昨年の年末に六甲山で転倒して岩に膝をぶつけてしまい、帰宅後どんどん腫れてきた。ただもう病院は年末年始
でお休み。仕方がないので年が明けて直ぐに駆け込んで、腫れた膝から水を抜いてもらった。
1週間後のMRIを検査をすると内側の半月板損傷だと診断された。幸い重度ではないので薬と湿布薬で保存治
療をすることになったが、薬は約1か月分出るのだけれど、なかなか飲み切れずに結局数ヶ月経って数回行くだ
けになってしまった。
その間鋭い痛みはなく、山に登っていても下りが続くと鈍痛が出る程度だったのが、ここ最近じっと椅子に座っ
ていても、痛みほどではないが何かジンジンするので職場の近くで再検査をしてもらうことにした。
というのも通っていた整形外科の先生、私の通院が不真面目だと思っての事か、こちらが質問してもあまり反応
が良くない。
一度『先生、内側が損傷と言う事ですが、どちらかと言えば外側に違和感を感じるんですけど?』と聞くと、
『おかしいな~・・・・』とだけ。
別日に『先生、最近曲げて伸ばすとポキポキ音がするんですけど?』と聞くと、
『そうやろな~』と。
おそらくこちらから色々と聞きなおすと答えてはくれるのだろうけれど、具体的な説明は聞けそうもない。
また休日はほぼ出かけていて家にいることがなく、地元の整形外科よりも、職場に近い整形外科の方が何かと融
通が効くと思って、今回予約を入れて出かけてきた。
問診と触診のあと取りあえずレントゲンを撮ってもらいMRI検査は次回となった。その時に『前の整形外科で
MRIの画像をCDに焼いてもらって持ってきてください、比較をしてみたいので』と言われたので、医院を出
て直ぐに電話を入れてみると、受付の女性が
『何に使われますか?』と聞くので
『別の病院で検査を受けようと思うのですが比較をしたいのでということです。』
『わかりました』と言った後、先生に聞きに行ったのか電話を保留に。戻ってきて
『画像だけでいいんですか?』と言うので『ハイ』と答えるとまた先生の所へ。そしてまた戻って来て
『どこの病院に行かれるんですか?』と聞くので『○○整形外科です』と言うとまた先生の所へ。
今時の事、患者側からで色々と問題となることがあるのだろうが、
結局根掘り葉掘り聞かれたけれども了承してくれて、夕方までに取りに来るようにということになった。
再検査をしてもらった整形外科でもMRI検査でないと詳しくは分からないが、レントゲンの画像では骨として
は非常にいい状態で、膝蓋骨と脛骨の間の隙間も年齢の割にはちゃんと空いていて問題ないと思いますと言われ
たので、まずは少しは気持ちが和らいだ。
そうなると夕方までにあまり時間はないがせっかくの休み、どこか山に出かけたいと考えて、思いついたのが龍
王山だった。なぜならYAMAPでもらえるバッジの県別四国の最高峰の山で、阿波竜王山だけバッジがもらえ
ていない。もちろんいつものスタート地点となる奥の湯キャンプ場からは時間的に無理なので、今回は鷹山公園
に車を停めて、そこから阿波竜王山を目指すことにした。
とその前にまずは腹ごしらえで久し振りにいこい食堂へ行ってみた。
お昼時、店の前には数人並んで待っていたけど回転がいいのか10分ほどで中へ入れた。案内係の男性は段取り
と愛想がよくて、次々待っている人を中に案内して注文を聞いている。
ここの中華そばは県内では唯一ここだけ、親鳥を卵でとじたスープと具。その中華そばを待つ間におでんの焼き
豆腐(出汁が染みていてこれも美味しい~)を食べているとその内にお目当てが運ばれてきた。
無料のにんにくをトッピングしてもらい、噛み応えのある親鳥と少し甘めのスープで美味しくいただいた。但し
私もだが、歯が悪い人には親鳥がけっこう固いので注意が必要。
腹ごしらえをした後は、食堂から内場ダムの横を通って相栗峠まで走り、少し道幅が狭くなった町道竜王線を通
って鷹山公園に着いた。
今日はここから阿波竜王山を往復するのではなく、町道竜王線を利用して周回するつもりだったが、さてさて登
山道と町道のどちらを先に歩こうかと考えた。
たしか讃岐龍王山からはけっこう長い急坂になっていたのを思い出して、帰りに登山道を使うと、その長い急坂
を下ることになるので、急登も苦手だが、膝には登りの方がいいだろうと思い登山道を登りに使うことにした。
案の定スタートからしばらくの間長い急登が続いて行く。
鷹山公園で車を停めた時にメーターには外気温9度と表示されていたので、上着をどうしようかと考えたが、そ
のまま車に置いてきて正解だった。薄手のシャツでも寒くはなく、反対に背中がけっこう汗で濡れてきた。
途中何度か立ち止まって水分を補給する。
すると1005mの標高点辺りまで来ると、登山道の右側が急に開けた。内場川の源流域の谷あいの北と南に伐
採地が広がり以前は鬱蒼として杉やヒノキに囲まれていた登山道が、一気に見晴らしのいい登山道になっていた。
奥の湯キャンプ場をスタートして、竜王山キャンプ場を通るとその上が広大な伐採地になっていたが、その伐採
地越しに高松の市街地が見下ろせる。
いつもは下から見ると結構大きな山塊に見える屋島も、ここから見ると小さなこんもりした盛り上がりにしか見
えない。
目線を少し右に振ると、天満ケ原越しに見えるのは矢筈山だろうか?
