群馬県川場村を拠点に活動する「あるきんぐクラブ」のHPを久々に見てびっくりしました。この地域も放射能に汚染されたため「山の家」を中心とする野外活動計画を一年間全て中止してあたらしい活動のあり方を模索するというのです。リーダーの竹内成光さんの言葉です。
「この春の大震災、そしてさらに6月頃になって<放射能線の値がこの近辺で高い>ということを知りすぐに理事会を開きました。私たちの活動が主に子ども対象で土としっかり交わり・戯れるタイプの活動が多く、中には13泊14日もシート1枚のテントの中で地べた近くに寝るというキャンプや、さらに妊婦や乳幼児も参加するイベントもあるということで、苦渋の判断として、とりあえずイベントを1年間ストップするということになったわけです。大震災に際しては野外活動をしている団体としての能力を発揮して、支援する側に回るという動きを始めていたのですが、なんと、このような状況に。
この藪を抜けるための新しい決断は何なのかを見極めるためにこの1年を使い、希望のある未来につなげたいと思っています。<タケ>」
出典●「あるきんぐクラブ」http://blog.goo.ne.jp/kaminari56/e/be7c55222bd654756618aa5679a50ced
竹内さんたちは都会に育ったこどもたちを森に案内して遊ばせるプロ中のプロです。
年間計画を全て中止するというのですから大変な決断です。びっくりしました。しかし、自分の仕事に誇りと責任を持つ人たちにとっては当然のことだったのでしょう。
近頃、文部科学省が公表したセシウムの汚染地図です。群馬県北部もすっぽりと入っています。
出典●http://takedanet.com/2011/10/post_0e5a.html
竹内さんたちの決断に改めて私たちが置かれている状況を思い知らされました。
この地図では埼玉県南部は安全地帯のように見えますが狭山茶が汚染され出荷停止になりました。お茶屋さんが倒産し、スーパーや小売店の茶の棚は空っぽです。
3月11日以来、私たちは新しい世界に生きているのです。程度の差はあれ、東電・「福一」がもたらした放射能汚染のただ中で生きていくほかはないのです。
このことをキモに命じて、どう生きたらよいかを智慧を総動員して模索していくほかはありません。山の家の人たちの偉いのは自分たちが苦難のただ中に置かれているにもかかわらず、常に人々と共にあろうとする姿勢を堅持して活路を見出そうとしているところです。
ひるまず、立ち止まらず、歩み続ける元気はどこから生まれるのでしょう?