言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方金融機関の新商品開発」<その5>

2011-11-02 10:21:20 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方金融機関の新商品開発」<その5>


本田は作成した企画書を3通手渡し、自分用の1通を手に説明し始めた。

表紙には『団塊よ、日はまた昇る――<夢かなえるローン50+(仮)>』と書かれていた。

それは、要約していえば、先日見たテレビの内容からヒントを得た、団塊世代を応援するという金融商品であった。

一般に売り出す商品ではなく、定年を間近に控えた50代以上の人たちに限定して、低金利で融資する商品だった。

さらにはその融資を受ける人にはビジネスマッチングを提供し、事業が軌道に乗れるようにバックからの支援もするという内容のものだった。

「そのテレビを見たときに、それはもしかしたら自分であるのかもしれないと考えました。私が起業した時は資金もなく、もちろん会社からの退職金も、途中退社でほとんどもらえずにとても苦しんだんです。銀行からお金を借りるにしても、まだ家のローンも払っていたので担保にもならなく、かといって目に見えるものとしての仕事ではないので、どんなにいい事業計画書を書いても、絵に描いた餅ということで相手にしてもらえませんでした。その経験が下敷きになっています」

本田は一息ついて目の前のふたりを見た。
しかし口を出さないのを見て続けた。

「ですから、この団塊向け商品『夢かなえるローン 50+(プラス)』はかつての私への応援でもあるわけなんです。ネーミングはもう一度これから検討するにしても、ぜひともここから第二の起業を応援する声をあげてほしいんです!」

本田はまるで自分への融資を依頼するような熱心さで、部長と山口に説いた。

「キャラクターには動物のカエルを考えています。最初ネーミングで、夢かなえるローンというようにしたので、カエルがいいかなと。単純ですけど。あなたの夢が正夢にかえるというような感じで。こういったものは単純が一番ですから。考えすぎると結果はあまり良くないです。経験上」

「ほ~、なるほど。そうでしたか。私はてっきり一般向けの預金商品だとばかり思っていたんですが、まさか融資のプランが上がってくるとは思ってもみませんでした」

「申しわけありません。お気に召さないということですか」

「いやそうじゃありません。実際のところ、ほらだいたい懸賞金付定期とかの金融商品が今まであったので、それを踏まえた上での定期関係の商品プランが上がってくるだろとばかり頭にあったものですからね。ちょっと意表をつかれたというか」

隣りでは山越も無言で大きく頷いた。

「何かとんちんかんなことをしてしまいましたか」

「いや、そういうことではありあせん。これはこれで面白いなと思いましたから」

気まずい沈黙が流れた。

少しの無言の時間の後、部長は笑顔に戻りながら、言った。

「わかりました。面白い企画です。会議にかけ、理事長にも見せてみます。どうなるかわかりませんが、ありがとうございました」

「ありがとうございました」

山口も頭を下げた。

「何か不足しているところがあったら言ってください。考えますから」

本田は、部長の笑顔に、なんだかうまくいきそうな予感を覚えながら、本部を後にした。



数日後、山口から本田に電話があった。

「本田さん、明日にでもきていただけますか。具体的に案を練りたいので」



                           この項おわり


(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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トイレにあったPOP

2011-11-02 09:20:44 | アイデア・事例
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今朝も晴れました。
秋の空、ですね。
明日の文化の日も晴れそうです。



▲これは最近行ったセブンイレブンのある店の、男性用トイレに貼ってあったPOPです。
カタログ的に上手にデザインした、これから発売される新商品を紹介してあるものです。

まるでプロのデザイナーがデザインしたようです。
書かれている文字は読みやすく、それぞれ同じぐらいの文字数で、説明されています。
同じような大きさの写真を丁寧に切り取り貼りつけたものですが、配置もうまく、ゆっくりと読みたい気になります。
思わず用を足した後、携帯で撮ってしまいました。

トイレにはもったいないようなPOPでしたが、逆にこの前には必然的に20~30秒はじっと立つわけで、その間は動けないので、いやでも読んでしまうわけで、ここに読みたいと思わせるPOPがあれば、確実に読んでもらえるわけです。

ひとつだけ欲を言わせてもらえば、ここは男性専用のトイレなので、男性向けの商品をピックアップして書くということも考えた方がいいですね。
そして女性用トイレには女性向けの商品を説明するというように考えれば最高でしょう。

でもこのPOPはデザインという説明と言い、文句のつけようもない素晴らしいものでした。

空いている壁を見事に利用し、さらには嫌みにならないように気配り(売り言葉がなく、ではなく商品説明のみ)も行き届いていると感じさせるいいPOPです。

お客様に店の内容や商品をお知らせするために必要なPOPですが、やたらと貼ってお客様の不興を誘うだけのものも少なくありません。
必要な内容を、限られた文字数で、売り言葉ではなく、商品の説明ーー特にお客様の利益になることを書くということと、もうひとつ大事なことは、上記のような貼る位置、場所の選定が大事で、その場所によって内容も、文字数も変えるということが大事ですね。

ただ自分たちの言いたいことを書いて貼ればいい、というだけのPOPは不快なだけで、何の足しにもなりません。
一番お客様に近い広告物なだけに、いっそう配慮も必要なのではないでしょうか。

たかがPOPですが、されどPOPです。
そのたった1枚のPOPから店内のヒット商品を生み出すことも可能ですが、逆に店そのものを貶めてしまうものもありますので、気をつけたいものです。

それでは今日はこれで。


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