暫くの間は伐採地の最上部の作業道と登山道が並行して続いていく。
どうやらこの登山道が香川と徳島の県境になっているようで、伐採地が香川県側となる。
その県境は徳島県側も植林地になっているけれど、杉やヒノキの足元の低木は結構色づいている。
登山道に近い伐採地の最上部で、二人ほど作業をしている人がいたので『こんにちは!』と挨拶をしてをして通
り過ぎる。
伐採地を過ぎ、珍しく四つに幹が分れた赤松を横目に見て、しばらく歩くと讃岐龍王山に着いた。
讃岐龍王山には三角点はないので、山頂標のすぐ横にあった境界石柱でそれらしく写す。
讃岐竜王山からは一旦細い丸太でできた階段を下って行く。これがけっこう長い階段で、前にストックを突きな
がら一段一段ゆっくりと、頭の上の色づきを確かめながら下って行く。
この辺りの登山道の右手は貝ノ股川の源流域になるのだろうか?その源流域の谷あいもきれいに色づいている。
阿波竜王山までは丸太の階段が同じように登りでも続いていく。
途中の笠形山への分岐は昔は峠だったのだろう、縦に割れてひびが入ったお地蔵さんがその面影を残していた。
香川と徳島の県境となるこの道には、以前歩いた時に度々見かけた阿讃縦走コースの札が木の枝に掛かっていた。
次第に道の左側は植林地から自然林になり、紅葉のグラデーションにハッと目を奪われる。
阿波竜王山山頂にある展望台。その下に 四等三角点 阿波竜王 1059.77m。
いつも思うのだが、阿波竜王山の三角点はまんのう町に位置して、香川県の最高峰となっているのに阿波竜王山
とはおかしなもんだ。讃岐龍王山も香川県になるのなら、西竜王山と東竜王山に名前を変えればいいのに・・・。
それにしてもいこい食堂で満腹になったせいか、お腹の浮き輪が大きく膨らみ過ぎている!
展望台からは手前にちょこんと三角形の頭が飛び出た笠形山。その左にひときわ高い大川山。
笠形山の奥には大麻山と善通寺五岳が見える。
そして間違いなく山座同定ができる飯野山の右には、城山が大きく横たわっている。
手前の鉄塔の先端には高松空港。そしてその奥には高松市の市街地が広がり、中央には峰山、そしてその左手に
は五色台と勝賀山が見えている。
展望台の柱の下には誰かが採ってきたのだろう、大きな大きなサルノコシカケが置き忘れられていた。
ここでしばらく休憩したかったが、整形外科に画像を焼いてもらったCDを撮りに行く時間が気になったので、
西に向かって町道へと降りていく。
町道に出る手前で急な下り坂があったが難なく下って、あとは下道歩き。
降り立ったところからしばらくは緩やかな登坂。今は使用禁止となっているトイレのある広場に大きな一本のモ
ミジの木。その横には『生活環境保全整備事業』と書かれた説明版。説明にはかなりの範囲で整備事業が行われ
ているが、書かれている通り『国民生活の安定・向上に資する事を目的とする事業』となっているが、結構な税
金が使われて、果たしてその通りの効果は??
その広場からしばらく歩くと道の脇に龍王神社の道標があった。その道標に従って左上に登って行くと、小さな
小屋のような水婆女(みつはめ)神社が建っていた。水婆女は最初みつはめとは読めずに、ミズババと読むのか
と思っていたら、由緒正しき水の神様の様で、干ばつの際は地域の人で雨乞いが行われていたようだ。
その水婆女神社の奥にはアメダスと二つの大きな電波塔が並んでいた。その周りの自然林の色づきが何とも言え
ず柔らかくてしばらく見とれてしまった。
水婆女神社から町道に戻って鷹山公園に向かって歩いて行くと、ここからは紅葉のオンパレード!
整形外科を出た後、もう少し近場の里山でも歩こうかと思ったが、結局この竜王山に変えて来てみて正解だった。
赤からオレンジ、そして黄色へのグラデーションの木。また赤一色に染まる木。緑の葉が混ざっているのもなか
なかいい感じだ。
そして途中にあった徳島県立竜王山青少年野外活動センター。こちらもご多分に漏れず今は廃墟となっていた。
全国に同じようなキャンプができる野外活動センターがあるようだが、この施設に限らず近場でいうと、奥の湯
・竜王山キャンプ場も今はほぼ利用されていない。以前は山中にあったキャンプ場も賑わっていたが、今は平野
部やアクセスのいい場所が選ばれて、少しでも不便な場所はどこも利用されなくなった。そして便利な場所にあ
るキャンプ場は最近はデイキャンプでBBQ場と化している。
野外活動センターからも下道歩きは続いていく。ただ道の脇の次から次と現れる紅葉のお陰で、単調な下道歩き
も飽きることなく鷹山公園まで戻って来られた。
鷹山公園からの帰り道、こちらも随分前に閉館になってしまった奥の湯温泉(けっこうお湯が良かった記憶があ
る)の横を通り、また内場ダムの横を通って帰路についた。
来週のMRI検査で膝がジクジクする原因が分れば、そして多少歩いても差しさわりがないと分かれば、また気
分的に違ってはくるので、その結果待ちでまた山歩きが楽しめるようになればいいと思っている。
整形外科に行く前に立ち寄ったコスモス畑が見ごろを迎えていた。
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