弱い者なら誰だって、こころのポケットにお日様とお月様を映しだす鏡のようなものを仕舞っていて、元気を出したいときにはお日様を、疲れを労わってもらいたいときにはお月様を、その鏡を取り出して照らしだしたくもなる。
この12月2日に発売されたされた中島みゆきさんのセレクトアルバム「ここにいるよ」は、みゆきさんのデビューからこれまでの間に発表された歌の中から、DISC1「エール盤」に13曲の応援歌、DISC2「寄り添い盤」に13曲の慰労の歌をとじこめている。2月27日のコンサート中止以来、沈黙していたみゆきさんが、コロナ禍で心身ともに痛み始めている人々への処方箋を世に送り出そうというのが、このアルバムのコンセプトなのだろう。
言ってみれば、「エール盤」がお日様の鏡、「寄り添い盤」がお月様の鏡なのだろうか。
もう、みゆきさんのベストアルバムのようなCDは、たくさん出ているし、そろそろ人生の片づけ期にも入っているのだから、いまさら5000円近くも支払って「買い」に走るのもなんだかなあ、と思って公式サイトをのぞいて、その2枚のCDに収められた歌のタイトルを拾っていたら、もうそれだけで目頭が熱くなり、なんだかみゆきさんに「あの世にお出かけのときは、これだけは忘れずに持って行ってね!」と言われたように、観音様やマリア様の不思議な力によっておまじないをかけられたように、ふらーっとAmazonのカートに「買い」を入れてしまった。
岩手山のお月様(2020.9.6am3.46)
注文してから、28時間。オイラの手元に、お日様とも、お月様ともなってくれそうな、あの世ならずあの星に持っていくべきアルバム「ここにいるよ」が届いた。
今宵は、お月様の光「寄り添い盤」を聴きながら、深い眠りにつこう。
「泣きたい夜に」、「愛だけを残せ」、「タクシードライバー」、「帰省」、「風の笛」・・
音を聴く前から、すでに「熱く滲むものが・・・・」。