正直言って私は、総理大臣安倍晋三が嫌いです。
第一次安倍内閣で迷走の上総理大臣を突然投げ出したことはもとより、その右翼的言辞、自信満々にできもしないことを断言(古くは消えた年金で最後の一人までとお約束します、福島では状況はアンダーコントロールとか)する姿勢にも嫌悪感を覚えます。
それでもその安倍晋三のもとで自民党は衆参選挙を勝ち続け、大きな破綻なく政権運営を進めています。
そこには前民主党政権のあまりにも無様な政権運営があったことも含めてオリンピック招致に成功した、世界経済の潮目が円安に振れていた(アベノミクスの発動前から円高は是正されてきていた)、原油高から原油安に大きく動いたなどなどの要因があるとは思いますが、菅官房長官を中心とするチーム安倍の働きがあるのです。
非公開の首相執務室で行われる首相と官房長官、加藤、世耕、杉田の3人の官房副長官、そして今井首席秘書官による「正副官房長官会議」は時間は10分から15分と短いのですが、ほぼ毎日行われています。顔を合わせることによって互いの考え方に理解が深まり誤解を防ぐことができる。雑談も多くカジュアルな雰囲気だそうですが、そこでディスカッションしたら総理の決意とか温度を聞いているみたいです。この「正副官房長会議」が安倍官邸における最高意思決定機関となっていて、ここで決定したことは政府全体を動かすことになる。政権(すべからく組織というものはそうでしょうけど)をきちんと動かしていくにはコアとなるチームの信頼関係と相互理解がいかに重要かということです。
ちなみに官邸首相執務室には祖父岸信介の写真が飾られているとか。父安倍晋太郎の写真は公邸に飾られているそうですが、祖父を模範とする心情が出ています。岸信介をどう評価するかでしょうが、ちょっとおぞましい気分です。
ところで首相の靖国神社参拝は、この正副官房長官会議のメンバーが全員反対したみたいですが、首相が押し切って参拝したものだとか。そこには第一次安倍政権からの宿題であり、安倍のコアとなる支持母体への仁義を切る必要があったのでしょう。案の定というか対外関係で無用な波風を立てています。
それにしてもこの本で紹介されていますが民主党政権時代の官邸の統治能力は悲惨としか言いようがありません。鳩山、菅の統治能力も能力ですが、それならそれで官邸スタッフがお互いに信頼関係をもち連携して支えるシステムを構築しなければ空中分解するしかありませんし、実際に空中分解してしまいました。
もっとも第一次安倍政権でもチーム安倍は縦割りでお互いに調整することもなく官邸が全く機能していなかったので、内部崩壊していっていた。ただし、第2次安倍政権はその失敗からよく学んでいる。それが端的には「正副官房長官会議」の働きとなっている。
安倍は第一次安倍政権での失敗を「反省ノート」に書き同じ轍を踏まないようにしているそうですが、辞任して孤立していた時にも誰にも言わなかったけれども再登板を渇望し、絶対に再起しようと誓って努力していたみたいです。不遇の時に暖かい手を差し伸べてくれたものには恩義を感じているし、一律ではないマスコミへの対応にもその感覚が出ています。靖国参拝もその延長線にあるのか…
ところで民主党の鳩山とか菅は「反省ノート」をきちんと書いているのだろうか。どうも全く反省していないみたいですけどこれでは捲土重来は無理ですね。野田はどうなんだろう。あの時政権に携わった人たちはまずきちんと反省ノートを書かなくては。
まあ、こう書いていくと安倍を評価してしまうのですが、ちょっと著者の安倍への贔屓が過ぎるかなとも思えますけどね。
これを読んで少しは安倍総理を見直しましたが、でもやっぱり嫌いです。
ところで今のチーム安倍を支えているのはなんといっても菅官房長官。この本でも1章を割いてその人となりと仕事ぶりを紹介していますが、本当に激務ですね。毎朝5時に起きて新聞を熟読し6時半からは主な項目を短めに伝えるNHKニュースを見て(私も見ています)、分刻みの日程をこなしながら1日4回それぞれ1時間ぐらい政治家、経済人、有識者、幅広いメディアと話す時間を作っている。寝るのは11時過ぎ、でもなにかあると本当に寝る間もないのでしょう。そんな中で一日2回の記者会見を無難にこなしつつも失言は少ない。もちろん首相とのコンビネーションもいい。強靭な意志と圧倒的な行動力があるのだが、政治家にとって特に重要な優れたカンを持っている。そのためタイミングの判断がいい。もっとも麻生政権の解散総選挙の先送りのようにその動物的なカンが大きく外れたときもあったそうですが。
そんな菅ですが「私は安倍総理を尊敬しているのです」と言っていると聞くとなぜかと思ってしまう。自分にない貴種尊崇の類?でも相互に深い信頼関係で結ばれているのは確かなようなのでこのコンビは強力です。
今、安倍政権は集団安保法制に突っ走っていますが、アメリカで調子よく約束したようにはすんなりいかない雲行きです。最後は力で押し切れると思っているのでしょうが、逆風の中、これから官邸はどう対応していくのでしょう。
