里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

満開のポピーと晩生シャクナゲそして水辺の花を愉しむ

2024年05月25日 | 小旅

宮城県川崎町にある国営みちのく杜の湖畔公園を訪れました。
半日コースの行楽です。
昨年秋以来で今年初めて。昨年もほぼ同時期に訪れていました。
当園は総面積が600数十haと広大。
4つのゾーンからなり、一般の人が訪れるのは「文化と水のゾーン」。


正面のコーナーは植え替えの時期で半分くらいが終わっていました。
今回の目的は数日前ニュースでも流れた満開のポピーと小生の好きなシャクナゲ。
そして、水辺の花も見頃との情報でした。
ポピーは正に満開。


正式にはシャーレーポピー。
最も多いのが赤のポピーですが、何種類かありバラエティに富んでいます。


独特の蕾が面白い。


遠くにはぼんやりながら蔵王連峰が望めました。


そしてシャクナゲ。


シャクナゲは4月下旬くらいから見頃になり、おそらく5月中頃がピークなのだろうと思います。
この時期になれば晩生の品種です。
しかし、残念ながら今年は気温が高く晩生種も見頃は過ぎていました。
それでも品種の数が多いのでそれなりに愉しめました。
和シャクは終り、洋シャクのみです。
十分に見れたシャクナゲを幾つか。重複はありません。











そして、見頃だと言う水辺の花。
カキツバタ。


これまでハナショウブとばかり思っていましたが、違っていたようです。


スイレン。


これまであまりよく見たことがありませんでした。
数種類あることが分りました。








最後にふるさと村へ。


東北各地の古民家を移築したもので、当園を訪れれば必ず立ち寄ります。
ちょうど見頃のシャクナゲがありました。


ここまで足を延ばす人は少なく、いつも勿体ないなと感じてしまいます。


満開の桜から蔵王連峰を望む

2024年04月17日 | 小旅

先週末、当県南部の白石川沿いにある「一目千本桜」を訪ねたので記録に留め置きます。
週末は猛烈に混むのが分っており、そもそも今年は行くつもりがありませんでした。
しかし、よく晴れ渡り蔵王連峰とのコラボが撮れるのではと言う誘惑に負け急遽出かけました。
忙中閑ありの速攻です。
7時半前には現地に到着したのですが、すでに駐車場には沢山の車が並んでいました。
当地は大河原、柴田両町に跨がる日本桜百選にも選ばれている当県随一の桜の名所です。


昨年よりは10日ほど遅いものの平年よりは数日早い開花です。


もう盛りを過ぎたかと思いきや正に満開でした。


この桜は大河原町出身の実業家高山開治郎氏の寄贈により大正12年に植栽されたもの。
このような樹齢100年級の桜の巨木が約1200本並びます。


桜並木は阿武隈川の支流白石川の両側の堤にあります。


遠く対岸の桜並木が見えます。
遠くに見えるこんもりした丘が船岡城址公園。ここにも沢山の桜が植栽されており、「一目千本桜」を一望できます。

地元高校生が、この巨木並木の維持に一役買っているニュースが毎年テレビで流れます。


快晴でしたが、やはり春霞。蔵王連峰がくっきりと言うわけにはいきませんでした。


蔵王連峰は普段は蔵王山(ざおうざん)と呼ばれることが多いのですが、蔵王山という単独峰はありません。
シンボルお釜のある刈田岳を中心に北東に多くの峰が連なる連峰です。
しかし、満開の桜とくっきりと見える蔵王連峰というのはなかなか難しい。


それでも幾つかのポイントで満開の桜から望む蔵王連峰を撮ってみました。








当地点からだといわゆる遠望なので少々無理があるコラボではあります。
ますます人は混んできたので早々と退散しました。
もう少し近距離で撮ってみようと前にも撮ったことのある東北新幹線白石蔵王駅近くに移動。


