言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その4>

2011-11-30 10:31:03 | 一流の営業を目指そう
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その4>



本田は続けた。

「ちゃんと理由が分かるということはいいことですよね。次に打つ手がそれで分かるじゃないですか。何をすればいいのか」

「ーーーーー」

「分かってるはずですよね、田島さん」

「いや、分からない。頭が悪いもんでねっ!」

「怒ってますね」

「……いや、別にーー」

「ふふ、分りますよ、その顔見れば」

「ーー」

「怒るってことは、まだ脈があるということですね」

「?」

「すみません。ちょっと怒らせてみたかったんです。どれだけ本気なのか」

「………」

「よくこういったこと、相談されるんですよ。でもほとんど私が話すことを聞くだけで、そんなことできないとか、やれるわけないだろう、とか、そんなことしか言わない人が多かったんです。でね、その本気度をちょっとチェックさせていただいたんです。すみません、あやまります」

「別に、あやまってもらわなくても……」

「みなさんそうですけど、相談するということは、だいたいもう自分である程度考えを持っているんです。でも、そのプランを自分だけで実行するのに躊躇しているんです。だからそれを誰かに、やろうって言ってもらいたいんです。背中を押してもらうとかね。もしくは駄目だと。そうして安心したいんですね。違いますか」

「いや、まったくといっていいほど何も考えていません。というより今までいろいろな手を打ってきて、もう次の手を打つアイデアがなくなってきた、ということの方が本当かな」

「そりゃ困った」

「困ったって、それを考えるのがあなたの仕事じゃないの?」

「え? コンサルタントっていうのは、依頼人、クライアントって言いますが、クライアントの考えていることに、ポンッて背中を押すためにいるんです。もしくは、クライアントが考えていることに肉付けをしてから、背中を押すとかね」

「困りましたね。やはり人選が間違っていたのかもしれない。わたしはね、あなたにこの商店街がどうしたら生き残っていけるのか、聞きたかったんですよ」

「ですからまず、ですね。田島さんがこの満天商店街の理事長として、どのようなかたちで生き残ってきたいのか、ある程度頭の中に描いているはずでしょ。
それを聞かせてもらえませんか」

「私も今までのような、昔の仲間がもう一度戻ってきて、お客さんで賑わっているというような商店街を、まあ、漠然と望んでいるというわけではなく、残っていくというのはもうむずかしいということは、よお~く分っているんだ。やはり生き残っていくには、それなりの痛みも必要だろうし、まったく違った形で再生していくのだろうとは考えている」

「そうですよね。今までの形では駄目だから、こういう状況になったのですから」

「そんなことは、どんな偉い学者さんが調べて、データがどうのこうのなんて出してこなくっても、こちらはもっとひしひしと実感として分っているだよ。市でも県でも、結局イベントをするなら補助金を出すとかいうような、形に見えるものでなければ報告書も作成できないから、そんなことにばかり金を出してきた付けが回ってきたんだ」

「それを喜んで、と言うとまあ語弊がありますが、それだったらイベントでお客様を呼ぼうということで、今まではやってこられたわけでしょう?」

「その通りさ!」

「結局行政というのは、だいたい2年でそういった補助金制度というか、このような事業はいったん打ち切りになってしまうことが多いから、継続事業としてはこちらもやれないできたというところもありますよね。後はお前たちでやれって、突き放されても、やれるものとやれないものがありますからねえ」

「まったく。今まで助けてきてもらって悪口いうわけじゃないが、お役所はいいさ、はい援助しましたって実績が残るんだからさ。こちらはたいへんさは、本当はそれからなんだ」

「これからもやはり、大なり小なり行政のバックアップが必要ですから、それはさておいて、今日呼んでいただいた件の本筋を、もっと聞いておきたいですね」

「そうだな。でも聞く気は本当にあるのか。聞くだけ聞いた後で尻込みする、なんてことがあるのなら、最初からそう言ってくれ」

「聞くだけ聞いたら、後は引き受けるしかないでしょ。引き受けないまでも、きちんとアドバイスはしますよ。私だって一応コンサルタントの端くれですから」

「わかった」

満天通り商店街理事長の田島は話し始めた。


                                        つづく



<5>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

お客様そっちのけの醜い争い

2011-11-30 09:42:16 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今日で2011年の11月も終わりですね。
いよいよ最終月の師走に明日から入っていきます。

