この11月は、仙台でも記録的に雨が少なかったとのことで、広瀬川の河床が白く現れている。まるで、北上川のイギリス海岸と同じような光景が広がっている。
さもありなん。「広瀬川ホームページ」さんのサイトなどを閲覧すると、約600万年前頃から、奥羽山脈の火山列の東側に海が入り込んでいて、北は花巻市付近まで海が内湾状に広がっていたとのことである。
その後次第に海が引いていき、陸地となって、いま広瀬川の御霊屋橋付近に化石化しているようなメタセコイヤなどの植物が繁茂し、シカやゾウの祖先が闊歩していただろうに、それが、約400年前の大火砕流によって埋もれてしまい、この辺の生き物は永い眠りについたということだ。
北上川のイギリス海岸も、いま目の前に現れている広瀬川の白い河床も、その大火砕流が積もりに積もって押し固められ、長い年月により地層となったいた凝灰質のもろい岩なのだろうが、その後の、地殻変動や風化によってできた傾斜や割れ目にそって、水が流れ、やがて川となって、いまの北上川や広瀬川が生まれ、その水によって削り取られた数百年万年前の地層が、「たまたま」現代に生きているオイラたちの目撃するところとなっているのだろう。広瀬川では、海だったころの貝殻なや海獣の骨ども見つかっている。北上、広瀬とも白く現れている海岸は「たまたま」現れてにすぎず、深い地層にはアザラシやゾウ、シカやネズミの仲間たちが数百万年、夢を見続けているのだろう。
その広瀬川のイギリス海岸に足を踏み入れて、「ゾウの足跡がないか」と歩き回るがなにもない。ただよくよく目を凝らすと、微かにあの石垣島のサンゴ礁の海岸で見た時のようなサンゴや貝やなどの石灰質のようなものが認められるが、残念だがそのようなことを断定できる知識や調査方法を知らない。この辺りは、ぜひ専門家などのガイドにより歩きたいと思っている。
何かしらの生き物の痕跡のようだが・・・
仙台とイーハトーブ花巻は、古代の地層において「つながっている」ことに気持ちを強くした。この、コロナ禍でイーハトーブに出かけられなくても、仙台でも「石っこ賢さん」が何を思い、どんな行動をしていたのかフォローすることも少しはできそうである。この冬、少し博物館周りもしてみようか。
長町の広瀬橋には、数えてみたら16羽のオオハクチョウがやってきていた。昨年の家族なのだろうが、今年も誰となくやってきて何かを与えている。もしかしたら「健康に悪そうな化合物入りのパンや菓子類」を与えられても、生きながらえる知恵を野生は持っているのかもしれない。そうでないと、何千キロの旅はできないだろうに。