■【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 40 経営理念の構築・再構築のコンサルティング 2
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■【経営支援編】第5部 経営戦略編 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 3章 経営理念の構築・再構築に取り組む
企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。
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5-3 経営理念の構築・再構築に取り組む
経営理念とは何かについて、共通認識ができましたら、実際に経営理念構築・再構築の実務編に入りたいと思います。
経営理念をどの様に構築・再構築するか、その方法となりますと一般的には確立されていないといえます。他社の事例を参考にして経営者が、エイヤーッと作成したり、経営コンサルタントに依頼して作成したりとするケースが多いようです。
ここでは、経営理念だけではなく、経営基本戦略や中長期経営計画など、経営管理を行う上で、関連する次項を念頭において、経営コンサルタント歴40年余の実績から、経営理念構築・再構築の方法をご紹介します。
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◆5-40 経営理念の構築・再構築のコンサルティング 2
前項で、経営ビジョン法を用いる方法で、分析についてお話してきました。
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このようにして滲み出てきました経営ビジョン法による成果物を最後に集約して、それを基に経営理念を決定します。
集約には、既述のように発散・収束法を用いて、それを整理して、経営理念構築・再構築を行います。
筆者は、いろいろなケースで、SWOT分析表を集約表として、しばしば用いることは、お話してきています。
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ここでは、経営ビジョン法の集約表をご紹介します。
これまでの検討から、経営上の最重要事項は何かを箇条書き等で列挙します。事業ドメイン分析も含まれます。
また、経営者としての夢や創業者精神だけではなく、死生観・人生観や社会観などを集約して、表記します。
外部経営環境を見ることも忘れてはなりません。内外の経営環境分析の内容、その中でも業界動向や技術・顧客の動向が重要です。
また、世の中が求める企業像、企業の社会性なども忘れることはできません。自社の存在価値、大切にしている離見・考え方、行動原理などを列挙します。
そして、これらを基に、経営理念を構築・再構築して行きます。
これが、「経営ビジョン法」による、経営理念構築・再構築の方法概要です。
いくつかのツールや集約法を用いますので、整理しやすい点が評価されています。
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2) 要因分析法
経営理念構築・再構築で、経営ビジョン法とともに用いられる手法として「要因分析法」があります。
別名「フィッシュボーンチャート(魚骨図)」とも呼ばれる要因分析図を核に、経営理念を集約する方法です。
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要因分析法は、大きく5つの部分に分けて、それぞれの項目に即した分析を行います。当該する項目に即したツールを別途用いることもあります。
①要因分析
②現状の主なポイント
③解決の方向
④解決策
⑤企業の方向
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① 要因分析
最初の要因分析は、既述の発散・収束思考により、最終的に経営上のキーとなる要因を選定します。ピラミッド・ストラクチャーなどロジカル・シンキング・ツールを用いても結構です。
② 現状の主なポイント
ここでは、①で列挙されました各要因に対して、どの様に解決すべきかという視点で、フィッシュボーンチャート的に中項目、小項目を列挙します。
フィッシュボーンチャートではなく、ロジックツリーを用いたり、その他のヒエラルキー・ツール(階層ツール)を用いたりしても良いです。
③ 解決の方向
②で整理した項目から、自社が取り組むべき課題を列挙し、それぞれの解決の方向をフィッシュボーンチャート等で整理します。
④ 解決策
③項の、解決の方向に対する解決策を中項目、小項目という形で整理します。
⑤ 企業の方向
これまでの作業で整理された事項を俯瞰的に見ながら、企業の方向性を一言集約または箇条書きにし、それを経営理念としてまとめ上げます。
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要因分析法は、発散・収束思考を繰り返しますので、比較的取り組みやすい手法として評価されています。
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