今日のWOC登山部は今シーズンの里山歩きはそろそろ終了という事で、
最後の里山歩きとして先週歩いた虎丸山の南にある
鬼ノ角~虎丸山~三里山を周回してきた。
以前に独りで歩いていた頃に、鬼ノ角、三里山にそれぞれ登ったことはあるのだが、
ぐるっと周回するのは初めての事。どちらも登山道もなく、適当に取りついて
沢を登ったり、シダの海をよじ登ったりと悪戦苦闘した山域だが、
ここ最近はYAMAPで見ると、かなりの人が登っていて、何だかメジャーになりつつある。
WOC登山部としては今年に入って里山歩きを続けてきていたが、登山道ではない
今回の様なコースは初めてなので、今シーズンの里山歩きの総決算として
今日の鬼ノ角~三里山の周回はそれにふさわしいコース。
思い起こせばYAMAPなどがない頃の里山歩きはけっこう取りつきが判らず、
適当に登って行くと藪漕ぎだったり、羊歯の海だったりと悪戦苦闘した後に
山頂に着くと、しっかりした道があったりする事がよくあり、
がっかりしたり逆にそれがいい思い出になったりした。
今回は独り歩きの時とは違ってメンバーと歩くので、
ルートを間違えのないように、直近で歩いたエントツ山さんに
ターニングポイントを前日に電話で確認して準備万端で臨んでみた。
今日は集合時間をいつもより遅めにしたので、町内の雲附山の近くまで
車を走らせ寄り道して見ると、山肌が山桜ですっかり彩られていた。
集合場所の白鳥町福栄小学校(廃校)の向かいの広場に30分前に着くと、
すでにみやさんとキョウちゃんが到着していた。
そして次々とメンバーが到着した後、予定より少し早く広場をスタートする。
この広場は旧福栄小学校の跡地で、入り口には第7代国鉄総裁の藤井松太郎さんが
東かがわ市福栄出身だったことから、1975年(昭和50年)にC11型機関車が展示されている。
広場を出て国道377号線を西に歩いて行くと、
北に今日歩く予定の三山と北山が仲良く並んで見える。
馬蹄石と書かれた案内板に沿って山際へと進んで行き、
洋風のおしゃれな民家の横から右に林道「たらいヶ谷線」へと歩いて行く。
しばらく歩くとアスファルトが途切れ、左側が崖になった場所からエントツ山さんに
教えてもらった取り付きとなるのだが、先週まではなかったロープが張られ
『私有地につき立ち入り禁止』の警告が書かれた板がぶら下がっていた。
ここのところYAMAPでも沢山の人が歩いている様子がアップされていたので、
ここから入山する人が増え、所有者の方が見かねて警告をしているのだろう。
馬蹄石の案内板のある場所の少し上の沢が今回の取りつき。沢を挟むと尾根も変わってしまうので、
取りあえず沢の手前のシダの生い茂る藪の中に突入してみた。
当然登山道でもなく、オニシダに埋もれて足元は全く見えない。
シダの葉を掻き分け、枯れた枝を折り前へ前へ、上へ上へと登って行く。
後ろから来るみやさんはこれだけの藪漕ぎは初体験。他のメンバーでもやはり
相当苦戦している。すると段差になった場所でみやさんが上がれず難儀をしていた。
左側に掴める木があるが、ストックで手が塞がっている。
見かねて『みやさん、ストックを!』と手渡ししてもらおうと手を差し出し
ストックを握った瞬間に、みやさんが登って来た。危うくそのまま引っ張られて
こちらが下に落ちそうになったが、何とかこらえて事なきを得た。
引っ張り上げたみやさんが『いや~助かりました!』と。
本当はストックだけを持ってあげようと思っただけなのに・・・・(笑)
足元が酷くオニシダや木の根に引っ掛かったり、段差で滑ったりしながら
少し右に振ってとにかくシダの海を脱出。一息入れて束の間まだまだ上には
相当なシダが見えている。平泳ぎのように手で両脇を掻き分けひたすら登ると
その内に前方上に尾根が見えてきた。何とか尾根まで這い上がり、
ナイフリッジのような礫岩を渡って岩肌を登って行くが、
またシダが現れた。後ろであっちゃんが、『こんな道がずっと続くといいのに!』と
言っている。とんでもない、勘弁してください奥様!
