KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

奥様念願の黒滝峰直登ルートとタキユリ

2023年07月07日 | 四国の山


梅雨入りしてから雨降りでも苦にならずに歩ける山を色々とピックアップしていた。

その内のひとつに工石山を挙げていた。工石山なら雨が降っていても青少年の家の

体育館の建屋の下の駐車場で、雨を気にせず雨具を着こめるし、下山後も着替えが

出来る。登山道はよく整備されているので雨降りでも安全に歩ける。そんな感じで

候補の一つと考えてYAMAPを見ていると、昨年のこの時期の活動日記には

タキユリの写真が上がっていた。ただ最初はタキユリは工石山の登山道のどこかに

咲いているのだと思っていたら、どうやら山中ではなく、高知市内からの県道16号線

沿いに咲いていることが分かった。そこで昨年の活動日記を書いていたギッチャンさんに

『県道のどの辺りに咲いていますか?』と尋ねると、タキユリは探すほどの事はなく、

高川あたりの県道沿い沢山咲いていると教えて頂いた。

さらにプラスして七ツ淵神社のウスキキヌガサダケも是非見に行ってとお勧めされた。

『タキユリはまだ蕾ばかりですよ』と教えてもらったが、来週、再来週と予定が

入っていて出かけられるのは今週しかない。今年はどこの山でも花の開花が早い。

ひょっとしたら一輪でも咲いていたらラッキー!くらいの気持ちで出かける事にした。


当初は工石山ではなく、地形図には山名が記載されていない高知の三つ目の

笹ケ峰を歩こうと奥様たちと連絡を取り合っていたが、急遽ルリちゃんが参加

出来なくなった。せっかくなら未登の山。三人で歩く事にしてコース変更。

するとあっちゃんから『黒滝峰の岩場を登りたい!』とメッセージが届いた。

私が黒滝峰への直登ルートには岩場にロープがかかっていて、楽しいよ!と

前々から話をしていたので、いつかは登ってみたいと思っていたらしい。

ではでは直登ルートを登って三辻山へ歩いて、その後は花散策ということで!


高速を大豊ICで下りるまでは山にはガスがかかっていたが、国道439号線から

県道16号線を南下して赤良木トンネルの手前では青空が広がっていた。

予定通り青少年の家に車を停めて、まずは県道を南に下って行く。

途中、少し霞んではいたが南に太平洋まで見える眺望が広がっていた。







木々の上にちょこんと頭を出した黒滝峰の岩峰。山手には伐採地の作業道への入り口。

最初のヘヤピンカーブが三辻山・黒滝峰への登山口となる。











小滝の手前で左に折れて急登を登って行く。以前にはなかった矢印の道標が何ヵ所で

建っていたが、目印は以前からあった色褪せてはいるが白と赤のテープ。











前日の雨で湿った斜面を足を滑らさないように登って行く。時々現れる大岩は右に

右にと巻いて行く。この山域で見られるレンガ色の石。白い筋が入っているのが

大トロの様に見えるのは私だけかな?













すると最初の岩壁が現れる。ここも右へと巻いて行くと、岩の隙間に根を張り、

途中から真直ぐに高く伸びている『ド根性の木』。『ド根性の植物』と言われて、

アスファルトの隙間から生える植物や野菜はよく目にするが、ここまで大きく

育った木は珍しい。







この岩壁を巻いて上部に出る途中で前を歩くあっちゃんから何やら匂って来た。

岩壁の上部に出たところで『あっちゃん、今日のお昼は冷やしうどん?』と尋ねたら、

『そうよ!』と。『ひょっとしたら出汁が漏れてないですか?』と言うと、ザックを

降ろして中を見るあっちゃん。予想通りタッパに入れたうどんの出汁が漏れていた。

あっちゃんがザックの中身を取り出しゴゾゴゾしている間に、ふと横を見ると木々の間から

見晴らしが良さそうな岩が見えた。枝葉を掻き分け岩場に出て見ると南に太平洋から

浦戸湾の景色が広がっていた。怪我はしていないが怪我の功名。あっちゃんが立ち止まった

お陰で、前回は気づかなかった展望岩で絶景を見ることができた。











ザックの中身を片付けたあっちゃんも展望岩でひとしきり写真撮影。その後歩き始めると

さらに高い岩壁が現れた。岩の足元の土だまりを右にどんどん進んで行くが、前回はあった

はずのロープが見当たらない。仕方がないので引き返して二人で右往左往しながら、

『そっちはどう?』『こっちは何とか登れそうや!』などと言いながら、木が生えた

岩の隙間を狙って適当に登って行く。少し藪ぽい岩崖を木の枝を握り、潜りながら

登って行くと(この間は写真を撮る余裕が全くなかった)、何とか岩壁の上部に

たどり着くと、ここでも南側の眺望が広がっていた。








ここからは赤良木峠から樫山峠へのトラバース道まで直登。足元は踏み跡も無く

不明瞭だが、テープを探しながら何とか登って行くとトラバース道に出た。










トラバース道に出た後一旦赤良木峠の方へ左に折れて歩いて行く。しばらく歩いて行くと

道の両側にテープが垂れ下がっている。ここから山側に登って行けば黒滝峰の直下になる。

ここからもテープを目印に登って行くと目の前に巨大な岩壁が現れる。











ここでも先ほどの岩壁と同じように岩の下を右に巻いて歩いて行く。岩壁の下に白赤の

テープは続いているが、どうやらこのまま岩壁を巻いて上部に出るルートの様だ。

お目当てのロープ場に行けなくなると気づいて、引き返して太い白テープのある

場所から登って行く。








最初は岩と岩の間の隙間の様な場所。少しロープを使って登って行くと、最後の岩場には

太い白と茶色のロープが掛かっている。










白骨樹に括り付けられたロープは真ん中あたりで輪っかにしてアブミのように

なっているが、段差が結構あってここで少しあっちゃんがてこずる。

それでも何とかこの場所をクリアすると、あとはグイグイと登って行った。
















この岸壁は固く脆くもなく足がかりがしっかりしているので、見た目よりは簡単に登れる。

ロープが途切れる最上部からは少し籔いた灌木の中を進んで行くと黒滝峰の岩峰の

手前にでた。尾根からは左に折れて黒滝峰の岩峰の突端にでる。

ここからも先ほどまでの展望岩と同じように南の景色が広がっていた。標高が上がった分、

先ほどまでの岩峰展望台では見えなかった浦戸湾に隣接する五台山も見えた。











さらに右手には工石山と青少年の家、そして緑の山肌が大きく地肌になった伐採地が見える。

するとあっちゃんが初めてこの景色を見たと言う。『いえいえ2年前にルリちゃんと

ちゃんと来ていますよ!』











展望岩での絶景を楽しんだ後、黒滝峰の標高点を踏んで三辻山へと歩いて行く。











赤良木峠と三辻山との分岐にある東屋を指して、『これは見覚えがあるでしょう!』と

言っても『こんな東屋、どこにでもあるし!』と返事が返ってきた。それにしても

奥様たち二人は意外と山での記憶があまりない。



ヤマシグレ



さすがに三辻山山頂の丸い山名案内板は見覚えがあるらしく、『ハイハイ、ここは来ました』と。

青空の下、日差しはきついが吹く風は乾いていて心地よい。

時間はまだ10時30分過ぎなのにあっちゃんがここでお昼ご飯にしようと言う。

兎に角タッパから漏れたうどんの出汁が気になるらしい。『過去最速のお昼ご飯ですね』と

言いながら、コンビニで買ったヘルシー巻きずしを取り出す。










山頂からでの眺望はやはり霞がかかっていて、北側の峰々の山座の同定は難しい。







食後はコーヒーでまったり時間を過ごし、記念写真を撮った後一旦東屋のある分岐まで

下って、赤良木峠を目指す。山頂の下を巻くようにして続いていた道が杉林の中の道になると

傾斜も急になり九十九折れの道になる。足元に今日三匹目の登山靴より大きいヤマミミズ!














途中でテープのある分岐らしいヶ所があり最初は右に下って行ったが、どうやらルートから

外れている様子だったので、ルートの左の道へと斜面を登って行く。(実はこの分岐から

右の道が、伐採地を通らずに赤良木峠に行ける道だとあとで分かった。)

すると以前からのルートは途切れてしまい伐採地の中に入っていった。







ここでGPSを確認して見ると、すぐ下に林道の実線がある。その距離もさほどでも

ないので、作業道の行止りから林道めがけて降りて行く。少し笹が藪いてはいるものの

そこはあっちゃん手慣れたもの、躊躇なくどんどん下って行く。











すると三辻山の道標の立つ場所に出た。そしてその先には前回来た時、杖塚から樫山峠に

行こうとしたが、ロープが張られて通行止めの標示のあって引き返した場所に出た。











ここからは赤良木峠を通って杖塚経由で青少年の家へと戻って行く。






ウツボグサ


コナスビ




登山口を過ぎ青少年の家への舗装路を下る途中で見えた伐採地は、黒滝峰の直下まで迫っていた。

樫山峠から三辻山を経由して工石山というメジャーなルートが、もう歩けなくなったのが

とても残念だが、恐らく三辻山から伐採地との間にあった分岐から赤良木峠への迂回路が

これからは利用されることになるのだろう。



ヒメシャラ




青少年の家の横の県道沿いには今は盛りに色とりどりのアジサイが咲き誇っていた。







建屋の下の駐車場では四国森林管理局の方がお昼休みをとっていた。しばらくして車から

出てきた方と話をしていると、どうやら伐採地は民地の様で、登山道はそんな中を

通っていたので、通行止めは仕方がないとの事だった。ついでに今日の黒滝峰の岩場の

話をすると、その方はそのルートの事を知らず、『登山道以外の所を歩くのは危険です』と

お小言を頂いた。何度も言うので『ハ~イ分かりました』軽くいなして車に乗り込んだ。


ここからはギッチャンさんに教えてもらった花散策。県道を南に下って行くと何ヵ所かの

道路の脇の法面に、花を咲かせたタキユリが見えた。『もっと下がって行ったら沢山咲いて

いるわよ』とあっちゃんが言うのでどんどん南下していくが、タキユリは見つけられず、

そのうちに『ネットのある場所には色々な花が咲いているわ』とギッチャンさんが教えて

くれた場所に着いた。そこに咲いていた花たち!

オオキツネノカミソリ


ギボウシ


??


バイカアマチャ



そこで何枚か写真を撮った後、七ツ淵神社へと向かう。県道から標識に従って車を走らせると、

鳥居の前に二台程車が停まっていた。鳥居の場所から少し上に車を停めて、鳥居の脇から

参道を降って行くと直ぐにお目当てのウスキキヌガサダケを見つけることができた。

ただギッチャンさんがアップしていたフランス宮廷の女性が着るドレスのような形ではなく、

少し萎んで形が崩れたスカートになっていた。そしてその先には完全にそのドレスを脱ぎ

捨て寂しそうに立つ女性の姿があった。











道はどんどん下っている。この先に神社があるのだろうかと思いながら歩いていると、

女性が独り屈んで写真を撮っていた。『何か咲いているのですか?』と尋ねると

『私も初めて見るコクランです!』と教えてくれた。花がとても好きそうで、ここにも

何度も来ている方が初めて見たというのなら珍しいのだろうが、花音痴にはその希少価値も

分からない。するとその女性がキヌガサダケがどんどん萎むんでいく動画を見せてくれた。

その方の説明によると明け方に黄色い菌網を広げその日のうちに姿を消してしまうそうだ。

綺麗なドレスをまとった貴婦人が何とも儚いな~とあっちゃん。








七ツ淵神社は車を停めた場所からかなり下の谷底の様な場所にあった。ここまでは下る

一方だったがすでに額に大汗を掻いていた。境内にはまだ硬い蕾のタキユリと花を散らし

始めたナツツバキ。
















神社からの帰り道。今度は登りの一辺倒。青少年の家でせっかく着替えたシャツが

汗でびっしょりになった。車に乗り込みエアコンを全開に。『ここから南にいっても

タキユリが咲いてそうな雰囲気がしないので、さっき見かけた場所まで戻りましょう』と

話をして引き返す。高川の集落に差し掛かる所で、低い位置に咲いているタキユリが

目についた。早速車を停めて撮影会。白い花びらに薄いピンクのグラデーションと

赤い小さな斑点。斜面から垂れ下がった茎に上に向かって反り返った花弁が、

何とも優雅でそして可憐で見惚れてしまう。













黒滝峰の岩場・タキユリそしてウスキキヌガサダケの三点セットの今日の目的を完了。

『ご満足いただけましたか?』とあっちゃんに問うと、ニコリ顔を返してくれた。

今日も天気は不安定。午後から雨の予想!

2023年06月29日 | 香川の里山


今週も梅雨らしい天気予報。お陰で早明浦ダムの貯水量は心配ないけれど、お山の

計画がなかなか難しい。降水確率が高いので雨降りになっても安全に歩ける山を

チョイス。雨降りの時はルートの選択もそうだが、先ずは登山口で濡れずに雨具を

着込める屋根がある事。山頂近くでお昼ご飯になった時も出来たら屋根の下でお弁当を

食べたい。そんな条件でいくつかの山をチョイスして選んだのが雲辺寺

今回は東屋のある粟井ダムから四国のみち、へんろ道を歩いて登ることにした。











雨降りを睨んで東屋のある粟井ダムを選んだのに、空は雨が降る雰囲気はしない。

ただSCWの予想では昼からの天気が怪しい。奥様たちにはそう伝えて、雨具の

確認をしてスタートする。

登山口はダムから少し下がった四国のみちの掲示板のある場所から、階段を登って行く。







いきなりの急登に汗が一気に噴き出す。勾配は次第に緩やかになっていくが

それでも額を流れ落ちる汗は一向に止まらない。

昨日は朝から夜まで一日中、エアコンの効いた部屋で会議だったせいもあるのか、

身体も重く、奥様たちにどんどん離されていく。
















この道はもともとはへんろ道。その後四国のみちににもなっていて、道の随所に

丁石と四国のみちの道標が点在している。







鰻渕の説明板のある場所からは北に観音寺市越しに七宝山が望める。間に木を挟んで

東に黒戸山から天霧山、そして善通寺五岳の火上山まで見えた。

説明板の横には四国のみちの一升水と書かれた道標が立っていたが、こちらは何の

謂れなのかは説明がなかったので分からない。
















鰻渕の説明板からさらに登って行くと次にへんろ道の説明板。相変わらず身体が重たい。

熱中症にでもなったらいけないと思い、水分補給を小まめに取るがそれでも息が荒い。











一丁ごとに立てられた丁石が道の脇でお遍路さんを見守っている。割と緩やかだった

道がまた急になって来た。途中奥様たちが座り込んで写真を撮っている。

何の植物だろうか?













急登が終わると道の左手が杉林になった。道の脇にはドクダミが目につくようになった。










阿讃縦走路との分岐まで来るとほぼ稜線。あとは緩やかな道を歩いて行く。

次にロープウェイ駅からの道との分岐を過ぎると、巨大な電波塔が現れる。

敷地の中にはホタルブクロと黄色い花は何の花?

















車道を雲辺寺へと歩いて行くと、道の脇にアジサイが目につくようになった。そして

一本の木に纏わりついて上に伸びるヤマアジサイの様な花。











五百羅漢の特徴のある顔を眺めながら境内へ。途中からずっとお腹が痛くて

慌ててトイレに飛び込んだ。トイレから出て服装を整えようとしたら、汗で

ズボンがお漏らししてように濡れているのに気がついた。










大師堂でお参りを済ませて山頂公園へと向かう。途中に今日のお目当てのひとつの

アジサイロード。色とりどりのアジサイもきれいだが、この道沿いの青一色の

アジサイもなかなか見ごたえがある。








今日のもうひとつのお目当てはスキー場のスロープに咲くユリの花。YAMAPの

活動日記には色とりどりのユリの写真がアップされていたが、実際に咲いていたのは

スキー場のスロープの下だった。斜面一面に咲いているユリを想像していいただけに

テンションが下がって、一番近くに咲いていた一輪だけの花を写して終了。

それでもルリちゃんがせっかく来たのだからと、わざわざ斜面を降りて写真を

撮ってきてくれた。

















山頂公園からは北の眺望と西の眺望が広がっていた。三豊市の奥には志々島や広島が

モヤのかかった海水面から浮かんでいるように見えた。














ベンチに腰掛けお昼ご飯にするが、汗冷えで寒くなってきた。お弁当を用意して

いなかったあっちゃんは、UNPENJI COFFEEでわらび餅を買って小腹を満たす。

すると雨がポツリポツリと降って来た。汗冷えも収まらないし、写真を撮ったら

直ぐに下山にかかる。














公園からまた雲辺寺の境内へ。四国霊場の内もっとも高い場所にある雲辺寺。

『四国高野』と呼ばれて僧侶たちの修行の地となった雰囲気が今でも感じられる。

涅槃釈迦仏や五百羅漢像を眺めながら来た道へと戻って行く。











お弁当を持って来なかったあっちゃんは、どうやら下山後にうどん屋でお昼ごはんと

考えていた様で。『さあどんどん歩くわよ!』と言いながらスピードを上げている。














途中でギンリョウソウや蛇のうろこの様な木肌の写真を撮っていると直ぐに

置いてけぼりになる。『待ってください奥様たち!』










へんろ道でよく見かける『同行二人』の札に書かれた言葉に励まされながら、

こちらも何とかスピードアップする。すると頭の上でゴロゴロと大きな音が

たち始めた。そして粟井ダムへの舗装路に出る頃にはパラパラとし始めた。










舗装路からは出来るだけ濡れないように木の枝が覆いかぶさる道の脇を歩いて戻る。

結局うどん屋ではなく近くのカフェでもという事になったが、お店が定休日。

仕方がないので今日はこれで解散。










大野原ICから高速道路で帰る途中で、萩の湯で汗を流す。今日はサウナに入っても

もうほとんど汗が出てこなかった。サウナから出て露天のスペースで寝椅子に横に

なっていると、突然どしゃ降りの雨。サウナを出た後の火照った身体には気持ちの

良い雨だったが、これが下山途中で降られていたら・・・・。午後からは天気が崩れるとは

思っていたが、想像以上の雨だった。

来週もまだ梅雨空の一週間となりそうだ。雨降りでもいい山。タキユリでも見に行こうかな?



ちょこっと里山歩き・・・あららもう雨が降って来た!

