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経営コンサルタントへの道

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■■【経営四字熟語】 槐門棘路 人の上に立つ重み   四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語

2020-06-30 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

■■【経営四字熟語】 槐門棘路 人の上に立つ重み 

 

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくことが多々あります。それを経営コンサルタント歴35年の目で見るといずれも経営に直結する示唆の多いことに気がつきました。

 毎週木曜日の15時号で「経営四字熟語」をお届けしています。アメブロのアメンバー登録をすると、全文を読むことができますので、アメブロの読者登録と共にアメンバー登録をすることをお薦めします。

■ 槐門棘路(かいもんきょくろ)  

 

 「」は「えんじゅ」といい、古名は「えにす」です。広辞苑には下記のように説明があります。

 

【広辞苑】

 (ヱニスの転)マメ科の落葉高木。中国原産。幹の高さ約1015メートル。樹皮は淡黒褐色で割れ目がある。夏に黄白色の蝶形花をつけ、のち連珠状の莢(さや)を生ずる。街路樹に植え、材は建築・器具用。花の黄色色素はルチンで高血圧の薬。また乾燥して止血薬とし、果実は痔薬。黄藤。槐樹。「槐の花」の季語は夏。

 

 「槐門」は大臣の別称のことです。・・・・・<経営四字熟語サイト> または アメンバー無料登録> ←クリック

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 015 業務用・生ビール新容器で、クラフトビールの普及を後押し 7B08-0516-015

2020-06-29 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 016 0516-015

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

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■ 伸び代たっぷり、水圧技術・製品で介護市場など掘り起こす 7B15-0519-0169

◆第4の駆動源を普及させる。ADSムラカミ(高松市、村上康裕社長)は、油圧、空圧、電動に続く要素技術をさまざまな分野で実用化することを目指し発足した。はて、第4の駆動源、要素技術とは一体何? 答えは社名の中にある。ADSムラカミのADSは、アクア(水の)・ドライブ・システムの略。つまり水圧技術に基づく各種製品を世に広めるのが同社の事業目的となる。村上社長は「まず、介護や福祉の分野で製品化を進めている。安心、安全、快適、オイルフリーの四つ特徴から食品機械にもうってつけ」と市場開拓に腕を撫す。

◆同社は2014年に村上社長が興した。村上社長は、代表取締役も務めた前職の油圧機器メーカー時代に油圧市場の成熟化を知る。ある時、水圧技術と出会い、油圧を熟知する身として、水圧の持つ大きな可能性を直感。水圧シリンダーの開発に着手し、その延長線上でADSムラカミを設立する。現在、水圧技術の事業化に本腰を入れているのは国内で数社程度。駆動源別の“使われ度合い”は「私見では油圧4、空圧3、電動2・5に対し水圧は0・5ほど」(村上社長)ということで、伸び代たっぷりの技術を未開の市場に投じる構図となる。

◆四つの駆動源について、同社では、それぞれ一長一短、向き不向きがあるとし、水圧には駆動流体(水道水)の調達が容易、クリーンで衛生的、火災のリスクがないなどの利点がある半面、防錆素材がイニシャルコストを高める、関連・周辺機器が少ない、凍結対策が必要、といった難点を抱えると分析。そうした特性を踏まえた製品展開を図っている。まず、重点的に掘り起こすのが介護・福祉関連の市場。要介護・障害者向け入浴装置を開発し、福祉施設などへの導入を進めているところだ。

◆福祉施設のスタッフ作業で最もきついのが入浴介助。きつい作業を楽にするのが同社の全自動型・入浴装置で、独自開発の水圧シリンダーを組み込んで、ボタン操作だけの簡便な入浴介助を実現した。利用者の評判は上々といい、導入実績を積み上げていく。そのほか、食肉スライス・プレスなど食品機械、水道水圧で作動する防水板など防災関連機器、半導体工場をはじめ高いクリーン度が要求される昇降装置等々の製品化を図っていく。

◆「いいものを創っても売り先がないと売れないという厳しさを実感した」。村上社長は売ることの難しさを肌で感じたと振り返る。そんな実体験を踏まえ、販路開拓につながる展示会出展や事業発表会でのプレゼンなどに東奔西走する毎日。シリンダーが中核製品であるため、各種機器メーカーとの提携・協業にも力を注ぐ。「水圧機器の市場は先行き、予測がつかないくらい化ける可能性がある」と、期待に胸を膨らませる村上社長は「下町ボブスレーのようになればと思っている」と“同志”とのチーム結成も視野に入れている。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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■【心 de 経営】 経営四字熟語004 羽化登仙 ■ マズローとPDCA  四字熟語には、いろいろな示唆

2020-06-28 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

■【心 de 経営】 経営四字熟語004 羽化登仙 ■ マズローとPDCA

本

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

■ 示唆の多い経営四字熟語  No.04

     ■■ 羽化登仙 (うかとうせん) ■■

 

■ マズローとPDCA

 前回もマズローについて記述しましたが、今回もマズローに関連します。

 「羽化」は「羽が生える」、「仙」は「仙人」ですから「羽化登仙」は、直訳的には「羽が生えて、仙人となり、天に登る」ということです。

 酒に酔うと良い心地になります。それはあたかも天に登る様な良い気持ちです。仙人しか登れない天の心地と言ってもよい状態です。

 「仙人」というのは、広辞苑によると下記のような説明があります。

1)道家の理想的人物。人間界を離れて山中に住み、穀食を避けて、不老・不死の法を修め、神変自在の法術を有するという人。

2)〔仏〕世俗を離れて山や森林などに住み、神変自在の術を有する修行者。多く外道を指すが、仏を仙人のなかの最高の者の意で大仙、あるいは金仙(こんせん)ということもある。

3)浮世離れした人のたとえ


 このことから、「羽化登仙」は、「俗世間の煩わしいことを一切忘れて、仙人のように自由で気ままな心地よい境地」になるたとえと言えます。

 仏教では108の煩悩を人は持つと言われています。

 煩悩から脱却することは難しいからこそ、仏教が存在するのでしょうが、我々は色々な欲望の渦巻く中で生活しています。

 欲望という言葉で連想することは多種多様でしょうが、私はマズローの欲求五段階説を先ず思い浮かべました。ブログのマーケティング講座の中でも紹介しました。

 人間は、「生理的欲求」が満たされるようになると、自分の身を守るという「安全の欲求」を意識します。

 欲求五段階説のレベルの低い間については、ロビンソン・クルーソー(イギリスの小説家ダニエル・デフォーの書いた小説)を思い浮かべながら、マズローの欲求五段階説を考えます。安全の欲求を満たすために、クルーソーは家を作ります。

