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経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

2022-03-22 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

 

    【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

 

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

メモ

■       今日のおすすめ

  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』
       (ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 土方奈美訳 日経BP)

メモ 

■ 書名「ZERO」の持つ意味は『起点・原点』(はじめに)

 

 著者コリンズは、永続性のある偉大な企業を目指す起業家や中小企業のリーダーのためにロードマップを示すことを目的に、恩師ビル・ラジーと共著で1992年「Beyond Entrepreneurship(ビヨンド・アントレプレナーシップ)」を発刊します。その後、偉大な企業を動かす要因について探求し、ビジョナリー・カンパニー・シリーズとして、『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則(1995年)』『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則(2001年)』『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の5段階(2010年)』『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる(2012)年』を発刊します。

 

 ‟ビジョナリー”の辞書的意味は‟先見性や未来志向”ですが、「ビジョナリー・カンパニー・シリーズ」では‟永続する偉大な企業”と定義しています。‟永続する偉大な企業”は、「➀時代を超える生存の原則」では‟数十年にわたって存続する企業18社”、「②飛躍の法則」では‟良い企業から偉大な企業への飛躍を遂げた企業11社”、「③衰退の5段階」では‟偉大さを獲得した後、衰退した企業11社”、「④自分の意志で偉大になる」では‟不確実性の中で並外れた(10倍以上)成果を出した「10X型企業」7社”です。‟永続する偉大な企業”と同じ機会・状況にありながら「成果を上げられなかった企業」を‟比較対象企業”として選別し、「偉大な企業と比較対象企業の違いは何か」を、「“一対(いっつい)”比較法」により歴史的・実証的・体系的に、問い続けました。(注1の「スライド18~22」参照)

 

 著者コリンズは、「シリーズ①②③④」では異なった視点から‟永続する偉大な企業”とは何かの問いをして来ました。1周を終えて、新たに積み重なった資料とスタート時点のオリジナル版とを統合・整合し、起業家と中小企業のリーダーの「偉大な企業を生み出す」お手伝いをすべく、「ビヨンド・アントレプレナーシップ」のバージョンアップ版として、ビジョナリー・カンパニー・シリーズの『起点・原点』とする意図をもって、「ビジョナリー・カンパニー『ZERO』」の発刊に踏み切ったのです。

 

 更に『ZERO』の素晴らしいところは、オリジナル版の文章はグレー・ページ、新たに書き加えた部分はホワイト・ページになっており(ページ数もほぼ倍)、オリジナル版と、新たに加えた「(ドッラーカーの思想を引き継ぐ)永続するマネジメント思想」が明確に判ることです。

 

 ジム・コリンズは、「➀時代を超える生存の原則」を機にドラッカーと対面の関係を持ち、恩師として仰ぎ、「経営学の父」であるピーター・ドラッカーの思想を引継ぐと共に実証性により強化し、ドラッカーと共に「経営学の『起点・原点』」となったのです。(ジム・コリンズH/P〈下記URL〉「ピーター・ドラッカーから学んだ10の教訓」を参照下さい。)

 

  https://www.jimcollins.com/article_topics/articles/Ten-Lessons-I-Learned-from-Peter-Drucker.html#articletop

メモ

■「ZERO」で新たに加えられた“章”‟新たな視点“の注目点

 

【偉大な企業を創るための「地図」】

 

 「シリーズ①、②、③、④」で異なった視点から論じてきたテーマを纏め、枠組みとして組み立てたのが、『偉大な企業を創るための「地図」』です。起業家が新たな企業を立ち上げるとき、既存の企業が苦境に立ち再起するとき、現在の会社を偉大な企業に育てたいと思っておられる経営者に貴重なヒントを与えてくれると思います。是非「ZERO」と「シリーズ①、②、③、④」をお読み下さい。(注1参照)

 

