こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方商店街の小さな一歩」<その3>
「はじめまして。本田です」
市内のファミリーレストランで待ち合わせて、田島は本田に会った。
そして自分たちの置かれている立場を説明した。
「だいたいどこも似たり寄ったりですね」
本田はにべもなく答えた。田島は、やはり駄目かと、少しばかり落胆した。
「特別にその商店街のいわゆる“売り”がないところはどこでも、同じような状況です」
本田はさらに話を進めていった。
「まあ都内の商店街はまだ何とか駅前の立地が生かされていますが、逆に地方では駅前と言ったって、電車を利用して職場にいくという人が少なくなってきているので、駅前立地は逆にネックになってきていますね。こちらなんかもその通りですよね」
そんな分析などはいらない。
分析よりも今、これから商店街をどうしようという問題なんだ、と田島は内心腹が立ってきた。
田島の顔つきがだんだんと悪くなるのも見ながら、本田は続けた。
「まあ郊外にファミリーが移り住む傾向が顕著になってきたことも、今の中心商店街の不振の一因ではありますね」
そんなことはとっくに分ってるんだよ。
「おまけに車社会の発達で、公共交通の利用が少なくなり、だんだんと路線も縮小されて、商店街へお客が来にくくなったという物理的なこともありますしね」
ああその通りだよ、あんた。
田島の不満そうな顔を見て本田は少し微笑んだ。
「田島さん。そんな講釈はいらないって顔、されてますね」
「………」
「図星でしょ」
本田はさらに微笑んで、田島に突っ込んだ。
田島は本田のその屈託のない微笑みに、さらにムカムカとしてきた。
「本田さん。その通りだよ。そんなことあんたに言われなくたって分かってる!」
田島の怒りにも本田は軽くいなすように言った。
「じゃあそこまで分ってるのなら、どうして今まで指をくわえてみてきたんですか?」
「いろいろやったよ。イベントをやったり、店の名物を載せたイラストマップを作ったり」
「フ~ん。そうですか。それで効果はあったんですか」
「ああそのときはそれなりに効果はあったさ」
「でもすぐにシュン、と」
本田はもはや田島をからかっているように見えた。
「ああ。効果はほんのちょっとだった」
本田は、それをきくと腕を組み、微笑みを顔に張りつかせたまま、田島をじっと見つめた。
見つめられている田島は見るに耐えずにうつむいてしまった。
「田島さん」
本田の声が頭の上から聞こえた。
「田島さん。上っ面ばっかり繕っても、しょせんその場限りですよね」
「うん?」
「今までやったことって、お金を捨てたようなものじゃないですか。もちろん市とか県の補助金がほとんどでしょうけど」
「ああ。まあ商店街の予算だけじゃ、何をやっても知れてるからな」
「そんな補助金で何かやろうって思うことから考え直さないと、商店街は再生できないですよ、はっきり言って」
「え?」
「だって今まで聞いたところからすると、自助努力というようなこと、全然やっていないように見受けましたけど」
「そりゃあ、自分たちでも何とかなれば、やったさ。でももうそれ以上の危機的状況なんだよ。自助努力の範囲を超えてしまってるだよ」
「今は。ね」
「ああ、もう今は!」
「だから僕に話を聴いてほしいと」
「その通りだ。しかしあんたの今までの話なら、もうどうしようもないって聞こえる」
「そうでしょうね。もうどうしようもない」
「じゃあ、無駄だってわけだ、今日の話は」
本田はまだ微笑みを崩さずに言った。
「そんなことないですよ。それが分ったってことだけでもすごい収穫じゃないですか」
いったいどういうことだ。
つづく
<4>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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「ある地方商店街の小さな一歩」<その3>
「はじめまして。本田です」
市内のファミリーレストランで待ち合わせて、田島は本田に会った。
そして自分たちの置かれている立場を説明した。
「だいたいどこも似たり寄ったりですね」
本田はにべもなく答えた。田島は、やはり駄目かと、少しばかり落胆した。
「特別にその商店街のいわゆる“売り”がないところはどこでも、同じような状況です」
本田はさらに話を進めていった。
「まあ都内の商店街はまだ何とか駅前の立地が生かされていますが、逆に地方では駅前と言ったって、電車を利用して職場にいくという人が少なくなってきているので、駅前立地は逆にネックになってきていますね。こちらなんかもその通りですよね」
そんな分析などはいらない。
分析よりも今、これから商店街をどうしようという問題なんだ、と田島は内心腹が立ってきた。
田島の顔つきがだんだんと悪くなるのも見ながら、本田は続けた。
「まあ郊外にファミリーが移り住む傾向が顕著になってきたことも、今の中心商店街の不振の一因ではありますね」
そんなことはとっくに分ってるんだよ。
「おまけに車社会の発達で、公共交通の利用が少なくなり、だんだんと路線も縮小されて、商店街へお客が来にくくなったという物理的なこともありますしね」
ああその通りだよ、あんた。
田島の不満そうな顔を見て本田は少し微笑んだ。
「田島さん。そんな講釈はいらないって顔、されてますね」
「………」
「図星でしょ」
本田はさらに微笑んで、田島に突っ込んだ。
田島は本田のその屈託のない微笑みに、さらにムカムカとしてきた。
「本田さん。その通りだよ。そんなことあんたに言われなくたって分かってる!」
田島の怒りにも本田は軽くいなすように言った。
「じゃあそこまで分ってるのなら、どうして今まで指をくわえてみてきたんですか?」
「いろいろやったよ。イベントをやったり、店の名物を載せたイラストマップを作ったり」
「フ~ん。そうですか。それで効果はあったんですか」
「ああそのときはそれなりに効果はあったさ」
「でもすぐにシュン、と」
本田はもはや田島をからかっているように見えた。
「ああ。効果はほんのちょっとだった」
本田は、それをきくと腕を組み、微笑みを顔に張りつかせたまま、田島をじっと見つめた。
見つめられている田島は見るに耐えずにうつむいてしまった。
「田島さん」
本田の声が頭の上から聞こえた。
「田島さん。上っ面ばっかり繕っても、しょせんその場限りですよね」
「うん?」
「今までやったことって、お金を捨てたようなものじゃないですか。もちろん市とか県の補助金がほとんどでしょうけど」
「ああ。まあ商店街の予算だけじゃ、何をやっても知れてるからな」
「そんな補助金で何かやろうって思うことから考え直さないと、商店街は再生できないですよ、はっきり言って」
「え?」
「だって今まで聞いたところからすると、自助努力というようなこと、全然やっていないように見受けましたけど」
「そりゃあ、自分たちでも何とかなれば、やったさ。でももうそれ以上の危機的状況なんだよ。自助努力の範囲を超えてしまってるだよ」
「今は。ね」
「ああ、もう今は!」
「だから僕に話を聴いてほしいと」
「その通りだ。しかしあんたの今までの話なら、もうどうしようもないって聞こえる」
「そうでしょうね。もうどうしようもない」
「じゃあ、無駄だってわけだ、今日の話は」
本田はまだ微笑みを崩さずに言った。
「そんなことないですよ。それが分ったってことだけでもすごい収穫じゃないですか」
いったいどういうことだ。
つづく
<4>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
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