 家ができ、安全の欲求が満たされると一人の寂しさを覚えるでしょう。名前を忘れましたが奴隷や犬と共に生活をします。第三レベル「帰属と愛情の欲求」です。

 奴隷や犬との主従関係は、「尊敬の欲求」までを充分満たし得るとは思えませんが、人間社会では人から馬鹿にされることは誰しも嫌います。

 少しでも良い大学を出て、良い会社に入るというのがかつての大学生やその親の考え方でした。東日本大震災以降それが少し変化をして来ているようですが、人から尊敬されたいという気持ちは誰しも持っていると思います。名誉欲はその典型かも知れません。

 尊敬の欲求を持たすために、人は自分の夢の実現を願います。「自己実現の欲求」です。「経営コンサルタントになって、困っている社長さんの手助けをしたい」というのもこの段階の欲求です。

 この欲求があればこそ、人はがんばれるのです。

 裏を返すと、「自己実現の欲求」を失うと人間の成長は止まってしまうのかも知れません。「自己実現」で重要なことは、「夢を持つ」その夢実現のために「計画性」ということを忘れてはなりませんね。

 俗に「P・D・C・Aサイクル」というデミングサイクルと言いますが、それを回し続けることが重要です。

【 注 】
 私共のブログのマーケティング講座の中で、P・D・C・Aサイクルについては私なりの考えがあることをお伝えしています。

【Wikipedia】

 経済学的な視点からも注目を集めてきた。カール・マルクスは『資本論』の中でロビンソンを引き合いに出して論じており、シルビオ・ゲゼルは主要著書『自然的経済秩序』の中で独自のロビンソン・クルーソー物語を紡ぎ出している。
 また、マックス・ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中でロビンソン物語を取上げ、主人公の中に合理主義的なプロテスタントの倫理観を読み取っている。
 同時代の文人ジョナサン・スウィフトが代表作『ガリヴァー旅行記』を執筆したのも、本作の影響が大きいと言われている。

 

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef

 


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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 014 独創技術が営業・予算要らずのメッキ屋を育む 7B01-0512-014

2020-06-26 16:20:58 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 014 独創技術が営業・予算要らずのメッキ屋を育む 7B01-0512-014

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 独創技術が営業・予算要らずのメッキ屋を育む 7B01-0512-014

◆営業をしない、予算も売り上げ目標もない、中長期の計画もない…。ないないづくしの経営を実践し、好業績を収めている企業がある。清川メッキ工業(福井市、清川肇社長)がそれ。ないないづくしを可能にしたのが「参考書がなく、聞く人もいない中で挑戦し開発した」(清川社長)というバレル式めっき工法をはじめとする独自技術の数々。同社が40年ほど前に定めた企業理念『自由なる創意の結果が、大いなる未来を拓く』の正しさを身をもって証明しているところだ。

◆同社は清川現社長の父親である清川忠現会長が1963年に創業した。新卒採用はゼロ、途中入社の社員はすぐ辞めるといった厳しい状況が長く続いたが、どんな注文に対しても「できる」「やれる」と応える創業者の前向きな姿勢が徐々に実を結び、経営基盤は少しずつ固まっていく。さらに、コンピュータ・半導体メーカー、電機メーカー、商社に勤めていた長男、次男、三男が相次いで入社し、それぞれが技術・開発、製造・品質保証、総務・人事を担当する体制が構築されたことで、企業体質はより強固となり、今日に至る。

◆長男で、1991年に入社、2010年に父からバトンを受けた清川肇社長は、地元・福井大学大学院で成膜技術を修めたエンジニア。前向き姿勢を貫き通す創業者、技術者魂にあふれる2代目-の親子コンビは、独創的なメッキ技術を数多く生み出す。その最たるものが、バレルという容器の中で、電子部品などの小物に対してまとめて、めっきを施す工法。清川社長は「大学の先生もどうしたらいいか分からず、自分で考え、数打ちゃ当たると試行錯誤を繰り返し、実用化に結び付けた」と説明。「先生のいない仕事が一番面白い」とも言う。

◆「主要顧客は輸出部品メーカーで動向が読めないから営業はしない」(清川社長)という同社は、予算も売り上げ目標も中計も持たない。「加工業で自社製品はなく、あるのはめっき技術だけ。客の都合で計画や予測は変わってしまうため、来るもの拒まず去る者追わずで、臨機応変に経営している」(同)。この臨機応変の経営は、高い技術力の為せる業といえそうだ。もっとも、営業はしない中でも、ホームページでの情報発信や展示会出展には力を入れており、それらの効用を「千に三つの確率だがホームランも飛び出す」(同)と評している。

◆清川現会長は約40年前、冒頭に記した『自由なる…』の企業理念を打ち出した。以後、代が変わっても受け継がれ、同社のDNAとなるこの理念の正当性は、安倍首相が15年春、福井の中小企業代表として同社を訪問したことが雄弁に物語る。清川社長は「東京五輪のメダル制作を当社で手掛けよう」と、ないないづくし経営には珍しく明確な目標を設定。金・銀・銅のメッキ技術を通して、清川メッキの名を世界に轟かせようとしている。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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◆【経営コンサルタントの独り言】 主婦にもプレミアムフライデーがあるのでしょうか? 525

2020-06-25 17:03:00 | 【話材】 老いぼれコンサルタントのひとり言

【経営コンサルタントの独り言】 主婦にもプレミアムフライデーがあるのでしょうか? 525

 

平素は、ご愛読をありがとうございます。

経営コンサルタントのプロや準備中の人だけではなく、経営者・管理職などにも読んでいただける二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

■ 主婦にもプレミアムフライデーがあるのでしょうか? 525

 第4金曜日はプレミアムフライデーです。

 少しずつですが、浸透し始めていますが、一過性の動きではなく、良い方向に向かってほしいと思います。

 一方で、主婦にはプレミアムフライデーがあるのでしょうか?

 それどころか、主婦の業務に対してどのくらい理解してあげられているの、多くの人が不充分なのではないでしょうか?

 残念ながら、かくいう私もどのくらい妻の仕事の価値を理解し、それに対して感謝の念を持っているかと問われますと、自信を持って「YES」と回答できません。

 ただ、何かをしてもらったときには「ありがとう」というように心がけています。

 それで充分に私の気持ちを表せているかどうかはわかりません。

 言葉を発する前に、妻に限らず相手に対する感謝の念を持ってから、「ありがとう」というようにしています。

 

(ドアノブ)

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto

 

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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】503 先端経営学は「実証性」重視

2020-06-25 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】503 先端経営学は「実証性」重視

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

 

■      今日のおすすめ

 

 『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(著者:入山章栄 英治出版)

 

■      アメリカの経営学者はドラッカーを読まない(はじめに)