【ビジョンの構成要素】

 多くの企業になじみの深い「ミッション・ビジョン・バリュー」を「ビジョン」1本にし、「ビジョン」を「コアバリュー」「パーパス」「BHAG( Big Hairy Audacious Goals‟社運を賭けた大胆な目標”)」の3つにします。「コアバリュー」を“(時代を超える)会社の指針となる原則、会社を導く哲学”、「パーパス」を‟(100年間に亘って会社の指針となる)組織が存在する根本的な理由”とします。オリジナル版では「ミッション(明確なゴールと具体的期限のある目標)」と表現していたものを、“シリーズ①時代を超える生存の原則”から「BHAG(社運を賭けた大胆な目標)」に取換えます。「BHAG」に取換えたのは、‟人の心を揺さぶり、意欲を掻き立て、容易に理解できる、聞き手が神髄を理解し夢中になってくれる「(理想的な時間軸を10~25年とする)社運を賭けた大胆な目標」”を良しとしたのです。

 

 どうですか。「ミッション・ビジョン・バリュー」に変えて、迫力があって有効性が高い「コリンズ式ビジョン」を使ってみませんか。(注2参照)

 

【業務手順書を作るなら「SMaCレシピ」で】

 

 10X型企業のサウスウエスト航空を偉大な企業にしたのは「SMaCレシピ」です。私たちが業務手順書を作るときには、通り一遍ではなく、「SMaCレシピ」を参考にするとより有効性を高くすることができます。

 

 「針鼠の概念」により「BHAG」を作り、10X型スピリットにより「一貫性」「実証的創造力」「変化に対応するパラノイア」を満たす業務手順書「SMaC(Specific<具体的である>Methodical<整然としている>and<そして>Consistent<一貫している>)レシピ」を作り、「弾み車」効果を引き出し「BHAG」を達成します。

 

 詳しくは、「ZERO」と「シリーズ④自分の意志で偉大になる」をお読み下さい。(注3参照)

 

(注1) 簡単な説明資料『「偉大な企業を創るための地図」から学ぶ.pdf』をご覧ください。

   

(注2) 簡単な説明資料『コリンズ式「ビジョン・戦略・戦術」.pdf』をご覧ください。

   

(注3) 簡単な説明資料『ビジョナリー・カンパニー・シリーズの実例から学ぶ
     サウスウエスト航空の「SMaCレシピ」.pdf』をご覧ください。

   

メモ

■ ビジョナリー・カンパニー・シリーズは企業経営の教科書(むすび)

 

 シリーズは企業経営の教科書と思います。大著ですが是非お読みください。ただし、シリーズは①から④までと「ZERO」の全5冊でページ数は約2000頁です。2000頁全てを読むのが大変な方は「ZERO」を索引として、詳細は、シリーズ①~④で確認するのも賢い選択です。

 

メモ

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

メモ

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック

 経営コンサルタントを目指す人の60%が見るというサイトです。経営コンサルタント歴35年の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

 

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【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

2022-03-22 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

  【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

メモ

■       今日のおすすめ

  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』
       (ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 土方奈美訳 日経BP)

メモ 

■ 書名「ZERO」の持つ意味は『起点・原点』(はじめに)

 著者コリンズは、永続性のある偉大な企業を目指す起業家や中小企業のリーダーのためにロードマップを示すことを目的に、恩師ビル・ラジーと共著で1992年「Beyond Entrepreneurship(ビヨンド・アントレプレナーシップ)」を発刊します。その後、偉大な企業を動かす要因について探求し、ビジョナリー・カンパニー・シリーズとして、『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則(1995年)』『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則(2001年)』『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の5段階(2010年)』『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる(2012)年』を発刊します。

 ‟ビジョナリー”の辞書的意味は‟先見性や未来志向”ですが、「ビジョナリー・カンパニー・シリーズ」では‟永続する偉大な企業”と定義しています。‟永続する偉大な企業”は、「➀時代を超える生存の原則」では‟数十年にわたって存続する企業18社”、「②飛躍の法則」では‟良い企業から偉大な企業への飛躍を遂げた企業11社”、「③衰退の5段階」では‟偉大さを獲得した後、衰退した企業11社”、「④自分の意志で偉大になる」では‟不確実性の中で並外れた(10倍以上)成果を出した「10X型企業」7社”です。‟永続する偉大な企業”と同じ機会・状況にありながら「成果を上げられなかった企業」を‟比較対象企業”として選別し、「偉大な企業と比較対象企業の違いは何か」を、「“一対(いっつい)”比較法」により歴史的・実証的・体系的に、問い続けました。(注1の「スライド18~22」参照)