何とか尾根の羊歯と灌木をやり過ごすと、やっと尾根らしい道に出た。
取り付きからここまで1時間近くもかかってしまった。後ろからメンバーが次々と尾根に出る。
ニコニコ顔のあっちゃんを他所に、他のメンバーは相当疲れた様子だ。
花崗岩が風化した里山らしい尾根道がここからは続いていく。
視界も開けて周りの景色も見えてきた。深い海の底から明るい海面に飛びだした気分だ。
背の低い松の間を抜けるように尾根道は続いていく。岩肌は問題ないが乾いた土はザレていて滑る。
振り返ると福栄地区の土地改良事業でキレイな形になった麦畑が見下ろせる。
羊歯の海に比べたら歩きやすいとはいえ、なかなか急登のヶ所もある。
遮るもののない尾根道に、ジリジリと日差しが照り付けてきた。
その内に目の前に鬼ノ角の一つ目のピークが現れた。
コアラさんは登りには強い人なのだが、足元が悪いと
極端にスピードが落ちる。『腰が痛い!』と言い訳しながら登ってきている。
手前のピークを登りきりさらに進むと鬼ノ角のピークに着いた。
先に到着していたあっちゃんが、案の定岩の上に登っている。
続いてここには三角点がないので、セニョさんがいつものバンザイを岩の上で。
鬼ノ角からはこれから登ろうとする虎丸山の南尾根の岩肌が見え、右手には三里山、
そしてその奥には白鳥町の街並みが見える。更に先ほどから見下ろしていた福栄地区が
随分と下に見える。西側には星越山の頭の向こうに女体山だろうか?
その西側にも山並みが続いていて、文句なしの大展望だ!
ここで暫しの休憩をとる。珍しくコアラさんも岩の上に登って
ご自慢の360度カメラで写真を撮っているが、やっぱりウルトラマンセブンの変身ポーズに見える。
先ほどのシダ藪で、コロンコロンと音がしたというので、セニョさんが
ザックに付けたマグカップを落としたかと思ったが、セニョさんではなくみやさんが
カップを落としてしまった。更にはストックの片方も行方不明になったという。
ふと見ると、みやさんのではないストックが一本。メンバーのではないので
誰かほかの人が忘れて行ったようだ。
鬼ノ角からは西側に一旦下って行く。尾根道からは大内ダムが見え、少しだけシダの中の道となり、
次のピークとの鞍部にはエントツ山さんに聞いていた平たい大岩があり、
ここから右に折れて進んで行く。道には赤テープもあり、踏み跡もしっかりしている。
灌木の中をトラバース気味に進んで行くと、白いポールの立つ場所に出た。
左に進むと虎丸山からの修験造の道の取りつきとなる砂防ダムにでるので、
南尾根へはそのまま真直ぐ進むとエントツ山さんに助言をもらっていたので直進をする。
ここからは踏み跡は薄く、エントツ山さんが付けてくれたテープや、以前から付いていたような
色褪せたテープを目印に登って行く。
道が少し右にトラバース気味になると枯沢に出た。ここからも赤テープを目印に
直登で登って行くが、ここもかなりの急斜面。ストックは既に用をなさず、
木の枝を頼りにエッコラ・エッコラ登って行く。
コアラさんはずっと四つん這い状態で登ってくる。
また『腰が痛~い』と弱音を吐いている。(笑)
激急登が終わると少し先に空がのぞく尾根らしい場所が見えた。
その尾根に向かって登って行くと、やっと急登が終わる。
尾根に出てからは先ほど登った鬼ノ角が見え、鬼ノ角と同じような
花崗岩が風化した道と露岩の道が続いていく。
さらに進むといよいよ岩肌の道となる。右手には大きな岩壁が見えている。
その内にこの南尾根ルートの大きなキノコ岩のある展望所に着いた。
以前に今日取り付いた沢筋から遡上しさらには藪の中を延々とここまで登って来た場所だった。
ここが三里山だと思っていたのが間違いだと気づく。
ここまで来ると虎丸山はもうすぐそこまで来ている。
相変わらずコアラさんは四つん這いで登ってきている。
もちろん眺望は申し分ない場所だ。