第一次安倍内閣で迷走の上総理大臣を突然投げ出したことはもとより、その右翼的言辞、自信満々にできもしないことを断言(古くは消えた年金で最後の一人までとお約束します、福島では状況はアンダーコントロールとか)する姿勢にも嫌悪感を覚えます。
それでもその安倍晋三のもとで自民党は衆参選挙を勝ち続け、大きな破綻なく政権運営を進めています。
そこには前民主党政権のあまりにも無様な政権運営があったことも含めてオリンピック招致に成功した、世界経済の潮目が円安に振れていた(アベノミクスの発動前から円高は是正されてきていた)、原油高から原油安に大きく動いたなどなどの要因があるとは思いますが、菅官房長官を中心とするチーム安倍の働きがあるのです。
非公開の首相執務室で行われる首相と官房長官、加藤、世耕、杉田の3人の官房副長官、そして今井首席秘書官による「正副官房長官会議」は時間は10分から15分と短いのですが、ほぼ毎日行われています。顔を合わせることによって互いの考え方に理解が深まり誤解を防ぐことができる。雑談も多くカジュアルな雰囲気だそうですが、そこでディスカッションしたら総理の決意とか温度を聞いているみたいです。この「正副官房長会議」が安倍官邸における最高意思決定機関となっていて、ここで決定したことは政府全体を動かすことになる。政権(すべからく組織というものはそうでしょうけど)をきちんと動かしていくにはコアとなるチームの信頼関係と相互理解がいかに重要かということです。
ちなみに官邸首相執務室には祖父岸信介の写真が飾られているとか。父安倍晋太郎の写真は公邸に飾られているそうですが、祖父を模範とする心情が出ています。岸信介をどう評価するかでしょうが、ちょっとおぞましい気分です。
ところで首相の靖国神社参拝は、この正副官房長官会議のメンバーが全員反対したみたいですが、首相が押し切って参拝したものだとか。そこには第一次安倍政権からの宿題であり、安倍のコアとなる支持母体への仁義を切る必要があったのでしょう。案の定というか対外関係で無用な波風を立てています。
それにしてもこの本で紹介されていますが民主党政権時代の官邸の統治能力は悲惨としか言いようがありません。鳩山、菅の統治能力も能力ですが、それならそれで官邸スタッフがお互いに信頼関係をもち連携して支えるシステムを構築しなければ空中分解するしかありませんし、実際に空中分解してしまいました。
もっとも第一次安倍政権でもチーム安倍は縦割りでお互いに調整することもなく官邸が全く機能していなかったので、内部崩壊していっていた。ただし、第2次安倍政権はその失敗からよく学んでいる。それが端的には「正副官房長官会議」の働きとなっている。
安倍は第一次安倍政権での失敗を「反省ノート」に書き同じ轍を踏まないようにしているそうですが、辞任して孤立していた時にも誰にも言わなかったけれども再登板を渇望し、絶対に再起しようと誓って努力していたみたいです。不遇の時に暖かい手を差し伸べてくれたものには恩義を感じているし、一律ではないマスコミへの対応にもその感覚が出ています。靖国参拝もその延長線にあるのか…
ところで民主党の鳩山とか菅は「反省ノート」をきちんと書いているのだろうか。どうも全く反省していないみたいですけどこれでは捲土重来は無理ですね。野田はどうなんだろう。あの時政権に携わった人たちはまずきちんと反省ノートを書かなくては。
まあ、こう書いていくと安倍を評価してしまうのですが、ちょっと著者の安倍への贔屓が過ぎるかなとも思えますけどね。
これを読んで少しは安倍総理を見直しましたが、でもやっぱり嫌いです。
ところで今のチーム安倍を支えているのはなんといっても菅官房長官。この本でも1章を割いてその人となりと仕事ぶりを紹介していますが、本当に激務ですね。毎朝5時に起きて新聞を熟読し6時半からは主な項目を短めに伝えるNHKニュースを見て(私も見ています)、分刻みの日程をこなしながら1日4回それぞれ1時間ぐらい政治家、経済人、有識者、幅広いメディアと話す時間を作っている。寝るのは11時過ぎ、でもなにかあると本当に寝る間もないのでしょう。そんな中で一日2回の記者会見を無難にこなしつつも失言は少ない。もちろん首相とのコンビネーションもいい。強靭な意志と圧倒的な行動力があるのだが、政治家にとって特に重要な優れたカンを持っている。そのためタイミングの判断がいい。もっとも麻生政権の解散総選挙の先送りのようにその動物的なカンが大きく外れたときもあったそうですが。
そんな菅ですが「私は安倍総理を尊敬しているのです」と言っていると聞くとなぜかと思ってしまう。自分にない貴種尊崇の類?でも相互に深い信頼関係で結ばれているのは確かなようなのでこのコンビは強力です。
今、安倍政権は集団安保法制に突っ走っていますが、アメリカで調子よく約束したようにはすんなりいかない雲行きです。最後は力で押し切れると思っているのでしょうが、逆風の中、これから官邸はどう対応していくのでしょう。