 著者コリンズは、「シリーズ①②③④」では異なった視点から‟永続する偉大な企業”とは何かの問いをして来ました。1周を終えて、新たに積み重なった資料とスタート時点のオリジナル版とを統合・整合し、起業家と中小企業のリーダーの「偉大な企業を生み出す」お手伝いをすべく、「ビヨンド・アントレプレナーシップ」のバージョンアップ版として、ビジョナリー・カンパニー・シリーズの『起点・原点』とする意図をもって、「ビジョナリー・カンパニー『ZERO』」の発刊に踏み切ったのです。

 更に『ZERO』の素晴らしいところは、オリジナル版の文章はグレー・ページ、新たに書き加えた部分はホワイト・ページになっており(ページ数もほぼ倍)、オリジナル版と、新たに加えた「(ドッラーカーの思想を引き継ぐ)永続するマネジメント思想」が明確に判ることです。

 ジム・コリンズは、「➀時代を超える生存の原則」を機にドラッカーと対面の関係を持ち、恩師として仰ぎ、「経営学の父」であるピーター・ドラッカーの思想を引継ぐと共に実証性により強化し、ドラッカーと共に「経営学の『起点・原点』」となったのです。(ジム・コリンズH/P〈下記URL〉「ピーター・ドラッカーから学んだ10の教訓」を参照下さい。)

https://www.jimcollins.com/article_topics/articles/Ten-Lessons-I-Learned-from-Peter-Drucker.html#articletop

メモ

■「ZERO」で新たに加えられた“章”‟新たな視点“の注目点

【偉大な企業を創るための「地図」】

 「シリーズ①、②、③、④」で異なった視点から論じてきたテーマを纏め、枠組みとして組み立てたのが、『偉大な企業を創るための「地図」』です。起業家が新たな企業を立ち上げるとき、既存の企業が苦境に立ち再起するとき、現在の会社を偉大な企業に育てたいと思っておられる経営者に貴重なヒントを与えてくれると思います。是非「ZERO」と「シリーズ①、②、③、④」をお読み下さい。(注1参照)

【ビジョンの構成要素】

 多くの企業になじみの深い「ミッション・ビジョン・バリュー」を「ビジョン」1本にし、「ビジョン」を「コアバリュー」「パーパス」「BHAG( Big Hairy Audacious Goals‟社運を賭けた大胆な目標”)」の3つにします。「コアバリュー」を“(時代を超える)会社の指針となる原則、会社を導く哲学”、「パーパス」を‟(100年間に亘って会社の指針となる)組織が存在する根本的な理由”とします。オリジナル版では「ミッション(明確なゴールと具体的期限のある目標)」と表現していたものを、“シリーズ①時代を超える生存の原則”から「BHAG(社運を賭けた大胆な目標)」に取換えます。「BHAG」に取換えたのは、‟人の心を揺さぶり、意欲を掻き立て、容易に理解できる、聞き手が神髄を理解し夢中になってくれる「(理想的な時間軸を10~25年とする)社運を賭けた大胆な目標」”を良しとしたのです。

 どうですか。「ミッション・ビジョン・バリュー」に変えて、迫力があって有効性が高い「コリンズ式ビジョン」を使ってみませんか。(注2参照)

 

【業務手順書を作るなら「SMaCレシピ」で】

 10X型企業のサウスウエスト航空を偉大な企業にしたのは「SMaCレシピ」です。私たちが業務手順書を作るときには、通り一遍ではなく、「SMaCレシピ」を参考にするとより有効性を高くすることができます。

 「針鼠の概念」により「BHAG」を作り、10X型スピリットにより「一貫性」「実証的創造力」「変化に対応するパラノイア」を満たす業務手順書「SMaC(Specific<具体的である>Methodical<整然としている>and<そして>Consistent<一貫している>)レシピ」を作り、「弾み車」効果を引き出し「BHAG」を達成します。

 詳しくは、「ZERO」と「シリーズ④自分の意志で偉大になる」をお読み下さい。(注3参照)

  • 簡単な説明資料『「偉大な企業を創るための地図」から学ぶ.pdf』をご覧ください。
  • 簡単な説明資料『コリンズ式「ビジョン・戦略・戦術」.pdf』をご覧ください。
  • 簡単な説明資料『ビジョナリー・カンパニー・シリーズの実例から学ぶ
    サウスウエスト航空の「SMaCレシピ」.pdf』をご覧ください。