取り付きから羊歯の海で予想以上に時間がかかってしまい、
お腹がペコペコなので先を急いで山頂を目指す。
展望所からは10分ほどで山頂に着いた。2週連続で同じ山に登るのは珍しいけれど
今日は苦労した末に大展望を楽しんだ後の登頂は格別な思いがする。
そんな人の思いとは関係なく山頂からの景色はいつ来ても変わらない。
ただ広場のアセビだけは先週より大きく花を咲かせていた。
昼食を摂りながらゆっくりと時間を過ごした後、さぁ最後の三里山へ!。
先ずは別所・新宮池ルートへと先週と違う登山道を下って行く。
急坂をしばらく下ると『タバコポイ捨て注意』の看板から右に折れると、廃道になった福栄道となる。
廃道といっても道は明瞭。急な場所にはロープが張られている。
最後のロープは真新しいクライミングロープが張られていた。
これが344男爵が最近付けたロープの様だ。
かなりの長さのロープに、高かっただろうな~といらぬ心配をする。
そのロープのある急坂が終わり少し歩くと、尾根から右に朽ちかけたロープが見えた。
恐らくここからが崩落して廃道となったという福栄道なのだろう。
前回はここを下って途中で道が判らなくなり、また沢筋へと降りてしまった記憶がある。
尾根から外れないように灌木の中を進んで行くのだが、振り返ると尾根の下の方を
歩いているコアラさんが見えた。『お~い!こっちこっち!』と声を掛ける。
一旦岩を登り岩稜となった尾根を時折ネズキサシに阻まれながら進んで行くと、
前の方で歓声が上がっている。灌木を抜けると前方でまた岩に登っているあっちゃんの姿が見えた。
『しまった!首輪とリードをつけるのを忘れていた!』
三里山は岩稜の突端になる。もちろん遮るもののない大展望が広がっている。
突端ではあっちゃんニコニコ顔で寛いでいた。
腰の引けているルリちゃん。キョウちゃんも少し引き気味!
独りだけ上機嫌のあっちゃんとここでも万歳をするセニョさん。
狭い岩の突端でごった返しているメンバーを他所に、
あっちゃんは更に岩の下へ探検に出かけて行った。
しばらくするとまたニコニコしながら『石祠があったわよ!』戻って来た。
今日最後の展望を楽しんだ後、虎丸山に別れを告げ、岩稜の右に回り込んで下って行く。
ここからも花崗岩が風化した尾根が続いている。小さな石粒の山肌は時々腰を降ろして
下らないと、立ったままでは滑り落ちそうな場所もある。
みやさんは初めての藪漕ぎもきクリアし、ザレ道も随分上手に下っている。
後ろでは賑やかに三人が下っている。『お~い!無駄愚痴叩かず早く降りて来~い!』
ザレ場が終わるころ、振り返ると三里山の独特な岩肌が見え、次第に里も近づいて来た。
三里山の先端の尖った大岩が鬼ノ角のように見える。
どちらかと言えば三里山の方が鬼ノ角の山名に相応しい!
最後は樹林帯の中の急坂になる。右手左手で木々に掴まりながら下って行くと
最初に取り付いた林道に飛び出した。取り付きには二枚赤テープが木に巻かれていた。
お疲れ様、今回のミッションはこれで終了!
林道を雑談をしながら下って行くと、最初に取り付いた尾根が見えた。なかなかの急斜面だ。
取り付き場所から少し下り、馬蹄石の案内版の辺りの反対側に、木に巻いた色褪せた赤テープがあった。
恐らくここが以前からの尾根に取り付く場所だったのだろう。
今朝の取りつき
よく見ると色褪せたテープのある別の取り付き
山を下りた後は機関車広場でいつも様に、コーヒーを沸かし、
今日の出来事を振り返りながら、いつになくまったりとした時間を過ごす。
取り付きからのシダ漕ぎと這い上がり。花崗土の風化した道と大展望。
そして木々に掴まりながらの急登に急坂の下りと、今日のコースは
香川の里山のバリエーションの全てを網羅した、今シーズンの里山歩きの
卒業試験としては最適のコースだった。取りあえず今日のメンバーは
卒業試験合格ということで終了となった。あ~楽しかった!