 今日の紹介本は、いきなり「経営学の最先端を行くアメリカの経営学者は、『経営学の父』と言われているドラッカーの本を読まない」という所から入って来ます。  著者は、現在の世界の経営学はアメリカがリードしている事実は否めないとして、敢えて「アメリカの経営学(者)」と「世界の最先端経営学(者)」とを同義で使っています。因みに、世界最大の経営学会「アカデミー・オブ・マネジメント」の2012年の年次総会に世界85カ国から9,369人の経営学者が出席しました。国別の出席者数は、アメリカが50%、日本は0.4%、アジアは7%、英・仏・独、合わせて14%とアメリカが中心である事、日本が極端に少ない事がわかります。更に、世界のトップクラスの経営学の学術誌(「アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル」「ジャーナル・オブマネジメント・スタディーズ」等)に掲載される論文の約80%は統計分析を用いた論文という事です。

 この事実をどのように捉えたら良いのでしょう。著者は、まず、経営学を「実証性」と「規範性」に分けています。今の経営学の主流は「実証性経営学」です。ドラッカー理論は「何が組織にとって望ましいか」という「規範性経営理論」と捉えます。

 もう一つの分け方は、「演繹的」と「帰納的」の分け方です。日本の経営学理論はケーススタデイに基づく「帰納的理論」が圧倒的に多いと言われています。しかし、世界の主流は、「一般・普遍的理論」から統計分析などにより「個別的結論」を導き出す「演繹的理論」です。

 このような経営学の先端的状況を知り、どちらかと言えば、「規範性理論」「帰納的理論」に親しんでいた私が、この紹介本から何を得たか、その一部をご紹介しましょう。

 

■      新たな知のフロンティア

【ポーターの「競争戦略」が生まれ変わる】

 「ファイブ・フォース」「バリュー・チェーン」などで代表されるマイケル・ポーターの「競争戦略論」の基本コンセプトは「持続的競争優位」と言えます。

 アメリカの経営学者、ウィギンズとルエフリの二人は「持続的競争優位が本当に存在するか」という疑問に大規模なデータと統計分析手法を用いて挑戦しました。二人は、1972年から1997年までの全米40産業の6,772社の投資利益率などの時系列データを用いて、「10年以上続けて同じ業界のライバルより高い業績を残した場合」を「持続的競争優位」を持っているとみなしました。そしてその様な企業はどのくらいあるか分析しました。

 結論として以下の3つの発見をしました。

① 「持続的競争優位」を実現している企業は、全体のわずか2~5%にすぎなない。

② 近年になればなるほど、「競争優位」を実現できる期間が短くなっている。「持続的競争優位」を実現する事はどんどん難しくなってきている。

③ 他方で、いったん競争優位を失ってから、その後再び競争優位を獲得する企業の数が増加している。一時的な優位を鎖のように繋いで、結果として長期的な高い業績を得ている。

この研究結果を踏まえてダヴェニは「ハイパー・コンペティション下では、積極

的競争行動をとった企業のほうが高い業績を上げられる」との論文を発表し、「業績の向上につながる積極的競争行動は何か」という新たな「コンペティティブ・ダイナミクス」という研究テーマの流れを作りました。

 私たちはこのような、先端の経営学の研究を踏まえ、既存の考えをどう生まれ変わらせたら良いのでしょう。ポーターの「競争戦略論」を「守りの戦略」と位置づけ、高業績を維持するには、それに加え「攻めの戦略(コンペティティブ・ダイナミクス)」を併せて考え、その上で戦略的ポジショニングを考えるべきと変って行きます。 

【シュンペーターのイノベーション理論が生まれ変わる】

 シュンペーターのイノベーション理論は、簡単に言ってしまえば、「イノベーションの五つの構成素材、影響要素を、新たに組み合わせ、新たな創造をすること」と言っても良いでしょう。

 「新たな組み合わせとは」を求める研究がされました。カティーラとアフージャが世界のロボットメーカー124社のデータを用い、各企業の「知識の範囲」を計算しました。新たな特性を付加した製品を生み出す頻度をイノベーションの成果の代理指標とし、「知の範囲」との関係を分析しました。この結果「知の範囲」は幅が広いほど良い結果が出るが、しかし、極端に幅が広がるとかえってマイナスの効果が出るとの研究結果を出しました。

 サンプソンは、世界34カ国の情報通信装置産業437社の特許引用データを用いて、研究開発の提携をしている企業同士の「組み合わせによる知の範囲の指数」を計算しました。アライアンス企業のイノベーションの成果と「知の範囲」との関係を調べ、「ほどほどの知の広がり」が良い成果に繋がるとの結論を得ました。

 これらの研究結果を踏まえ、著者は次の結論を出しています。

① イノベーションの本質の一つは、知と知との組み合わせから新しい知を生み出す事であり、そのためには企業は知の幅を、ほどほどに広げる必要がある。

② 新たな知を求める「知の探索」に加え、既存の知を深める「知の深化」が共に必要である。

③ 業績が良いときの、イノベーションの停滞(コンピテンシー・トラップ)を避けるために、企業は組織的に「知の探索」と「知の深化」のバランスを保ちながら、「コンピテンシートラップ」を避ける戦略を進めることが重要である。

この結論を実践している企業が、1月20日のBSジャパン「ガイヤの夜明け」で

紹介された、文具メーカーの「キングジム」です。日本全体の特許から、自社の得意分野と組み合わせる事が出来る特許を選び、その特許を保有する企業との連携で、次々と新たな製品を開発し、新商品を生み出しています。なかでも素晴らしい製品と思ったのは、マグネットも画鋲も要らない掲示板です。

【新たな知見「ホフステッド指数」と「コグート・シン指数」】

 ヘールト・ホフステッドはアメリカIBM社の40カ国、11万人の従業員に行動様式と価値観に対するアンケート調査を行い、様々な国の文化・国民性を定量的に測定し指数化しました。コグートとシンは、この「ホフステッド指数」を使って、それぞれの国の文化的・国民的距離を定量化し「コグート・シン指数」を計算しました。この結果「ホフステッド指数」や「コグート・シン指数」による『国民性分析』は意外な結果を示し、日本人と価値観や行動様式が最も近い国はハンガリー(1番目)とポーランド(2番目)。日本と同じアジアの国である韓国(39番目)や中国(47番目)は、意外にも欧州のドイツ(7番目)やフランス(28番目)よりも離れています。コグートとシンは、米国系506企業のデータを使い、海外進出形態(買収、合弁)の実態とこの指数とが密接な関係にあることを分析、証明しました。世界の経営学者の間では常識的な指数ですが、私は初めて出会った指数です。詳細は紹介本をお読み下さい。

 経営学は進歩していますね。遅れないようにと警告を与えられました。

 

■      既知の経営理論がいきいきとして来る(むすび)

 ご紹介させていただいたように、現在の最先端の経営理論を知る事で、既知の理論がその有用性を増すことがご理解頂けたと思います。また今まで知らなかった新たな経営理論も有効に使うことが出来ます。その意味で、最先端の経営理論に興味を持っておく事は大切と思います。