2023年06月22日 | 香川の里山




奥様たちと予定が合わず今日は自主トレ日。天気もイマイチだし、朝一番に接骨院で

腰のメンテナンス。その後ゆっくり朝食を摂って、天気予報では夕方から雨模様なので、

さっくと歩いて雨に降られないうちに帰って来ようと出かけてきた。

森林公園の研修棟の駐車場に車を停めてスタート。駐車場の南にあるねこバス

大きな目玉が取れて、見る度にくたびれてきた感じがする。







そのねこバスの奥には真新しい東屋が出来ていた。東屋の横から山の中へと入って行く。

今日はのんびりと草花を写しながら歩いて行こう。







道は最初から意外と急登。急な場所には木の丸太で階段状に整備されている。周りの

木々には樹種の札が掛けられている。鬼のこん棒のようなハリギリ。







238mの標高点から派生する尾根まで上がってくると、東側の綾歌町から飯野山に

かけての景色が所々で見える




238mの標高点の辺りで広場になった場所にトイレがあった。その横にはまだ

熟す前の爽やかな色をしたヤマモモの実。







そこからは直ぐにアスファルトの遊歩道に出た。道の脇にはオカノトラノオが風に

なびいて揺れていた。すると頭の上からポツリポツリと雨が。





城山への登城口と書かれた道標の前のベンチに腰掛け、ザックカバーを取り出しつける。







登城口から登って行くとさっそく堀切と井戸跡。更に登ると土塁と曲輪。いずれも

敵に攻め込まれたときに優位に戦うためのもの








山頂は西長尾城の本丸。本丸らしい平らな山頂は当時は360度の眺望が広がって

いたのだろう。いまでも北東から北西にかけては(南側が木々に遮られている)は

丸亀平野から大麻山までが今日の薄曇りの中でも見渡せる。












小さいころに一緒に登った子供たち




山頂からは途中から南東に別の道を下って行く。途中に南側の登尾山から大川山

かけての阿讃山脈と尾瀬山が見えた。







城山を降りると尾根に沿って地道の林道と登山道が平行して続いている。最初は

樹林帯の中の登山道を、途中からは林道を歩いて行くと第三東屋についた。

前回友人と来た時はここでヤマガラと遊んだ記憶があるが、今日は休憩している

人もヤマガラもその姿が見当たらない。



親父のザックを背負って歩く息子



猫山の途中で一ヵ所だけ道の両側から草が茂った場所があったが、後はきれいな

歩きやすい道が続いている。猫山と鷹丸山との分岐の辺りで、また一段と雨が

強くなってきた。おまけにお腹がグルグルとなってきた。先ほどの第三東屋に

あった仮設のトイレが頭に浮かび『どうしようかな~』と迷ったが、こんな中途半端な

ところで引き返してもと思い直して、山頂手前のロープのある急登を登って行く。









こんな場所は子供たちは張り切る




雨脚は相変わらずだったが、急登を登っている内にお腹の調子はマシになった。

木々に囲まれた山頂は薄暗く、その代わり周りの木々の枝が雨粒を遮ってくれている。

三角点の後ろには大きなカゴノキ。あちこちにケルンが積まれていた。







北側が少し伐採されて唯一の景色、麓のレオマが見えた。






猫がいないねと息子




スタート時点では今日は大高見峰まで歩く予定だった。天気予報では夕方以降から

雨が降り始めるとの事だったので、雨雲も傘も持ってきていない。雨脚はまだ

弱まりそうもないので、ここで引き返すことにする。濡れた岩場に足を滑らせないように

注意深く山頂直下を下ると、後は快適な道。第三東屋の手前の分岐で琴ケ滝の道標に

従って右手に下って行く。




この道もほとんど荒れたヶ所もなくよく整備されて歩きやすい。途中で琴ケ滝に

寄り道。まだ雨が降り始めたばかりで滝を流れる水の量も少ない。







一旦アスファルトの遊歩道に出て、語らいの広場を通り駐車場へとたどり着く。

しばらく晴れの日が続いた後の雨に、途中で見かけた小さな草花も生き生きとしていた。



















大高見山まで行かずに引き返したので予定していた時間が早まった。コンビニで買った

おにぎりはそのままにして、西へと車を走らせ三嶋製麺所へ。平日にもかかわらず

県外の車やバイクが停まっていた。来週もなんだか雨の様子。早く梅雨が開けないかな~!


お久しぶりの大山、そして初めての三ノ沢ルート

2023年06月17日 | 四国外の山


『線で繋ぐ石鎚山から引地山』で弥山から二ノ森へ歩いた時に、西ノ冠山の辺りで

数輪咲いているイワカガミを見つけて三人で喜んだ。

それが6月の初旬にエントツ山さんとアカリプタさんがYAMAPにアップした

大山三ノ沢の活動日記には、尾根近くの斜面一面にコメツツジとイワカガミが

びっしりと咲いた写真が載っていた。『なんじゃ~これは??』と目が点に!。

さっそく奥様たちに『天空のお花畑』のお誘いをすると、もちろん即OK。

ただエントツ山さん達が出かけて以降の天気が、梅雨らしいといえば梅雨らしい

ぐずついた天気が続き、出かけるのに二の足を踏んでいたのと同時に、お花は

まだ大丈夫だろうか?と心配する日々が続いた。

今週は木曜日までそんな天気が続き、金曜日にやっと天気が回復した。

降雨の後の大山がガスがかかっていないかが気がかりだったが、仕事の都合も

あって今日しか出かけられないので、意を決して・・・・!





坂出で奥様たちと待ち合わせをして高速道路を一路蒜山ICを目指す。途中の

中国山地辺りでは曇り空からポツリポツリと雨が。蒜山SAでトイレを済ませたが、

やはり蒜山・大山は雲がかかって姿が見えない。車に乗り込む前に頭の上の雲を

じっと眺めると、雲は西から東へと流れている。この調子で雲が流れてしまう事を

願いながら高速を降りて、大山環状道路を走ってスタート地点となる文殊堂に着いた。




文殊堂の横の駐車場は平日にかかわらず満車状態。『みんな考えることは同じかな?』と

思いながら、文殊堂の後ろの少し路肩が広くなった場所に移動して車を停める。

まわりはやはり霧がかかって薄暗い。




その霧のせいもあってか、少し肌寒かったが、時間が経てば陽が照ってくるのを

願いながら、三ノ沢の右岸に造られた工事用の道を歩いて行く。

右手に砂防ダムを見ながら登って行くと、道の左側に工事現場の小屋と工事の人の

車が数台停まっていた。道の正面は立ち入り禁止の標識とロープが張られていたが、

なぜか立入禁止と書いた矢印の方向にはロープは張られていなかった。








その矢印通りに樹林帯の中へと進んで行く。しばらく歩くと砂防ダムの際にでた。

そこから砂防ダムの上手に降り、河原についた踏み跡を辿りながら今度は左岸へ。










左岸に渡ると自然林の中の道になる。気のせいか四国の山とは周りの木々も林床の

植生も少し違って見えた。足元に今日初めてのダイセンクワガタみ~っけ!







樹林帯を抜けると最上部の大きな突堤の足元に出た。ここでまた今度は右岸に渡り、

突堤のコンクリートにロープがかかった斜面を登って行く。











コンクリートの斜面を登り、タニウツギの咲く突堤の脇を抜けていくとまた

岩や石が堆積した広い沢に出る。ここから見上げると千畳敷カール涸沢カール

ような景色が見られるはずだったが、残念だが稜線をうす暗い雲が覆い隠していた。

この沢の最上部になるゴルジェの様な場所には、白い塊が見えた。大山の南壁にある

沢だが、まだ雪が残っているようだ。











沢の踏み跡を辿りながら一旦右手の中州の様な灌木帯の中へ入って行く。この頃には

汗のせいなのか霧のせいなのか、シャツがしっとりと濡れている。














灌木帯からまたゴロゴロ石の斜面に出る。ザレた斜面は踏み出すたびにズル・ズルと

足が後ろに滑って歩きづらい。ここでも踏み跡を辿りながら右の灌木帯へと登って行く。

前を行く岡山から来たという男女のペアは、このルートにも何度も来ているようで、

途中で色々と話をすると私たちと同じようで、やはりぐずついた天気が続いて

いたので、やっと今日の天気を待って出かけてきたそうだ。ここからが沢から

離れて尾根への取付きとなる。



















ザレ場から岩肌になると今日初めてのイワカガミ。先ほどの女性に『この辺りからが

群生地になるのかな?』と尋ねると、『もっと上の方よ』と教えてくれる。

ポツリポツリとマイズルソウも姿を現し次始めた。













すると今度は霧の雫と同じくらい小さなコメバツガザクラも目立ち始めた。

奥様たちもそんな可愛い天使たちの写真を撮るのに夢中だ。










更に今度はあちらこちらの岩肌にダイセンクワガタが群生していた。手前のイワカガミは

既に枯れていたけれど、ダイセンクワガタの群生を見られただけでも良かったねと。







霧は期待を裏切っていっこうに流れそうにもない。それどころか高度が上がるにつれて

益々濃くなっていっている。















険しい岩肌に咲く濡れたダイセンクワガタの群生に圧倒される。それに負けじと

高度が上がってくるとイワカガミもまだまだ咲いている。











最上部から尾根に近づくにつれイワカガミのピンクが目立ち始める。右を見ても

左を見てもピンク色の斜面。そして星屑の様な白いツガザクラがその周りを覆っている。















道の両脇に続くイワカガミの群生。尾根手前で少しだけ下ると独特な形と色をした

オダマキも咲いていた。この辺りから右に行くとキリン峠への道になる。








晴れていると目の前に槍ケ峰がデ~ンと構えているはずだが、そのシルエットが

辛うじてわかる程度だ。その槍ケ峰の足元を西にトラバースして巻いて行く。














槍ケ峰をトラバースすると初めて稜線に出た。槍ケ峰は岩を積み上げたような岩稜。

その尾根は足を踏み出しただけで崩れていきそうだ。ここから西に向かって稜線を

歩くと最初のピークが三ケ峰となる。相変わらずの霧のお陰で、両側が切れ落ちている

場所もさして高度感も恐怖心も湧かずに通過できた。











三ケ峰山頂では先ほどのペアが腰を降ろして休んでいた。お二人は剣ケ峰へは

行かずにここで引き返すという。『以前は平気だったけれど、最近は無理をしない』と

言っている。それを聞いたルリちゃんもここまでにすると言っている。もちろん

あっちゃんは行く気満々!

時間は11時ジャスト。12時までには帰ってくるとルリちゃんに約束をして、あっちゃんと

二人で先ずは天狗ケ峰へと一旦三ケ峰山頂から下って行く。ここまでも、そして

ここからも道の脇に小さな小さなマイズルソウがあちらこちらで咲いていた。








稜線の痩せ尾根は何度も歩いた事はあるが、ここの稜線は今にも崩れそうな

危うい場所が何ヵ所かあった。ただ想像していたよりは道が踏み固められていて

歩きやすかった。ただこれも霧がなく晴れ間の下ではもっと怖かったかもしれない。







天狗ケ峰は山名標もないので気づかずに通り過ぎてしまったようだ。剣ケ峰

近づいてくると、稜線の北側は草木が生え、南側は切れ落ちた道。草木があると

気分的に少しは楽になるが、気をつけないとその根っこに躓いたりする。











剣ケ峰山頂手前は稜線から北側を巻いて行く。そして樹林帯を抜けると『あら、山頂?』。

山頂では女性が独りで休んでいた。『こんにちは!』とあいさつをした後、コンクリートの

モニュメントで記念撮影をすると、その女性が『そちら側は遭難の碑になっているから

反対側で写した方がいいわよ!』と教えてくれた。確かに反対側には剣ケ峰の山名が

刻まれていた。山頂では霧が流れて一瞬だが青空も見えた。その女性も何度も大山には

登っているようで、色々と話を聞くことができた。そして大山最高峰に立つ事ができた。

ここから見えるはずの360度の眺望は残念だが今回は見ることが出来なかったが、

槍ケ峰から剣ケ峰へのルートも後何年かすれば崩落するかもしれず、そうなると

大山最高峰のこの場所に立つ事は二度とできなくなる。そう思うと感慨深かった。
















さあ山頂を踏んで満足した後はルリちゃんの待つ三ケ峰へと折り返していこう。

三ケ峰で話をした女性が『剣ケ峰への登りはいいけど、下りがザレて危ないから』と

言っていたが、今日はそのザレた場所も湿っていて、乾ききったザレ場よりも

思ったよりも歩きやすかった。









ただ一度動画を撮っていて足が滑って尻もちをついてしまって冷や汗がでた。

この痩せ尾根は今にも崩れそうだった



















あっちゃんは剣ケ峰で話をした女性に、花の名前を教えてもらいながら歩いて

来ている。途中では前から来るソロの女性とすれ違い、三ケ峰の山頂では別の

ソロの女性がルリちゃんと話し込んでいた。それにしても平日にソロの女性が

意外と多い。しかもその女性たちはこの山に何度も足を運んで、山にも花にも

詳しい。今日のような周りが何も見えない霧の中を歩いてみても、この大山が

多くの女性を魅了しているのが何となく分かった。

時間は12時。少し風が冷たいがこの三ケ峰でお昼ご飯にする。














帰りの下りは、登りに比べると霧が少し流れてイワカガミの群生が更に色濃く見えた。

途中まだ登ってきている何人かの人達とすれ違う。そのどの人も大きな一眼レフを

抱えて歩いている。やはりお花畑がお目当ての様だ。














麓の霧も流れて少しの間だが三ノ沢の全容が見渡せた。そして振り返ると槍ケ峰の

山容も初めて確認できた。剣ケ峰からの折り返しですれ違った女性が降りてきている。


















それにしても景色以上に花の写真をこれだけ撮ったのは久しぶりかもしれない。














三ノ沢の霧は刻々と流れて周りの景色を変えていく。三ノ沢の奥は二ノ沢だろうか。

同じように南壁に向かって白い線が延びている。そんな移り変わる景色を先ほどの

女性も何度も立ち止まってはカメラに収めている。














灌木の中の道もザレていて歩きづらい。注意深く下って行かないと簡単に足を滑らせる。

途中であっちゃんと二人で灌木の中から飛び出し、石屑でザレた沢を下って行く。

足を踏み出すと2~3mはズ・ズッと滑って行く。まるでスキーをしているような

感覚で下って行くのが楽しい。




















振り返ると朝方はガスがかかって全く見えなかった稜線が見渡せるようになった。

やはりこうしてみるとプチカールに見える。プチとはいえ四国には無いスケール感だ。
















往路とは反対に右岸から左岸に、そして最後は右岸へと歩いて行く。森では今年

初めて聞くカッコウの鳴く声が鳴り響いていた。

















奥様たちも途中で何度も立ち止まって、最後に草花を写しながらのんびりと歩いている。

三ケ峰からは1時間40分ほどで文殊堂に着いた。










帰り道、鍵掛峠展望台には大勢の人達が車を停めて、南壁の写真を撮ろうとしていた。

私たちも暫くの間待ったが結局雲が流れて大山の全容が見られることはなかったが、

その雰囲気だけでも感じることができた。さらに走った所の御机みつめの棚田でも

同じように雲がかかっていたが、それでも大山のスケール感には三人が虜になった。

来年は晴れた日にもう一度三ノ沢を登って天空のお花畑に出かけようと奥様たちと

話をする。その前に、7月にユートピア小屋のお花畑にも!











最後に貴重な花たち

コケイラン


クゲヌマラン


ノビネチドリ


ノビネチドリ

一日だけの梅雨の晴れ間に緩りと散策梶ケ森!

