里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

タマネギ「ネオアース」の種を播く

2024年09月09日 | 畑:土物類

タマネギの種を播きました。
品種は今や我が家の定番となったタキイ種苗の中晩生種「ネオアース」。
少しだけ昨年試したカネコ種苗の早生品種「早生錦毬(きんきゅう)」を今年も播いてみます。


やはり中晩生種だけでは4月から5月にかけ1ヵ月ほど端境になるためです。
この品種は昨年不調だったのですが、古種が大分残っていました。少しやり方を考えてみます。
当地方のタマネギマルチ栽培の種播き適期は9月上旬。
我が家では長い間9月6~8日が基本です。天候の関係でずれても2、3日まで。
播種期が重要になるのは、越冬時の苗の大きさが問題になるからです。
大き過ぎれば低温に感応しとう立ちしやすくなり、小さ過ぎれば玉の肥大が悪くなります。
種播きや植付けの時期が大事になる所以です。
昨年はやや早めの種播きでした。暖冬の影響もあって若干トウ立ちが見られました。
近年は想定を超えるような天候変動が珍しくありませんが、それは如何ともしがたい。
近年はセル苗を作る方も多くなっています。しかし、我が家は依然昔ながらの育苗です。
苗床は20日くらい前に苦土石灰、有機肥料を施用し耕耘、10日余り前に緩効性肥料を散布してロータリー耕耘。少々日数が経過してしまいました。
まず、ネキリムシやタマネギバエなどの害虫防除に粒剤を散布。
管理機の逆転ローターで耕耘を兼ね土を盛ります。


鍬でならしてかまぼこ形のベットに仕上げます。


さすがに小生もここはバラ播きではなくすじ播きです。
数センチ間隔に播き溝を付けます。


種はごく小さく軽い。


できるだけ間引きが不要になるよう薄蒔きにします。
見にくいですが、黒ゴマのように見えるのが種です。


指で播き溝を埋めて薄く覆土し、鍬で軽く鎮圧。


ここで軽く灌水。


強い雨に打たれて土が固まるのを和らげるためもみ殻を掛けます。


乾燥すれば灌水も必要ですが、それでも回数が多くなると結構固まりやすい。
しっかり灌水し、最後に不織布をトンネル掛けして終了です。


「ネオアース」に出会って以来、小生は品質や貯蔵性で最高の品種と評価しています。
ほぼ1年間賄うことになるので、失敗はできません。


タマネギ「ネオアース」は本格的な長期貯蔵に入る

2024年07月26日 | 畑:土物類

6月に一斉収穫し、乾燥していたタマネギ「ネオアース」を全て室内に取り込み、長期貯蔵に入りました。
乾燥は、作業場の下屋に広げて並べ陰干した後、2通りの方法で乾燥してきました。
当地、今年は全くの空梅雨で晴天日が多く、例年に比べると格段に乾きが早い。
こちらは大玉のものをコンテナに並べて風通し良い状態で乾燥したもの。


年々この方法で乾燥する割合が多くなってきました。大玉でも吊しのように落下する心配がありません。


茎が根元までしっかり乾いているか根がカラカラになっているかで乾燥状態を確認します。


取り込む前に茎を切ります。根はカラカラに乾いており気にならないのでそのままで大丈夫。
こちらは一般的な方法、茎を2、30㎝付けてひもで縛り竿に吊し乾燥したもの。


多少光りが入り込むため、少し緑化しているものが出ています。このままにしておくのは良くない。


根がカラカラに乾いています。


貯蔵中に腐敗が出るのは殆どの場合、乾燥不十分のまま沢山重ねて貯蔵するからです。
茎の付け根を触ってみれば乾燥状態がよく分ります。ここまで乾燥すれば問題ありません。
調製の作業は助っ人がやってくれると言うので頼みました。
貯蔵はやはり風通しが良いところが間違いはありません。


スペースの関係でコンテナに入れたまま少々重ねました。この乾燥状態なら問題ないでしょう。


この中晩生種「ネオアース」のメインは何といっても貯蔵。
この品種はとにかく貯蔵性が抜群で萌芽が遅い。来春まで食します。


大玉の比率が高いのもこの品種の特徴です
一般的に大玉は貯蔵性が劣ると言いますが、乾燥さえ十分ならあまり関係ないようです。
それでも、一応特大玉は早めに消費するようにしています。