 著者は、私達が学術誌を読むのはなかなか困難と言います。最先端の経営学をビジネス実務への応用論文として掲載する「ハーバード・ビジネス・レビュー」や「一橋ビジネスレビュー」が有用と言います。

 私も、これらの本に、今までとは違った視点で向き合えると楽しみです。新たな知のフロンティア、新たな有用な経営理論を求めていきたいと思います。

 

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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◆【経営コンサルタントの独り言】 日本で最初のゴルフ場は? 524

2020-06-24 17:03:00 | 【話材】 老いぼれコンサルタントのひとり言

【経営コンサルタントの独り言】 日本で最初のゴルフ場は? 524

 

平素は、ご愛読をありがとうございます。

経営コンサルタントのプロや準備中の人だけではなく、経営者・管理職などにも読んでいただける二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

■ 日本で最初のゴルフ場は? 524

 5月24日は「ゴルフ場記念日」、5月28日は「ゴルフ記念日」とゴルフの記念日が続いています。

 アメリカにいたときには、毎週末ゴルフをしていました。

 週末だけではなく、夏時間の間は、8時過ぎまで明るいのですので、終業後、ゴルフをすることもありました。

 車で15分くらいのところに、ハーフラウンドができるミッドコースがありました。

「ミッドコース」という言葉があるのかどうか知りませんが、9ホールで、ロングホールがありません。

 結構難しいバンカーがあり、コースを廻ると言うよりも、バンカーの練習をしたり、アプローチの練習をしたりと、このコースを利用する人は様々です。

 キャディーさんも電動カートもありません。

 それにしても住宅街にゴルフコースがあるなんて、うらやましいですね。


 ところで、日本最初のゴルフコースは?

 世界で最も人気の高いコースはどこ?


(ドアノブ)

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

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■【経営知識】 管理会計03-01-8 03 管理会計活用の末広がり8項8 「8項 人間性重視」

2020-06-23 15:49:31 | 【話材】 ビジネス関連

■【経営知識】 管理会計03-01-8 03 管理会計活用の末広がり8項8 「8項 人間性重視」

 管理会計を学んだことのある人は多いと思います。

 ところが、理屈ばかりで、今ひとつ面白みがない「学問」であると感じた人も多いでしょう。

 ビジネスパーソンは、管理会計を学問と捉えるよりも「経営実務のための経営思想」と捉えてみてはいかがでしょうか?

 ますます、わからなくなった!?

 と、お感じの方は、ぜひ、当ブログを参考にしてみて下さい。

■ 03 管理会計活用の末広がり8項

 

 前章で、管理会計を正しく理解するために経営と管理会計との関係を中心にお話してきました。

 ここでは、どのような視点で管理会計の導入に取り組んだらよいのか、その基本姿勢を8項目としてご紹介します。

■03-01 管理会計活用の末広がり8項

 管理会計を活用し切れていない企業が結構あります。

 その主たる原因は、管理会計の特質に沿った利用のポイントを押さえ切れていないことにあります。

 なぜ、その様な重要なことが理解されないかというのは、その「ポイント」が、誰でも知っている”やさしすぎる”知識だからです。

 誰でも知っているので、軽視してしまっているからです。

 そのポイントを、管理会計活用の視点から8項に絞ってご紹介します。

【 注 】 予告なく変更となることもあります

 

◆03-01-8 「8項 人間性重視」

 経営管理は、心でするものだと筆者は考えています。

 社員一人ひとりは人間です。

 人間性を無視するのではなく、個性を尊重しながら、自己管理を重視した「温かい管理」でなければならないと考えています。

 管理会計を導入しようとしますと、多くの企業で、「締め付けの管理」がなされるのではないかと懸念の声が上がります。

 既述の通り、共有財産を利用して、自分の仕事をしやすくしたり、管理会計データを見ることにより、気づきを覚えたりと管理会計の利用メリットは大きいのです。

 管理会計の基本理念は、数値に基づく締め付け管理ではなく、温かい管理を行い、社員を育ててゆき、結果的に社会貢献に繋げてゆくことにあります。

 

【 注 】
 一般的な「管理」とは異なる、「正調派管理」について、詳しくは「あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム・今井信行著)」をご参照ください。

出典: あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム 今井信行著) 

【 書籍紹介 】

 

 “真”の管理会計とは何かを初心に戻って見直してみましょう

 

 管理会計は、私たちに「気付きの機会」を与えてくれる魔法の力を持っています。たとえば、需要予測をして、売上計画を立案したり、営業部門の課題抽出に使ったりなど、管理会計は現場の実務にとても役立ちます。

 一方で、「管理会計は理屈っぽい」「実務とかけ離れている」などと敬遠されがちです。その背景には、管理会計関連書の多くがアカデミックな著者による執筆だからです。経営というのは、泥臭い部分が多いので、現場で苦労している経営者・管理職や担当者の求めているものとは異なるところが多いのです。

 筆者は、40余年もの長きにわたって経営コンサルタントとして現場に密着してきました。従来の管理会計がバランススコアカードとか損益分岐点分析とかという経営手法の横割り的な目次構成でしたが、本書は、そのメリットを活かし、かつ利用者が求めている縦割り的な利用法をマトリックスに組み合わせたコンセプトで書かれています。

 また、経営コンサルタント団体として最も歴史と伝統のある「日本経営士協会」による、日本を代表する会計学の権威者が培ってきたノウハウを継承して、昨今の経営現場に即する形に管理会計を焼き直しました。その結果、従来の管理会計とは「別物」といえるほど、現場に則した管理会計書になりました。

 本書は、「営業・マーケティング編」として記述されていますが、営業職だけではなく、ICTや経営企画などの現場でも役立つ管理会計のノウハウと、自分の仕事に生かす方法を解説した「きょうか書(教科書+強化書)」です。管理会計で「なにができるのか」「どのように取り組むべきなのか」を興味のある項目から調べましょう!

 

目次

 第1章 管理会計を正しく理解する

 第2章 需要予測で売上計画を立案

 第3章 社内データを活用した顧客戦略に管理会計を活かす

 第4章 商品戦略、地域戦略に管理会計を活かす

 第5章 市場戦略に管理会計を活かす

 第6章 温かい管理に管理会計を活かす

 第7章 温かいプロセス管理ができる営業設備

 第8章 管理会計で営業力を向上させる

 定価:1,800円(+税) A5判/ページ数 359ページ

■ 著者プロフィール

 アメリカで経営学、マーケティングを学び、日本の商社で事務機器、印刷機器の輸出入業務や新製品開発と市場導入などを担当。ニューヨーク駐在所長、アメリカ法人役員などを歴任後、経営コンサルタントとして独立。パソコン揺籃期から中堅・中小企業のパソコン活用の啓蒙、ICT活用による経営戦略の指導など、国内のみならずグローバルなコンサルティング活動を展開。現在、日本のコンサルタントの地位向上、若手育成に力を注ぎ、日本経営士協会会長他、各種の要職に携わってきました。