2023年06月08日 | 四国の山


六月を前にして四国地方が梅雨入りした今年。この時期はどうしても天気が不安定で

天気予報とにらめっこをする毎日だったが、週間天気予報では傘マークが並んでいた。

ただ先週はお休みしたので、二週続けてお休みするのは・・・・。それなら

少しくらいの雨降りでも歩けそうな山と言う事で、取りあえず梶ケ森を候補に

あげてみた。距離的にも歩行時間的にも短く、雨降りでも山荘横の避難小屋に

入れば、お昼ご飯の時も心配ない。

そう思いながら毎日天気予報を眺めていたら、水曜日だけ晴れマークが付いた。

さっそく奥様たちに案内して、今日は緩めに歩くことにした。


龍王の滝の駐車場では先行の車が二台停まっていた。車を降りるといつになく

沢を流れる水の音が大きく聞こえてきた。駐車場手前にあったトイレは新しくなり、

水洗のトイレになっていた。総合案内板もこんなにきれいだったかな?と思いながら

用を済ませて支度をする。







駐車場の脇にはツクバネウツギの花が満開。龍王の滝への道の脇にはガクウツギが花を咲かせていた。

杉林を抜け足元が露岩の道になると間もなくして龍王の滝に着いた。

ツクバネウツギ


ガクウツギ










予想通り滝を落ちてくる水は勢いがあり、大きな音をたて岩肌に当たって飛沫をあげていた。

僅か20mほどの落差だが、今の時間帯なら光の中から岩と岩の間から落ちる滝の水と、

樹齢数百年の杉の巨木と周りの原生林に囲まれて、神秘的な雰囲気を醸し出している。













滝壺の脇から上流へと登って行くと沢沿いの道になる。降雨の後で水量の増えた沢の

水は至るところで小滝が出来ている。龍王の滝の上部の大岩まで行き、落ち口が見られ

ないかとあっちゃんが覗き込むが岩肌に隠れて見えない。ルリちゃんは河原まで降りて

滝の上流を写真に撮ったりして、しばらくの間うろつく。










渡渉ヶ所に架かる鉄製の手前の橋は、土砂崩れで手摺が曲がり、網目の踏み板も

土砂と石で埋もれて原型をとどめていない。







その鉄製の橋を渡ると道は苔むした岩が転がる道になる。足元は苔の緑。そして周りは

朝の光が当たり輝く新緑。そんな緑の空間の中をゆっくりと登って行く。








滝の上部からは15分ほどで定福寺の奥の院に着いた。奥の院は仏岳山遍照院と呼ばれ

弘法大師が修行した加持ケ峰(梶ケ森)の七合目辺りになる。

ここから右に折れて真名井の滝へと歩いて行く。ここでも斜面に架かった橋が落石に

よってけっこう歪んでいた。










道はウツギだろうか?花びらで真っ白に埋め尽くされていた。道の脇にはフタリシズカ

があちらこちらで花をつけていた。そのフタリシズカの横で賑やかに写真を撮る

奥様たちフタリ。足場板のような橋を渡ると真名井の滝への急登になる。
















真名井の滝は岩の割れ目の間を細く曲がりくねって流れ落ちるような滝。落差は

先ほどの龍王の滝の半分くらいだが、流れ落ちる幅が狭いので、水の勢いは

こちらの方がある。滝壺に落ちた飛沫が涼しさを誘う。

















登山道はこの滝の手前から続いているが、滝の横からも崩れてはいるが、滝の上部まで

登って行ける。崩れた丸太の階段状の急登を登ると階段と鎖場になる。

先ほどからあっちゃんが『鎖場の岩は濡れてるわよね~』と言っているので、

『は・は~ん今日も鎖を登ろうとしてるな』と思って、『今日は絶対滑る~

登ったらいかんよ!』と釘を刺す。








階段は何段にも分れて真名井の滝の上部まで続いている。『変な事を考えんと~』と

ルリちゃんに言われながらも、鎖を横目に未練がましく登ってくるあっちゃん。








真名井の滝の上部から登りきるとシャクナゲの森の尾根に出る。東屋のある尾根の

シャクナゲは、残念ながらほぼ終わっていた。尾根を右手に歩いて行くと、足元には

背の低い笹が現れてくる。その樹林帯を抜けると一気に青空が広がった。









ニガナ





所々で振り返ると、梶ケ森山荘が見える。その奥には鉢ケ森







灌木の間の道を抜けると、天狗の鼻。絶壁の頂部に鎮座する石仏越しには梶ケ森山頂。

北には曲がりくねった吉野川と、国見山中津山が見える。











天狗の鼻で少し休憩した後、キャンプ場を抜けて山頂への最後の階段。振り返る度に

周りの景色が広がってくる。

















天狗の鼻からは20分ほどで山頂に着いた。電波塔の下の機械室のような建物から

モーターが回るような音が聞こえていたが、誰もいない山頂は静かに風がそよいでいた。

キバナツクバネウツギ










奥様たちは、日陰がないのを気にしているが、背に腹は代えられない。お日様の下で

ベンチに腰掛けお昼ご飯にする事に。西にはゆとりすとパークの風力発電。

東には京柱峠から小桧曽山に続く稜線と、その奥には牛の背と天狗塚が見える。











お弁当を食べ終わる頃に4人のグループが登って来た。軽く挨拶をした後、奥様たちに

山座同定の講義。北から東にかけて見える山々は自分たちも歩いてきた山ばかり。

それだけに稜線が繋がり山の名前が確認できると、いつになく二人は喜んでいた。








講義を終えた後は山荘へと下って行く。途中からは舗装路へと進み山荘まで来ると

十台近くの車が停まっていた。『あれ?水曜日は定休日のはず』と思ったら、山荘の

改修工事をしている工事の車両だった。



トゲアザミ







山荘の玄関から食堂を覗き込むと、中から男性が出てきて色々と話をしてくれた。

改修工事を終えたら7月にはオープン出来るとの事。次は定休日を設けずに営業

する予定だそうだ。以前は高知の相愛という会社が委託監理していたが、今回からは

神奈川の会社が管理する事になったそうだ。『オープンしたらまた是非お越しください』

と笑顔で話してくれた。





山荘の裏側から奥の院への登山道を下って行く。いつもならゴロゴロ八丁を下るのだが、

降雨の後、今日は安全を期して更に東側の道を歩いて行く。

クリンソウ










ゴロゴロ八丁を避けて安全にと思った道は、あまり歩かれていないのか、

谷筋はザレていて意外と危ないヶ所があった。






シロモジ






山荘への舗装路へ出る手前で左に曲がると奥の院への道。以前には奥の院近くまで

車が乗り入れできたのか、路面はコンクリートでできていたが、コンクリートは

割れて、落石で道は覆われ、既に荒れ放題の道になっていた。











奥の院からはいつもの様にトントンと小気味よいスピードで下りて行くが、後ろに

来ているはずのあっちゃんの姿が見えない。奥の院でバイケソウに気を取られて

私とルリちゃんを見失い、登山道とは違う方へ降りて迷ったそうだ。間違いに気づき

元に戻って下りて来たというあっちゃんをしばらく待ってまた一緒に下って行くと、

奥の院からは25分ほどで駐車場に着いた。

今日は6km弱、4時間ほどのここ最近にしては緩い山歩き。それでも奇跡的に

一日だけ晴れた日に丁度歩けて気分転換になった。しばらくの間は天気が

予想しづらく、今日のような軽めの山歩きになりそうだ。










帰り道、八畝の集落の道の脇にはアジサイが満開だった。そのあじさい越しに

見える怒田の集落は山肌を切り開いて、かなりの標高まで民家が続いていた。

険しく厳しい山の斜面で暮らす人々。その生活ぶりの大変さが偲ばれる。













『線で繋ぐ石鎚山~引地山』コンプリート!

2023年05月27日 | 四国の山


前回の梅ケ市登山口から二ノ森へ歩いてから、一週間空けていよいよ『線で繋ぐ

石鎚山~引地山』の最後の区間、石鎚山から二ノ森を繋ぐ事に。








これで『阿讃縦走路』『石鎚山~剣山』から三つ目の線で繋ぐが完結する。

奥様たちもいよいよかといった感じで気持ちが高ぶっているのを感じていた。

前回、二ノ森から見た石鎚山は今まで見た事もない表情をしていた。そして

二ノ森から石鎚山へと続く稜線は、これまで四国の山で見て来た稜線とは

また雰囲気の違う稜線だった。この区間を歩いて完結となる事に喜びを感じていた。



朝、自宅の窓から見えた空は曇り空。天気予報を見ると一日中くもりのようだ。

豊浜SAで奥様たちをピックアップして西条市へ。途中コンビニに立ち寄ると

民家の屋根の向こうに石鎚山が見えた。懸念していたガスってはいなかったので

ひとまずは安心。




新寒風トンネルを抜けてUFOラインへ。空は雲の隙間に青空が見える程度だが、

視界の中の山々は意外とクリアに見える。石鎚山の左の肩の奥に、ちょこっと

二ノ森が顔を覗かせている。『待ってろよ二ノ森!!』








土小屋の駐車場は平日だが意外と多くの車が停まっていた。ドアを開け車から降りると

やはり少し肌寒い。三人とも薄めの上着を着こんでスタートする。

登山口入り口の道標からしばらくはウラジロモミの林の中の道。緩やかな登坂の

道が続いて行く。







国民宿舎のライトグリーンの屋根を横目に見ながら歩いて行くと、道は鶴ノ子ノ頭からの

尾根の北側を巻く様にして続く。道からは時折瓶ケ森が右手に見え始める。










左手の鶴ノ子ノ頭の稜線に向かって少しづつ高度を上げて行く。その稜線と合流する

場所が第一ベンチになる。そして初めて南尖峰が顔を出す。さらにその左には

今日の目的地の二ノ森が見えている。ここでもう一度『待ってろよ二ノ森!!』

暑くなったので水分補給と上着を一枚脱いで一息入れる。










ここから今度は稜線の南側の笹原の道になる。途中で五葉松の広場のベンチを通過。

息は切れるが南尖峰がどんどん近づいてくる道は、気持ちと一緒に自然と足が前へ

前へと進んで行く。

















稜線上の道は東稜分岐のベンチから今度は南尖峰・天狗岳の北側を巻くようにして

続いて行く。急な斜面、足元の悪い場所には丸太で造られた木道が設置されている。










北壁の下部に差し掛かると『落石注意』の注意看板。昨年も第二ルンゼの崩落で

橋が崩れて通行止めになっていた。










土小屋をスタートして1時間30分ほどで成就社からの道と合流した。東には

瓶ケ森の笹原の向こうに、UFOライン沿いの峰々が続いている。

鳥居を潜って階段を登ると二ノ鎖の下部。避難小屋とその横のトイレは塗り替え作業中。













さあここからは二ノ森分岐に向かって階段を登って行く。二の鎖の道標を見て

あっちゃんが涎をたらしそうになったが、『今日は鎖はNGです!』

それにしても階段の段差が大きいのか、踏み出す足が急に重たくなった。時間がまだ

早いのかすれ違う人はほとんどなく、ひとりでさびしく『お上りさ~ん』と声を

出しながら登って行く。











西に向かっていた道を折り返し東に向かって登って行くと目の前にで~んと天狗岳が

正面に現れる。その岩肌を見ると大きな地震でもあれば、今にも崩れそうな危うい

雰囲気がする。







二ノ森への分岐の道標は道から少し下がった所に立っていて少し分かりづらく、

ルリちゃんも通り過ぎそうになる。急降下してロープの掛ったザレた場所を過ぎ、

シコクシラベの林の中を歩いて行くと、面河渓谷ルートとの分岐になる。














分岐からは笹原のトラバース道。今から歩く二ノ森への全景が見渡せる。西ノ冠岳から

二ノ森、そして鞍瀬ノ頭の奥には堂ケ森。ここから見る西ノ冠岳はまだ優しい表情を

していたが、近づくにつれその顔つきは変わっていく。



イシヅチサクラ








道からひょいっと登って稜線に出ると、反対側の北の眺望が広がっていた。西条市の

街並みの向こうに燧灘。小さな雲たちが随分と下に見える。

振り返ったルリちゃんが『わ~!!』と歓声を上げる。そこには今まで見た事もない、

要塞のような岩壁の上に建つ頂上山荘が見えた。三人で『凄いね~』と。








道は稜線の南側に続くトラバース道。石鎚山三角点の下から尾根に向かって登って

行く男女の姿があった。二ノ鎖下部で休憩していた二人だった。ルリちゃんが

声を掛けると、三角点にシャクナゲを見に行くと答えてくれた。

次第に弥山が遠ざかって行くと同時に、西ノ冠岳が近づいてくる。

少し離れた場所から見た西ノ冠岳は平凡なピークのように見えたが、近づくにつれ

ほぼ垂直に切り立った岩稜は、険しい山の表情に変わっていった。それとは

対照的だったのは登山道の脇に咲く、優しい顔をしたユキワリソウ
















前回、梅ケ市登山口から二ノ森に歩いた時にすれ違ったムネアカオオアリさんが、

YAMAPのコメントで西ノ冠岳は東側から登った方が良いと教えてもらった

通り、山頂から東側の笹原の稜線と比べると、西側の稜線の方が厳しそうだ。

皆さんが写真を載せている、傾いた鉄製の道標から山頂に向けても同じ感じがした。














ウラジロモミは枝先端に「縦しわ」があり、シコクシラベはないそうだが、素人には

ほぼ区別がつかない。ただこれはシコクシラベの球果



イワカガミ




目の前に面河ノ頭が迫って来た。そして振り返るとまた全く違った山容に見える

西ノ冠岳の崩れた山肌が痛々しい。そして岩黒山の麓の土小屋が随分遠くに見える。









キバノコマノツメ



面河の頭の北をトラバースして稜線に出ると、いよいよ二ノ森が迫って来た。

小刻みにアップダウンしながら歩いて行く。








そして二ノ森への最後の登り。時間は12時丁度、予定通りの時間だが、お腹は

ペコペコ。早く山頂でお弁当と気がせく。











山頂には年配のご夫婦が休んでいた。いつもは保井野から登ってくるのだが、今日は

久しぶりに土小屋から歩いてきたと言う。二週間ぶりの二ノ森山頂。当然のことだが、

前回と変わらぬ景色。ただ今日はここから見える景色の中を歩いてきたのだ。








腰を降ろしてお弁当を広げる。この山域に詳しいご夫婦と色々話をしながらモグモグ。

これでやっと石鎚山から引地山が繋がった。そして剣山までも・・・・・。

時々雲の間から日差しが差し込むが、薄曇りの空は暑くもなく丁度いい。











稜線の北側からガスが登ってき始めた。お弁当を食べたらさっそく折り返して

頂上山荘で待ってくれているさおりんの元へと向かいましょう。







地形図では面河の頭と西ノ冠岳の間から高瀑の滝への破線が続いているが、YAMAPでは

面河の頭の手前から細い破線が引かれ『熟達者向け』と書かれている。二ノ森からここまでの

距離とここから高瀑の滝までの距離はあまり変わらないように見えるが、二ノ森からは15分、

かたや高瀑の滝へは1時間15分の下りとなっているので、よほど険しい道の様だ。

テープはあるがここから見ても既に藪漕ぎ必至のルートだと判る。

エントツ山さんも随分昔に独りで2時間以上かかって高瀑の滝から登ってきている。

その北側の樹林帯に比べると南側は緩やかで広大な笹原が広がっていた。











途中で元気な奥様たちは面河の頭へと稜線沿いに歩いて行った。ヘッポコリーダーは

そのまま北側のトラバース道へと進んで行く。













面河の頭を回り込むと今度は西ノ冠岳が近づいてくる。この山、見る方角と距離によって

本当に全く違った山に見える。














西ノ冠岳の足元を過ぎると今度は弥山が近づいてくる。北側からはガスがどんどん

登ってきている。そして南側の笹原からは涼し気な風が駆け登ってきている。











すると前方に二ノ森山頂でお会いしたご夫婦の姿が見えた。近づいて行くと

どうやら三角点にシャクナゲを見に笹原を直登していっている。それにしても

お二人ともお元気だ。







そしていよいよ弥山が近づいて来た。弥山山頂で見る頂上山荘はそれほどでもないが、

ここから見える山荘は意外と高さもあって大きな建物だ。







いつもならとっくに追いついて来ているはずの、面河の頭に向かった奥様たちの姿が

やっと小さく見えた。『お~い!』と手を振って先へと歩く。

後で話を聞くと、どうやら面河の頭の山頂から道を間違えて下ったらしい。











面河渓谷への分岐を過ぎ、ザレ場を抜けて三ノ鎖の手前の登山道に出た。ここから

山頂までも階段が続いて行く。それにしても踏み出す足が重い。まるで何かの錘を

足に付けて登っているように感じる。







手摺に手を掛けながら一歩一歩身体を持ち上げる様にして登って行くと、

やっと弥山に着いた。山頂は思っていたほど人の姿はなく、天狗岳の方へ

行っている人が多い気がした。天狗の北壁にはアケボノツツジだろうか、

薄いピンクの花がチラホラと見える。







奥様たちが到着するのを待って、石鎚神社に三人で参拝をした後、頂上山荘に。

山荘でアルバイトをしているさおりんとはお久しぶりの再開。あっちゃんは感激の

あまりに抱き合っていた。早速山荘の中で『線で繋ぐ石鎚山~引地山』の完歩を

祝って、奥様たちはビールで私はノンアルで乾杯!







今日はさおりんも山を下りる日。山荘前で記念撮影の後、一緒に下りて行く。

山荘前では宮司さんと、お姫さまと山荘の方が見送ってくれた。










弥山の下部のスチールの階段から見える景色は青空が広がってきた。傾きかけた

日の光が当たって、朝よりも北壁の一枚一枚の岩肌がクッキリと見える。







ザレ場の手前の足元には赤錆びた一枚のプレートがあった。1962年に亡くなった?

方のプレートの様だが、その62年は丁度私が生まれた年だ。








ザレ場を過ぎるとヤマシャクヤクの咲く斜面。踏み荒らしてはいけないので道から

望遠で写真を撮る。他にも小さな山野草が道の脇に沢山咲いていた。その度にさおりんが

立ち止まって花の名前を教えてくれる。その度に名前を反復するのだが、家に

帰るといつものように忘れてしまっている。『石鎚山って、こんなにたくさん

花が咲いているなんて知らなかった』とあっちゃんも感激した様子。

















トントンとリズム感良くどんどん下って行く三人。そのあとをドタドタとついて行く

へっぽこリーダー。それでもあっという間に土小屋まで戻って来た。

さおりんとはまた山荘へ遊びに行くと約束をしてここでお別れ。
















土小屋の駐車場からは瓶ケ森がクッキリと見えた。そして帰り道のUFOラインからは

なんと太平洋に浮かぶ船が私の目にも見えた。今日は薄曇りのお陰で暑くもなく、

それでいて周りの山々がクリアに見えるという、最高の縦走日和だった。

目標がひとつ完結してまた新たな目標に向かって計画を始めることになる。

今度の剣山から東は、登山口までの車でのアプローチに頭を痛めそうだ。

家についたらまたカシミール3Dを眺めながら、楽しく頭を悩ませよう!








久しぶりのソロはお手軽雲早山へ!

2023年05月18日 | 四国の山

『線で繋ぐ石鎚山~引地山』も残すところ、石鎚山から二ノ森の区間となった。

今週は奥様たちの都合で木曜日に予定していたが、天気がいいのは水曜日までで、

木曜日の天気がイマイチ。せっかくなら石鎚山から二ノ森の稜線は、青空の下で

歩きたいと思い順延する事にした。奥様たちには自主トレにしましょうと伝えて、

私は天気のいい水曜日に歩くことにした。ただこの間の体調不良を鑑みて、どこか

軽めに歩ける山は・・・・と考えていたら、YAMAPでのりたまさんが、『徳島

花紀行』と題して、高越山のオンツツジと岳人の森ヒメシャガの写真をアップ

していたのを見て閃いた。まだ見た事のないヒメシャガの群生と、直ぐ近くの手軽な

お山の雲早山のシャクナゲ尾根・・・・・に決定!




山川町から国道193号線を南下。倉羅峠を越えて神山町に入ると木々の間から

見えた南の山に見覚えのある施設が・・・・『高城山だ!』

巨大なレーダー雨量測候所のある高城山は、アンテナ施設が林立する梶ケ森

同様に、遠くからでも同定しやすい山だ。




神山町川又からさらに国道193号線を走り高度を上げて行き、雲早トンネルを抜けると

左手に一般駐車場と書かれた4~5台は停められる駐車スペースがある。

以前はここから更に剣山スーパー林道を走って登山口まで車で乗り入れられたが、

現在は途中で崩落個所があり通行止めになっているので、この駐車場がスタート

地点となる。既に車が二台。二台ともが福岡ナンバーの車だった。




7時50分駐車場をスタート。いつになく早い時間のスタートだ。朝の光を浴びた

新緑が目に眩しく、爽やかな朝を迎えて喜ぶ鳥の鳴き声がそこらじゅうで響いている。

ヤマヤナギの綿毛はまさに綿といった感じで、このまま集めたらお布団に出来そうだ。











道はこの土須峠の標識で大きくヘヤピンカーブになっていて、そのまま歩いて行くと

土場の様な広場からは、正面に高城山が大きく見えた。








崩落個所は更に次のヘヤピンの場所だった。大きくえぐれて崩れた道。でも確か以前に

崩落したのも同じ場所だった気がする。この場所は谷筋になるが周りの水はちゃんとした

排水路を流れるようになっているのに、何故か同じように崩れている。

道は崩落個所の手前でショートカットして、カーブの上部に歩けるようになっている。








スタートからおおよそ30分で登山口に着いた。その手前のシャクナゲ尾根への取付きは

ホイールキャップが目印になっている。







登山口からは沢沿いの道を登って行く。大きな音をたてて流れる水はまだ冷たそう。

南から差し込む光に当たった新緑のシャワーの中を歩いて行く。














途中のテーブルのある広場は大雨のあと谷筋から石や岩が流れ込み、年々狭くなっている。

カツラの大木も芽吹いたばかりの明るい緑で覆われている。







広場からは少し方角を変えて東に向かって登って行く。この道も谷筋。雨の影響で

道が荒れるのが、所々で踏み跡が分かりづらくなっている。ミズメの木は

高い位置で枝葉を伸ばしている。














ほぼ支尾根近くまで登ると、今度は南東に向かって九十九折れの道が始まる。

気持ちのいい自然林を眺めながら汗を拭きふき登って行くと、苔岩の庭園。


















庭園を過ぎるとパラボラの分岐に着いた。ここから山頂は右に折れて10分もかからないが、

今日は左に高丸山方面に。縦走するわけではないが、次に考えている『線で繋ぐ

剣山~和田ノ鼻』の縦走で、菖蒲権現を経て柴小屋山へ向かう分岐点を確認しに

いく事にしたのだ。








パラボラ分岐からは直ぐに展望広場。鹿舞ダキ山の肩の右に見えるのは東宮山かな?