メモ

■ ビジョナリー・カンパニー・シリーズは企業経営の教科書(むすび)

 シリーズは企業経営の教科書と思います。大著ですが是非お読みください。ただし、シリーズは①から④までと「ZERO」の全5冊でページ数は約2000頁です。2000頁全てを読むのが大変な方は「ZERO」を索引として、詳細は、シリーズ①~④で確認するのも賢い選択です。

 

メモ

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

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【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

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【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

2022-03-22 11:00:52 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

 

    【経営コンサルタントのお勧め図書】 偉大な企業を創るための地図  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』

 

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

メモ

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  『ビジョナリー・カンパニー「ZERO」』
       (ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 土方奈美訳 日経BP)

メモ 

■ 書名「ZERO」の持つ意味は『起点・原点』(はじめに)

 

 著者コリンズは、永続性のある偉大な企業を目指す起業家や中小企業のリーダーのためにロードマップを示すことを目的に、恩師ビル・ラジーと共著で1992年「Beyond Entrepreneurship(ビヨンド・アントレプレナーシップ)」を発刊します。その後、偉大な企業を動かす要因について探求し、ビジョナリー・カンパニー・シリーズとして、『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則(1995年)』『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則(2001年)』『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の5段階(2010年)』『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる(2012)年』を発刊します。

 

 ‟ビジョナリー”の辞書的意味は‟先見性や未来志向”ですが、「ビジョナリー・カンパニー・シリーズ」では‟永続する偉大な企業”と定義しています。‟永続する偉大な企業”は、「➀時代を超える生存の原則」では‟数十年にわたって存続する企業18社”、「②飛躍の法則」では‟良い企業から偉大な企業への飛躍を遂げた企業11社”、「③衰退の5段階」では‟偉大さを獲得した後、衰退した企業11社”、「④自分の意志で偉大になる」では‟不確実性の中で並外れた(10倍以上)成果を出した「10X型企業」7社”です。‟永続する偉大な企業”と同じ機会・状況にありながら「成果を上げられなかった企業」を‟比較対象企業”として選別し、「偉大な企業と比較対象企業の違いは何か」を、「“一対(いっつい)”比較法」により歴史的・実証的・体系的に、問い続けました。(注1の「スライド18~22」参照)

 

 著者コリンズは、「シリーズ①②③④」では異なった視点から‟永続する偉大な企業”とは何かの問いをして来ました。1周を終えて、新たに積み重なった資料とスタート時点のオリジナル版とを統合・整合し、起業家と中小企業のリーダーの「偉大な企業を生み出す」お手伝いをすべく、「ビヨンド・アントレプレナーシップ」のバージョンアップ版として、ビジョナリー・カンパニー・シリーズの『起点・原点』とする意図をもって、「ビジョナリー・カンパニー『ZERO』」の発刊に踏み切ったのです。

 

 更に『ZERO』の素晴らしいところは、オリジナル版の文章はグレー・ページ、新たに書き加えた部分はホワイト・ページになっており(ページ数もほぼ倍)、オリジナル版と、新たに加えた「(ドッラーカーの思想を引き継ぐ)永続するマネジメント思想」が明確に判ることです。

 

 ジム・コリンズは、「➀時代を超える生存の原則」を機にドラッカーと対面の関係を持ち、恩師として仰ぎ、「経営学の父」であるピーター・ドラッカーの思想を引継ぐと共に実証性により強化し、ドラッカーと共に「経営学の『起点・原点』」となったのです。(ジム・コリンズH/P〈下記URL〉「ピーター・ドラッカーから学んだ10の教訓」を参照下さい。)

 

  https://www.jimcollins.com/article_topics/articles/Ten-Lessons-I-Learned-from-Peter-Drucker.html#articletop

メモ

■「ZERO」で新たに加えられた“章”‟新たな視点“の注目点

 

【偉大な企業を創るための「地図」】

 

 「シリーズ①、②、③、④」で異なった視点から論じてきたテーマを纏め、枠組みとして組み立てたのが、『偉大な企業を創るための「地図」』です。起業家が新たな企業を立ち上げるとき、既存の企業が苦境に立ち再起するとき、現在の会社を偉大な企業に育てたいと思っておられる経営者に貴重なヒントを与えてくれると思います。是非「ZERO」と「シリーズ①、②、③、④」をお読み下さい。(注1参照)