 ソフトバンク「営業管理職のためのパソコンノウハウ」、秀和システム「ロジカル・シンキングがよ~くわかる本」「クリティカル・シンキングがよ~くわかる本(秀和システム 今井信行著)」、アメリカ・マグローヒル社「アメリカにとって今が対日進出のチャンス」など、著書や論文・寄稿・講演など多数。

 
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 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。

 経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練および管理について、経営者をコンサルティングし支援する人やそれを目指す人を育成しています。

 日本経営士協会は、「プロ集団+コンサルタント育成」の集団で、1951年に産声をあげ、1953年に第一号「経営士・経営士補」を誕生させ、その活動を通して社会貢献をし続けています。(http://www.jmca.or.jp)

■ 本書のご購入

 本書は、紀伊國屋書店をはじめ、その他の書店等でご購入いただけます。

  ご購入

【 注 】

 1送付先5冊以上のまとめ買いされる場合には、特別なメリットで、前払いの上ご購入いただけます。誠に勝手ながら送付先が分散して、5冊未満の送付先がある場合には、お手数でもその分につきましては書店にてご購入されるか、上記料金適用で、送料を別途追加してお申し込み下さい。(特別なメリットまとめ買い締切:2018/12/20)

 なお、お申し込みは、メールにてコンタクトをお願いします。


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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】200623 進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」

2020-06-23 13:08:25 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】200623 進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

   『進化するデジタルトランスフォーメーション「Beyond2025」』  

               (SAPジャパン 松井昌代監修 プレジデント社)

■ DX「Beyond2025」とは(はじめに)

 

【経済産業省のDXとは】

 経済産業省の「DXを推進するためのガイドライン(2018.12.12)」では、DXについて次のように定義をしています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネス・モデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と。

 

【経済産業省の「2025年の崖」とは】

 経済産業省の「DXレポート(2018.9.7)」では、『複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに 予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍。2025以降経済損失算定根拠は「DXレポート」参照。)にのぼる可能性があるとし、この場合、ユーザ企業は、爆発的に増加するデータを活用しきれずに DX を実現できず、デジタル競争の敗者となる恐れがある』とし、DXを実現し「2025の崖」を克服する必要性を訴えます。

 

【紹介本の『進化するDX「Beyond2025」』から学ぶ】

 紹介本の著者のSAPジャパン・Industry Thought Leaderメンバー19名(以下“SAP・ITLM19”と略称)が著書『進化するDX「Beyond2025」』を通して著書のコンセプトを次のように示しています。『「2025」という数字が、経産省「DXレポート」より7年前の2011年に、リンダ・グラットン教授(人材論・組織論の世界的権威)の著書「“ワーク・シフト”孤独と貧困から自由になる働き方(2025)」に表されており、著書の中でグラットン教授が予言している“5つの要因、32の現象の全てが現在実現していることに注目し、経産省の「DXレポート」や「DX推進ガイドライン」で示すテクノロジーの進化中心ではなく、テクノロジーの進化・DXを手段として、あるべき未来を見据えた取組みをし、「“ワーク・シフト”(2025)」の理念を超えたい』が“SAP・ITLM19”のコンセプトでした。

 この様なコンセプトの下、紹介本を通じて、SAPの取組んだソリューション提供事業を5章の章立て、34の事例により紹介しています。

 これらの取り組みが、結果としてSAPのコーポレートビジョンである“Help the word run better and improve peaple’s lives”と重なったとSAP・ITLM19は誇りを持って語っています。

 次項で34の取組み事例から注目したいソリューション提供事業3つをご紹介します。

 

■ SAPのベンダーとしてのDXへの取組み事例から学ぶこと

 

【SBBの“再生可能”をテーマにした電力デマンドマネジメント】

 SBB(スイス連邦鉄道)はスイス全土の60%を保有する鉄道会社です。現在消費電力の92%は水資源を主とした再生可能エネルギーで賄っています。2030年までに消費電力は20~30%増加すると見込みます。増加分を含め2025年までにこれを100%にする目標を掲げ、SAP HANA Streaming Analyticsを利用してリアルタイムの電力需要データを収集(ストリーミングデータをオンザフライ方式により収集)し、電力ピークを予測し暖房温度(SBBは冬の需要が大きい)を自動的に下げることで電力消費を抑制(ピークシェービング)し目標を達成する実証試験を行っています。

 このシステムの稼働を有効にするため4000両の車両の改修を進めています。これによりSBBの消費電力に対応するための再生可能電力インフラを新たに造るコスト(100億円)に比し半分のコストで済むという計算をしています。

 日本でも東急電鉄が2050年までに再生可能エネルギーによる消費電力調達比率100%を目指し、2019年10月から取り組んでいます。

 

【非デジタルネイティブ(デジタル化の遅い電力事業など)のクラウド化への挑戦】

 イタリアのEnel社(大手エネルギー事業会社)は日本全国の顧客の70%に当たる6000万(イタリア国内3200万)の顧客を持つ非デジタルネイティブ電力会社です。Enelは、電源の再生可能エネルギーへの移行、分散型電源の増加に対応するためのデマンドレスポンスの最適化対応、データに基づく分析型の設備メンテナンスへの移行、顧客に向けたスマート商品によるサービス提供などを進めるため、Everything“as a Service”(全てのシステムをクラウド化しビジネスを加速化・最適化・効率化・「モノ」から「コト」へのサービス化などを実現)をゴールに定めDXを進めています。

 EnelはDXの最初のステージで、SAP HANA Enterprise Cloud上で、SAP公共企業向け料金計算ソリューションを使い、イタリア国内3200万の顧客の料金計算をクラウド上で実現(検針の自動化)しました。

 日本の非デジタルネイティブ事業(電力、ガス事業)で、Enelと同様以上のDXを実現し、労働人口減少・SDGsへの対応などの社会貢献の実現を期待したいです。

 

【新たな差別化が生まれる“X-Dataからの顧客体験”】

 SAPは、従来は、企業が業務データ(Operational data以下O-Data)を基にPDCAサイクルを回すソリューションを強みとしていました。しかし、O-Dataの前段階の体験データ(Experience Data以下X-Data)が業務改善の成功率を高める最善策となるケースを発見し、X-Dataをビジネスプロセスに取込み、O-Dataと組み合わせPDCAサイクルを回すことで改善の最善策を打てる包括的ビジネス基盤を提供しようとX-Dataの取り込みに強いQualtrics社を買収し、提供体制を確立しました。