その奥の峰々は高越山。振り返ると山頂手前の岩のピークにピンクの色が見える。

色が少し薄いのでミツバツツジではなくシャクナゲだろう。








展望広場から気持ちのいい尾根を歩いて行くと、1445mの標高点。この場所には

毎年カタクリの花が咲く。そして今はシャクナゲが盛りだ。標高点の石柱の横に

古い案内標識があるが、字が消えて全く判読できない。でもここから北に菖蒲権現への

道が続いているようだ。ここからは結構な斜度の下りになっているが、菖蒲権現から

柴小屋山へは剣山スーパー林道と交差しながら稜線は続いている。この区間、

菖蒲権現までの往復とするか、柴小屋山までだと結構距離がある。さてさて

どうするか、またゆっくり考えてみよう。

















標高点から少し密生した草木を掻き分け下っていると、下から男性2名、女性2名が

登って来た。私が草木からいきなり飛び出したものだから、かなり驚いた様子だった。

今から高丸山へピストンするそうだ。『がんばってくださいね!』と言うと、

すれ違いざまに『がんばらんといかんね!』と。はて、駐車場に停まっていた、

福岡ナンバーの人達かな?





パラボラ分岐まで戻り、岩のピークへと登って行く。左手には高丸山への稜線が

見え始める。斜面にはまだミツバツツジが所々で咲いている。











岩のピークから山頂までのこの間は倒木が多いのか、来るたびに木々が疎らになり

明るい稜線になっているように思う。以前にはなかったシャクナゲ尾根への分岐に

案内板が設置されていた。











山頂はやはり誰もいなかった。360度の眺望と青空を独り占めだ。正面に高城山を

眺めながら腰を降ろしてのんびりと。高城山の左の南高城山のシロヤシオの花付は

今年はどうだろうか?。二年前に奥様達とこの山に登ってシャクナゲ尾根が不発に

終わって、時間があったので初めて南高城山まで足を延ばした。その時のシロヤシオは

見応えがあった。今年はどの花も花付がいいのでシロヤシオも期待できるだろう。













南に二三子山(昔は福寿草と言えばよくこの山に登っていた)


高城山のレーダードーム(左の三角が南高城山?)


西砥石権現の鞍部にファガスの森


大川原高原の風力発電も見える



山頂に祠のある山はたくさんあるが、狛犬まである山はなかなかない。次に目指す

線で繋ぐの大川原高原までの稜線。『待ってろよ!』








20分ほど景色を眺めながら休憩した後、いよいよ今日の目的地のシャクナゲ尾根へ。

先ほどの分岐の案内板がまだなかった時は、このヒメシャラの大木を目印に左に折れた。




すると下から年配の男性3人が登って来た。登山口でスーパー林道を神山町から

走って来て、シャクナゲ尾根の登山口に車を置いて登って来たようだ。

『どうでしたかシャクナゲ?』と聞くと、『下の方はもう落花し始めているけど、

上の方はきれいに咲いているよ!』と教えてくれた。見た目の歳の割には三人とも

蛍光色のお揃いの派手なシャツを着て、仲良く話をしながら登って行った。

あの年で男三人仲良く山登りが出来るなんて・・・・・いいな~と。











シャクナゲ尾根への分岐にも同じような案内板が設置されていた。さあここからが

激下り。油断すると転落に繋がりかねない。慎重に下って行く。そしてシャクナゲは

期待通りにこれでもかというくらい沢山の花をつけて咲いていた。
















途中でソロの女性と男性とすれ違う。どうしてみんな時計回りでなく、反対周りで

この急登を登ってくるのだろうと思いながら下って行ると、シャクナゲの硬い根っこに

足を引掛けて転びそうになった。『そうかこの尾根下りの方が難しくて危ないからだ』

花は濃いピンクから薄いピンクと様々。薄いピンクは近づいて見ると透けて見える。














途中で崩壊した尾根や木の根で踏み跡が不明瞭になった場所が何ヵ所かある。すると

目線の下に見覚えのある伐採地らしい斜面が見えた。慌ててYAMAPを見て見ると

道から左に反れている。そういえば前回もこの辺りで道を外して、ここからまだ

かなり下で気づいて這い上がって来た場所だ。また同じ間違いをした。仕方がないので

尾根に向かって急斜面を横切るが、掴む木もなく危うく転げ落ちそうになる。








何とか難を逃れてシャクナゲ尾根へ復帰。この時点でシャクナゲ尾根の半分くらい。

次第に道の傾斜は緩やかになってくるが、肝心のシャクナゲは色が変わり始め、

足元には散った花弁が散乱していた。山頂から50分ほどで林道に飛び出した。

以前に見た時の大爆発ほどではなかったが、それでも四国でも有数の群生地を

堪能できた。今日の目的ひとつめクリア!











駐車場への帰り道から双耳峰に見える山は砥石権現かな?途中では崩落個所への

工事車両の乗り入れの為か、重機によって林道の路面の整地作業がされていた。











更にその先には索道やモノレールを使ったけっこう大掛かりな工事。釜ケ谷の

対岸の治山の為の工事らしい。道の脇に咲く小さな草花を撫でながら駐車場まで戻る。

















駐車場には4~5台ほどの車とバイクが停まっていた。そこから今日の二つ目の

目的地の岳人の森に移動。入り口にある観月茶屋でお昼ご飯にする。

冷たい出汁にすだちの爽やかな酸味は喉こしがとてもいい。








食事の後は車をキャンプ場の駐車場に移動して散策開始。順路の矢印に沿って

草花の咲く斜面を登って行く。途中のシャクナゲやオンツツジはもう終わりを

告げていた。そこからさらに登って行くとお目当てのヒメシャガの群生地。










日陰に咲く白い花びらに黄色と紫の模様のシャガに、今まで何故かあまりいい

印象が無かったが、そのシャガより一回り小さいヒメシャガの紫の花びらは

とても可愛らしく目に映った。なるほど日本一の群生地と謳うだけの事はある。











順路通りにゆっくりと歩いて行くと今まで見た事もない希少な草花があちこちに。

雲早山のシャクナゲに始まり、今日はまさしく花紀行。のんびり歩いて、美味しい

食事をして、そしてヒメシャガの可愛い花を眺められた楽しい一日だった。

さあ時間もあるし温泉入ってその帰りに散髪して来よう!

(週一の休みは山ばかり、なかなか髪を切る時間もありません)


クリンソウ


エビネラン


オダマキ


ヤマブキソウ



神山町から石井町に抜ける道すがら、道の脇で昼間から体操をする人々の姿が。

と思ったら手作りのかかしだった!(笑)




『線で繋ぐ石鎚山~引地山』堂ケ森・二ノ森

2023年05月11日 | 四国の山


ここ最近寝つきは良いのだが、夜中に目が覚めたら二度寝が出来ない。それが朝方なら

まだしも、夜中に目が覚めると朝まで悶々とした時間を過ごす事になる。そのせいか

朝起きてからの胃の調子も悪い。色々と原因はあるのだが、今日もそんな感じで夜中に

目が覚めてほとんど寝られなかった。今日のコースは今まででもけっこうな累積標高差

になる。それを考えて少し興奮していたのかもしれないが、最悪の体調で朝を迎えた。

ただ今日まで天気予報を見ながら順延していたお陰で、奥様たちの待つ豊浜SAまでの

既に明るくなった高速道路の空は、最高の青空が広がっていた。











黒森峠を越えて久万高原町の笠方まで来るとフロントガラスの前方遠くに、小さな

反射板が見えた。車を止めて奥様たちに『堂ケ森が見えるよ!』と言うと、後部座席の

二人が『ほんと、でも随分と遠くて高いね!』と。

梅ケ市登山口には既に二台の車が停まっていた。今回、保井野登山口ではなく、自宅からの

距離が遠いこちらの登山口にしたのは、保井野登山口に比べて車の移動時間はかかるが、

累積標高が100m以上違うという理由からだった。YAMAPを見ていると、

とんでもない距離や標高差を歩いている人はたくさんいるが、今のところ私たちには、

今日のコースが『線で繋ぐ~』を始めてから、高ノ瀬から三嶺への縦走以来の最大級の

山場となりそうだったので、少しでも負担を少なくと思ってだったのに、それ以外で

体調を準備万端にして迎えられなかったのがただただ悔やまれる。







8時過ぎに梅ケ市登山口をスタートする。奥様たちには『16時には下山の予定です』と

伝えて、先ずは林道を歩いて行く。今日の体調からすると、いきなりの登山道の急登でなく

しばらくの間の林道歩きが助かる。











15分ほどで林道から登山道への取付きに着いた。道標には『堂ケ森 3.3km・

2時間40分』と書いてある。距離の割にはこの時間、やはり予想通り堂ケ森までは

ほとんど登りの様だ。ふ~う。(涙)




前回歩いた青滝山からの分岐までは植林地の中の道が続いて行く。登山道は度々

作業道と交差するが、その都度、案内標が木に巻いてあるので道を間違えることはない。











日陰になると少し肌寒いが、それでも額の汗が半端ない。上に着ていたTシャツを

一枚脱いでいるうちに二人の姿は見えなくなった。











植林地の尾根に出ると1264mのピークと青滝山の稜線が見えた。少し木々が

疎らになった尾根からまた樹林帯の中への道になると、分岐までも近い。










そう思って前回を思い出しながら登って行くと奥様たちが立ち止まっている。『青滝山

からの分岐を通り過ぎてるわ!』と。スマホを見て見ると確かに気づかずに通り過ぎている。

スタートしてから分岐で休憩にする事にしていたので、ここで一息入れて行動食を口入れる。

ここからは足元には笹が現れ、道の左右にはブナ木が立ち並んでいる。











そんなブナの道を抜けると一気に頭上が明るくなり視界が開け笹原に出た。

遠くから山座同定の目印になる堂ケ森の反射板も、まだ小さく見える。

振り返ると面河ダム湖から四国カルストまで、山並みが重なり合って続いている。














少しづつコツコツと登って行くと、何とか保井野登山口からの分岐に着いた。

振り返ると笹原の中に続く道。『高度も随分上がって来たよ』と、やさしく吹く風が背中を

押してくれる。頑張るぞ~取りあえずあの反射板までは!(ため息)














この笹はオモゴザサだという。花音痴の人間に笹の違いが判る筈もなく。シコクササも

オモゴザサもどれも一緒に見える。この登山道はその笹も刈り払われ、雨で流れる石を

金網でまとめた場所が随所にある。この道は誰が丁寧に整備しているのだろう?














先に堂ケ森の肩に着いた奥様たち。目の前にど~んと構えて見える山をどうやら

二ノ森だと思ったらしく、あれは『鞍瀬の頭ですよ!』と教えてあげると、二人ともが

驚いた様子だった。その鞍瀬の頭と西ノ冠山の間に弥山も見えた。もう何度も石鎚山には

登っているけれど、こちら側から見るのは初めて。写真ではよく見るが実際に見ると

やはり感慨深い。そして後ろには松山の市街地が広がっていた。














遠くからでも見える堂ケ森の反射板は巨大だった。そのせいで少し離れた山名標

近くまで日陰になって吹く風が肌寒い。このマイクロウェーブ反射板。電波を

反射して遠くと通信する為に造られたのものだが、現在では衛星通信や携帯電話の

普及でその役目はほとんど終わっている。ただ当時はこの機材を全て人が背負って

ここまで運んで来たそうだ。昔の人はやはり強い!

ルリちゃんは今から登る二ノ森を、私はその奥の弥山を指さし、そしてあっちゃんは

山名が書かれたペイント石。














西ノ冠山の左奥に見えるのは瓶ケ森だろうか?初めて見る西側からの山々は、どうも

普段と勝手が違う。堂ケ森の山頂に立つと弥山から南尖峰までの岩稜が見渡せた。











堂ケ森の山頂からは一旦下って鞍瀬の頭への笹原が続いている。取りあえずここまでは

頑張ろうと歩いてきたが、次のピークが見えたら何とかあそこまではと思ってしまう。

それにしてもまだ随分と遠くて高い。そして最後の二ノ森も見えてはいない。(^_^;)

堂ケ森と鞍瀬の頭との鞍部の少し下に赤い屋根が見えた。愛媛大学山岳部の避難小屋だ。










その場所からもうしばらく下って行くと一体の不動明王?が、その避難小屋を

見守る様にして祀られていた。そしてさらにその下には水場があった。

山頂から50mほどの笹原を流れて集めた水場は、降雨後数日で枯れてしまうようだ。











オモゴザサに日が当たり輝く笹原に濃い緑のシコクシラベのコントラストがなんとも

言えずに美しい。そして鞍瀬の頭の南側の肩の五代ノ別れへは、緩やかな笹原が続いているが、

北側は急峻な切り立った斜面になっていて、南と北では極端に対照的な山容になっている。

その険しい山肌にはピンクの花がチラホラ見える。アケボノツツジだろうか?














前を歩くあっちゃんがシコクシラベのゲートを潜った。ここから五代ノ別れまでは

日差しを遮るものが何もない。お年頃のお二人は日焼けを気にしている様子。(笑)










振り返ると堂ケ森の右には東温市から松山市が見えている。と言う事は松山市内からでも

堂ケ森の反射板は見えると言う事か?







風は乾いていて爽やかだが日差しはなかなかキツイ。何度も立ち止まっては水分を

補給する。ここでこれ以上熱中症にでもなったら二人に迷惑がかかる。

そして何とか五代ノ別れに着いた。ここから稜線と五代ノ森への尾根が分れていることから

この名が付いたという。そしてやっと最終目的地の二ノ森が姿を現した。その右には

岩黒山と筒上山、そして土小屋までが見渡せた。







鞍瀬の頭をトラバースをして道は続いて行く。そして二ノ森への最後150mの標高差だ。














今までの笹原からシコクシラベの林の道になる。岩場も何ヵ所かクリアしていく。







最後の急登を登りきると目の前に圧倒的な景色が待っていた。南尖峰・天狗岳

そして弥山へと続く岩稜とそこから西ノ冠山への稜線が、その西ノ冠山を越えて

この二ノ森の足元まで続いている。先客がすでに居て休んでいたので大きな声は

あげられなかった、小さな声で『お~~お!!』







垂直な険しい岩壁に建つ頂上山荘は、まるで北穂の小屋を思わせる。そして南尖峰の

直下にあるはずの墓場尾根も、正面過ぎて凹凸感が全くなく目視では同定できない。








先客は高知の男性と名古屋から来たと言う女性。女性は独りで電車・バスを乗り継いで

昨日成就社で泊まり、今朝、成就社を出発して弥山から天狗岳を往復した後、

せっかくなのでここまで来たそうだ。そして今夜は頂上山荘に泊まって、明日は西ノ川まで

下るそうだ。奥様たちと変わらない年齢に見えるが随分と達者な人だ。奥様たちと

たっぷりとお喋りをした後、元気にサブザックを背負って弥山へと戻って行った。











お昼も過ぎているのでここでご飯にする。このところ前日の仕事帰りにコープに寄って

巻き寿司か稲荷ずしを買って帰っていたが(夜は30~50%引きになっている)、昨日は

どちらも売り切れで、チラシ寿司になった。お酢の効いたチラシ寿司は普段なら食欲を

そそるはずだが、やはり今日は2/3を食べるのがやっとだった。

お昼ご飯を食べたら『また来週来るからね!』と、この絶景とお別れして山頂をあとにする。





鞍瀬の頭へは奥様たちだけで登ってもらい私はトラバース道を五代ノ別れへと。

トラバース道からは五代ノ別れから五代ノ森への稜線がクッキリと見える。











五代ノ別れの三差路からは右に折れて今度は堂ケ森への鞍部へと下って行く。途中で

堂ケ森を背にした少しだけ花を残したアケボノツツジが咲いていた。先週も思ったが、

今日が本当に今年最後のアケボノツツジになるだろう。







鞍瀬の頭から鞍部への雄大な景色の笹原を独り下って行く。鳥の囀り、風の音。その

余韻に浸りながらゆっくりと下っていると、鞍瀬の頭の山頂直下で声がした。奥様たちだ!

今まで静かだったのが、まだかなり離れているが急にいつもの賑やかになった気がした。(笑)

















堂ケ森の登り辺りで合流すれば、後は下るだけだと思っていたら、もっと下の水場の

辺りで追いつかれた。そしてあっという間に離されていく。待って、待ってください!(涙)








ここから見る鞍瀬の頭と弥山・西ノ冠山ともここでお別れ。このコースの特徴の

オモゴザサとシコクシラベとは別に、シコクシラベの白骨樹も趣がある。

ただこのシコクシラベも徳島・高知では絶滅危惧種Ⅱ類、そしてこの愛媛では

準絶滅危惧種になっている。葉の付いたシコクシラベがいつまで見られるのだろうか。











堂ケ森からも奥様たちは一気に下って行く。そのスピードが半端ない。青空と同色の

面河ダム湖を見下ろしながらの道も新鮮だ。














ブナの道まで戻り大ブナに手を触れお別れの挨拶をする。しばらく下って行くと

奥様たちが立ち止まって何やら話込んでいる。どうやらここが青滝山との分岐の

ようだが、道標もなくピンクのテープがあるだけなので気づかなかったのだろう。











分岐からも二人のスピードが落ちない。とうとう往路でお昼ご飯の前に、二ノ森の

手前ですれ違った男性に追いついてしまった。この辺りの植林地は丁寧に枝打ちが

されていて、杉の木もすくすくと伸びている明るい林は気持ちがいい。











するとあっちゃんが屈んで何やら写真を撮っている。その横でルリちゃんが『笹の花?

かもしれない』と言っている。花音痴が返って調べて見るとこの実から白い花が咲くようだ。








奥様たちの超特急のお陰で登山口の駐車場には予定通りの16時には着いた。

今日の天気で今までになく汗をたっぷり掻いた。車に乗り込む前に三人とも

シャツを着替えて、整理体操をして乗り込んだ。これからの季節、暑さ対策が

ますます大切になってくる。でもそれ以上に自身の体調管理が重要だと反省しかり。

さて来週はいよいよ今回の引地山までの線が繋がる。目標を作っての山歩きは

とにかく楽しい。事前にコース取りを計画するときの楽しさ、実際にそのコースを

歩てこそ見える景色と予想しなかった道外し。そして歩き終わって次々と繋がって

いく線。さあ来週に繋がった後、今度はどこを繋げていこうかな?
