今日のトラック
今日の3Dトラック
最後の里山歩きとして先週歩いた虎丸山の南にある
鬼ノ角~虎丸山~三里山を周回してきた。
以前に独りで歩いていた頃に、鬼ノ角、三里山にそれぞれ登ったことはあるのだが、
ぐるっと周回するのは初めての事。どちらも登山道もなく、適当に取りついて
沢を登ったり、シダの海をよじ登ったりと悪戦苦闘した山域だが、
ここ最近はYAMAPで見ると、かなりの人が登っていて、何だかメジャーになりつつある。
WOC登山部としては今年に入って里山歩きを続けてきていたが、登山道ではない
今回の様なコースは初めてなので、今シーズンの里山歩きの総決算として
今日の鬼ノ角~三里山の周回はそれにふさわしいコース。
思い起こせばYAMAPなどがない頃の里山歩きはけっこう取りつきが判らず、
適当に登って行くと藪漕ぎだったり、羊歯の海だったりと悪戦苦闘した後に
山頂に着くと、しっかりした道があったりする事がよくあり、
がっかりしたり逆にそれがいい思い出になったりした。
今回は独り歩きの時とは違ってメンバーと歩くので、
ルートを間違えのないように、直近で歩いたエントツ山さんに
ターニングポイントを前日に電話で確認して準備万端で臨んでみた。
今日は集合時間をいつもより遅めにしたので、町内の雲附山の近くまで
車を走らせ寄り道して見ると、山肌が山桜ですっかり彩られていた。
集合場所の白鳥町福栄小学校(廃校)の向かいの広場に30分前に着くと、
すでにみやさんとキョウちゃんが到着していた。
そして次々とメンバーが到着した後、予定より少し早く広場をスタートする。
この広場は旧福栄小学校の跡地で、入り口には第7代国鉄総裁の藤井松太郎さんが
東かがわ市福栄出身だったことから、1975年(昭和50年)にC11型機関車が展示されている。
広場を出て国道377号線を西に歩いて行くと、
北に今日歩く予定の三山と北山が仲良く並んで見える。
馬蹄石と書かれた案内板に沿って山際へと進んで行き、
洋風のおしゃれな民家の横から右に林道「たらいヶ谷線」へと歩いて行く。
しばらく歩くとアスファルトが途切れ、左側が崖になった場所からエントツ山さんに
教えてもらった取り付きとなるのだが、先週まではなかったロープが張られ
『私有地につき立ち入り禁止』の警告が書かれた板がぶら下がっていた。
ここのところYAMAPでも沢山の人が歩いている様子がアップされていたので、
ここから入山する人が増え、所有者の方が見かねて警告をしているのだろう。
馬蹄石の案内板のある場所の少し上の沢が今回の取りつき。沢を挟むと尾根も変わってしまうので、
取りあえず沢の手前のシダの生い茂る藪の中に突入してみた。
当然登山道でもなく、オニシダに埋もれて足元は全く見えない。
シダの葉を掻き分け、枯れた枝を折り前へ前へ、上へ上へと登って行く。
後ろから来るみやさんはこれだけの藪漕ぎは初体験。他のメンバーでもやはり
相当苦戦している。すると段差になった場所でみやさんが上がれず難儀をしていた。
左側に掴める木があるが、ストックで手が塞がっている。
見かねて『みやさん、ストックを!』と手渡ししてもらおうと手を差し出し
ストックを握った瞬間に、みやさんが登って来た。危うくそのまま引っ張られて
こちらが下に落ちそうになったが、何とかこらえて事なきを得た。
引っ張り上げたみやさんが『いや~助かりました!』と。
本当はストックだけを持ってあげようと思っただけなのに・・・・(笑)
足元が酷くオニシダや木の根に引っ掛かったり、段差で滑ったりしながら
少し右に振ってとにかくシダの海を脱出。一息入れて束の間まだまだ上には
相当なシダが見えている。平泳ぎのように手で両脇を掻き分けひたすら登ると
その内に前方上に尾根が見えてきた。何とか尾根まで這い上がり、
ナイフリッジのような礫岩を渡って岩肌を登って行くが、
またシダが現れた。後ろであっちゃんが、『こんな道がずっと続くといいのに!』と
言っている。とんでもない、勘弁してください奥様!