 そのソリューション提供事例が、アメリカ東海岸に拠点を置く格安航空会社のjet- Blue Airwayのケースです。このソリューションの特徴は、①顧客の声を収集し、②そこからインサイト(潜在的な購買要求)を抽出・提示、③改善アクションを促す、エクスペリエンスマネジメントプラットフォームを提供することです。

 jet-Blueは、このソリューションを活用して得た、カスタマー及び従業員のX-Dataを改善策に用いた結果、年間コスト削減300億円、改善したネットプロモータースコア(NPS;顧客ロイヤリティーを測る指標)が13ポイント改善、年間増収額400億円を実現しました。

 jet-Blueは「人間性を養い高めることを」をミッションとして掲げています。ソリューションから得られたX-Dataに基づくお客様の声を現場(フロント)に届けると同時にカスタマーファーストのきめ細かい即時対応を最優先として考え行動した結果がこれらの経営効果に繋がったとしています。

 今から25年ほど前、アメリカのサウスウエスト航空が、バランス・スコア・カードの手法で経営改善に成功した事例と比べ、jet-Blueの成功はまさにDXの時代の成功事例との感を強くします。

 

【その他の事例も参考にしてください】

 字数の関係もあり、以上の3例のみのご紹介となりましたが、この他にもDXがもたらす企業の未来像が見えて来る貴重な例が多くあります。是非本紹介本を開き、これからのDX経営のご参考として下さい。

 

■ 「2025年の崖」を克服し、「Beyond2025」であるべき未来を切開こう(むすび)

 

 コロナ禍の中、新しい社会・ビジネス・働き方の在り方を考える時を迎えています。DXにおいても、「2025年の崖」を乗り越え、「Beyond2025」の未来に向けたあるべき姿を求めていく大切な時と思います。

 紹介本の事例を参考にしながら、これからのデジタルテクノロジーの時代のあるべきビジネス・モデルの戦略の策定・実行をしていきたいですね。

■ 

【酒井 闊 先生 プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622  経営コンサルタントを40年余やってきた経験

2020-06-22 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622

 地上から100kmほど離れると「宇宙空間」に到達する。これは東京-宇都宮間の距離で、思いのほか宇宙は近くにある。その宇宙を、より身近なものにしよう、みんなが宇宙と遊ぶ世界を実現しようと、人工衛星関連ビジネスに取り組んでいるのがワープスペース(茨城県つくば市、亀田敏弘社長)。亀田社長は「アミューズメントやイベント・広告といった新分野を開拓し、宇宙を楽しむ時代をつくりたい。宇宙のビッグデータを活用する夢も描いている」と、宇宙開発新時代の尖兵役を果たす気構えだ。

 同社は筑波大学発ベンチャーとして2016年8月に発足した。筑波大では2011年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの協力、援助のもと、衛星プロジェクトを立ち上げ、低価格衛星をベースとする数々の事業アイデアを生み出し実践してきている。そんな中、「エンジェル投資家に恵まれた」(亀田社長)ことで宇宙ベンチャーが誕生する。創業者の亀田社長は筑波大准教授を務め、経営者と研究者の二足のわらじを履く。総勢20名ほどのスタッフも取締役CTO(最高技術責任者)をはじめ、学生との兼業者らが大半を占める。

 『人々が思い思いに宇宙を楽しめる世界を創造する』。こんなミッションを掲げる同社は、現在、観測や測位、通信が主な用途の人工衛星を、アミューズメント、イベント・広告、教育・研究をはじめ幅広いジャンルに活用しようとしている。すでに、工業高校での「宇宙授業」などの案件が具体化しているという。亀田社長は「JAXAや産総研と近接する立地を生かし、各機関と連携しながらPDCAサイクルを回して市場を開拓する」と事業家としての意欲、意気込みを語る。

 2017年1月、筑波大・衛星プロジェクトの一環として、超小型衛星「結(ゆい)2号」が国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟から宇宙に放出され、結は今日まで順調に稼動している。ワープスペースでは「学生と共に歩んできた独自路線の開発に自信が持てた」(亀田社長)と、同プロジェクトの実績を拠り所に、手軽でローコストの衛星ビジネスを推進する。亀田社長は「衛星のミッション立案から設計製造、試験、打ち上げ、管制、衛星データ活用まで、一貫した衛星関連事業サービスの確立が当面の目標」とも話している。

 同社では宇宙におけるビッグデータにも目を向けている。具体的には(1)近宇宙(宇宙空間のうち地球に近い空間)のデータを収集する低価格衛星の大量供給、(2)衛星の宇宙への輸送、(3)データの収集と蓄積-を三位一体で行える希少な事業者のポジションを確立する、といった青写真を描いている。「地上のビッグデータはグーグルが押さえている。宇宙のビッグデータは我々が握る」(同)と、青写真の大きさは宇宙空間に勝るとも劣らない。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】013 事例紹介 ■ IoT電源問題に応える再生可能エネ新技術を世に問う 7A250509

2020-06-22 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】013 事例紹介 ■ IoT電源問題に応える再生可能エネ新技術を世に問う 7A250509

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

 

■ IoT電源問題に応える再生可能エネ新技術を世に問う 7A250509

◆IoT(モノのインターネット)普及のボトルネックになるのでは…と懸念されるのが、各種センサーをはじめとするIoT端末や無線モジュールの電源問題だ。低コスト、小型、長時間使用、メンテナンスフリー、自立化など、電源に求められる条件は厳しい。その難問に対する一つの解を提示したのが西風技研(東京都福生市、西浦信一社長)。同社では風力、水力といった再生可能エネルギーを位置/弾性エネルギーに変換、蓄積し発電する方式を編み出し、高いハードルを越えた。「このアイデアを思い付いた時、鳥肌が立った」(西浦社長)という新技術・新方式には、IoTの進展と共に『大化け』する可能性も感じられる。

◆同社は西浦社長が2015年に設立した。半導体関連メーカーにエンジニアとして30年間勤め多くの特許技術を開発した西浦社長が「ちょっと自信のある発想力を生かしたい」と、再生可能エネルギーに的を絞って起業。新分野に挑戦するセカンドライフを歩み始めて今日に至る。たまたま、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の再生可能エネルギーの研究助成や日本政策金融公庫の創業融資を受けられたことも背中を押した。

◆自慢の発想力でひねり出したのが、風速1m程度のそよ風、あるいは小川の緩やかな清流でも発電につなげられる動力アップ技術「パルジファル」。風力発電の場合、通常、毎秒3m程度の風が吹かなければエネルギーを取り込めない。パルジファルは減速機/増速機などを組み合わせて、1mの風、しかも小型の羽(ブレード)でも、位置エネルギー(重りを持ち上げるなど)、弾性エネルギー(板バネを変形させるなど)として少しずつ貯め込めるように工夫した。貯め込んだエネルギーを一気に解放すれば、Wi-Fiやセルラーに対応する数百mA以上を供給できるという。

◆「少しずつ貯め一気に解放する。そうすれば断続的、間欠的ながらも大きな電力が得られ、IoTにどんぴしゃり符合する。この発想が浮かんだ時、市場の大きさに思わず鳥肌が立った」。西浦社長はブレークスルーの瞬間をそう振り返り「売電を目的とするような再生エネの取り組みからは絶対に出てこないアイデアだと思う。もともと電気のないところに何とか電気を届けたいとの思いから始めたものが、IoTで開花しそうだ」と好機到来を語る。