同級生+奥様たちと・・・・稲叢山へ!

2023年05月05日 | 四国の山
昨年の秋祭りで厄年の同級生と神輿を担いだ。そのあとミニ同窓会になって

色々と話をしているうちに山登りの話題になり、ひとりの女子も山に登っている

のが分った。元々同級生でたまに一緒に山登りをしていたグループLINEに

その子が加わり、その後いつか4人で一緒に歩きたいねと話をしていた。

年が明けてこのGWに出かけようという事になり、丁度アケボノツツジの時期なので

まだ見たことのない石鎚山の南尖峰のアケボノツツジを見に行こうと計画したのだが、

よくよく考えてみたら、GWの石鎚山山頂は恐らく満員電車状態。

何も人の多い場所に出かける事もないと考え直し、この季節にはまだ歩いた事のない

稲叢山に予定を変更。アケボノツツジもまだ咲いているだろうし、洞窟コースは

変化があって三人にも楽しんでもらえるだろうと思って計画を変更した。

そんな話を先週の佐々連尾山で奥様たちに話をしていたら、二人も参加したいと

なって、総勢6名で久しぶりに賑やかな山歩きとなった。





1週間前はイマイチだった天気予報に気を揉んでいたが、次第に回復傾向になり、

今日ははまずまずの天気となって、ホッと肩を撫で下ろした。

稲村調整池の岩を積み上げた巨大なロックフィルダムは、いつもても見ごたえがある。

ダムの管理棟の横にあるトイレで用を済ませてスタートする。







最初はダム湖に沿っての道。正面に稲叢山を見ながら歩いて行く。

送電線コースの登山口を過ぎ、奥の洞窟コースの登山口から取り付く。











調整池に流れ込む小さな沢に沿って登って行く。左岸から右岸へ渡って行くと

途中で山頂への直接ルートとの分岐。まずは伝説の洞窟を目指す。














右岸から左岸に渡ると小滝が現れる。その小滝の上を回り込むようして登って行くと、

どこにこれだけの木の枝が落ちてるんだろうと思うような、枝を突っ張り棒にした大岩。

全く用をなさない突っ張り棒だが、このコースのランドマークのひとつだ。




















コンクリートを踏み板にした梯子を登り高度を上げて行くと、この山の特徴の

切り立った急峻な絶壁が見え始める。その絶壁からこの山が『鬼城山』とも

呼ばれている所以だ。







次々と現れる滝もこのコースの見所。みんな立ち止まっては写真を撮っている。

二段の滝から九十九折れの道を登って行くと、岩壁を回り込む場所に鎖が上から

垂れさがっている。その鎖を登ると平家の落人の伝説が残る洞窟。





















ここでは六人が縦に並んでお決まりの千手観音のポーズ。今回はまあまあの出来。

洞窟の暗闇から明るい外を見ると、垂直の岩肌にアケボノツツジが咲いているのが見えた。











洞窟から鎖を使って順番に降りて行こうとしたら、先頭のフサヤンが大きな音を

たてて落ちた。木の幹を掴んで降りようとしたら枯れていて、ポキッと折れて

そのまま落ちたらしいが、幸い怪我が無くて良かった。











鎖を降りて洞窟のある絶壁の岩壁の下を歩いて行くと、左手奥にその岩壁の

割れ目を流れる滝がある。そしてその先には横に広がる岩肌から流れ落ちる滝。

水量がないので滝の水というよりは雫と言った感じ。この滝がこのコースの最後の滝になる。











そして次に現れるのが鎖場。但しここの鎖は足がかりはしっかりしているし、斜度も

さほどでもないので登りやすく、全員難なくクリアー。










鎖場をあとに少し登ると支尾根に出る。この辺りからシャクナゲが目立ち始め、

支尾根から登山道の反対に歩くと調整池が見える展望岩。







更に登って行くと、今度は西側の眺望が開けたもう一つの展望岩。










植生がシャクナゲからスズタケに変わってくると山頂からの尾根の分岐も近い。

道も次第に緩やかになってくる。それにしても先頭を行くフサヤンとその後ろの

ムラチャンのスピードが速い。それでもってミナちゃんも平気な顔をして付いて

行くので、いつも以上に私にはオーバースピードで、付いて行くのがやっとだ。










スタートから1時間30分ほどで尾根の交差点に着いた。この交差点は山頂と

トンネル登山口、送電線コースと洞窟コースの四つの分岐点になっている。








水分補給と行動食を口に入れて、まずは西門山へと歩いて行く。トンネル登山口への

道は保線路にもなっていて、良く踏まれていて歩きやすい。トンネル登山口への分岐から

真っすぐ進んで行くと西門山への尾根になる。














その尾根の一つ目のピークでは北側の絶景が待っていた。三ツ森峠から緩やかに

上がっていく稜線が平家平へと続き、そこから冠山・ちち山・笹ヶ峰、そして寒風山から

伊予富士、最後は石鎚山まで見渡せる。まるで石鎚山系のオールスターといった感じだ。







ちょこちょことアップダウンをして進んで行く。









この道も植生豊かな道。道の脇にはブナやヒメシャラの大木。もう少し先の季節には

シロヤシオの花が咲く。







西門山への鞍部へと一旦下って登り返すと大岩の洞門。巨大な岩と岩の間を

登って行くと西門山はもう近い。



















次第に道は緩やかになっていくが、至るところで大きな倒木がある。その倒木を

跨いだり潜ったりしながら進んで行く。














西門山山頂の手前でもう一ヵ所展望台があった。正面の笹ヶ峰が先ほどの展望岩より

また一段と近づいてきたように見える。










尾根道の両側がスズタケになり、しばらくすると西門山山頂に着いた。以前に来た時は

もっと背の高いスズタケに囲まれていたような記憶があったが、山頂広場は意外に広く、

木々の間から陽が差し込み明るい。『それじゃここでお昼にしよう』と声を掛ける。







ここ最近、前日の仕事帰りにスーパーに寄ると半額になっている巻きずしを

買っているのだが、今日は5個入りの稲荷寿司の30%オフ!ところが

この稲荷ずしを手元が狂って3個も落としてしまった。ト・ホ・ホ~・・・・・! (T_T)

周りで『大丈夫、大丈夫』とフサヤンとムラチャンが茶化すが、さすがにこの状態では

3秒ルールも通用しない。仕方がないので小さなお稲荷さん2個で我慢をする。









お昼ご飯を食べたら、さあさあそれでは稲叢山へ行きましょう。倒木尾根を進み

洞門を下って行く。いつものようにご飯を食べた後はやっぱり身体が重い。

いやいやお昼ご飯の後だけでなく、体重が6キロも増えて毎回身体が重い。















相変わらずトントンと跳ねるようにして調子よく歩いて行くメンバーたち。

その後ろをドタドタと足音を立てながら歩いている私。














トンネル登山口への分岐を越え、鉄塔広場でまた山座同定しながら一息入れて更に進んで行く。

鉄塔広場で休んでいる団体さんや登山道でも結構な人とすれ違う。そのほとんどの人が

見た目が年配の方ばかり。この稲叢山、トンネルコースからだと年配の人でも気軽に

登れるので、アケボノツツジを見るのには手軽な山だ。

















尾根の交差点から一つ目のピークを過ぎると道は少し痩せ尾根の道になる。

所々でアケボノツツジも咲いている。











山頂が近づいてくると道は木の根の坂になる。木の根の坂道から最後の岩を

ちょこんと登ると稲叢山山頂。山頂からは西門山の展望岩とは少し違った角度で

伊予富士から瓶ケ森そして筒上山手箱山の山並みが見渡せた。














南を見ると麓には大橋貯水池へと流れ込む吉野川と太平洋まで続く山並みが見渡せる。








稲叢山の山頂はさほど広くはなく、先に休憩していた人や後から登って来た人で

手狭になって来たので、しばらくして下って行くことにする。今日は19時過ぎには

予定があって戻らなければならなかったが、実はもう一ヵ所計画していた場所があった。

そうここに来ると最近必ず帰りに立ち寄るアメガエリの滝だ。

帰りの時間を考えて、『14時30分までに下れたら滝に行こうと!』と声を掛け、

山頂をあとにする。

尾根の交差点までの間に咲くアケボノツツジも、これで今年の見納めかもしれない。

















帰りは交差点から送電線コースを下って行く。時間をきったせいか先頭からの4人が

けっこうなスピードで下って行く。











途中に道の脇に見晴らしの良さそうな岩が見えた。後ろから来るあっちゃんに

伝えると、さっそく岩の端に・・・・。高所恐怖症というのはよく聞くが、女性の

高所大好症というのも珍しい。展望岩からは西門山から東門山の稜線が正面に見えた。

この西門山の中腹辺りで、稲村調整池のロックフィルダムで使った岩を採取したらしい。








道が杉林とスズタケの道になると、湖面が見えた。先に着いたメンバーは

もうすでに靴を履き替えていた。








稲村ダムからアメガエリの滝への道の途中にはソメイヨシノや八重桜が植えられていた。

里では青葉になっている桜も、標高が高いせいか意外と多くの木が見頃を迎えていた。

『稲村ダム建設のための岩の採石跡に針葉樹が植樹されていくのを見て、

「広葉樹を植えたらいいのに」との思いから、岩だらけの山に木を植えることを

思い立ち、定年退職後にたった一人で桜の苗木を土におろし、一人でコツコツと、

時に仲間とともに、桜、モミジ、クヌギ、ブナ、ヤマボウシ、ヤマツツジ、イロハモミジなど、

広葉樹25種類を、1998年からの23年間で6,152本の「木を植える人」がいたそうだ。

(茶凡遊山記さんのブログより)』

そんな満開の桜を眺めながらアメガエリの滝に移動する。同級生の3人は初めて見る

アメガエリの滝。落差はさほどではないが、断層でできた二段の落差30mの滝は

河原から眺めると迫力がある。仁淀ブルーにも引けを取らない透明度の高い水の色と、

大迫力で流れ落ちる滝の音にしばし見とれてしまう。











昨年の神輿で集まってからしばらく途絶えていた同級生の輪がまた広がった。

別のLINEのグループでは毎日何十件ものメッセージがアップされている。

その後の時々の集まりでも、顔を合わせた途端に直ぐに小学生や中学生の頃に

戻れるのが不思議だ。つくづく同級生とはいいもんだと思う。

今日のメンバーともまた一緒に登りに行きたいが、さてさていつまで健康で

山に登れるのか、そんな事が気になる年になった。

まだ間に合うか、佐々連尾山のアケボノちゃん!

2023年04月28日 | 四国の山


先週の工石山のアケボノツツジが見ごたえがあったので、まだほとんど情報が

挙がっていない西赤石山とは別に、どこか他に景勝地はないかと探していたら、

YAMAPで佐々連尾山『アケボノ尾根・アケボノ広場』といわれる場所が

ある事が分った。標高的には工石山より佐々連尾山の方が高いので、他の山では

すでに散り始めているアケボノちゃんもまだ間に合うかもしれない。そう思って

奥様たちをお誘いした。ルリちゃんはそうでもなかったが、あっちゃんは

『線で繋ぐ引地山~石鎚山』を早めに済ませたそうな雰囲気だったが、やはり

先週の工石山のアケボノツツジが予想以上に良かったので、アケボノ広場の言葉に

あっちゃんの気持ちも揺れ動いていた。

ただYAMAPの活動日記を見るが限りでは、アケボノ広場のアケボノツツジは

今まで見てきた尾根の登山道に咲いているのとはまた違った、とても開放感のある

場所で、あの可愛らしい薄ピンク色の花が咲き誇っていた。

これは線で繋ぐを後回しにしてでも是非見ておきたい!そう思って奥様たちにも

了承してもらって、さっそく出かけてきたが、ただひとつ前日の雨と強風に、

アケボノちゃんは散っていないかが気がかりだった。





金砂湖に架かるひらのはしはきれいに塗り直されていて、その周りが圧倒的な

緑一色の中、鏡のような湖面にその橋が写り込み、その赤い色がなお一層際立っていた。

その橋の奥には佐々連尾山から大森山への稜線が続いている。

いつもの様に白髪隧道の南側に車を停めて8時55分スタートする。







隧道の右手横から林道跡を歩いて行く。荒れた林道跡は前日の雨で直ぐ下に流れる沢の

水の音も大きく、所々で軽く渡渉する場所もあった。













白髪隧道から400mほど進んだところで、道の脇に小さな道標。字は消えて

判読できないが、ここから左手に杉林の中を登って行く。取付くと直ぐに佐々連尾山の

道標。道は少しだけ急登になるが、そのうち石畳の跡のような平らな石が足元に続いて行く。








道の脇にはミツバツツジの花が目についてくる。スタートして25分ほどで猿田峠に

着いた。峠には独特な形をした住友共同電力の鉄塔が立ち、北には正面に赤星山

から二ツ岳に続く、法皇山脈・赤石山系の山並みが見渡せる。その山並みを眺めながら

山座同定に『あ~でもない、こうでもない』と三人で話が弾む。














車を停めた場所からもそうだったが、この峠からでも大森山は意外と急峻な山容を

している。ピークの下には黒く大きな岩も見えている。あそこまで登るのか。







峠から少し上がった場所では更に北側の眺望が広がっていた。ここでもその山並みを

見ながら同定していたが、どうも意見が分かれて決定しない。すると下からおじさんが

上がって来た。『地元の方ですか、この辺りにはお詳しいですか?』と聞くと、

この山には何度も来ているという。『それじゃあの山は?』と赤星山らしき山を指さし聞くと

『赤星山や!』と答えてくれた。一つ山が確定すればそこから続く山々の名前は同定できる。

そのおじさんは何度も来ているが、今日は初めてアケボノ尾根に行ってみようと思うと言う。

『私たちも同じです!』と話をする。








大森山への道は猿田峠から見えていた通り、徐々に勾配が急になってくる。地元だ

という男性は先頭をいいペースで登って行く。やっぱりヘッポコリーダーは今日も最後尾。














最初の方は大きな露岩は巻いて道は続いている。すると道の脇に今日お初のアケボノツツジ。

先週の工石山では曇り空だったが、やっぱりアケボノツツジは青空が似合うし映える。














最初のロープ場には何本ものロープがかかっていて、前回無かったアブミもあった。

岩に引っ付いたアブミは手で握る事は出来ても、足を差し込める隙間がない。

慣れない人間にとっては逆に登りにくく、足を置くスペースも少なくなっている。










次のロープ場には岩肌に立つ木の根とロープを握って登って行く。

昨日の雨で濡れた地面は滑りやすい。













すると露岩の近くにはアケボノツツジ徐々に増えてきた。その色も濃いピンクから

淡いピンクと木によってまちまちだ。







岩の尾根が終わると展望岩に出た。ここからは南西から南東にかけての眺望が

素晴らしい!南西には猿田峠から玉取山・兵庫山そして登岐山に続く稜線。

その稜線を辿り、一番奥に見えるちち山までも三人で歩いて線を繋いできた。

『よく歩いたもんだ!』と感心する。そこから左に視線を移すと奥工石山奥白髪山

そして麓にはスタート地点に停めた車を見下ろせた。

















するとルリちゃんがザックから新しく買った地図を取り出した。大岩の上に広げて

この山域と、ここから続く稜線上の山々のお勉強。





その展望岩から真新しいロープ場を登ると、もうひとつの展望岩。沓掛山の南斜面と

ちち山の背に笹ケ峰の笹原が顔を出している。











尾根に出ると緩やかで快適な道になる。背の低い笹の間に続く道。そして背の低い

コバイケソウの緑がその道にアクセントをつけてくれている。登山道の北側には緩やかに

広がる笹原。その開放感あふれる笹原にブナの巨木が遠慮し合うようにして間隔を

開けて立っている。

















大森山は小さなピーク。まだ芽吹いたばかりの木々の上に赤星山から二ツ岳の稜線。











大森山からは最初は下りになる。その途中の見晴らしの良い場所からは、

これから行く佐々連尾山への稜線が見えた。尾根の北側はシャクナゲの斜面。

開花の時期にはシャクナゲの尾根になるのだろう。それにしてもこの大森山から

佐々連尾山への稜線は、ブナやシャクナゲと、季節季節によって色々な表情を

見せてくれる変化のある楽しい道だ。

















途中で二つほどの見えたピークの最初のピークも見晴らし台。奥工石山が目の前に

近づいて来た。稜線から南側の斜面にはアケボノツツジがあちらこちらで咲いている。














短いロープが掛った岩を登ると二つ目のピーク?そこからはまたブナの巨木が

点在する笹原の道。その道の先には佐々連尾山への最後のスロープになる。













前回歩いた時もこのスロープの下り坂と登坂は気持ちのいい道だった。尾根の

両側で植生が異なり、南側は笹原そして北側は樹林帯とくっきりと色が分れる。

南西に見える一番高い山が登岐山。そしてこの笹原の中腹は汐見川の源流域のひとつ。

両側に折り重なるようにして続く谷あいはを流れる川は、やがて吉野川へと注いでいく。














スロープをひと登りすると佐々連尾山に着いた。時間は12時前。ここでお弁当を

広げてお昼ご飯。今日は冷やしうどんにカップ麺、巻きずしと三者三様のお昼。














お昼ご飯を食べたら、今日の本命のアケボノ広場へ。山頂からさらに東に進むと

山頂手前と同じような笹原の稜線が続いている。一番先で登山道が分岐に

なっているのが見えるが、その分岐を左に折れると大ブナの駄馬になる。

秋になればブナの黄葉で、ここからの景色も更に見ごたえのあるものになるのだろう。

















尾根の途中から1289mの標高点へと、北東への道を鞍部へと下って行くと

稜線上にはなかったアケボノツツジがポツポツと現れ始めた。これがアケボノ尾根?