今朝は久しぶりに朝から日差しが、弱いものですが、窓から入ってきました。
昨日よりも気温が少し下がるということですが、その分日差しがあるので、昨日よりも温かい気もします。
昨夜も一昨日の冷たさよりはずいぶんとましでしたから。


先日近所にあるショッピングセンターへ行って、驚いたことがあります。
その駐車場に、です。

メインの駐車場の真ん中に、以前ならそのまま通路になっていたところに、道路工事などのときに置かれる例の赤いコーンが並べられているんです。
あれ何か工事するのでクルマを止めたのかなと思いながら、迂回したのですが、別にそんなことはありません。

この駐車場、3分の一ぐらいは隣地にある日本一の(と言ってしまえばどこかは明瞭ですが、あえて苦情を言うので名前は出しません)電機店の駐車場らしいんですね。
見た目は隣のショッピングセンターの駐車場とつながったひとつの敷地になっていますので、客の立場から見ると、どこに駐めてもいいはずです。
できた当初はそうして同一敷地ということで仕切りなしになっていたのですが、あるときそのショッピングセンターの一角に大きいパチンコ店が入ったことから俄然駐車場戦争が勃発したようなんです。

電気店の駐車場にまで明らかにパチンコ店の客とわかる人が近くなので、駐車するようになったのですね。
ある日、業を煮やしたのか、電機店の駐車場に、赤いコーンに「ここは○○電機の駐車場です」と書いた紙を貼ったものがたくさん置かれました。

あまりにも露骨な感じです。パチンコ店の客はここにクルマを駐めるなということですね。
日本一の店なのに度量が小さいなあ」とわたしは感じました。

どうぞどうぞ自由に止めてください、という度量はないのでしょうか。
パチンコ店に行っているお客は○○電機のお客にはならないのでしょうか。

パチンコで儲けたときに、もしかしたらその電機店で、そのお金で何か買ってくれるということもないではないでしょう。
もっと広い度量で黙認すればいいのに、とわたしは思いましたし、結局考えることは“店側の一方的な都合”でしかないのだなあとがっかりしました。

もしかしたら、ある大きなセールをその電器店が行った場合、逆にパチンコ店の駐車場までお客様のクルマが占拠する事態だってないとは言えません。
そうなったらどうするんでしょうか。
隣同士でたかが駐車場のことで、お客様そっちのけで喧嘩なんかしていたってしょうがないでしょうに。

それよりもお隣同士のよしみで、両店でお客様が交流できるようなイベントを行った方が、よほど売り上げアップにつながるんじゃないかとも思います。

さて、それからやっと一番最初に書いたとる善の赤いコーンに戻るわけなんですが、この赤いコーンこそ意味が判らないんです。
何のためにそこに置かれて、お客様のクルマの通行の邪魔をしているのか。

これも多分ショッピングセンター内の量販店などの駐車場の縄張り争いなんでしょうか。
ばからしくって話になりません。


お客様の便宜を少しでも図らなければならない店同士が、ただ自分たちの都合だけを一方的にお客様に押しつけているという、本当にバカバカしい光景。
こんなことでこの各店の思惑が行き交うショッピングセンターが成り立っていくんでしょうか。

結局、流通業=お客様を相手にする仕事が何もわかっていないディベロッパーが運営しているからなんでしょうね。
自分たちの都合が先に立ち、お客様そっちのけで争っているという、程度の低さがわかる縮図になっています。

お客様のために、自分たちがいったいなにをすれば喜んでもらえるのかを、もう一度関係者は根本的に考え直さないといけないようですね。


それでは今日はこれで。
上記へのご意見やコメントは下記メールまでお願いします。
このブログに載せることはありませんので、忌憚のないご意見、感想をお待ちしています。

▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。
お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング

繁盛店になりたいか!

「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所

http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)