言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その2>

2011-11-16 13:31:07 | 商店街の再生
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その2>

ここ満天通り商店街も全国の例にもれず、ここ10数年でシャッターを下ろす店が続出している。

昭和の一番盛んなときにあった93店舗が、今や30数店にまで減り、さらに少なくなろうとしている危機的な状況を迎えている。
もちろん客が減ったというのが大方の理由だが、そんな店を継がないという店の後継者が続出していることが、それに拍車をかけている。

店が繁盛しているときに育っていい目をしている大半の後継者たちほど安定志向が強く、客の少なくなった店の現状を見ると、これから辛い現実を継ぎたくないというのが本音であった。

そうして、ウイークデーには人っ子ひとり通っていない、という時間もあるようになった。
こういった現状になる前には、もちろんいろいろと手を打った。
行政からは補助金が出て、商店街の名物マップも作成し、商工会議所ともタイアップして様々なイベントを行ってきた。
もちろんその都度一度は来店客も増えたが、しばらくするとまた元通りの人手に戻っていく。

空き店舗に出店するチャレンジ制度も行政のバックアップで始め、若者を取り込んでみたこともあるが、これも長続きする店舗が少なく、始めてから今まで1年以上続けている店舗は、1店舗しか残っていない現状がある。

行政のバックアップといっても、補助は数ヶ月間しか受けられず、存続し、独り立ちできるまで補助を受けられないといった継続的なバックアップは望めない。
さらには地元の商業高校のショップも定期的に出してはいるが、それとて実験店舗に過ぎず、とにかく継続を元にした店舗が育たずにいるのが現状であった。

そうして、これといった起爆剤もないまま、ひとつ減り、ふたつ減りと個店が少なくなっていった。

現状で何とか落ち着いてはいるが、これとてすでに商店街を維持できる店舗数を下回っている限界商店街と言えた。


これといった策もないまま、月に一度、周辺商店街と共同でイベントを行っているが、特効薬になるはずもなく、一時しのぎの域を出ることができない。

満天通り商店街理事長の田島は、商店街全体のことを考えなければならない立場だが、かといって、自身で商いをしている精肉店も、いつまで生き残って行けるかわからないといった瀬戸際に来ている。
名物のジューシーメンチカツで何とかお客様をつないでいるが、これさえいつまでもその人気が続くという保証もない。

お客様は基本的に気まぐれである。

他にもっとおいしいメンチカツがあると聞くと、そちらの方に行ってしまうことは目に見えている。



最近では少しノイローゼ気味になっている田島の耳に、ある話が飛びこんできた。
それはいつものように次のイベントの打合せで、商工会議所に出かけた時のことだった。

商政課長の岡治がふとした拍子に、ある市の老舗料亭がコンサルタントに相談して、見事立ち直ったという話を聴いたと、世間話で言い始めたことだった。

何でもその料亭でも、やはり社会の変化で、有力な顧客の倒産や経営危機などでだんだんと客数が少なくなり、ある経営コンサルタントに相談してみたところ、そのコンサルタントのアドバイスで再生したということだった。

田島はそのコンサルタントの名前は聞いたことがなかった。

あまり有名ではないらしい。

地元でも知っている人はそれほどもいないらしいし、これといった目覚ましい話も聞いたことがないらしい一方で、相談すると、何とか立ち直った店が数店あるらしい、もちろんそれでもうまくいかなくて占めたところもあるが、そのコンサルタントのアドバイスを素直に聞くと、何とかうまく行くらしいということだった。

パッとマスコミに出るような華々しさがない分、着実に店も立ち直って行くという話だった。

駄目もとで田島も一度相談してみようとそのとき思った。

そしてその件を理事会にかけた。

理事たちは半信半疑だった。

それもそのはずで、何度かそういったコンサルタントに依頼してみたことがあるが、うまくいかなかった苦い経験が理事たちの心の奥底に、
信用できないという素地を形作っていたからだ。

結局反対多数で否決されてしまった。

それでも妙に心に残った田島は一人で一度まず相談してみようと、連絡してみた。


<3>へつづく。
 
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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単品を極める

2011-11-16 08:51:40 | 繁盛店・繁盛会社をめざそう
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今朝は冷えました。
手先の冷たさでは、この冬いちばん、ですね。
水もいちだんと冷たさを増していて、今朝は昨日なんかよりも1、2分ほど沸くのが遅かったですね。
これからこういった冷たさが続きます。


マスコミや個人のブログから人気に火がつく商品があります。
どこどこのシュークリームとか、あそこのメロンパンとか、○○ロールケーキ………。
今では数え上げればきりがないほどです。

それらは本当においしいのかと言えば、まあそこそこの味のものもありますが、評判通りというのがほとんどです。
しかし中には、なんで~?というようなものもたまにはあります。
なぜでしょうか。
自分ではそれほどおいしいとは思えないのに、もてはやされるものがあるのも、事実です。


あるとき有名なスーパーの、そのインショップでおいしいパンがあるということで、買って食べてみたことがあります。
そのショップの売りは「無添加」でしたが、食べてみると、まずくて、がっかりしたことをよく覚えています。

それ以来そんな評判は信じなくなり、やはり自分で口に入れてみるとか、試してみないとダメだなあと思いました。

後で聞くところによると、そのパンは、何もつけないで食べたからだったらしいです。
やはり何かーージャムとかバターとかそういったものをつけて食べるといいんだと言われましたが、それジャパンがおいしいんじゃなくて、ジャムやバターのおいしさだろうと思いましたが、おいしいという人はその「無添加」がいいからといううだけで、それがまあ一部で評判になった結果だろうと、推測してはいますが。

その後そのパンはどうなったか知りません。

でも逆に考えると、そのパンは「無添加」だということだけで、味よりも、何も添加物が入っていないヘルシーさを前面に出したので、たくさん売れたということです。

それほどおいしくなくても、たったひとつの特徴である「無添加」を強調することで、成功したわけです。
ヘルシー志向のお客様を上手に巻き込んだPR作戦がうまくいったということです。

あなたも、あなたが扱っている商品の中からたったひとつでいいですから、これfだと思えるものをピックアップし、その商品の特徴をあらいざらい抽出し、その中からこれならいけそうだという特徴を、自分の感じた言葉でPOPに書き出して、店の中や商品の前においてみてください。

もしかしたらそれだけで小さな評判ぐらいは起きてくれるしれませんし、それでダメなら、誰かオピニオンリーダー的な人にちょっと話してもらうということぐらいはやってみてはいかがでしょうか。

どちらもすぐに、というわけにはいきません。
始めは少し時間がかかりますが、ぼやでも火がちょっとでもつけば、あっという間に広がります。

その特徴というのは、「けっこう面白い」「ちょっと変わってる」「変に可愛い」「あまりにも小さい」「あまりにも大きい」、そしてもちろん「とびきりおいしい」といった、他と比較できる特徴が引き立っているほど受けるのではないでしょうか。


それでは今日はこれで。


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