などと思いながらさらに下って行くと支尾根の真ん中に立つ2本のブナの巨木。

しばらくすると地形図には載っていない林道へと降り立った。すると猿田峠で

お話をしたおじさんが腰かけてお昼ご飯を食べていた。どうやら大森山から稜線を歩かず、

尾根を一旦下ってこの林道をここまで歩いてきたようだ。『アケボノ尾根へはここから、

下ってまたここまで登り返さないといけないので、途中までで帰って来た』と言う。














正面に見えるピークが1289mの標高点。山肌にはピンクの色が散りばめられている。

鞍部にはそのアケボノツツジを見る前に、見事な色をしたミツバツツジが咲いていた。










鞍部からピークへと登るにつれ、アケボノの密集度が高くなってきた。その蜜集度と

同じように期待感もドンドン高まってきた。

















大岩を巻いて登るとピークへの斜面は噂通りのアケボノ広場。枯れた色の笹原と対照的な

青空の下にピンクの色のパレード。昨日の雨の影響か花弁はあまり開いていないが、

それでも見応えのあるアケボノちゃん。どうにか散らずに待っていてくれた。

















西赤石山の群生も素晴らしいが、開放感のあるこの場所で見るアケボノツツジは特別だ。

比較的背の低い木が多く、手を伸ばせば花弁に手が届く。







ピークから東の斜面も、ずっと下の方までアケボノのピンクとミツバツツジの

赤紫の色で染まっている。





広場というよりは丘のようなこの場所。登山道の脇に咲くアケボノは今まで何度も

見てきたが、このアケボノの丘は兎に角素晴らしくて、あちらこちらとうろつく

奥様たち。『どうですか、今日来て良かったでしょう!』と自慢げに話しかけると、

『いや~ほんとに!』と二人とも納得した様子。内心散ってなくてほんと良かったと。













これで花がもっと開いていたら、どんなに凄い事になるなるだろう、なんて思いながら

名残惜しみながらアケボノの丘をあとにする。

















大岩を回り込み、次第に疎らにはなってくるが、アケボノを眺めながらの登り返しは

苦にならない。『せっかくならさっきの方、ここまで降りてきたら良かったのに』と

あっちゃん。丘からだと時間にして20分ほどの登りだったのに。

















林道に登り着く。振り返ると遠くに翠波高原の展望台が小さく見えた。








『アップダウンは少ないが距離はあるよ』とおじさんが言っていた通り、林道はほぼ

等高線に沿った形で支尾根を回り込んで続いている。所々で斜面が崩れた場所があるが、

地道の林道はおおむね歩きやすい。











林道にもコバイケソウの群生が斜面の上から下まで続いていた。先ほど見えた翠波峰

稜線の奥の尾根に建物が見えるのは雲辺寺かな?











この林道は兎に角北側の眺望が開けていて気持ちがいい。銅山川を挟んで法皇山系と

対峙するように続く道。そんな稜線を眺めながら『いつか西赤石山から翠波峰を

繋いでみたいね』と奥様たちと話をする。













バイケソウの群生地の次は苔の斜面。いつもは単調になりがちな林道歩きも、

この道は周りの景色と言い次々変わる植生の変化に、全く飽きる事がない。














すると今度は赤石山系、笹ヶ峰が見え始めた。・・・と言う事はと思いYAMAPを

みて見ると、ほとんどの人がこの林道から大森山の西側へと登っていたが、

その取付き辺りを通り過ぎていた。ここで思ったのがこの林道、猿田峠まで続いて

いるのではという事。『たぶん!』という憶測の元そのまま歩いて行くことにする。







しばらく歩くと先頭を歩くルリちゃんから『あら!』と声が上がった。

そう林道はいきなり行止りになっていたのだ。慌ててスマホを見るルリちゃん。

YAMAPにはこの場所に赤いびっくりマークがついていた。そこには

『ここで林道の終点になります。慌てず此処から少し進んで尾根筋をひたすら登ると

登山道に合流します』
と報告・注意が書かれてあった。

その報告どおりに杉林の斜面を、斜め上に見える明るい尾根らしい場所まで登って行く。








すると薄暗い杉林から明るい笹の斜面の支尾根に飛び出した。報告通りに尾根を

登って行く奥様たち。その後ろを続けとばかりについて行くへっぽこリーダー。

林道からも見えた北側の山々が全て見渡せる絶景の支尾根。













景色はいいがけっこうな急登。途中の展望岩まで辿り着いたが『ひたすら登ると』と

書いていたように、この支尾根が派生する大森山の西端まではまだまだの様だ。











展望岩で支尾根の先から少し横に視線を移すと猿田峠から登って来た尾根が見えた。

目視でも地形図を見てもその尾根までの距離はさほどではない。このまま急登を

登るより、トラバースして登山道の尾根へ行ければといういらぬ考えが浮かんできた。

するとあっちゃんが少し横で『道がありそう!』と踏み跡があると言ってきた。

ただ尾根の手前は谷筋になっているので、そこで向こう側に行けるかどうかが問題だった。

迷っていても時間が経つばかりなので、意を決してトラバースをする事に。

踏み跡は最初の方は明瞭だったが次第に怪しくなる。谷筋をなんとか横切り、

尾根に向かってその尾根を見失わないようにして登って行く。











日当たりの悪い斜面はまだぬかるんでいて足が滑る。更には掴んだ木がけっこう

枯れていて、掴む木が無くなかなか上へと登って行けずに前の二人も苦戦をしている。

















それでも何とか足元の悪い斜面を登りきると、展望岩から見えた尾根に着いた。







その場所も展望岩があり、西の眺望が広がっていた。今日最後の眺望だ。











展望岩からひと登りすると大森山への登山道に合流した。ここまで来ればひと安心。

あとはロープ場を注意しながら下って行くだけだ。










ロープ場では新しく付けられたアブミが逆に足の置き場の邪魔をして、ルリちゃんが

降りにくそうにして苦戦している。













登山道沿いに最初に見たアケボノツツジは、今日最後のアケボノツツジに。








苦戦したトラバースからこの登山道に合流しておおよそ40分で猿田峠に着いた。

以前に玉取山から兵庫山へ歩いた時も道を間違えて、登山道から外れて苦戦して

何とか林道までよじ登り、その林道を歩いてこの猿田峠に着いた時はホッとした。

今日も林道終点からは予定外の歩きになった。そして中川峠からカガマシ山

歩いた時も奥工石山へと間違って歩いてしまって引き返したことがある。

この山域は毎回何かと予定外のハプニングが起こる。








猿田峠からはもう何度も歩いた道。先頭を行くルリちゃんは、先ほどのトラバースでの

苦戦していた姿がウソのようにトントンと調子よくいいスピードで降りている。

峠から25分でスタートした白髪隧道の県道へとたどり着いた。











年数にするとけっこうな年月を歩いてきた私だが、とにかくバカの一つ覚えのように

同じような山ばかり毎年登って来た。アケボノツツジの咲く山もその内のひとつで、

今回のアケボノの丘は初訪問にして一気にベストスリーにランクインしてお気に入り、

ブックマークの山となった。また来年の春が楽しみになって来た。その前に、大ブナの

駄馬の秋の黄葉見物かな?(*´▽`*)

再開したばかりの線で繋ぐはお休みしての花巡り

2023年04月21日 | 四国の山

今週の予定は先週の続きで堂ケ森から二ノ森を歩く予定だったが、天気がどうも

落ち着かない。予報もころころ変わり雨予想から曇り予報の間を行き来している。

予定のコースは四国でもトップクラスの稜線歩き。せっかくなら青空の下で

絶景を愉しみながら歩きたい。『線で繋ぐ石鎚山~引地山』を先週再開したばかりだが、

今週は諦めて別日にする事になった。そうなるとこの所そろそろ開花の情報が

入っているアケボノツツジを今年初で見てみたい。YAMAPではギッチャンさんが

杖立山(高知)を、グランマーさんが工石山をアップしていた。当初は歩いた事のない

杖立山に的を絞ったが、よくよく調べてみたらどうやら先々週歩いた徳島の杖立山

同じように、舗装路歩きが結構あるような感じだ。それなら何度も登っているけれど

自然豊かな工石山をのんびり歩いてみようと言う事になった。


天気予報通り朝から空はどんより曇っていた。高速道路を走る途中でパラパラしたが

瀬戸内側より山間部の方がまだ雲の色が明るかった。大豊ICで降りて、国道439号線を

本山町から土佐町へと走る。途中道の駅土佐さめうらでトイレを済ませて、県道16号線を

赤良木峠へと登って行く。するとあっちゃんが、『こんな道走ったかな?』と。もう何度も

走ったこの道を憶えていない?『ハイハイ、お二人はいつもお話に夢中ですから』。

峠のトンネルを抜け青少年の家の体育館の下に車を停めてスタートする。




青少年の家から登山口までの道に沿って、ドウダンツツジが釣鐘状の花を咲かせている。

そのドウダンツツジの奥に黒滝峰山頂近くの岩肌が見えた。その手前の伐採地からは

朝からチェーンソーの音が鳴り響いてここまで聞こえてくる。











登山口の手前に車が二台。こんな天気でも、やはりお目当てはアケボノツツジかな?

『今日は天気ももちそうなので、黒滝峰と三辻山にも登ってから周回しますか?』、

『黒滝峰まで行けばヒカゲツツジが咲いていると思います!』と二人に問いかけると

『ヒカゲツツジが見たいです!』と即答。

最初は砂利道の林道。その林道の途中から登山道へと取り付いて行く。














杉林を抜けると道の両側は新芽と新緑のプロムナード。緑のシャワーを浴びながら

足元の草花を見つけては立ち止まるルリちゃんとあっちゃん。



タチツボスミレ





ジロボウエンゴサク



今日は急ぐ旅でもなく、あっちゃんが新しく買った登山靴の足慣らしでのんびりと。

相変わらず花の名前はほとんど分からないので間違っていたらゴメンナサイ!









シコクスミレ




杖塚の手前で黒滝峰へのトラバース道へと右に折れて歩いて行く。途中にある

ドロマイトの採掘跡の横を通り、少し下って行くとな・な・なんと通行止めの標識。

先ほどから聞こえてきていたチェーンソーでの伐採作業の為の危険回避の様だ。

ただ伐採地は恐らく黒滝峰近く。この場所から少し先が三辻山への分岐になっている

ので、伐採地を通らずに三辻山・黒滝峰と行けない事もないが、これだけ派手に

立入禁止としているので、今回は諦めることにした。










杖塚へと引き返す。それにしてもあちらこちらで小さな草花が目に入る。






ヤマナシ



シロバナネコノメソウ







杖塚から少し東に進むと尾根道が山頂に向かって続いている。いつになく緩やかな

登坂に奥様たちは『これじゃ足慣らしにならないわね』と宣う。

暫くすると根曲がり杉。ほぼ横に曲がった後に真っすぐに伸びた杉の木は、いつ見ても

『すっごいね~』と感心する。














白鷲岩では今年お初のアケボノツツジが待ってくれていました。

手前のアケボノは割と濃い目の色。岩の下に見えるアケボノは薄いピンク色。

そして岩の上に立つルリちゃんもアケボノ色だ。

















山肌の木々の芽吹きの色も様々で、グラデーションになっていてとてもきれいだ。

東には三辻山が見えるが、その奥の山並みはやはり雲がかかっていた。







途中ではコミヤマカタバミがあちらこちらで咲いていた。まだ陽の当たらない場所では

花が閉じ加減。『私はこれくらいが初々しくて可愛らしくて好き』とあっちゃん。

『私は開いているのが好きだな~』と言うと『あら、私たちみたいに!』と。

思わず『枯れる前・・・。』と口に出そうになったが飲み込んだ。

コミヤマカタバミ



白鷲岩から杉林の中を進み、少し登って行くとこのコースの代表的な場所の一つの

天然ひのき風倒根。このひのきもだが、木の大きさの割には根が浅い。これじゃ

強風の時にひっくり返ってしまうわな~。














いつもはここから山頂北峰に向かうのだが、ひのきの風倒根の横から道が続いている。

直ぐ近くの道標には赤良木展望台と書かれている。今まで何度も来ているがこちらの

展望台には行った事がない。途中にはヤマグルマやヒメシャラの巨木が点在していた。














途中の分岐は赤良園地と展望台との分岐になっていたが、園地の方は規制線が張られていた。

展望台はコンクリート製の古びた感じのする展望台だった。階段の横にはミツバツツジ。

アケボノツツジとはまた違った濃い色で主張している。
















ひのき風倒根まで戻って山頂を目指す。工石山は北回りと南回りのコースが

あるが。その間にもいくつもの道がある。スズタケの道を抜けると、道の脇にも

チラチラとアケボノツツジが目につき始めた。














途中にあるトド岩でもアケボノちゃんが迎えてくれた。いつもは怖がって登らない

ルリちゃんも恐る恐る岩の上まで登って来た。あっちゃんは相変わらず岩の

尖端まで行っている。それを見ただけでこちらは股間がゾクゾクとする。

















『やっぱりアケボノツツジは青空が欲しいね』と言うと、『それは贅沢』とあっちゃん。

確かに雨が降らないだけでもまだマシか。岩の上では小さくツツジが咲いていた。








工石山北峰の手前で今まで比較的緩やかだった道は、九十九折れの道になる。すると

あっちゃんは単調な道に飽きたのか、登山道ではない斜面を直登し始めた。

『急がば回れですよ~』と言いながら、我々はそのまま九十九折れの道へ。







北峰に近づいてくるとアケボノツツジがまたチラホラ。山頂の広場になった場所では

その山頂を囲むように咲いていた。白鷲岩でお会いした女性二人も先に着いて

うっとり眺めている。『素敵ですね』と声を掛けると、『ほんと今日来て良かった』と。











後から来た奥様たちからも歓声が上がる。山頂に置かれた山名盤の後ろには

手が届く高さに大きな花が咲いている。遠目に見ると一色に見える花弁も、

間近に見ると一枚一枚グラデーションが掛かっているのを始めて気づいた。











アケボノツツジを存分に鑑賞した後すぐに『ここでお昼?』とあっちゃん。

『いやいや山頂でお昼でしょう』と言うと『え~~』と。唇を尖らせた。

北峰から山頂までは200mほどだが、先ほど物足りないと奥様たちが言っていたので

校倉展望台の方へ回り道しましょうと言うと、『何分くらいかかるん』とあっちゃん。

歩き足りないと言ったばかりなのに、お昼ご飯で頭がいっぱいの様だ。




大きく丸い山名盤の脇から校倉展望台への道へ歩いて行く。北峰からは一旦下り、

山頂から南西に続く尾根へと回り込むようにして道は続いている。

道の途中には岩肌にしがみつく様にして根を張ったヒノキの大木が何本もあった。










かと思うと、道の途中大きなヒノキが何本もひっくり返っていた。太平洋から

遮るものもなく厳しく吹き付ける風に耐え切れずに倒れてしまった木々ふが目につく。

県民の森として親しまれているこの山のでも、厳しい自然の一面を垣間見ることができる。



ツルシキミ



山頂からの支尾根になるとシャクナゲが道の両側を覆っている。5月になればシャクナゲの

花のトンネルになるだろう。そのシャクナゲの木々の間にもアケボノツツジが咲いている。

また登山道から少し下がった所にはタムシバが白い花を咲かせている。








山頂で最初に目についたのはミツバツツジだった。紅紫の鮮やかな色をした花。

アケボノツツジと比べるとやはり派手な色。控えめな色のアケボノツツジの方が好みだな。











ベンチに腰掛けてお昼ご飯。晴れていれば太平洋まで眺められるこの山頂も、

今日は霞がかかっていて南側の景色はほとんど見えない。














お腹を満たした後はサイの河原へと下りて行く。こちらの道もシャクナゲの道。

山頂からは170mほどを一気に下って行く。









クロモジ




途中にもあちらこちらでアケボノツツジは咲いている。最初に見た白鷲岩のアケボノツツジは

花弁の先が少し茶色がかっていたので、そろそろ終盤の様だ。








途中の大岩からも南側の眺望が広がっているが、今日はどこから見ても霞がかかっていて

ほとんど見えないが、石灰岩の採掘場の土佐鉱山の削られた山肌が何となく見える程度だ。








サイの河原では、あっちゃんが前日に見たYAMAPの活動日記で、サンショウウオを

見たという人がいたので、ぜひ私も見てみたいと言って河原をうろつくが、

私自身も何度も来たが一度も見た事がない。やはり今日も空振りに終わった。














『あ~あ残念!』と意気消沈して歩くあっちゃんを待ち受けていたのは、テンションが

速攻あがるヒノキ屏風岩だった。











屏風岩の横に回り込んで見ると、名前の通り切り立った岩。足元はスパッと

切れ落ちて高度感がある。

今まで曇っていた目がランランと輝き始めたあっちゃん。その様子を見てルリちゃんが

それを察したのか『いらん事せんでええよ!』と岩の下から声を掛ける。

それでも耳に入らないのかナイフリッジの岩を登って行こうとするあっちゃん。

見ているこっちがザワザワしてきた。『は~い、そこまで!』と声を掛けて何とか

途中までで引き留める。

















不服そうな顔をして下りてくるあっちゃん。安堵するルリちゃん。仕方がないので

一旦降りて木々の生えた正面から登ってみせると、当然後ろから付いてきた。

木の根に掴まりながら登ると屛風岩の突先に立った。後から登って突先に立てた

あっちゃんも一応満足したようだ。登るより降りる方が難しい。慎重に下りて行く。














『サンショウウオは見られなかったけど、屏風岩に登れたから良かった!』と

ルンルン気分であっちゃんの足取りも軽い。逆に『もう、いい加減にしとこうで!』と

ルリちゃんはお怒りの様だ。アケボノツツジもサイの河原の辺りだけかと思ったら、

意外とあちらこちらに咲いていて、最後まで目を楽しませてくれる。











ヤッホーポイントから見える山肌にもピンクの色が散りばめられていた。

三人で『ヤッホー』と叫ぶと、きれいにコダマした。『ヤッホー』って叫ぶだけで

童心に帰って気持ちが若返るのはなぜだろう?















屏風岩から杖塚まではほぼ等高線上の緩やかな道。複雑な等高線に沿って道は続いて行く。



杖塚のトサミズキ







春の訪れと共に、山々は若葉の色に包まれ、生命力にあふれている。木々の葉は輝き、

風に揺れるたびに色彩が変わっていく。山の中腹にも緑色のじゅうたんが

広がっているように見え、爽やかな空気が満ちている。緑豊かな山並みが

目に飛び込んでくる春の光景は、まるで新しい命が吹き込まれたかのように鮮やかだ。














新しい登山靴の足慣らしだった今回。天気予報通りの終日曇り空だったが、

思っていた以上にアケボノツツジを見られ、奥様たちはこれだけ見られたのは

初めてだったと喜んでいる。帰り道に立ち寄った高須の棚田には水が張られ始めていた。

季節は春からまた少し移り始めている。











さらに高須の棚田から県道に出る途中で土佐町の町議選のポスターが貼ってあった。

その中に『ん?』見覚えのある人の顔があった!!仙人も街に降りてきてたんだ!(笑)




そして高速での帰宅途中。雨は土砂降りになり遠くで雷の音も。帰宅すると家族が

随分と心配をしていたが、工石山では一切降られることなく楽しい花散策だった。

これもひとえに私の日頃の行いと、来週奥様たちには自慢してみよう!