また、この品種は肌が綺麗で貯蔵中に美しい狐色になります。
まだ薄皮がうまく剥げませんが、この特大玉もいい色になってきました。


もちろん腐敗が出ないとは限らないので貯蔵中のチェックは必要です。






連作を止めマルチ栽培したジャガイモはまずまずの出来

2024年07月08日 | 畑:土物類

ジャガイモは今年畑を変えました。
長年連作してきた山砂を客土した畑が不作続きだったからです。
強粘土質のためマルチ栽培を試してみることにしました。
品種は「男爵」。
気温が高く、植付けも早めだったこともあり明らかに生育が進みました。
6月半ば頃から茎葉は黄ばんできました。
早掘りが目的ではないのですが、その頃から必要な時に掘っています。
芋の肥大もまずまずで、悪くなさそうな感触でした。
茎葉がすっかり枯れ上がったので一斉に掘り取ることにしました。


助っ人の手伝いがあり、短時間で効率よく掘り取ることが出来ました。
マルチを剥ぎながら茎葉を一挙に片付けました。


小生がスコップで掘り起こし、その後を助っ人が拾い集めます。


思ったより容易でした。雨が少なく乾いていたこともありますが、マルチの効果と思われます。
強粘土質なのでマルチでなければもっと苦労したはずです。
数はほどほど、芋の大小も様々ながらここ数年と比べれば雲泥の違いです。


昨年は数も少なく大半がS、M級とクズ玉でした。
今年はL、2L級の比率がかなり高い。
芋にも土が殆ど付かないので苦労せず袋に詰めることが出来ました。
この畑だけでは植えきれずに、一部を急遽前年と同じ畑に植付けています。
これが「男爵」。


まだ青味が残っていますが、倒伏しており少しばかりなので掘ってしまいました。
これが今年初めて試す「とうや」。


「男爵」より早く早生のようで、すっかり枯れ上がりました。
全て掘り取り、作業場の下屋に運び込みました。


20㎏袋にマルチの分が6,7分目詰めて6つ。
従来の畑の分がごく軽く2つ、正味1つと言ったところ。
直ちに作業場の空きスペースに広げます。
土が僅かしか付いていないので乾かすには好都合です。


あまり重ならないようにし、時々上下かき混ぜながら乾かします。


今年初めて作るマルチ栽培の畑が明らかに大きい。


この部分に3種あります。


従来の畑はやはり厳しい。
「とうや」は比較的大きくなっており、「男爵」よりはっきり大きい。
マルチ栽培ならどうだったのか興味のあるところです。
同じ畑の中くらいの芋を比べてみると大きさだけでなく形も違います。
右が「男爵」左が「とうや」。


「とうや」は丸形で「男爵」より目が浅い。あとは食味はどうかです。
我が家では長く「男爵」が習慣化しているため、それとの比較になります。
昔は、複数品種作ったこともありましたが、結局「男爵」に集約されています。
しかし、「男爵」は収量が上がりにくいことも確かです。
芋には光りが射さないよう日よけをしておきます。


タマネギの二つの乾燥法

2024年06月22日 | 畑:土物類

タマネギは先日一斉収穫し、作業場の下屋に取り込み陰干ししています。


品種は中晩生種の「ネオアース」。
今年は一部早生種を作ったので昨年より若干少ないかもしれませんが、作柄良好です。
作業場の下屋に広げて10日ほど経ちました。
「ネオアース」のメインは長期貯蔵。来春まで保存し食します。
貯蔵中に腐敗などを出さないためには、しっかり乾燥することが大事です。
乾燥不十分のままコンテナなどに詰め込むと、中の方が腐れやすい。
我が家で行っている乾燥法は2通りです。
一つは一般的に行われている吊しによる方法、もう一つはコンテナに並べる方法です。
昔は殆どが吊しでしたが、「ネオアース」を作るようになり、年々コンテナに並べる方法を多くしています。
助っ人がやってくれるというので頼みました。
要領は分っており、小生が他の仕事をしている間に終わっていました。
大玉はかご形のコンテナに並べて乾燥します。


この場所は、収穫後取込み陰干ししていたところです。
「ネオアース」は大玉の比率が高いため、この乾燥法が最も安心なようです。


大玉の場合、吊り玉にしにくい。重みに耐えかねて落ちるものも出てきます。
この方法は落ちる心配をする必要がありません。今年は過半がこの方法です。
我が家の方法はかご形コンテナの下に空間を設けるところがミソです。


この方法だと上下から乾燥させることができます。吊り玉と似た条件です。
コンテナに並べるのも出来るだけ重ねないようにします。
この辺りは特大玉が多いようです。特大玉は乾きにくいので無理しないように注意が必要です。


茎と根がしっかり乾けば乾燥した証しとなります。
吊しによる乾燥は中玉以下のもの。L、M級が主体です。


タマネギの茎を2、30㎝付けひもで縛り、竹竿に吊します。


片側数個ずつ縛って竹竿に掛けます。


この場所は少々雑然としているものの雨に当たらず風通しが良いので乾燥するには適します。


昔からやられている方法ですが、茎がしっかりしていないと大玉では落ちるものが出やすい。
今年は吊しよりコンテナ乾燥の方が多くなっています。
S級以下のクズ玉は僅かでした。ネキリムシ被害で植え替えたものが主だと思います。