何とか尾根の羊歯と灌木をやり過ごすと、やっと尾根らしい道に出た。
取り付きからここまで1時間近くもかかってしまった。後ろからメンバーが次々と尾根に出る。
ニコニコ顔のあっちゃんを他所に、他のメンバーは相当疲れた様子だ。
花崗岩が風化した里山らしい尾根道がここからは続いていく。
視界も開けて周りの景色も見えてきた。深い海の底から明るい海面に飛びだした気分だ。
背の低い松の間を抜けるように尾根道は続いていく。岩肌は問題ないが乾いた土はザレていて滑る。
振り返ると福栄地区の土地改良事業でキレイな形になった麦畑が見下ろせる。
羊歯の海に比べたら歩きやすいとはいえ、なかなか急登のヶ所もある。
遮るもののない尾根道に、ジリジリと日差しが照り付けてきた。
その内に目の前に鬼ノ角の一つ目のピークが現れた。
コアラさんは登りには強い人なのだが、足元が悪いと
極端にスピードが落ちる。『腰が痛い!』と言い訳しながら登ってきている。
手前のピークを登りきりさらに進むと鬼ノ角のピークに着いた。
先に到着していたあっちゃんが、案の定岩の上に登っている。
続いてここには三角点がないので、セニョさんがいつものバンザイを岩の上で。
鬼ノ角からはこれから登ろうとする虎丸山の南尾根の岩肌が見え、右手には三里山、
そしてその奥には白鳥町の街並みが見える。更に先ほどから見下ろしていた福栄地区が
随分と下に見える。西側には星越山の頭の向こうに女体山だろうか?
その西側にも山並みが続いていて、文句なしの大展望だ!
ここで暫しの休憩をとる。珍しくコアラさんも岩の上に登って
ご自慢の360度カメラで写真を撮っているが、やっぱりウルトラマンセブンの変身ポーズに見える。
先ほどのシダ藪で、コロンコロンと音がしたというので、セニョさんが
ザックに付けたマグカップを落としたかと思ったが、セニョさんではなくみやさんが
カップを落としてしまった。更にはストックの片方も行方不明になったという。
ふと見ると、みやさんのではないストックが一本。メンバーのではないので
誰かほかの人が忘れて行ったようだ。
鬼ノ角からは西側に一旦下って行く。尾根道からは大内ダムが見え、少しだけシダの中の道となり、
次のピークとの鞍部にはエントツ山さんに聞いていた平たい大岩があり、
ここから右に折れて進んで行く。道には赤テープもあり、踏み跡もしっかりしている。
灌木の中をトラバース気味に進んで行くと、白いポールの立つ場所に出た。
左に進むと虎丸山からの修験造の道の取りつきとなる砂防ダムにでるので、
南尾根へはそのまま真直ぐ進むとエントツ山さんに助言をもらっていたので直進をする。
ここからは踏み跡は薄く、エントツ山さんが付けてくれたテープや、以前から付いていたような
色褪せたテープを目印に登って行く。
道が少し右にトラバース気味になると枯沢に出た。ここからも赤テープを目印に
直登で登って行くが、ここもかなりの急斜面。ストックは既に用をなさず、
木の枝を頼りにエッコラ・エッコラ登って行く。
コアラさんはずっと四つん這い状態で登ってくる。
また『腰が痛~い』と弱音を吐いている。(笑)
激急登が終わると少し先に空がのぞく尾根らしい場所が見えた。
その尾根に向かって登って行くと、やっと急登が終わる。
尾根に出てからは先ほど登った鬼ノ角が見え、鬼ノ角と同じような
花崗岩が風化した道と露岩の道が続いていく。
さらに進むといよいよ岩肌の道となる。右手には大きな岩壁が見えている。
その内にこの南尾根ルートの大きなキノコ岩のある展望所に着いた。
以前に今日取り付いた沢筋から遡上しさらには藪の中を延々とここまで登って来た場所だった。
ここが三里山だと思っていたのが間違いだと気づく。
ここまで来ると虎丸山はもうすぐそこまで来ている。
相変わらずコアラさんは四つん這いで登ってきている。
もちろん眺望は申し分ない場所だ。
取り付きから羊歯の海で予想以上に時間がかかってしまい、
