このマトリョーシカノート(本です)、今まで非売品で、図書館に行かないと読めなかったのが、「マトリョーシカノート 3 」になって買えるようになってて、アマゾンで見つけて即購入。
この本のすごいところ…
中にはマトリョーシカの写真がいっぱいですが、大半が1900年代前半から1980年代ぐらいのもので、650点超(あとがきを読むと)すべて日本の骨董市とかアンティークショップで手に入れられたらしい。
そしてその後がすごいのですが、そのマトリョーシカたちの形や絵柄にいくつかの纏まり(グループ)を見つけ、 各グループの系統的な流れと形や絵柄の時期ごとの変化…(つまり時間と空間ー縦軸と横軸による分類)がたくさんの写真とともに説明されています。
一つ(横軸)は生産地による区分 : セルギエフポサード、 セミョーノフ 、マイダン、トヴェーリ…等 (すべて地名)
一つ(縦軸)は年代ごとにⅠ期(1890年代)から Ⅵ期(1990年以降)までに分けて、分類して論じられています。
以前図書館でこのマトリョーシカノート2 を見たときに、
同じような古いマトリョーシカを集めて、底部のシールやスタンプなども参考に、時間と空間で分類するという「冷静な情熱…」に驚きました。
あとがきによると著者は考古学がご専門のようで、「考古学の土器型式は、地域によって系統化が進み、時間によって文様が変化する。 …中略 …
一方、マトリョーシカも、ロシア各地域で、長年にわたりその工場(工房)特有の『決まったタイプ』のものが、時期的な文様変化はあるものの、継続して作られているのである」(あとがきより)
なるほど…。
私は、これは似てるなあとか、別のタイプだなあとか、模様がいいとか、珍しいとか、…その程度の感覚的見方で…。
そこでとりあえず、私の持っている古いマトリョーシカ数点を、この本を参考に分類してみました。
・これは、当家最古参のマトリョーシカ。保育園のバザーで30年ほど前に購入。(目の位置がずれてる…)
セミョーノフ系。第Ⅳ期くらいじゃないかと。マトリョーシカと言えばこれ!って感じですね。
・次にこれは、マイダン村系 のマトリョーシカ。
何か別のマトリョーシカを買った時におまけでもらったもの。2番目の子が抜けてるらしい。
言われてみると、マイダニスカヤと真ん中くらいに書かれてる…。 1987という数字も見て取れる。
も一つ 「3」という数字も見て取れるので 、もともと3ピースだったのかもしれない。
・これはトヴェーリ系 1990年代。
(2003年秋ごろ、ユトレヒトという本屋さんがマトリョーシカ展を開催しているのを聞きつけ、代官山なんていうおしゃれな街に出かけて行って、購入したもの。
同じタイプが数体あったような気がします。どれも経年変化で塗装がはがれてて、同じものを数点輸入したものがどこかに残ってたという感じでした。)
と、古いのを引っ張り出してみて、あれこれ眺めて、おかげさまで楽しかったです。
この古いマトリョーシカ達は、遠くロシアから、1900年代にどのような道のりをたどったかわからないけど、はるばる日本に来たのですね。
そういえば、こないだ世田谷ボロ市でも古いのを数点見かけましたが、結構高くて買えませんでした。
マトリョーシカに魅せられてからのアプローチって、人それぞれ違うなあと思いました。(この蒐集と分類にはもちろんかないませんが…)
(私は、マトリョーシカを見ているとぼーっとしてしまうのです。)