只今、別の本読んでいるけれど、公民館へ返却に行って目に付いたので借りてきた。
あの「負け犬の遠吠え」で大ブレイクした著者もすでに40代後半。結婚もせず、子供もいない女性の後半生と死後のお墓などについて、いろいろな切り口から考えていて、わかりやすく、面白かった。
私が子供の頃、日本は人口が増え続けてやがて食糧難になる心配があったらしいけど、今や少子高齢化が社会問題、その中で独身でやがて高齢になる女性がどう考え、どう生きたらいいか、ヒントが詰まっている。
とは言え、未婚中年女性とひとくくりにするのにも無理がある。資産や血縁、友人縁に恵まれた人とそうでない人の違いはとても大きい。前向きに人生を充実させる、このことさえ難しい人もいると思う。
いえいえ、そんな個別のケースがあったとしても、この本の価値は損なわれません。
興味深かったのは、沖縄の死者の祀り方。本土のような個人の位牌ではなく、名札のようなのを大きくて、蒔絵などのある立派なケースに入れるらしい。それをトートーメーと言う。離婚して帰って来た女性の位牌はそのケースには入れず、台所の西か来たの隅に小さな棚を作って載せておくという。それがサギブチダン。そういう位牌は家に災いをもたらすものだと。
位牌のケース=トートーメーは男系の子孫が受け継いでいく。娘ばかりの家は預かっている形、その人たちがなくなれば親族の一番近い男系に渡っていく。財産もその習わしだったそうで、それは今の相続の諸法との間に矛盾がある…と著者は断言はせずに(それは習俗への敬意と思うけれど)疑問の形にしていたけど。
未婚で亡くなった女性は実家の墓には入れず、お寺にあずかってもらう。離婚した女性も死後、お骨を元の婚家に引き取ってもらう…と、少数派の女性にはあくまでも厳しい沖縄の習俗のようです。
しかし、今はそれも少しずつ変わっているようですが。
沖縄はたぶん古いやり方が残っていて、昔は日本全国、こんな感じだったのかもしれません。
沖縄で、未婚のまま亡くなった男性はどんな扱いなのでしょうか。それも知りたかった。
この本ではお墓のことに多くを割いていますが、その前の死に方はいろいろ。子供の育ち方は、みな似ていても、介護が要る人と要らない人と。
著者のご両親は介護の手間を取らせることなくもう亡くなったそうで、もし著者が介護の苦労をされたなら、また違った問題意識を持ったと思う。結婚もせず、子もない女性の、男性の介護は誰がどのように担うのかというシビアな問題。
きれいごとではなく、そんな立場の人も希望が持てるような著作を期待します。