利益を守ることで勝ち取ろうというのは間違いでしょう。やはり、同一労働同一賃金という労働組合の原則であり、団結の原動力になる考え方を守らないとだめだと思います。雇用形態がどんどん複雑になり、同一労働であるにもかかわらず、賃金に格差が出てきているのを、是正しないといけません。韓国や日本だけでなく全世界で問われている問題です。たぶん、これを解決しないと、新しい<身分制>というか<社会階層>が固定化してしまい、生活だけでなく人の心も蝕んでいくような気がします。ちょっと硬い内容になってしまいましたが、こんな問題も、日韓共通の課題だと思います。
現代自動車労働組合(金属労組現代自支部、イ・ギョンフン支部長)は、定年退職者や勤続25年以上の社員の子供を優先採用するものとする団体交渉案を20日、確定した。しかし、会社側はこうした「雇用世襲」を拒否する意向を明らかにしており、今後の労使交渉では激しい攻防が予想されている。労組内の一部派閥や非正規職労組も「正規職採用世襲」と強く非難しており、労働者同士の溝も深まりそうだ。
現代自労組は同日の臨時代議員大会で、「雇用世襲」と指摘されている「採用」項目を削除する案について賛否投票を行い、これを否決した。出席代議員約350人中、賛成は約150人で、過半数に達しなかった。
このため、労組は「採用」項目を含む団体交渉案を原案通り確定し、来週中にも労使交渉に入る。
「採用」項目は「会社は新規社員採用時、定年退職者および25年以上の長期勤続者の子供について、採用規定に適合すれば優先採用することを原則とする」と規定している。労組は「このための加点付与など詳細事項については別に定める」と規定に付け加えた。会社側はこれに対し「特別扱いだという批判が避けられない規定のため、受け入れがたい」との見解を示している。
韓国の労働運動が本格的に始まるのは80年代の後半からで、その流れの中から95年に<全国民主労働組合総連盟(民主労総)>が結成、99年に合法化します。この現代自動車労働組合も民主労総の中心組合の一つで、賃上げや労働条件の改善のため、ストライキなどの実力闘争も行ってきた戦闘的な組合です。
そんな組合が、「社員の子供の優先雇用」を会社側に要求する方針が採択され、進歩的な政党からも批判を浴びています。この組合は正規の社員の組合で、これ以外にも非正規(契約社員)の組合もあります。日本と同じように、正社員と契約社員の違いは大きく、非正規社員組合は、一定の条件を満たしたら正社員にするように要求していますし、
裁判所もたしか会社側に正社員化をするようにという判決をだしたと記憶しています。
正社員と契約社員だと、2~3倍以上の給料の違いがあるようです。僕も大学で日本語を教えていた時は1年契約の講師だったので、正規の韓国人教授の給料と大体2倍ぐらいの違いがありました。(時間講師だと休む場所もなく、自分の荷物を置く場所もないという悲惨な状況でした)
経済的な状況が厳しくなくなる中で、労働運動に対する世間の目がどんどん批判的になる中で、組合の団結を自分たちの利益を守ることで勝ち取ろうというのは間違いでしょう。やはり、同一労働同一賃金という労働組合の原則であり、団結の原動力になる考え方を守らないとだめだと思います。雇用形態がどんどん複雑になり、同一労働であるにもかかわらず、賃金に格差が出てきているのを、是正しないといけません。韓国や日本だけでなく全世界で問われている問題です。たぶん、これを解決しないと、新しい<身分制>というか<社会階層>が固定化してしまい、生活だけでなく人の心も蝕んでいくような気がします。ちょっと硬い内容になってしまいましたが、こんな問題も、日韓共通の課題だと思います。