コンテナ乾燥の方は小さなものでも350g、特大玉は500gを超えます。
コンテナ乾燥の小さいものと大きいもの。


目利きがどうか計ってみました。

ほぼ合っているようです。


しっかり乾燥したのが確認されれば、コンテナにある程度重ねて取り込みます。




タマネギ「ネオアース」は今年も作柄良好

2024年06月10日 | 畑:土物類

タマネギ「ネオアース」を一斉に収穫し、取り込みました。
種まきは9月4日、植え付けは11月3日。
4条の黒マルチが3ベット、タマネギの植え付け本数は前年とほぼ同じ470本ほどです。
近年、タマネギは「ネオアース」1本に絞って作ってきました。しかし、1ヵ月ほどのブランクが生じるためカネコ種苗の早生種「錦毬(きんきゅう)」を初めて作ってみました。
全体の1割ほどですが、4月下旬から「錦毬」を収穫し殆どMS級で少々物足りない結果となりました。
但し、現在までそれで十分間に合っており、早生種としての効果は確認できました。穫り終わった後の「ネオアース」との境目です。


施肥などもっと工夫しないといけないのかもしれません。
メインのタキイ種苗の中晩生種「ネオアース」は順調な生育経過でした。


しかし、5月早々一部葉色が薄くなりべと病が発生しました。
考えられる要因は二つ。一つは早生種に収穫時すでにべと病が散見されていたこと。
もう一つは中晩生種「ネオアース」にも追肥が十分に効いていなかったと思われること。
生育が進み肥料切れ傾向になった上、雨や雪も少なく適時にうまく効いてくれなかったかもしれません。
5月初めに20年ぶりくらいで薬剤を散布しました。天候も良かったため蔓延することはなく実害はありませんでした。


この品種を作るようになり連続の豊作。越冬時に生育不良の時でさえも結果豊作でした。
昨年はかつてなく生育が進み5月早々に倒伏する株が出始めました。
さすがに今年はそれほどではなく、倒伏が始まったのは5月10日頃からでほぼ例年並です。
欠株は殆どないもののネキリムシ被害で植え替えたものは生育がよくありません。
暖冬のため我が家としては例年より大柄の姿で春を迎えました。その結果、トウ立ちが散見されます。


昔は数%トウ立ちするくらいが最も収量が上がると教わりました。
我が家では記憶がはっきりしないくらい暫くぶりです。10本余りあるでしょうか。大方はすでに穫っています。
但しトウ立ちと言っても5月半ばくらいになって伸びてきたもので、それなりに肥大しています。
今年は近隣でもトウ立ちが結構見られます。立派な姿のものが早くから沢山トウ立ちしたと言う話も聞きました。
また、今年は異常乾燥甚だしく肥大への影響は免れないと推測していました。
5月25日頃にはほぼ100%倒伏しました。


タマネギは倒伏してからも肥大します。「ネオアース」はそれが顕著。もちろん茎葉が健全ならばです。
大玉になるとこのようにマルチがパンパンに膨らみます。


一斉収穫は全ての株が倒れて1週間以上経過を目安としています。
ですから1週間前にはすでに一斉収穫が可能になっていました。
穫り遅れると割れたり肌が悪くなり、茎が枯れてしまうと乾燥のため吊すときに支障を来します。
少し遅れてしまいましたがどうだったか。
まず引き抜いて何カ所かに纏めます。


この後はその場で茎を2、30㎝付けて切り落とします。根は切りません。


作業場の下屋に取り込み、少々雑然としている空きスペースに広げます。


この作業は助っ人に任せました。毎年のことなので要領は分っています。


取り込んだものを見ると今年も大玉が多い。


早生種を作った分、若干少なくなっているものの作柄は例年とあまり変わらないようです。
特大玉も多数見られます。


今年は乾燥が甚だしかったのであまり特大玉は出ないと思っていました。マルチの効果なのでしょう。
特大玉と中玉を比べてみます。
右が平均的な300g級の中玉、左が500g級の特大玉。

中玉と言っても出荷規格だと重さが300gで2Lサイズです。
特大玉を手で持ってみるとビッグさが分かります。


このままの状態でしばし陰干しした後、本格乾燥に入ります。
何と言っても「ネオアース」は貯蔵がメインで来春まで持たせなければなりません。
そのためにはしっかり乾燥させることが大事。
小生は「ネオアース」を最高の品種と評価しています。
今年の条件下でも良好な出来だったのでさらに確信を深めました。
そして、「ネオアース」の長所は肌が綺麗なこと。これから貯蔵中に美しい狐色に変化して行きます。