お腹がペコペコなので先を急いで山頂を目指す。
展望所からは10分ほどで山頂に着いた。2週連続で同じ山に登るのは珍しいけれど
今日は苦労した末に大展望を楽しんだ後の登頂は格別な思いがする。
そんな人の思いとは関係なく山頂からの景色はいつ来ても変わらない。
ただ広場のアセビだけは先週より大きく花を咲かせていた。
昼食を摂りながらゆっくりと時間を過ごした後、さぁ最後の三里山へ!。
先ずは別所・新宮池ルートへと先週と違う登山道を下って行く。
急坂をしばらく下ると『タバコポイ捨て注意』の看板から右に折れると、廃道になった福栄道となる。
廃道といっても道は明瞭。急な場所にはロープが張られている。
最後のロープは真新しいクライミングロープが張られていた。
これが344男爵が最近付けたロープの様だ。
かなりの長さのロープに、高かっただろうな~といらぬ心配をする。
そのロープのある急坂が終わり少し歩くと、尾根から右に朽ちかけたロープが見えた。
恐らくここからが崩落して廃道となったという福栄道なのだろう。
前回はここを下って途中で道が判らなくなり、また沢筋へと降りてしまった記憶がある。
尾根から外れないように灌木の中を進んで行くのだが、振り返ると尾根の下の方を
歩いているコアラさんが見えた。『お~い!こっちこっち!』と声を掛ける。
一旦岩を登り岩稜となった尾根を時折ネズキサシに阻まれながら進んで行くと、
前の方で歓声が上がっている。灌木を抜けると前方でまた岩に登っているあっちゃんの姿が見えた。
『しまった!首輪とリードをつけるのを忘れていた!』
三里山は岩稜の突端になる。もちろん遮るもののない大展望が広がっている。
突端ではあっちゃんニコニコ顔で寛いでいた。
腰の引けているルリちゃん。キョウちゃんも少し引き気味!
独りだけ上機嫌のあっちゃんとここでも万歳をするセニョさん。
狭い岩の突端でごった返しているメンバーを他所に、
あっちゃんは更に岩の下へ探検に出かけて行った。
しばらくするとまたニコニコしながら『石祠があったわよ!』戻って来た。
今日最後の展望を楽しんだ後、虎丸山に別れを告げ、岩稜の右に回り込んで下って行く。
ここからも花崗岩が風化した尾根が続いている。小さな石粒の山肌は時々腰を降ろして
下らないと、立ったままでは滑り落ちそうな場所もある。
みやさんは初めての藪漕ぎもきクリアし、ザレ道も随分上手に下っている。
後ろでは賑やかに三人が下っている。『お~い!無駄愚痴叩かず早く降りて来~い!』
ザレ場が終わるころ、振り返ると三里山の独特な岩肌が見え、次第に里も近づいて来た。
三里山の先端の尖った大岩が鬼ノ角のように見える。
どちらかと言えば三里山の方が鬼ノ角の山名に相応しい!
最後は樹林帯の中の急坂になる。右手左手で木々に掴まりながら下って行くと
最初に取り付いた林道に飛び出した。取り付きには二枚赤テープが木に巻かれていた。
お疲れ様、今回のミッションはこれで終了!
林道を雑談をしながら下って行くと、最初に取り付いた尾根が見えた。なかなかの急斜面だ。
取り付き場所から少し下り、馬蹄石の案内版の辺りの反対側に、木に巻いた色褪せた赤テープがあった。
恐らくここが以前からの尾根に取り付く場所だったのだろう。
今朝の取りつき
よく見ると色褪せたテープのある別の取り付き
山を下りた後は機関車広場でいつも様に、コーヒーを沸かし、
今日の出来事を振り返りながら、いつになくまったりとした時間を過ごす。
取り付きからのシダ漕ぎと這い上がり。花崗土の風化した道と大展望。
そして木々に掴まりながらの急登に急坂の下りと、今日のコースは
香川の里山のバリエーションの全てを網羅した、今シーズンの里山歩きの
卒業試験としては最適のコースだった。取りあえず今日のメンバーは
卒業試験合格ということで終了となった。あ~楽しかった!
今日のトラック
今日の3Dトラック