◆同社では、風車を組み込んだ、直径15cm、高さ25cmほどの円筒形の小型・高出力IoT無線機を試作し、その事業化を進めている。有望市場として期待しているのが、老朽化した橋梁、トンネル、高速道路など社会インフラの劣化をチェックするセンサーネットワーク用で「車が通って風が舞い、風況は最適」(同)と相性の良さを説明する。パルジファルや小型・高出力無線機が、IoTの波とうまくシンクロしたあかつきには、その市場は、風が舞って拡散するように、どこまでも広がっていきそうだ。

 
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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622

2020-06-22 07:40:59 | 【話材】 ビジネス関連

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 023 筑波大発・宇宙VBが衛星利用のニュービジネスに挑戦 8117-A622

 地上から100kmほど離れると「宇宙空間」に到達する。これは東京-宇都宮間の距離で、思いのほか宇宙は近くにある。その宇宙を、より身近なものにしよう、みんなが宇宙と遊ぶ世界を実現しようと、人工衛星関連ビジネスに取り組んでいるのがワープスペース(茨城県つくば市、亀田敏弘社長)。亀田社長は「アミューズメントやイベント・広告といった新分野を開拓し、宇宙を楽しむ時代をつくりたい。宇宙のビッグデータを活用する夢も描いている」と、宇宙開発新時代の尖兵役を果たす気構えだ。

 同社は筑波大学発ベンチャーとして2016年8月に発足した。筑波大では2011年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などの協力、援助のもと、衛星プロジェクトを立ち上げ、低価格衛星をベースとする数々の事業アイデアを生み出し実践してきている。そんな中、「エンジェル投資家に恵まれた」(亀田社長)ことで宇宙ベンチャーが誕生する。創業者の亀田社長は筑波大准教授を務め、経営者と研究者の二足のわらじを履く。総勢20名ほどのスタッフも取締役CTO(最高技術責任者)をはじめ、学生との兼業者らが大半を占める。

 『人々が思い思いに宇宙を楽しめる世界を創造する』。こんなミッションを掲げる同社は、現在、観測や測位、通信が主な用途の人工衛星を、アミューズメント、イベント・広告、教育・研究をはじめ幅広いジャンルに活用しようとしている。すでに、工業高校での「宇宙授業」などの案件が具体化しているという。亀田社長は「JAXAや産総研と近接する立地を生かし、各機関と連携しながらPDCAサイクルを回して市場を開拓する」と事業家としての意欲、意気込みを語る。

 2017年1月、筑波大・衛星プロジェクトの一環として、超小型衛星「結(ゆい)2号」が国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟から宇宙に放出され、結は今日まで順調に稼動している。ワープスペースでは「学生と共に歩んできた独自路線の開発に自信が持てた」(亀田社長)と、同プロジェクトの実績を拠り所に、手軽でローコストの衛星ビジネスを推進する。亀田社長は「衛星のミッション立案から設計製造、試験、打ち上げ、管制、衛星データ活用まで、一貫した衛星関連事業サービスの確立が当面の目標」とも話している。

 同社では宇宙におけるビッグデータにも目を向けている。具体的には(1)近宇宙(宇宙空間のうち地球に近い空間)のデータを収集する低価格衛星の大量供給、(2)衛星の宇宙への輸送、(3)データの収集と蓄積-を三位一体で行える希少な事業者のポジションを確立する、といった青写真を描いている。「地上のビッグデータはグーグルが押さえている。宇宙のビッグデータは我々が握る」(同)と、青写真の大きさは宇宙空間に勝るとも劣らない。

 

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■【心 de 経営】 経営四字熟語003 意馬心猿 マズローの欲求五段階説 本  四字熟語には、いろいろな示唆

2020-06-21 13:41:29 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

■【心 de 経営】 経営四字熟語003 意馬心猿 マズローの欲求五段階説

本

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

■ 示唆の多い経営四字熟語  No.03

     ■■ 意馬心猿(いばしんえん)■■

 

 マズローの欲求五段階説

 「人間というのは、欲望・欲情から逃れることがなく、仏教では108の煩悩を持つ」と言われています。この煩悩を押さえがたいというのが、意馬心猿です。

「意」は、「心」という意味です。意馬心猿は、「心が、走り回る馬や騒ぎ立てる野猿のように落ち着かない」という意味から、人間というのは煩悩を抑えがたいということを表しています。

 マーケティングというのは、人間が持つ顕在的なニーズだけではなく、顕在化しているニーズをも引き起こし、売れる仕組みを作ることです。そのステップが「AIDMAの法則」です。

 マーケティングを学ぶときに、AIDMAの法則と共に忘れてならないのが「マズローの欲求五段階説」です。人間の欲望というのは、基本的な欲求と上を目指す欲求とがあります。前者としては、「生理的欲求」「安全欲求」があり、これが満たされると「帰属と愛情の欲求」が求められるようになります。

 自分が住む家に家庭があると「帰属と愛情の欲求」が満たされ、さらに上を求めます。会社で昇格をして管理職になりたい、さらには役員に就きたい、等々は「尊敬の欲求」というマズローの欲求五段階説の第4段階です。

 その様なニーズがある中で、経営コンサルタントは、その業務の一環として、社員研修の講師をすることにより、モラール(モチベーション)を上げ、その欲求実現のお手伝いをします。結果として企業の業績が向上すれば経営コンサルタントとしての評価が高まります。

 すなわち、経営コンサルタントとしての名声が上がります。マズローの第4段階は経営コンサルタントにも当てはまります。

 経営コンサルタントとして成功したいというのは、「自己実現の欲求」という第5段階に相当します。すなわち、われわれ経営コンサルタントは、企業を支援することにより、その企業の「夢」すなわちその企業の「自己実現の欲求」充足のお手伝いをしながら、自分自身の自己実現を図って行く職業なのです。

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef

 


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■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する11 部下のやる気を落とさないように注意やアドバイスをする

2020-06-21 09:03:39 | 【心 de 経営】 藤原流
■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する11 部下のやる気を落とさないように注意やアドバイスをする
 
 
 日本経営士協会は、ご存知の方も多いと思いますが、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 
 会員は、それぞれ異なった専門分野を持っていますので、経営士同士が競合するというよりは、専門外の分野で補完し合っています。これを「共業・共用・共育」といっています。
 
 コンサルティングという実務を通じて、いろいろな体験をしています。その体験を通して、みなさまに情報をお届けしています。
 
■■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する
 

 人は誰しも、諍いや争いなどのトラブルを嫌うのではないでしょうか。

 そのトラブルの多くは、ちょっとした言動が原因であったり、それが契機となって人間関係がこじれたりしているようです。

 かねてより、【心 de 経営】ということを基本に、永年コンサルティングをして参りました。「de」は、フランス語の前置詞で、英語にしますと「of」に近い意味合いであり用法であると認識しています。