 

【ビジョンの構成要素】

 多くの企業になじみの深い「ミッション・ビジョン・バリュー」を「ビジョン」1本にし、「ビジョン」を「コアバリュー」「パーパス」「BHAG( Big Hairy Audacious Goals‟社運を賭けた大胆な目標”)」の3つにします。「コアバリュー」を“(時代を超える)会社の指針となる原則、会社を導く哲学”、「パーパス」を‟(100年間に亘って会社の指針となる)組織が存在する根本的な理由”とします。オリジナル版では「ミッション(明確なゴールと具体的期限のある目標)」と表現していたものを、“シリーズ①時代を超える生存の原則”から「BHAG(社運を賭けた大胆な目標)」に取換えます。「BHAG」に取換えたのは、‟人の心を揺さぶり、意欲を掻き立て、容易に理解できる、聞き手が神髄を理解し夢中になってくれる「(理想的な時間軸を10~25年とする)社運を賭けた大胆な目標」”を良しとしたのです。

 

 どうですか。「ミッション・ビジョン・バリュー」に変えて、迫力があって有効性が高い「コリンズ式ビジョン」を使ってみませんか。(注2参照)

 

【業務手順書を作るなら「SMaCレシピ」で】

 

 10X型企業のサウスウエスト航空を偉大な企業にしたのは「SMaCレシピ」です。私たちが業務手順書を作るときには、通り一遍ではなく、「SMaCレシピ」を参考にするとより有効性を高くすることができます。

 

 「針鼠の概念」により「BHAG」を作り、10X型スピリットにより「一貫性」「実証的創造力」「変化に対応するパラノイア」を満たす業務手順書「SMaC(Specific<具体的である>Methodical<整然としている>and<そして>Consistent<一貫している>)レシピ」を作り、「弾み車」効果を引き出し「BHAG」を達成します。

 

 詳しくは、「ZERO」と「シリーズ④自分の意志で偉大になる」をお読み下さい。(注3参照)

 

(注1) 簡単な説明資料『「偉大な企業を創るための地図」から学ぶ.pdf』をご覧ください。

      http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany1.pdf

(注2) 簡単な説明資料『コリンズ式「ビジョン・戦略・戦術」.pdf』をご覧ください。

      http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany2.pdf

(注3) 簡単な説明資料『ビジョナリー・カンパニー・シリーズの実例から学ぶ
     サウスウエスト航空の「SMaCレシピ」.pdf』をご覧ください。

      http://www.glomaconj.com/joho/blog/sakai20220322visionallycompany3.pdf

メモ

■ ビジョナリー・カンパニー・シリーズは企業経営の教科書(むすび)

 

 シリーズは企業経営の教科書と思います。大著ですが是非お読みください。ただし、シリーズは①から④までと「ZERO」の全5冊でページ数は約2000頁です。2000頁全てを読むのが大変な方は「ZERO」を索引として、詳細は、シリーズ①~④で確認するのも賢い選択です。

 

メモ

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

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【カシャリ! ひとり旅】 東京都の桜開花宣言2022 サクラの写真を撮りました

2022-03-20 18:10:37 | 【カシャリ!一人旅】 おすすめ

【カシャリ! ひとり旅】 東京都の桜開花宣言2022 サクラの写真を撮りました

 

東京の桜開花の標準木は靖国神社にあります。
 
その標準木の桜が5輪以上咲くと開花宣言です。
 
気象庁から東京都の桜開花宣言が本日なされました。
 
私も標準木の桜をカシャリと撮ってきましたので、ここにご紹介いたします。
 
 
 
TV局も多数押しかけてきていました。
 
 
 

(ドアノブ)

 

 【カシャリ! ひとり旅】を映像にして紹介しています。

   ユーチューブで見る

 

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto

 

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】1-3-43【組織編】 組織で動く 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる

2022-03-15 12:03:00 | 【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ1 経営編

  【あたりまえ経営のすすめ】1-3-43【組織編】 組織で動く 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 それが露呈したのが、東日本大震災の福島原発事故ではないでしょうか。

