日銀がいよいよマイナス金利を導入する。アベノミクスで国債を買いまくりお金をどんどん供給しても、銀行としては有利な融資先もなく、お金が市中に出回ることもなくマネーサプライは伸びずに結局は日銀の当座預金にブタ積み。その額は200兆ともいわれている。
それならばブタ積みされた当座預金に利子をつける(現在は0.1%)のではなく、逆にマイナス金利でお金をいただくならば市中に回るという発想。
でも大企業は内部留保を増やしているので投資するにも借りる必要がない。審査を緩くして中小企業にどんどん貸し出せば焦げ付きが増えてくる。バブル崩壊後の不良債権処理に苦しんだ経験があるだけに強引な融資には二の足を踏んでしまう。
銀行としても有望な事業に取り組んでいるいい融資先があれば積極的に融資したいのであろうけど、そこで問題になるのが企業を見る「目利き力」。残念ながら今の銀行は書類審査だけでこうした「目利き力」を養ってこなかった。
マイナス金利の中で融資先の評価をきちんとしなければいけなくなった今こそこういった本が必要となってきています。
よく新聞の経済面の片隅(上場企業の場合はドカンと出ますけど)に載る倒産情報には帝国データバンクからの情報となっている。
企業の信用調査を行う帝国データバンクは、全国の企業約150万社のデータを保有していて、約1700人の調査員が直接企業を訪問するなり、面会やインタビューするなりして社内の様子をチェックしています。
こうした情報網から日々企業動向をチェックしていますし、倒産関連情報を専門に扱う部門では、70~80人ほどが倒産取材を行っています。
この膨大な情報と調査員の経験から見えてくる会社の寿命、面白いドキュメントになっています。
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では、簡単にわかる倒産につながるチェックポイントとは?ヒト、モノ、カネの3つの視点から見てみると…
ヒト;.管理職が辞める会社は危ない。注目すべきは営業部長とか経理部長の部長クラスとか。銀行出身の経理部長の後任が来ない場合はかなりの確率で危険!
モノ;当たり前ですが高額商品を換金売りしているようなところは危ない。逆に仕入れの急激な製品発注や購買量の増加も経営が立ちいかなくなることを見込んだ措置で危ない!
カネ;当然ながら支払いがなかったり月末に社長や経理担当者が見つからないのも危うい兆候。「男はつらいよ」のタコ社長のようにぼやきながらバイクで駆けずり回っているようだと分かりやすいんですけどね。
倒産に至るまで経営者はあの手この手でしのごうとします。
よくあるのが粉飾決算ですが、金融機関をいかにだますのか、お互いに知らせることなく複数の銀行にそれぞれ決算書を作り融資をしてもらうなどあの手この手を考えます。
半沢直樹ではないですが、ここで銀行の「目利き力」が問われます。将来発展する可能性のある会社を見出すとともに、危ない会社の危ない社長や経営者を見極めることが大切だからです。銀行員のこうした目利き力をどう養成していくのか大きな課題です。
実務をやっている中で様々な事例から伝承しにくいノウハウをいかに繋いでいくのかですね。
この本には調査員なりが実際に遭遇した話とか銀行の支店長から聞いた話が次々と出てくるのですが、銀行の失敗の経験はそれが減点主義のためにノウハウとしてなかなか伝えられにくいというのは納得です。
にしても企業を伸ばすのも潰すのも社長なので、社長を見れば一定の傾向が分かります。
調査員が見た「会社を潰す社長」とは
五つの「ない」
1計画性がない
2情報がない
3リーダシップがない
4危機感がない
5人脈がない
五つの「弱い」
1数字に弱い
2パソコンに弱い
3朝に弱い
4決断力が弱い
5人情に弱い
まあ、これだけダメな要素がそろっている会社は常識として危ないでしょう。でもすべてとは言わなくてもいくつかは該当する経営者もいるんですよね。
因みに最近は企業倒産の社長年齢は70歳以上の社長が10年前と比べて2倍以上になっているとか。帝国データバンクの集計では増収増益を達成する企業も70歳を超えるとがくんと減るとか。こうなると社長はいくら自分だけはしっかりしていると思っていても70歳になればそろそろ後進に道を譲らないとだめですね。どうも高齢化は企業としての活力や継続性の面においてマイナスが明らかみたいです。でも自分だけはみんなと違うと思いがちなのが人情ですけど。
この他、生き残る企業の条件として老舗の優良企業5社の社長インタビューもあり、帝国データバンクの名物情報記者の奮戦記もあり、さらに戦後の「帝国ニュース」でたどる倒産史までお堅いことばかりでもなく楽しく読めます。