「de」を、英語の「of」の意味で用いますと「心 of 経営」、すなわち「経営”の”心」となります。「de」を、そのまま、日本語の「で」に置き換えますと「心で経営」となります。

 ここでは、後者の「心で経営」に重点をおいて、経営に限らず、人間関係における「心づかいのあり方」を、平素の体験から感じるがままにを徒然に記述してまいります。それにしても、他人に優しくするには、自分に厳しくなければならないことを痛感しています。

 期せずして日本経営士協会理事長の藤原久子先生も、心を大切にすることを常々口にされています。理事長とお話している中で出てきたことを中心にまとめています。ある意味では、藤原理事長との合作といえるブログです。

 物事や人の心には多面性があります。お届けするブログが正論であるか否かは、皆様のご判断にお任せしますが、参考にして下さいますと幸いです。

 
 
11 部下のやる気を落とさないように注意やアドバイスをする

 

 このブログシリーズで、歩行喫煙をしている人に対する言い方について、相手に気づいていただく例をご紹介しました。

 それが、仕事上の部下であったり、目下の人であったりしますと、相手への配慮を欠いてしまうことがありがちです。

 「注意や叱ることにより、相手のやる気を削ぐことがないように」、できれば、「さらにやる気を高められるように」という視点になります。

 しかし、親にさえ叱られたことがないような人達が多い昨今ですので、上司だからといって、高圧的な言い方は厳禁です。「パワハラだ」と、訴えられてしまうかもしれないご時世です。

 一方で、ストレートに、相手の問題点を指摘し、論理的に話して納得させようというのも、「率直だ」という評価からうまく行く場合もあります。しかし、得てして、率直な物言いを、いきなりされても、逆ギレを買うことになりかねません。

 人によっては、自信を失い、せっかく、成長を意図しての行為ですのに、逆効果になってしまうこともあります。

 この様に、劣等感を抱かせたり、反感を買ったりしないためには、どのようにしたら良いのでしょうか。

 人によっては、「本論から入らずに、相手を誉めるところから始めるのがよい」とアドバイスをする方もいます。

 この方法は、成功することが多いですので、いろいろな人が推奨しています。ところが、反面、「下心が、見え見え」とこちらの手立てを読まれてしまいますと、せっかくの配慮もうまく行きません。


 ありきたりのことではありますが、注意をしたり、叱ったりするときの基本は、自分が冷静であることが第一です。

 相手の性格に応じて、誉めることから始めるのか、率直に切り出すのか、適切な判断が必要です。

 これもよく知られていることですが、他の社員のいる前での、注意や叱責は厳禁です。

 私は、事前に、キチンとストーリーを整理し、メモにしておき、原則は、それに沿って、論理的に、ゆったりとした口調で話をするようにします。

 多くの場合には、これでうまく行きますが、こちらが構築したストーリー通りに進まないことがあたり前のように起こります。そのようなときも、一旦は横道にそれることも容認して、ストーリーを修正したり、状況判断によって補正をしたりします。

 けっして、いつも言っていることや、他の人に言っていることと異なる論旨にならないように、主旨一環が原則です。その場限りのやり方は、矛盾を請じかねません。

 八方美人的に、「嫌われたくない」という気持ちが先行しても、平素言っている論旨から外れてしまうこともあります。

 しかし、中には、論理的に理詰めで話されるのが不得意な人もいます。その様な人の多くは、情緒的な人です。「相手の情に訴える」という戦法も人によっては効果的です。

 要は、目的と手段の選択と、状況に応じた臨機応変性が求められるといえます。

  (ドアノブ)

 


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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】012 事例紹介 ■ 北の恵みを独自技術で味付けし、美味しさ×健康を届ける 7A180505

2020-06-19 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】012 事例紹介 ■ 北の恵みを独自技術で味付けし、美味しさ×健康を届ける  7A180505

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

 

■ 北の恵みを独自技術で味付けし、美味しさ×健康を届ける  7A180505

◆北海道の農水産物に付加価値をつける-北海道バイオインダストリー(札幌市、村上季隆社長)が、20年前の創業時から打ち出しているのが、健康をキーワードとする北海道発・高付加価値食品の産出だ。昨年度、24万本出荷したタマネギドレッシングがその代表的商品。「北海道にはアイヌの文化などを通して伝承的に体に良いとされる1次農水産資源がたくさんある」(村上社長)と、『北の恵み』を独自技術で味付けし、消費者に美味しさ×健康を届けていく。

◆同社は1997年、北海道の大学発バイオベンチャー第1号として発足した。北海道東海大学の研究シーズを発展させて、コア技術となる「BRC製法」を編み出した。BRC製法とは、辛味が強い北海道産タマネギの辛味成分から、抗酸化作用を発揮して、学習記憶障害の改善にも効く「DPTS」という機能成分を高効率で生成する仕組み。創業まもなくから、この成果物をサプリメントや食品メーカー向けの健康食素材として供給してきた。

◆近年、力を入れているのが5年前に発売し、シリーズ化を進めているタマネギドレッシング。北海道の特産品を加えた羽幌甘エビ香味、とうもろこし香味、東神楽アスパラ香味など11種類をシリーズ化し、主力商品に育て上げた。「超高齢社会の日本では、おいしくて身体に良いものが、世の中の流れになっていく。そう考えて、BRC製法で加工した道産タマネギ由来のドレッシングを開発した」(村上社長)。掲げるキャッチフレーズは『北海道の美味しさと健康を食卓に』で、販路は道内500店舗から首都圏などへも広がっている。

◆『アグリ・エコ・インダストリー(農業生態産業)の実現を目指す』。同社が企業指針として打ち出しているのは、1次、2次、3次の各産業に一気通貫で取り組み、いわゆる6次産業化を成し遂げようといったもの。その一環として、規格外品など農水産品の『廃物利用』も進めている。また、タマネギ活用のスイーツやスープなど、新商品づくりにも拍車をかけている。村上社長は「北海道みやげの定番となるような、美味しさ×健康の商品開発に挑戦する」と意欲を語る。

◆同社が農業生態産業や6次産業化を推進する背景には、北海道の食品工業の付加価値率が長年、低水準にとどまっていることもある。全国平均が30%を超えるのに対し、北海道は20%台で推移し、都道府県別ランクは40位以下。こうした状況を一変させようとの思いを抱いている。2年前、急逝した創業社長の佐渡宏樹氏は「風をつかみ、風を起こせ」と、自ら新風を巻き起こすことの大切さを力説した。創業者の遺志を継いだ2代目社長は「5年先には北海道を代表する健康関連企業になろう」とのビジョンを描いている。

 

 
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成
 

 

 
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