『線で繋ぐ石鎚山~引地山』 割石東山・青滝山

2023年04月14日 | 四国の山
昨年末の白猪峠から黒森峠を繋いだ後、中断していた石鎚山から引地山の線を

繋ぐべく今日は黒森峠から再スタート。黒森峠からは残り3回で石鎚山までの

線が繋がる予定だが、次の堂ケ森と二ノ森が累積標高でいうと今までで一番の

標高差になりそうだ。その前のウォーミングアップで今日は黒森峠から堂ケ森に

向かって歩いてきた。

先ずは梅ケ市の登山口に一台をデポ。その後一台に乗り込んで黒森峠へと走る。

青滝山への取付きは峠の切通の法面を登って行く。










道は直ぐに防火帯の幅の広い道になる。そう言えば峠から石墨山への道も最初は

同じような防火帯の道だった。そしていきなりの急登だった。








綺麗に刈り払われた道は急でも歩きやすい。小さなピークを越えると右手の景色が

開けてきた。すると手前の深緑の稜線の奥に少し霞んではいるが薄く稜線が見えた。

そしてその稜線の左のピークに確かに反射板が見える。『堂ケ森が見えますよ!』と

前を歩く奥様たちに声をかけ引き留める。森林限界を越えて笹原になった尾根。

堂ケ森までは随分と遠いが、次週はあそこまで歩くんだと思うと感慨深い。











三人で横に並んで『遠いね~』と言いながら、しばらくの間眺めたあと歩き始める。

取付きからは20分ほどで三等三角点 菖蒲谷 1073.81m に着いた。

ここまで北に向かって続いていた道は、右に折れて東に向かって続いて行く。










稜線上に続く道の両脇は笹が生えているが、おそらく昨年にでも刈られて

いるのか、登山道まではまだほとんど覆われていない。ただ夏になれば次第に

笹の勢いで、登山道は隠れてしまいそうなヶ所がある。

すると左手木々の間から随分遠くにピークが見える。ギザギザのピークはひょっとして

『あれは石鎚山じゃないですか!』と言ってまた奥様たちを呼び止める。











道は笹の背が高くなったり低くなったりしながら続いて行く。少し下った所に

25番鉄塔があったが、支線名は分からない。







尾根道は東温市と久万高原町との境界。けっこう大きめの境界の石柱が続いている。








すると稜線上に大きな岩が現れ始める。最初はその脇を抜けて進んで行くが、

最後の大岩は岩の下が切り立っていて回り込めない。仕方がないのでそのまま岩を登る。

幸い2カ所ほどちょうどいい場所にしっかりとした木の根があり、その根を

掴みながら登って行く。














大岩をやり過ごすと何度かのアップダウン。笹の背丈も場所場所によって変わってくる。

所によっては前を歩く二人が埋もれてしまって見えなくなる。この辺りは夏には

笹薮になってしまいそうだ。

いつもなら下りで怪しくなってくる膝が、今日は登りでも怪しくなってきた。

鋭痛ではないが重たい鈍痛。我慢できないような痛みだはないが、今後酷くなったら

どうしようという思いが頭をよぎる。














そんな場所があるかと思えば急に北側の木々が疎らになり、明るく雰囲気の良い道になる。

麓に見えるのは海上(かいしょ)の集落辺りだろうか。正面奥に見えるのは三ケ森




















道は相変わらず左側が自然林、右がスギとヒノキの人工林になっている。

そのスギ林はかなりの高さまで枝打ちされてスクスクと伸びている。











海上峠辺りで水分補給。地図を見ていたルリちゃんが『あっ、三角点を通り過ぎてる!』と。

そう、途中にあった 四等三角点 杣野 1237.8m を見過ごしてしまったのだ。

海上峠は北は滑川渓谷に沿って海上へと続き、南は梅ケ市への道が地形図には

破線で載っているが、はっきりとした道は確認できなかった。

海上峠からは青滝山への登りになってくる。この辺りも少し笹が深くなっていた。











途中ではきりのいい1234mの標高点。その標高点を過ぎ青滝山山頂までの間は

大きなブナが道の右左に点在していた。南側には梅ケ市辺りの谷底平野が見える。















スタートから2時間40分で青滝山山頂に着いた。 三等三角点 青滝 1303.37m

三角点の周りには少し背が伸びたフキノトウ。今日ぐらいの天気になるとそろそろ

温かい麺ではなく冷たい麺が口に合う。そう思いながらも横ではあっちゃんは熱い

キーマカレーを食べている。そのカップの蓋を開けた途端周りにカレーの匂いが広がった。











青滝山からはまだ葉のついていない木々の下、明るく気持ちのいい道が続いて行く。

最初に見た割石東山の手前で見えた堂ケ森が随分近づいて来た。

その堂ケ森の北斜面の奥に見えるのは西ノ冠岳かな~?





















青滝山から二回程アップダウンして着いた鞍部が相名峠だった、峠には青滝山山頂にも

あった背の高い『世界人類が平和でありますように』と日本語と英語で書かれた

標識が立っている。奥様たちが峠の北側の踏み跡を辿ると、『すごい急坂や!』と

二人で言っている。その道は保井野へと続いているが、ほとんどの人がこの道ではなく、

もうひとつ東側の登山道を登って堂ケ森へと歩いている。反対の梅ケ市への道は

踏み跡もなく見つけられなかった。

ここでルリちゃんが何やら地図を広げて考え始めた。今日の予定はこの先の梅ケ市への

分岐からさらに東の保井野登山口への分岐まで行くつもりだった。なぜなら次は

保井野登山口から登って堂ケ森・二ノ森に行く計画だったので、線を繋ぐためには

梅ケ市への分岐からは往復する事になる。

その往復もしかり梅ケ市登山口からの200mほど標高が高い。それなら次週は

保井野登山口からではなく梅ケ市登山口から登ったらと提案があった。

『ふむふむ、それも一理ある』と、いかにもルリちゃんの提案に賛同してあげるように

言ってみたが、実はここまでで膝が結構いっぱいだったのだ。










峠からはひと登りで 四等三角点 相名峠 1218.23m








さらにもうひと登りで梅ケ市登山口への分岐に着いた。










計画変更になったのが少しご不満そうなあっちゃんだったが、『私が言っているんじゃ

ないですから、あくまでルリちゃんの提案ですから』と嘯いた。コースタイムでは

ここから1時間25分になっているが、下りも速い奥様たちなら1時間ほどで降りられそうだ。








案の定、前を行く二人はトントンとリズミカルに降りて行く。以前は膝痛で下りの

スピードが極端に落ちたあっちゃんも、今ではジムに通って筋肉を付けたお陰なのか、

全く問題なく降りている。これでは登りも下りもつけ入る隙が無いヘッポコリーダー。










道は植栽地の中をどんどん高度を下げ、何度か作業道へと飛び出す。

間伐された木の間から今日歩いてきた青滝山の稜線が見える。そして正面には

石墨山の稜線も見える。










明るい植栽地から今度はだんだんと林床に雑木の生えた、少し薄暗い林の中の道になる。

この辺りになってくると、登山靴の中で伸びた中指の爪が横の指に食い込んでくる。

登りでは何ともなかった右の膝も怪しくなってきた。













『あ~あ、昨日の夜にでも爪を切っとくんだったな~』後悔しながら下って行くと

そのうちに林道に飛び出した。取付きにはスチール製の立派な道標が立っていた。

次週、ここから堂ケ森まで2時間40分の登り徹しか。














林道になると道は緩やかになり、靴の中の指の痛みも和らいだ。

道の脇の林の中にミツマタがまだ白い色の花をつけている。

このミツマタは薄暗い林の中でよく見かけるが、その日陰の中で葉を付けずに

白い花を散りばめたミツマタは良く目立つ。













稜線上には全く見られなかったスミレが、ここまで降りてくるとあちこちに咲いていた。








朝デポした登山口には、予想通りに1時間ほどで着いた。ネットではよく見る

仮設のトイレのある登山口の駐車場には、登山届を入れるポストもある。

登山届のポストがあると何となく本格的なルートに見えるのは私だけだろうか?











駐車場の脇の桜の木もほぼ葉桜になっていた。桜の花が散ると山肌は一気に新緑色に染まる。

そしてまた直ぐに今度は深緑色に変わって行く。日中の気温が上がっても肌を撫でる風は

乾いていて心地よく、山を歩くには一番気持ちのいい時期かもしれない。

帰りの道、車窓から見えた白猪山も少し黄色く霞んで見える。今日は全国的に黄砂が

飛んでいるようだ。山も空も春のど真ん中だ!







残り石鎚山まで2回

『線で繋ぐ剣山~和田ノ鼻』大川原高原~杖立峠

2023年04月06日 | 四国の山


今週は火曜日までは暖かく天気も良かったが、水曜日には西から次第に天気が

崩れる予想。今週歩こうと思っていた『線で繋ぐ石鎚山~引地山』の残り3区画の

内のひとつの青滝山辺りは、お昼には雨が降り出しそうで、縦走するとなると時間的に

ちと厳しいので、少しでも降り出しの時間が遅れる東の山を歩くことにした。

それなら先週の続きで大川原高原から東に歩けば、『線で繋ぐ剣山~和田ノ鼻』

繋ぐ距離が少しは伸びる。しかも轆轤山・日ノ出山・杖立山とYAMAPの

ポイントが三つゲットできるとなると、当然奥様たちは断る理由がない。

またあわよくば帰りに神山町に寄り道して、枝垂れ桜がまだ咲いていたらと思って

計画をして奥様たちに連絡をした。




奥様たちとは自宅近くで待ち合わせをして、高速道路で板野まで走り、先週と同じ道を

大川原高原まで走る。トイレの前の広場には三重ナンバーの車が一台。県外からわざわざ?

と思いながら車を降りると、ルリちゃんが開口一番『あっ、寒いわ!』と。

気温は12度ほどだがとにかく風が強い。脇に立つ風力発電のプロペラも先週見た以上に

勢いよく回り、機械音とも風切音ともつかぬ大きな音をたてて回っている。

今日の雨の降り始めは15時前後の予想。それまでにはここまで戻ってきたい。



眉山の脇を鮎喰川が蛇行して流れている


阿讃山脈の奥に薄っすらと小豆島も見える






駐車場からまずは東に向かって歩いて行く。ヒルトップハウスの施設の横を通り

道路に沿って下って行くと四差路に出た。そこから四国のみちの道標に沿って

小高い丘を登って行く。ここから今日の折り返し地点となる杖立峠までは、尾根の

北側に舗装した林道が続いているが、往きは出来るだけ尾根を歩いて行くことにする。

その小高い丘を越えると直ぐにまた車道に。ここからも尾根に向かって登って行く。










擬木の階段が終わると道は少し不明瞭になるが取りあえず東に向かって進んで行く。








周りの木々はまだ葉はつけていないが、小さな芽があちらこちらに。

キブシ(木五倍子)



アブラチャン



二つ目のピークからもすぐに車道に出た。この辺りはこの林道が四国のみちにもなっている。

地形は少し複雑になりはっきりとした尾根もなくなってきたので、ここから轆轤山の取付き

までは舗装路を歩いて行く。途中ピークでも何でもない場所の道の脇に朝宮山と彫られた

石柱が立っていた。



正面に轆轤山







佐那河内・上勝・勝浦の三町村の境界となる辺りが轆轤山への取付きになっていた。

そして山頂に向かって急登が始まった。










急登は2段構えになっていて一旦緩やかになったと油断させて、最後にまた急登に。










山頂には巨大な電波塔が3基。その北側に三等三角点 六郎丸 971.2m

この山、地形図には六郎山と書かれ括弧書きで轆轤山となっている。

轆轤(ろくろ)とは木地師が椀や盆などの木工品を作る際に用いる道具なので、

山の名前としては轆轤の方が相応しいが、とにかく見ながらでもなかなか書くのが

難しい漢字なので、簡略化して六郎山としたのだろう。

阿波志に、「轆轤山、坂本村にあり。上に経塚あり里民これに雨乞す。また通夜石あり、

俗に伝ふ釈空海(弘法大師)跌座の所。この地霜降らず、蛭人をすはず」とあるが、

三角点の向かいにある石積みがその経塚なのだろうか?










経塚?の脇のアセビの横を抜けると更にアセビの群生。正面には少し色目の違う

大きな木に数珠なりに花を付けていた。










そのアセビの横から境界杭に沿って下って行く。車道に出る手前で可愛らしい三角の

小さな札が木に掛けられていたが、無視して真っすぐ進むと道は少し藪になる。

慌てて引き返してその三角札の方向に進むとまた車道に出た。
















まだほとんど蕾だが数輪だけ咲いていた気の早いミツバツツジ










車道から大きな電波塔と風力発電を正面に見て、そのピークではなく横の地道を

歩いて行く。するといつものように奥様たちは新しく始まった朝ドラの話をし始めた。

迷うような道ではないので後ろからその話を聞きながら付いて行っていると、

道の脇に小さな道標があった。よく見ると日の出山登山口と書いている。『お~い!

こっち!』と言って呼び戻す。二人が話に夢中になると結構道を間違える事が多い。

広い道なので安心して油断していたら見逃す所だった。危ない危ない。













道から逸れて登って行くと四等三角点 日ノ出山 846.74m

時間は11時前。そろそろかなと思っていたら案の定あっちゃんがお昼ご飯の話を

し始めた。時間的には折り返し地点の杖立峠辺りでもよかったのだが、とにかく

『風の当たらない場所にしましょう』とあっちゃん。ん~風も気になるが雲行きが

どうも怪しくなってきた。15時前までに戻るには途中でお昼ご飯を食べていると

微妙だ。『折り返して、林道(舗装路)を歩いて急いで駐車場まで戻ってお昼に

しましょう』と言うと、『え~~え!!』とあっちゃん。

風は相変わらず強く、体感温度は低い。雨具を持ってきているとはいえ、雨の中は

出来るだけ歩きたくない。ここはへっぽこながらもリーダー。『では駐車場で!』と

言ってあっちゃんをなだめる。(と言いながらも既におにぎりを二つも食べている)




日ノ出山からは地籍調査のテープがあちこちの木に巻いてあって紛らわしい。

赤テープも結構な頻度で木に巻いてある。地籍調査のテープが目立つので

ついついそちらに行ってしまいそうになるが『赤テープを目印に!』と声掛けをして、

不明瞭な尾根を進んで行く。











足元には地籍調査の杭と国土調査の杭。取りあえず赤テープと杭を見ながら進む。








踏み跡はなく木々の間を抜けながら緩やかに下って行く。最後に少し登ると

三等三角点 大泉 723.95m これでYAMAPのポイント3つゲットした。






杖立山で杖を立てる



杖立山から杖立峠までは登山道らしい道。前の二人のスピードも上がっていく。

すると先頭を歩くルリちゃんが急に立ち止まり『スマホが無い!』と騒ぎだした。

前、後ろとポケットを触っても無い。仕方がないのであっちゃんが電話をかけると、

背中のザックから着信音が聞こえて来た。『ルリちゃ~~ん!!』。(; ・`д・´)











山頂から7分ほどで車道に降り立った。杖立権現が祀られている峠は佐那河内と

勝浦の坂本を結ぶ峠で、杖をついて越えるほどの急坂で、峠に着くとその杖を

突き立てていた事に由来するそうだ。














杖立権現の鳥居の横に杖立峠の石柱が立っていたが、ここでも地籍調査のピンクの

テープが巻かれていた。足元にある杭の目印だろうが、それにしても無粋な事をするもんだ。




ここからは林道大川原高原線を車を停めた場所まで車道歩き。道の脇には芽吹いた

木々が、冬の間『山眠る』の閑散とした景色を、黄緑色の明るく色に染め始めた。






ヤマナシ




奥様たちはまた朝ドラの話をし始めた。ただ曲がりくねってはいるけれど、もう

道を間違えることはない。『どうぞ安心しておしゃべりしてください!』







途中で見えた徳島の市街地の上の雲はまだ薄い色だが、この山中はポツリポツリし始めた。

シコクブシが群生していたが開花の時期にはまだまだ早い。











帰ってGPSを見てみると杖立峠から大川原高原までは7.7km歩いていた。しかも

緩やかだがほぼ登りの車道歩きは意外と堪えた。この大川原高原へは以前から何度も

来ているが、最初のころは風力発電の工事が始まったばかりだったが、この辺りの

設備も運転開始からもう15年近くになるようだ。

南からは重苦しい雲が流れてきている。雨が降らないうちに急いで歩こう。
















すると前を歩く奥様たちの更に前方を小さな動物が道路を横切った。二人が『ワッ!』と

声を上げている間に後ろからもう一匹。後から飛び出して来たもう一匹は道路の真ん中で

立ち止まりこちらを見ている。二人が『たぬき!』『でも鼻が長い』と言うので、『なら、

タヌキじゃないです』と言ったものの、名前がなかなか出てこない。数十秒間が開いた後、

『アナグマです!』とやっと答えられた。







結局大川原高原には2時間以上歩いて着いた。南からはガスがどんどん流れてきている。

風を避けながらヒルトップハウスのベンチに腰掛カップラーメンをすする。

そのラーメンを食べ終わる頃に小さな雨が降り始めた。周りはガスに包まれ視界も

どんどん悪くなる。急いで食べ終えて小走りに車へと急いで行く。

少し濡れたが何とかずぶ濡れにはならずに車中に。














帰り道、山から降りると風も殆どなく雨も小粒。先週も寄り道した神山町へと車を

走らせるが、国道沿いの枝垂れ桜はほとんど散っていた。

農村ふれあい公園の枝垂れ桜も半分以上は散っていたが、代りに八重桜?だろうか

濃いピンクの桜がほぼ満開だった。











天気予報では明日から雨。花散らしの雨になるだろう。桜も今週で終わり、山肌は

一気に明るい色になる。『山笑う』季節は人の心も笑顔になる。

さあ来週からは『線で繋ぐ石鎚山~引地山』の再開だ。スムーズにいけば残り3回で

コンプリート。今月中には何とか終わらせたい。そして今回の区間は更にその次の線で

繋ぐの区間。花の山を愉しみながらまた新たな目標にGO!


『線で繋ぐ剣山~和田ノ鼻』コース図


桜を見に出かけよう!ついでにお山も。

2023年03月30日 | 四国の山


今週は奥様たちそれぞれ予定があってお出かけなので、久しぶりのソロ活動。

それじゃあどこにお出かけしようかと考えたが、思いつく山がみんな登山口までの

アプローチに難がある。どうもやっぱり2度続けての車のタイヤのパンクがトラウマに

なっていて、荒れた道を走るのは二の足を踏んでしまう。

なら、あんまり無理せずせっかくの花見の時期、桜を目当てについでに登れる山は

ないかと考え、まずは昨年出かけた枝垂桜の神山町を花見の場所に決め、その周辺で

軽く歩ける山を。となると大川原高原から旭ケ丸、そして高鉾山が最適地となった。

ついでに『線で繋ぐ』のシリーズで剣山から以東の稜線となる、柴小屋への道の

様子も下見に、梅ノ木峠辺りまで足を延ばしてみることにした。



神山町へはいつもなら山川町か石井町経由で向かうのだが、自宅からのルートを

GPSにセットすると高速で板野ICまで走り、そのまま南下して吉野川を渡り、

今度は鮎喰川に沿って走り、しらさぎ台なる住宅地を抜け園瀬川沿いの道を走る

という初めての道ばかりで複雑なルート案内だった。

途中の通勤ラッシュで信号待ちに時間を取られて、ナビの画面の到着予想時間は

どんどん遅くなっていった。それでも今日は独り。待ち合わせをしているわけでも

ないので、慌てることなくのんびりと走って大川原高原に着いた。

車を降りると吹きさらしの駐車場は風が冷たく感じ、薄手の上着と手袋をはいて

準備する。霞んではいるけれどけっこう遠くまで見渡せる。











前回WOCのメンバーと来た時にソフトクリームを食べた一軒茶屋は、火災の跡で

基礎だけが残っていた。吹き上げてくる風の音と共に、グルグルと回る風力発電の

大きな羽の音が耳につく。天気のいい日は吉野川の北岸からでも並んでいるのが

見えるこの風力発電。間近で見るとさすがにデカイ!