やはり霞みは掛かっていますが、先ほどよりは見えています。


昨年、偶然見つけたベニシダレザクラと蔵王連峰が今回も撮れました。


ベニシダレザクラもほぼ満開になっています。


逸る気持ちで出かけた割には成果はイマイチの感もありますが。思い立った急ぎ足ではこの程度で満足すべきかもしれません。


秋の松島を愉しむ

2023年11月10日 | 小旅

今週末は天候も下り坂、気温も下がるというので、急に思い立ち秋の松島に行ってきました。
午後からの半日コースです。
松島には何度も行っていますが、今回は若干違う目的がありました。
いつも素通りする「雄島」を訪ねることです。
松島の中心からは大分離れているので訪ねる観光客はごく少ない。
小生は相当昔に渡った記憶がありますが、殆ど忘れています。
たまたまここに芭蕉の歌碑があると知り、確認してみたいと思ったのでした。
と言うのも芭蕉は松島では俳句は詠まなかったはずなのに、どうして歌碑がと半信半疑だったからです。
好天で遠くまで島々が見えました。


雄島は通常の観光コースにはまず入りません。小生もいきなりここから入るのは初めて。
雄島へ上陸する時は朱色の橋を渡ります。

渡月橋(とげつきょう)と言います。
渡月橋と言えば嵐山ですが、雰囲気は大分違います。
こちらの渡月橋はかつて僧たちが雄島に入る際に、俗世との縁を切ることから「悪縁を断つ橋」とも呼ばれるらしい。


「奥の細道」の標柱が立っています。


雄島を巡ると多くの島々がよく見えます。


遊覧船に乗らずともこれほどよく見えるのは他にあまりないと思います。

遠くに赤い長い橋が架かる福浦島もよく見えます。


芭蕉は元禄2年5月に瑞巌寺に詣でた後、この雄島を訪れているらしい。
なるほど、来てみると島々を眺めるには最適の場所と分かります。
多くの石碑が並んでいる所があります。


この中に芭蕉と弟子の曽良の句碑が並んで立っていました。
諏訪の俳人藤森素檗が曽良の100回忌を記念して文化6年(1809年)に建立したものでした。


「芭蕉翁 朝よさを誰まつ志まぞ片心」
この句は奥の細道の旅へ出る直前の元禄2年春に詠まれたものと言います。
その意は「松島に心惹かれるのは朝夕に誰か待っているからか、そうだと嬉しいが、私の片思い」と解説がありました。
曽良の句は松島で詠まれた句です。
「松島也鶴に身遠可禮本とゝ幾壽(松島や鶴に身をかれほととぎす)」
その意の解説。「松島の壮麗な景色の中をほととぎすが鳴いて通った、ほととぎすよこの松島には鶴の姿が相応しいから鶴の姿になって鳴き渡ってくれ」
この雄島はかつて108の岩窟があったと言われます。現在残っているのはこのような岩窟50程度。

その昔、死者の浄土往生を祈念した板碑、五輪塔や壁面に法名の彫られたものも多く、霊地の趣です。
中世の松島は「奥州の高野」と称される死者供養の霊場なのでした。
この後は秋の松島を散策。いつもとは概ね逆ルート。
国重文の円通院。


近年は松島の紅葉の名所として知られるようになりました。


庭園は年々整備が進み、夜はライトアップされています。


紅葉のピークには若干早いものの、残っている緑とのコントラストがむしろ紅葉を引き立てています。






重文の三慧殿。


観瀾亭。


文禄年間に豊臣秀吉から政宗公が拝領した伏見桃山城の一棟で、江戸藩邸からこの地に移築したもの。
イロハモミジが非常に綺麗なのですが、まだ早いようです。



国宝瑞巌寺。


長い参道はかつて荘厳な杉並木でしたが、東日本大震災の浸水による塩害で多数が伐採されました。
新たに杉の若木が植栽されました。少し生長したようです。


松島に来れば大概は本殿などを拝観します。
今回は時間が足りず、山門でお参りしました。


最後は定番、西日を受け輝く五大堂で締めとします。


秋の猊鼻渓と厳美渓へ

2023年11月03日 | 小旅

今、紅葉が見頃と言う岩手県南一関市の猊鼻(げいび)渓と厳美(げんび)渓を訪ねました。
昔はそれぞれ東山町、厳美村でしたが、一関市に合併され現在に至っています。
同一市にあり名前が似ているため間違いやすいので注意が必要です。
我が家からは東北自動車道を利用すれば楽に日帰りのコースです。
まずは猊鼻渓。
日本百景の一つにも数えられる名勝です。
これまでも訪ねたことはあるのですが、船下りは初めてです。
約2kmのコースをゆっくりと90分掛けて往復します。
乗船場近くには堰堤があり、通常は流れが非常に穏やかです。