 その対応においても、事後対応においても、専門家と言われる人達な何もできず、口を閉ざしてしまっだではないですか。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 40年余の経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 1-3章 【組織編】 あたり前のように「組織で動く」には

 「組織で動く」「組織的な活動」等々という言葉を、しばしば耳にしたり、口にしたりします。しかし、それには、どうしたらよいのでしょうか。

 頭ではわかっていても、言葉にして、他の人に説明しようとすると困惑してしまいます。そのような、お悩みの参考にしていただければと考え、連載しています。

 また、これまで【第1章 経営編】、【第2章 心 de 経営編】をお届けしています。そちらのバックナンバーも掲載していますので、併せてご覧下さると幸です。

 

■ 1-3-43【組織編】 組織で動く 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる

 

 「組織で動く」ことができる企業作りの基本思想のひとつが、「ものさし思考」です。

 考え方・思考の基準となるものを「ものさし」にたとえ、経営上の判断を行うときに、それが正しいのかどうかに使います。

 ものさし思考の基本的な考え方は、意思決定を行うときに、その事項の上位概念と相違がないかどうか常に意識して判断します。これにより、上位概念から下位概念まで思想が統一されることになり、「共通目標」としてふさわしい形になります。

 共通目標というのは、共通に認識されるものと思われがちですが、金太郎飴のような共通した認識ではなく、個々によるバラツキがあることが多いです。そのバラツキを最小限に抑えられるように、一人一人の認識を統一してゆきます。

 企業では、「知識がある」ということと「実行できている」ということは往々にして一致していません。ましてや「実行できている」と「実効が上がっている」とでは大差があります。

 頭で理解していても、実務に活かされていないことが多いですので、ビジネス管理上では、くどいくらいの繰り返しによる徹底が必要なのです。ですから、あえて「共通目標」の「共通認識」ということを強調しています。

 たとえば、経営計画は、経営理念実現のための方策ですので、経営理念を実現するには、どのような方法があるのか、その方法をどの様に運用したら効果が上がるかを経営戦略といい、それを一定期間の目標とするのが中長期や年度の経営計画となります。

 その年度計画を実現するために、各部門は、どの様な考え方で、どの様に経営計画を実現するのか、いわゆる戦術レベルの考え方を部門の年度計画として決定し、明示します。

 各担当者は、部門の年度計画実現のために、自分の担当タスクの中で、何を、どの様に、いつまでに、どのレベルまで持ってゆくのか、いわゆる「戦技」のレベルの年間方針を明確にします。

 経営理念から、経営計画、部門計画、個別計画とドリルダウンしていますので、全ての計画のベクトルが、同じ方向に向いているのです。

 共通認識された目標が確立されますと、その目標の各階層における実行策を実施することにより、全階層において、ベクトルが統一された方向に向かって、一丸となった行動となります。これを「共通行動」と呼びます。

 経営トップは、つねに経営理念実現という命題の中で、企業業績の推移を見たり、グローバル市場の中における自社の現状ポジションを見たりして行きます。

 役員レベルは、経営理念実現のための経営計画を常に念頭におき、その進捗管理を通して、時には、トップに提言し、時には管理職を通じて、関連部門に指示や命令を出します。

 管理職は、経営計画実現のために、経営理念を意識した日常の部下管理を行います。社員それぞれは、自分の成すべきタスクを、個別年度計画書をものさしとして、進捗管理をしながら、報連相を通じて、全社の経営計画実現に邁進します。

 すなわち、全社員の行動も、トップから社員までが同じ目標に向かって、全社一丸の行動をするのです。

 このような、当たり前と思えることですが、これが実施できている企業がどのくらいあるのでしょうか。私は、経営コンサルタントとして、この考え方をベースにコンサルティングをしてきました。「知っていても、業績や企業成長を通して社会貢献するという結果に結び付けられないのでは、企業活動をしているとはいえない」のです。


 「共通目標」は英語で「Common Aims」、「共通認識」は「Common Acknowledgement」、「共通行動」は「Common Action」と表記します。この頭文字は、3つとも「CA」ですので、この省略語の複数形から「3CA's」と表記します。(英文法では、省略語の複数形には、アポストロフィを付けます)

 

 

 

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