駐車場から最初は放牧地への舗装路を歩いて行き、途中から脇道へと入って行く。

時期によってはドウダンツツジの咲く道も、季節はもう少し先の様だ。

替わりに馬酔木がそこらじゅうで咲いている。この花を見るといつも思い浮かぶのが

屋島の山上で売っているイイダコおでんの頭の中にぎっしりと詰まった卵。











登り坂が終わると展望台に着いた。階段を登り階上に上がると360度の眺望。

しばらくの間山座同定してみるが、霞んでいてあまりどこの山だか分からない。


柴小屋まで続く風力発電の奥に高丸山から雲早山の稜線


勝浦町の奥の山並み


六郎山の電波塔が見える










展望台の下には石仏。手を合わせた後に旭ケ丸へと向かう。ここから柴小屋までは

四国のみちになっているようだ。








まだ硬い蕾が芽吹いていないツツジの林の中を歩いて行くと、旭ケ丸に着いた。

一等三角点 旭ノ丸山 1019.6m 久しぶりの一等さんはさすがに大きい!

(地形図では1019.5mと載っているけど、ここでは1019.5mの標示されている)

前回来た時にはまだYAMAPを始めていなかったので、取りあえず1ポイントゲット!











三角点から少し歩いて道は南に振って続いて行く。途中で南阿波幹線の72番鉄塔。

幹線がけあって結構大きな鉄塔だ。鉄塔を過ぎ階段を下って行くと分岐点に出た。








四国のみちの道標の先には、こんもりとした高鉾山の影が木々の間から透けて見える。

ここで直進するとトラバースの高鉾山への道。右の脇道を進むと急登が待ち構えている。








急登は北向きの斜面のせいか、先週末に降った雨がまだ少し土を濡らしている。

踏み跡を辿りながら登って行くが、所々で足を滑らせた跡が残っている。

振り返ると先ほど見た72番鉄塔と同じくらいの高さまで登ってきている。











いつもなら先行する奥様たちのお尻を見ながら、離されまいと必死で登って行くのだが

今日はソロ。息が切れない程度のマイペースで登っていける。分岐にあった道標通り

15分ほどで高鉾山本峰に着いた。前回来た5年前はアジサイの季節。まわりの木々も

緑が多かったが、まだ周りの木々が葉をつけていない本峰の広場は広々としていた。

ヤッホー地蔵さんも新しくなって数も増えていた。














ベンチに腰掛け一息入れる。まだ少し肌寒いが汗を掻いた上着を一枚脱ぐ。

アミノ酸のゼリーでエネルギーチャージした後、縦走路を歩いて行くと道の真ん中に

孤高の馬酔木が一本立っていた。








途中の分岐では直進すると高鉾山南峰へと道。右は柴小屋への稜線となる。

工事中の看板が立っていたが、ここからは『線で繋ぐ』シリーズの下見。地形図では

稜線上が四国のみちと表記されている。風力発電の工事で果たしてその道がどうなって

いるのか確認しに右に折れて進んで行くと、植林地の先に大きな羽が見えた。







この稜線が四国のみちになっているはずだが、稜線上には風力発電が点在して続いている。

ここで四国のみちは分断されていた。何年か前と比べると様変わりしただろうこの景色。

遠くに見える高丸山から雲早山の稜線は、変わらぬ姿でいてくれることを願う。







分断されているとはいえ今日の下見は遂行しなければならず?、そのまま工事で切り取られた

尾根の法面を降りて行く。広場の反対側に回って尾根に取り付くと、あらら立入禁止の看板。

広場への立ち入り禁止なので、広場から出るなら構わないだろうとそのまま尾根を進むと

また次の風力発電。ただここの法面は高さもありそのまま降りられるような斜度でもない。










仕方がないので法面の上端に沿って引き返す。風力発電の広場と広場の間は

立派な舗装された管理道で繋がっていた。道は974mの標高点を北側に巻いて

更に先へと続いている。その北側に回り込む手前の風力発電が一基停まっていて

メンテナンスの作業をしているひとの姿があった。






後ろのピークが974mの標高点のピーク。









道は今度は924mの三角点の南側を回り込んでいたが、途中から三角点に向かって

林の中を登って行く。杉林の中をピークに向かって登って行くがGPSを見ると、

三角点はピークより少し下にある。登っては下り、右に左にとGPSを見ながら

うろつくが、なかなか三角点が見つからない。もう一度だけと引き返して登り返すと

何とか木の幹元にあるのを見つけることができた。四等三角点 流川 924.2m














その三角点から適当に南に下ると杉林の中に作業道の様な道にでた。右に梅ノ木峠に

向かって歩いて行くと、作業道ではなく四国のみちだった。この道を左に行くと

地形図では林道大川原旭丸線へと破線が続いている。そして先ほどの流川の三角点と

高鉾山本峰の間の稜線上はよく見ると破線は載っていない。どうやら四国のみちは

この手前で高鉾山に向かっている林道が、四国のみちとなっているようだ。

(風力発電が四国のみちを分断しているわけではなかった)











道標に従って杉林の中を下って行くと林道に出た。そして梅ノ木峠となっていた。

道標を見るとここが丁度柴小屋との中間地点になるようだ。大川原高原と芝小屋間が

約13km。縦走だと充分歩ける距離だけれど、車をデポするにはGooglMapでは

35km、1時間30分かかるとなっている。この区間は両側からのピストンに

なりそうだ。目的地の梅ノ木峠までの下見も終えてへっぽこ隊長の任務終了。

ここからは折り返して、四国のみちの林道大川原旭丸線の舗装路歩きとなる。








この間の林道は風力発電の管理道にもなっているのだろう。道の真ん中には

恐らく電線が埋められているのだろう。一定の幅でコンクリートで補修した

痕がずっと続いている。削られら法面には植生ネットで保護されて、そのすき間に

可愛らしいスミレがあちらこちらで咲いていた。











林道が流川の三角点の南側を回り込むと、また巨大な風力発電が稜線から顔を出した。

近づくとあの風切音も聞こえ始めた。その風力発電への道はやはり立入禁止となっている。

復路で林道歩きを選んだのは、電力の管理道を通るのが躊躇われたのもあるが、林道から

南側の景色が見えないだろうかと思っての事だったが、ほとんどが木々に遮られていて、

一ヵ所だけ高丸山の稜線が見えただけだった。










梅ノ木峠から約3km、50分ほどで南高鉾山への取付きに着いた。

林道の脇から南に山道に入って行くと、直ぐに東側が開けた南高鉾山に着いた。

前回もここでお昼だった。ベンチに腰を降ろしてお弁当を食べる。

目の前には3週間前に歩いた勝浦町の稼勢山が横たわっていた。



稼勢山


勝浦町


六郎山







南高鉾山でお腹を満たしたら、駐車まで戻って今日のメインの神山町へ。

半年ぶりに被ったキャップより頬っぺたがはみ出て、胸周りもなんだかふっくらと

ふくよかに。ほんと太ったな~・・・・。




林道に一旦出て、そのまま高鉾山本峰を回り込むようにして歩いて行く。本峰手前の

分岐へと法面を登って行くと四体の石仏とヤッホー地蔵のおばこ峠と書かれた標識。










峠からは階段を登らずに花木園の方へのトラバース道を歩いて行く。さすがに

1000m近い標高。まだ花が咲くのは早いのか、それとも花音痴所以なのか

小さなスミレしか見つけることが出来ない。








トラバース道から展望台の東側に出て、放牧場の横の道を下って行く。展望台からは

柴小屋に向かって西側に風力発電の鉄塔は続いていたが、東の六郎山に向かっても

鉄塔は続いている。風が強くなったのか出発時より羽が勢いよく回っている。

沿面距離11.7km 累積標高650m 4時間ほどのトレッキング。と言っても

ほぼ林道・管理道の舗装路を歩いていたせいで、いつになく踵が痛いような気がする。

春の陽気に誘われてこれからしばらくするとこの山も花の季節になるだろう。

ただ今日はまだ早かったので、今から里に下りてお花見にしよう!
















佐那河内町へ下る途中の山肌と風力発電が並ぶ稜線







佐那河内町から神山町に移動すると、お目当ての枝垂れ桜が待ってくれていた。














少し散り始めなのか、風に乗って花弁が舞っている。

その桜の木の下でお弁当を広げて寛ぐ人たちの姿があった。
















帰り道の国道439号線。酷道と評される道幅が狭く、路面の荒れた区間のある

国道だが、この辺りしかもこの季節の道はその評判とは真逆のフラワーロード。

そんな枝垂れ桜の咲き誇る道を、名残惜しみながら帰路についた。





刻々変わる天気予報。晴れ間を狙って早春の花巡り

2023年03月22日 | 香川の里山


先週の天気予報では今週の水曜日は雨。では火曜日に出かけますかと奥様たちに

連絡するも、次第に火曜日の天気も怪しくなってきた。仕方がないので今週は

自主トレにしましょうと連絡して、多少天気が悪くてもいいように近場の里山

(さぬき市里山チャレンジ30座)の残りを独り歩きで消化しようと

考えていたら、今週に入って水曜日の午前中は晴れマークがついた。

自主トレも天気が良ければ春のスプリング・エフェメラルのユキワリイチゲを

見に行きたいと考えていたので、さっそく奥様たちに連絡すると即OKがでた。

春の妖精の春植物のユキワリイチゲは陽が当たらないと花が開かないので、

天気予報の晴れマークを信じて出かけてきた。

家を出て車を走らせると周りは真っ白。ラジオの天気予報では濃霧注意報の

アナウンス。いやいや本当に晴れるのかな?と思いながら走って行くと、

まんのう町にはいると青空が見えてきた。よっしゃー!と独り言ちして

集合場所に着くと、開口一番ご主人に明日は雨やでと言われていたあっちゃん

『本当に晴れたね!』とニコニコ顔。今日は道の駅ことなみの第二駐車からスタート。




国道を三頭トンネルの手前まで歩き久保谷橋を渡ると大師堂がある。この国道438号線は

平成9年に三頭トンネルが開通するまでは行き止まりで、トンネルの開通で初めて徳島側への

車両での通行が可能になった点線(分断)国道だった。

橋の手前には昔は金毘羅堂があり、これから谷あいの足元の悪い峠道を行き来する

人達にとっては格好の休憩所で、接待された茶を飲みながら旅の話に花を咲かせ、

阿讃の情報交換場となっていたようだ。大師堂からの道は四国のみちにもなっている。

 


   


最初はコンクリートの車道から直ぐに山道になる。昨日降った雨がまだ地表を濡らし、

谷あいの朝の空気はまだ少し冷たい。

   


道は沢の右岸、左岸を渡渉しながら続いて行く。最初に目についたのは落ち葉の上に

散った真っ赤な椿の花だった。








        


芽吹き始めた周りの木々に目をやりながも、足元にお目当ての花が咲いていないかと

目を皿のようにして歩いて行く。






コチャルメラソウ?



おっ、み~つけた!ユキワリイチゲ。でもまだ日が当たらず俯いたままの花は

開いていない。気温が上がり日が当たる帰りに期待しよう。







道筋の所々で石を積んだケルンがあるが、これは絶妙なバランスで立っていた。

雨はつい先ほどまで降っていたのか、雫をいっぱいつけた葉がみずみずしい。








段差になった場所では小滝となって大きな音をたてて流れ落ちて行く沢の水。

幅はさほどではないが、グラつく石もあり落ちないように用心深く渡渉する。













地形図で谷筋が派生している場所に道標が二つ。この場所から征木(麓)と

立石峠(尾根)への道があるのだろうか?また機会があれば歩いてみたい。




すると前を歩くルリちゃんから『あったわよ!』の声が上がる。

さすが視力2.0のルリちゃん。ストックで指す場所に二つ目のお目当ての花があった。

落ち葉の中に咲く花と葉が、周りと同系色で目の悪い私では見つけられなかっただろう。

葉も花もうなだれているサラリーマン風から、今まさに飛び立とうと羽を広げたような

葉と花を開け始めた花もある。

アワコバイモ









この谷あいで一番大きな滝?を右手に見ながら更に登って行く。日が当たると

木々や花たちもなお一層いきいきとして見える。






ヨゴレネコノメ



まだ峠まで半分も来ていないが、奥様たちは度々立ち止まっては写真を撮って

なかなか前に進まない。まぁ今日は距離もないし、ユキワリイチゲの花が開く

午後までゆっくりと歩けばいい。
















小さい花があちらこちらに咲いているが、ほとんど名前が分からない。

小さな山野草はGoogle先生でも分からない。









アブラチャン





奥様たちが二人で『ここからいくつ見える?』とアワコバイモの数を数えている。

『KAZASHIさんは?』と聞いてくるが、近づかないと私には全く見えない。










峠の道は三頭神社まで、ミニ西国三十三観音霊場の石仏が丁石を兼ねて街道沿いに

置かれ、その当時から道行く人々を見守っている。













谷あいの道が少し左に振り、杉林の中の道になると峠まであと少し。『KAZASHIさん、

お腹空かん?』とあっちゃんが聞いてきた。と言う事は自身がお腹が空いてきたと言う事。














途中で度々の撮影会でゆっくりしたが1時間40分ほどで三頭峠に着いた。

額束の北側には三頭山大権現と南側は金毘羅大権現と異なる名前が書かれた

珍しい鳥居。そして猿田彦と天細女命の二体の石像。いつ見ても柔和なお顔の

細女命さんと対照的な、無骨なお顔の猿田彦さん。ここを訪れた人が細女命さんの

身体を触る(そのせいで白くなっている?)のを目の前で見せられて、猿田彦さんが

怒っているようにも見える。














そんな風に思いながら二人の間に立ってお顔を眺めた後、ザックを降ろしていると、

あっちゃんはもう既におにぎりを頬張っていた。








私もいちおう行動食を口にしたあと、三頭山へと南に峠道を歩いて行く。

杉林を抜けると車道に出た、ここからは舗装路を歩いて行く。











三頭山の手前まで来ると先週の天気予報がウソように青空が広がっていた。

車道の横で東に開けた場所からは竜王山の電波塔が見える。







東屋を過ぎ道の右手から三頭山のハンググライダー場へと登って行くと、更に眺望が

開けてきた。吉野川側からは雲がかけ登ってきている。














三角点の手前には新しく可愛らしい山名札が掛かっていた。








四等三角点なのに三等(三頭)とはこれ如何にの、四等三角点 三頭 734.03m

にはキティーちゃんの赤いプレート。







三頭山は「剣霊」「山王」「青龍」の三神を祀るため、その名がついたという

古い伝承が残っているが、山名札の後ろのこの石碑はまだ新しい。








それじゃ東屋まで戻ってお昼ご飯にしましょう。丁度峰と峰が重なった辺りが

三頭峠だろうか。まだまだ雲が登ってきている。もっと標高が高ければ雲海を

見下ろす形で見られたのにな~。








東屋で今日もカップラーメン。久しぶりに食べる出前一丁は、ゴマ油がよく効いていて

とても美味しく感じた。お腹を満たしたら気になるのはWBCの様子。スマホで見ると

丁度9回の表で1点差で勝ったとの結果。思わず三人で『やった~~!!』と声を上げる。











優勝の感激からしばらくすると奥様たちは、村上選手最後になって活躍出来て

良かったねとか、大谷選手はどんな人と結婚するのだろう?と話しを始めた。

気温も上がって来たし、空も申し分のない青空、今から下ってもあのユキワリイチゲは

花を開いてくれているだろうから、そろそろ腰を上げましょう。東屋を出て、

途中にあった展望所からは南の景色が開けていたが、雲海の上に稜線が見えるだけ。

雪を残す山は石堂山や矢筈山辺りだろうか?








展望所から車道に降り、舗装路から峠道へと歩いて行く。三頭峠で細女命さんの

おっぱいにタッチ。猿田彦さんに怒られそうだが随分とにやけた顔だ。











ではではお目当てのイチゲさんに会いに行きましょう。下って行く途中の谷あいにも

眩しい日差しが届いていて期待できそうだ。







峠の直下から沢筋になると期待通りあちらこちらで花を咲かせていた。

アカリプタさんによると、ユキワリイチゲはルリイチゲとも呼ばれるそうだ。

その名の通り瑠璃色の花が日差しに向かって開いている。

その瑠璃色も薄く白っぽいのもあれば濃い色もと様々。
















雪割一華と書いて一茎から一輪だけ花を咲かせるその細い茎からは、不釣り合いな

大きな花弁が風に揺れている姿は健気でとても可愛らしい。













途中までは一緒だった奥様たちは、私以上に度々立ち止まって写真を撮るので

次第に間隔が開いてきた。奥様たち、今日は団子よりお花の様だ。











独りで歩いていても谷あいの道は、水の流れる音や鳥のさえずりで割とにぎやかだ。

途中で何人かの人とすれ違う。やはりこの晴れ間を狙って大きなカメラを抱えている。

すると最後に出会った男性に声を掛けられた。以前に二度ほどご一緒したことのある

水沼さんだった。水沼さんはまんのう町の地域おこし協力隊で活動していた時に知り合った。

今は大川山の麓に住まわれ、登山ガイドとしても活動されている。

奥様たちが後ろから来る間に、二人で里山について色々と話し合った。概ね県内の里山の

現状についての意見は一致して、お互いに『そうでしょう~』『そうですよね~』と

言っていたら奥様たちが降りて来た。

その後もしばらくお話をして別れたのだが、四人の居るところの写真を撮り忘れた。













大師堂まで戻って三体の石仏にお参りする。一番大きな石仏は光背に何体もの化仏が

彫られていて珍しい石仏。その横には西国三十三番の一番札所の石仏、そして右端が

関東二十四輩の二十四番の石仏が並んでいる。








久保谷橋をわたり国道を駐車場まで戻って行く。早春の谷あいでは春を告げる花々が

目を楽しませてくれた。明日からはまた雨模様。つかの間の晴天を小さな草花を

愛でながら過ごす事が出来た。今日の晴天で山肌にも淡い色が付き始めたが、

またしばらくは天気と共に停滞しそうだ。ただこの雨が上がれば一気に春色が広がるだろう。

春の山の景色と共に我々の気持ちもまた春色に染まっていく。