日経新聞の書評欄を読んで楽天ブックスで注文
トラウマ研究と臨床医の第一人者の著者のエッセイ
ケアとは何か・・・エンパワメントとは何か・・・
抜粋・・・
トラウマを負った被害者が回復し、自立した生活を取り戻していく際にエンパワーメントが重要であるということはよく知られている。
エンパワーメントとは、その人が本来もっている力を思い出し、
よみがえらせ、発揮することであって、だれかが外から力を与えることではない。
けれども忘れていた力を思い出し、自分をもう一度信じてみるためには
周囲の人々とのつながりが欠かせない。
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自分がだれにも連絡を取らず、だれにも連絡がないまま休日が過ぎると
世界にひとり残された気がして、自分なんて存在しなくてもいいんじゃないか
と思ったりする。
そういう時も「ああ、これは明日の出会いの前の静けさなんだ」と思える。
外からのインプットを排除して繭の中にこもる。
そんなときにこそ中でなにかが醸成していたり、励起状態になっていって
まもなく鮮烈な化学反応が起き、新しいものが生まれてくるかもしれない。
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日本にも強く波及しつつある米国のネオリベラリズムが危険なのは、
弱みに付け込むことがビジネスの秘訣として賞賛されることで、弱さを
そのまま尊重する文化を壊してしまうからだと思う。
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人生とは案外、毎日のささいな選択、それ自体はどちらを選んでも大差がないような
選択の積み重ねによって、軌道が延び方向性が決まっていくものではないだろうか
つまり人生とは、十字路ではなくY字路の連続によって形つくられてるのではないか・・・