四国の山の紅葉は石鎚山から始まり次第に低い山へと移っていきますが、
今年はやはりどこの山も少し色づきが遅いようです。ベストのタイミングを予想するのが
なかなか難しく、行き先を選ぶのに頭を悩ませます。それならいっそうの事、あまりこの時期に
歩いている様子のない『矢筈山』はどうかな?と思い計画しました。
天気予報は晴れマーク!これなら『落合峠』と山頂からの眺望は期待できるはずです。
丸亀組と三豊組が道の駅たからだの里で合流。猪鼻峠を越えて三加茂から県道44号線を南下します。
桟敷峠を越え一旦『深淵』へと下って行くと『松尾川ダム湖』へ流れる沢沿いの道。
この辺りから黄色やオレンジ色の木々の葉が目につき始めます。ダム湖に沿って走り橋を渡って『深淵川』の左岸の道になると
道の両側は秋色一色!朝日に照らされ輝く木々の葉のグラデーションは
それはそれは見事な色づきです。途中の最終集落の辺りでは白く霜も降りています。
深淵川沿いの道は『烏帽子山』登山口から落合峠への九十九折れの道になり高度を上げていきます。
道の両脇には落ち葉が積もり、紅葉もこの辺りがピークのようで車を停めて写真に収めます。
登山のコースでは全く期待していなかった紅葉ですが、道中でこれだけの彩を見られるなんて
思いもよらないプレゼントでした。
さらに落合峠に着き車を降りると期待を裏切らずに大展望が目の前に広がっていました。
2号車に乗っていたあっちゃんとルリちゃんも思わず歓声をあげています。
『天狗塚と牛ノ背』から続く稜線に『西熊山』そして『三嶺』が
雲一つない青空の下で大きく横たわっています。
先に走っていた1号車がなぜか後から到着して、やっさん・コアラさん・山さん・杉さん・ひなちゃんの残りのメンバーも揃い、
9時25分、山頂目指して落合峠をスタートします。
8月に一人で歩いた時は朝露と笹に埋もれた登山道は歩きづらく、腰まである濡れ笹にカッパの下を着て歩いたのですが
今日はきれいに笹も刈りはらわれ、晴天が続いたお陰で笹も濡れていなくて、とても歩きやすい道になっています。
先頭を行くコアラさんとあっちゃんが快調に飛ばしていきます。
笹道の急登を登り尾根に取り付くと、笹原の奥に『烏帽子山』。ここからはしばらく笹原の快適な道です。
1610mの三角点を過ぎると、道はモミの木の自然林の中の道になります。
先ほどまでの青空の下の笹原から、木々の間から差し込む木漏れ日の中の道です。
『サガリ禿分岐』手前の急登が始まる前に一息入れます。
コアラさんが美味しいあんパンを皆さんに配ってくれています。一服した後ロープの掛った急登へと取り付きます。
サガリ禿分岐からは笹とテンニンソウが群生するトラバース道が始まります。笹の根っこが露出した
このコースの中で一番歩きにくい道です。皆さん時々足を滑らせています。
日の当たらない斜面には丸くカタツムリの様になった霜柱?が白い綿毛のように点在しています。
トラバース道を過ぎると、山頂から続く明るい尾根道に出ます。
尾根からは落合峠からは見えなかった、さらに南東の『剣山や次郎笈』の峰々が見渡せます。
ここからは山頂まではもう少し。苔庭やミルフィーユ岩を見ながら登って行きます。
『矢筈岩』を過ぎると山頂はすぐそこ。高所大好きのあっちゃんに『帰りに登りましょう!』と説得して
落合峠からほぼコースタイムの1時間50分で矢筈山に到着しました。
予想通り山頂では大展望!が待っていました。
西は石鎚山から石鎚山系そして法皇山系。南は四国のゴールデンルートの剣山から天狗塚への稜線。
北を見ると阿讃山脈の向こうに讃岐平野と『飯野山』その向こうに瀬戸内海に対岸の岡山の海岸線。
直ぐ近くに『石堂山』の四国のオベリスク『御塔石』
『黒笠山』の向こうには、前回歩いた『赤帽子山』も見えます。
さらに東は徳島の向こうに和歌山?
大展望を前にスタート時点から『お腹が減った!』と言っていた、山さんお待ちかねのお昼御飯です。
山頂から南東。祖谷へと続く稜線の山肌はまさに錦秋!
サガリ禿の東斜面も紅葉真っ盛り!
下山を前に山頂から少し下がった所で、西側の眺望ももう一度確認します。
車を停めた落合峠も見下ろせます。
下山を開始して直ぐにお約束の矢筈岩に登ってみます。もちろん、あっちゃんも!
山頂からは逆光なので、反対側からも写してもらいます。
珍しく高所恐怖症の山さんが岩に取り付こうとしています。
ここなら自分でも登れると言いながら、何故か途中までで上まで上がろうとしない山さん!
帰りはほぼ下り坂なので、あっちゃんとルリちゃんの三人で先にどんどん下って行きます。
黙々と歩く私の後ろで、二人は賑やかにおしゃべりしながら歩いてきます。
モミの木林でもおしゃべりは続きます。
耳を傾けてみるとどうやら話の内容は年金や保険の話・・・・・・です!(笑)
途中の三角点まで来ると峠まではまた笹原歩きが始まります。
ススキの穂が陽に当たって輝く中を二人はスピードも落ちずに歩いて行きます。
落禿の山肌も少しピークは過ぎていますが見事な錦秋です。
途中で休憩することもなく一気に峠に到着しました。
登山靴を脱ぎベンチに腰掛けながら後続を待つ間、コーヒータイムのお湯を沸かします。
しばらくすると笹の斜面を下りて来るメンバーが見えました。
全員が揃ったところで皆さん持ち寄ったおやつを取り出しもぐもぐタイムです。
乾いた空気と少し肌寒い気温に、温かい珈琲がとても美味しく感じます。
陽が少し落ち始めたサガリ禿への尾根の山肌の朝とは違う彩を、やっさんが綺麗に切り取っています。
落合峠からの眺望と山頂からの眺望は晴れの天気予報からある程度は予測できたものの、
今日の雲一つない空は、四国中の山々が見渡せたのではないかと思うほどの予想以上の眺望に、
期待はしていなかった山肌の錦秋に深淵川沿いの素晴らしい彩と、大・大満足の矢筈山でした。
(今回も写真が趣味のやっさんが綺麗に写した写真をたくさん使わせてもらっています)
■■ 今日のルートの3Dトラックです。 ■■
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