上るのも下るのも船頭が棹一本で操ります。 カモが一緒に付いてくるのどかな船下り(上り?)。


砂鉄川の浸食でできた渓谷です。


次々と船が出ていました。特に台湾からの観光客が多いそうで、中国語が飛び交っていました。

高さ100mの絶壁に奇岩、洞窟など迫力のある絶景が広がります。





全山紅葉と言うのではなく、絶壁と赤松とのコラボが特徴です。


ここ上りの終点で下船し、30分ほどの散策です。


高さ100mを超える第一の絶壁。


猊鼻渓の名の由来となった奇岩「獅子ケ鼻」があります。

帰りの船下り。


最後に船頭の「げいび追分」を聞き、下船となりました。


これまでも最上川や保津川ほか何度か船下りを経験していますが、間違いなく上位にランクできます。
続いて厳美渓へ。


こちらには何度か来ています。
栗駒山を源に流れる磐井川が巨岩を侵食してできた渓谷が名勝・天然記念物に指定されています。
遊歩道を散策しながらゆっくりと紅葉の渓谷美を楽しみました。
上流の荒々しい流れ、下流のゆったりとした流れなど変化のある渓流です。


猊鼻渓のような高い絶壁はありませんが、独特の奇岩と綺麗な水の流れが魅力。

周辺のイロハモミジが見頃でした。


こちらが上流側。

下流側。










名物の「かっこうだんご」。


渓流をはさんだ対岸の店からロープに下がる籠に代金を入れて木槌を鳴らすと、籠は引き上げられ注文しただんごが降りてきます。
近くにある道の駅「厳美渓」。


猊鼻渓と厳美渓からは平泉もほど近く。大概は中尊寺や毛越寺を巡るのが一般的な観光コースです。
中尊寺や毛越寺は何度か来ており、今回は日も短いのでそちらはなし。
最後に道の駅で少々お土産を調達して小さな旅は終了です。

みちのく杜の湖畔公園でコキアと古民家を愉しむ

2023年10月28日 | 小旅

慌ただしくも少々の息抜きです。
半日コースで愉しもうとすると、やはりここ宮城県川崎町の「みちのく杜の湖畔公園」。
これまでコキアの時期に来たことがなかったので訪ねてみました。
当園は平成元年に一部を開園、年々整備を進め平成26年に全面開園。
総敷地面積は600数十haと広大。
広い駐車場のモミジバフウが綺麗に紅葉していました。


4つのゾーンの内、メインはこの「文化と水のゾーン」。ここだけで約90ha。


敷地が広大なため駐車場にかなり車が停まっていても中に入れば人影はまばら。
正面にもコキアが植えられてありました。


花数は多くはないもののサルビアなど赤色が目立ちます。


ドウダンツツジの紅葉が盛りでした。


ドウダンツツジの赤とツツジの緑のコントラストが美しい。

百日草はほぼ終わりでした。


畑の方はコスモスが片付けられ来年への準備に入っていました。
これは手前にイロハモミジ、奥にケヤキの大木。


以前来たときは見事な紅葉でしたが、まだ色付き始めたばかり。
本格的な紅葉は1週間ほど先のようです。
この時期の当園の目玉がコキアの紅葉。


夜はライトアップされています。


ピーク時の真っ赤な紅葉から少し先が金色ぽく変化してきました。綺麗です。




当園に来れば必ず「ふるさと村」を訪れます。
東北6県の特徴ある古民家が8棟移築され、それぞれの暮らしや文化に触れることが出来ます。
中でも床面積が100坪を越える大きな茅葺きの古民家が3棟。迫力があります。
最も大きな宮城県の鳴瀬川河畔の家。

床面積が131坪。


神棚には切り子。


秋田県の本荘由利の家。

床面積が118坪。


珍しい角にある神棚。


岩手県の遠野の家。

床面積は105坪。


いわゆる南部曲り家です。


それぞれの古民家では、映像や模型、展示物を使い分りやすく紹介しています。
急ぎ足ながら十分愉しめました。