選挙の開票時の報道特番ではテレビ東京が断然面白い。
お笑いタレントを使うのではなく池上彰がMCをやっているからで、池上彰の鋭い突っ込みが縦横無尽に炸裂し、政治家が一瞬本気モードの顔とかいやなことを聞くなという顔をすることがままあります。
政権交代した2012年12月の総選挙での「池上彰の総選挙ライブ」が評判になり、再放送とかDVD化の要望がテレビ東京に殺到したとか。この本は若干自慢ぽいのですが、その裏側や池上彰の報道姿勢を書いたものです。
そもそもジャーナリストの役割とは、嫌なことをビシバシ聞いてなかなか露わにされない本音を聞き出すことですから、ちょいと見さらりとした質問に鋭い指摘が入っています。
どうやって質問を考えているのでしょうか。
答えは当たり前のことなのですが、相手をよく研究すること。過去の発言をきちんとレビューし、現在何が一番焦点になっているのか、具体的に追い込んでいくことです。
プロ野球の勝利投手にヒーローインタビューで「おめでとうございます。今のお気持ちは」と聞いても内容ある答えは期待できない。具体的に「7回のあの場面はどうでしたか?」とか聞けばしっかりした答えが出てくるものです。インタビュアーはインタビュー相手のことを考えながら同時に視聴者のことも考えるという高度な技術が必要です。当選した議員に「おめでとうございます。今のお気持ちは」と聞いても当たり前の答えしか返ってこないのです。この本でも紹介してありますが、谷亮子とのやり取りでは議員としての実力と覚悟が露わになっています。公明党の太田昭宏議員、惨敗した民主党の岡田副代表、社民党の福島瑞穂代表にも本当に聞きにくいことを聞いて本音を垣間見させています。
ここではいろいろな人のインタビューを取り上げていますが、池上さん、総理大臣の安倍さんについては最初に辞めた経緯を考えてもあまりいい印象を持っていないような気がします。今は首相官邸のチーム安倍できちんとメディア戦略を立てマスコミに対応しているのでそつなくこなしている感じですが、安倍さん自身は思いが強くて言葉が上滑りしてしまうところがあるのでは。国会での答弁を聞いていても私が総理大臣なので任せなさい、文句あるかという感じで傲慢な感じがします。対抗馬の石破さんについては臨機応変に答えながらも安定感抜群という高評価。あのゆったりとした話し方もビデオを見ながらいろいろ努力しているみたいで地方で人気なのもむべなるかです。
小泉進次郎についてはどんな質問にも動じずアドリブにも強くて対応力抜群とか。池上さんとのやり取りでは上手な演説をするにはという講座のようになっています。演説に行くときは必ずその地方、応援する人の予習をしていきます。予習もせずに行く人はいないでしょうと言っていますが、結構いるんですよね。この前「ワイドナショー」で東野幸次が小泉進次郎にインタビューしていたのですが、お笑い芸人相手でも非常にそつなくきちんと答えていたので感心した覚えがありますが、なるほどですね。メディア戦略やマスコミ対応については父親の小泉純一郎もうまかったので遺伝子でしょうか。
ところでこの本では民主党の歴代首相の鳩山、菅、野田についてはほとんど触れられていません。あえて触れるほどのこともないと思ったのか、民主党では小沢さんとのやり取りが出てきていますが、相手として不足ないのは小沢さんぐらいということでしょうか。
維新の橋下さんについては独特の逆質問があるのでよく準備して対応できるようにしておかないとやり込められるというか誤魔化されてしまいます。
これは他の人も言っていますが、今の日本の記者クラブの制度と地方の現場を知らずに政治部記者となり政治家の取り巻きのように過ごすことが経験不足と勉強不足から記者としての質問力を弱めて池上さん言うところの「いい質問ですね」という質問が出なくなってきています。
インタビューする時にはひたすら質問事項のメモを見ているのではなく、相手をよく観察する「観察力」と「聞く力」が大切です。会話のピンポンから出るいい質問が政治家を育てていくのです。
政治家のインタビューだけではないのですがテレビでやるとどうしても編集され視聴者受けするところばかりが強調して何回も放送されるのですが、鋭い質問に臨機応変に答えていく対応力をきちんと見て政治家を評価していきたいものです。
次回も池上彰がやるならテレビ東京の選挙特番がおすすめです。