最後には倒産の基礎知識もまとめてあって、会社更生法適用と民事再生法適用の違いとか破産と特別清算とかを簡単に解説してあってなるほど。
それにしても企業を見るについての「目利き力」が大切なことが分かります。
それならばブタ積みされた当座預金に利子をつける(現在は0.1%)のではなく、逆にマイナス金利でお金をいただくならば市中に回るという発想。
でも大企業は内部留保を増やしているので投資するにも借りる必要がない。審査を緩くして中小企業にどんどん貸し出せば焦げ付きが増えてくる。バブル崩壊後の不良債権処理に苦しんだ経験があるだけに強引な融資には二の足を踏んでしまう。
銀行としても有望な事業に取り組んでいるいい融資先があれば積極的に融資したいのであろうけど、そこで問題になるのが企業を見る「目利き力」。残念ながら今の銀行は書類審査だけでこうした「目利き力」を養ってこなかった。
マイナス金利の中で融資先の評価をきちんとしなければいけなくなった今こそこういった本が必要となってきています。
よく新聞の経済面の片隅(上場企業の場合はドカンと出ますけど)に載る倒産情報には帝国データバンクからの情報となっている。
企業の信用調査を行う帝国データバンクは、全国の企業約150万社のデータを保有していて、約1700人の調査員が直接企業を訪問するなり、面会やインタビューするなりして社内の様子をチェックしています。
こうした情報網から日々企業動向をチェックしていますし、倒産関連情報を専門に扱う部門では、70~80人ほどが倒産取材を行っています。
この膨大な情報と調査員の経験から見えてくる会社の寿命、面白いドキュメントになっています。

では、簡単にわかる倒産につながるチェックポイントとは?ヒト、モノ、カネの3つの視点から見てみると…
ヒト;.管理職が辞める会社は危ない。注目すべきは営業部長とか経理部長の部長クラスとか。銀行出身の経理部長の後任が来ない場合はかなりの確率で危険!
モノ;当たり前ですが高額商品を換金売りしているようなところは危ない。逆に仕入れの急激な製品発注や購買量の増加も経営が立ちいかなくなることを見込んだ措置で危ない!
カネ;当然ながら支払いがなかったり月末に社長や経理担当者が見つからないのも危うい兆候。「男はつらいよ」のタコ社長のようにぼやきながらバイクで駆けずり回っているようだと分かりやすいんですけどね。
倒産に至るまで経営者はあの手この手でしのごうとします。
よくあるのが粉飾決算ですが、金融機関をいかにだますのか、お互いに知らせることなく複数の銀行にそれぞれ決算書を作り融資をしてもらうなどあの手この手を考えます。
半沢直樹ではないですが、ここで銀行の「目利き力」が問われます。将来発展する可能性のある会社を見出すとともに、危ない会社の危ない社長や経営者を見極めることが大切だからです。銀行員のこうした目利き力をどう養成していくのか大きな課題です。
実務をやっている中で様々な事例から伝承しにくいノウハウをいかに繋いでいくのかですね。
この本には調査員なりが実際に遭遇した話とか銀行の支店長から聞いた話が次々と出てくるのですが、銀行の失敗の経験はそれが減点主義のためにノウハウとしてなかなか伝えられにくいというのは納得です。
にしても企業を伸ばすのも潰すのも社長なので、社長を見れば一定の傾向が分かります。
調査員が見た「会社を潰す社長」とは
五つの「ない」
1計画性がない
2情報がない
3リーダシップがない
4危機感がない
5人脈がない
五つの「弱い」
1数字に弱い
2パソコンに弱い
3朝に弱い
4決断力が弱い
5人情に弱い
まあ、これだけダメな要素がそろっている会社は常識として危ないでしょう。でもすべてとは言わなくてもいくつかは該当する経営者もいるんですよね。
因みに最近は企業倒産の社長年齢は70歳以上の社長が10年前と比べて2倍以上になっているとか。帝国データバンクの集計では増収増益を達成する企業も70歳を超えるとがくんと減るとか。こうなると社長はいくら自分だけはしっかりしていると思っていても70歳になればそろそろ後進に道を譲らないとだめですね。どうも高齢化は企業としての活力や継続性の面においてマイナスが明らかみたいです。でも自分だけはみんなと違うと思いがちなのが人情ですけど。
この他、生き残る企業の条件として老舗の優良企業5社の社長インタビューもあり、帝国データバンクの名物情報記者の奮戦記もあり、さらに戦後の「帝国ニュース」でたどる倒産史までお堅いことばかりでもなく楽しく読めます。
最後には倒産の基礎知識もまとめてあって、会社更生法適用と民事再生法適用の違いとか破産と特別清算とかを簡単に解説してあってなるほど。
それにしても企業を見るについての「目利き力」が大切なことが分かります。