お笑いタレントを使うのではなく池上彰がMCをやっているからで、池上彰の鋭い突っ込みが縦横無尽に炸裂し、政治家が一瞬本気モードの顔とかいやなことを聞くなという顔をすることがままあります。
政権交代した2012年12月の総選挙での「池上彰の総選挙ライブ」が評判になり、再放送とかDVD化の要望がテレビ東京に殺到したとか。この本は若干自慢ぽいのですが、その裏側や池上彰の報道姿勢を書いたものです。
そもそもジャーナリストの役割とは、嫌なことをビシバシ聞いてなかなか露わにされない本音を聞き出すことですから、ちょいと見さらりとした質問に鋭い指摘が入っています。
どうやって質問を考えているのでしょうか。
答えは当たり前のことなのですが、相手をよく研究すること。過去の発言をきちんとレビューし、現在何が一番焦点になっているのか、具体的に追い込んでいくことです。
プロ野球の勝利投手にヒーローインタビューで「おめでとうございます。今のお気持ちは」と聞いても内容ある答えは期待できない。具体的に「7回のあの場面はどうでしたか?」とか聞けばしっかりした答えが出てくるものです。インタビュアーはインタビュー相手のことを考えながら同時に視聴者のことも考えるという高度な技術が必要です。当選した議員に「おめでとうございます。今のお気持ちは」と聞いても当たり前の答えしか返ってこないのです。この本でも紹介してありますが、谷亮子とのやり取りでは議員としての実力と覚悟が露わになっています。公明党の太田昭宏議員、惨敗した民主党の岡田副代表、社民党の福島瑞穂代表にも本当に聞きにくいことを聞いて本音を垣間見させています。
ここではいろいろな人のインタビューを取り上げていますが、池上さん、総理大臣の安倍さんについては最初に辞めた経緯を考えてもあまりいい印象を持っていないような気がします。今は首相官邸のチーム安倍できちんとメディア戦略を立てマスコミに対応しているのでそつなくこなしている感じですが、安倍さん自身は思いが強くて言葉が上滑りしてしまうところがあるのでは。国会での答弁を聞いていても私が総理大臣なので任せなさい、文句あるかという感じで傲慢な感じがします。対抗馬の石破さんについては臨機応変に答えながらも安定感抜群という高評価。あのゆったりとした話し方もビデオを見ながらいろいろ努力しているみたいで地方で人気なのもむべなるかです。
小泉進次郎についてはどんな質問にも動じずアドリブにも強くて対応力抜群とか。池上さんとのやり取りでは上手な演説をするにはという講座のようになっています。演説に行くときは必ずその地方、応援する人の予習をしていきます。予習もせずに行く人はいないでしょうと言っていますが、結構いるんですよね。この前「ワイドナショー」で東野幸次が小泉進次郎にインタビューしていたのですが、お笑い芸人相手でも非常にそつなくきちんと答えていたので感心した覚えがありますが、なるほどですね。メディア戦略やマスコミ対応については父親の小泉純一郎もうまかったので遺伝子でしょうか。
ところでこの本では民主党の歴代首相の鳩山、菅、野田についてはほとんど触れられていません。あえて触れるほどのこともないと思ったのか、民主党では小沢さんとのやり取りが出てきていますが、相手として不足ないのは小沢さんぐらいということでしょうか。
維新の橋下さんについては独特の逆質問があるのでよく準備して対応できるようにしておかないとやり込められるというか誤魔化されてしまいます。
これは他の人も言っていますが、今の日本の記者クラブの制度と地方の現場を知らずに政治部記者となり政治家の取り巻きのように過ごすことが経験不足と勉強不足から記者としての質問力を弱めて池上さん言うところの「いい質問ですね」という質問が出なくなってきています。
インタビューする時にはひたすら質問事項のメモを見ているのではなく、相手をよく観察する「観察力」と「聞く力」が大切です。会話のピンポンから出るいい質問が政治家を育てていくのです。
政治家のインタビューだけではないのですがテレビでやるとどうしても編集され視聴者受けするところばかりが強調して何回も放送されるのですが、鋭い質問に臨機応変に答えていく対応力をきちんと見て政治家を評価していきたいものです。
次回も池上彰がやるならテレビ東京の選挙特番がおすすめです。