言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その3>

2011-11-23 09:54:59 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その3>


「はじめまして。本田です」

市内のファミリーレストランで待ち合わせて、田島は本田に会った。

そして自分たちの置かれている立場を説明した。

「だいたいどこも似たり寄ったりですね」

本田はにべもなく答えた。田島は、やはり駄目かと、少しばかり落胆した。

「特別にその商店街のいわゆる“売り”がないところはどこでも、同じような状況です」

本田はさらに話を進めていった。

「まあ都内の商店街はまだ何とか駅前の立地が生かされていますが、逆に地方では駅前と言ったって、電車を利用して職場にいくという人が少なくなってきているので、駅前立地は逆にネックになってきていますね。こちらなんかもその通りですよね」

そんな分析などはいらない。

分析よりも今、これから商店街をどうしようという問題なんだ、と田島は内心腹が立ってきた。

田島の顔つきがだんだんと悪くなるのも見ながら、本田は続けた。

「まあ郊外にファミリーが移り住む傾向が顕著になってきたことも、今の中心商店街の不振の一因ではありますね」

そんなことはとっくに分ってるんだよ。

「おまけに車社会の発達で、公共交通の利用が少なくなり、だんだんと路線も縮小されて、商店街へお客が来にくくなったという物理的なこともありますしね」

ああその通りだよ、あんた。

田島の不満そうな顔を見て本田は少し微笑んだ。

「田島さん。そんな講釈はいらないって顔、されてますね」

「………」

「図星でしょ」

本田はさらに微笑んで、田島に突っ込んだ。

田島は本田のその屈託のない微笑みに、さらにムカムカとしてきた。

「本田さん。その通りだよ。そんなことあんたに言われなくたって分かってる!」

田島の怒りにも本田は軽くいなすように言った。

「じゃあそこまで分ってるのなら、どうして今まで指をくわえてみてきたんですか?」

「いろいろやったよ。イベントをやったり、店の名物を載せたイラストマップを作ったり」

「フ~ん。そうですか。それで効果はあったんですか」

「ああそのときはそれなりに効果はあったさ」

「でもすぐにシュン、と」

本田はもはや田島をからかっているように見えた。

「ああ。効果はほんのちょっとだった」

本田は、それをきくと腕を組み、微笑みを顔に張りつかせたまま、田島をじっと見つめた。

見つめられている田島は見るに耐えずにうつむいてしまった。



「田島さん」

本田の声が頭の上から聞こえた。

「田島さん。上っ面ばっかり繕っても、しょせんその場限りですよね」

「うん?」

「今までやったことって、お金を捨てたようなものじゃないですか。もちろん市とか県の補助金がほとんどでしょうけど」

「ああ。まあ商店街の予算だけじゃ、何をやっても知れてるからな」

「そんな補助金で何かやろうって思うことから考え直さないと、商店街は再生できないですよ、はっきり言って」

「え?」

「だって今まで聞いたところからすると、自助努力というようなこと、全然やっていないように見受けましたけど」

「そりゃあ、自分たちでも何とかなれば、やったさ。でももうそれ以上の危機的状況なんだよ。自助努力の範囲を超えてしまってるだよ」

「今は。ね」

「ああ、もう今は!」

「だから僕に話を聴いてほしいと」

「その通りだ。しかしあんたの今までの話なら、もうどうしようもないって聞こえる」

「そうでしょうね。もうどうしようもない」

「じゃあ、無駄だってわけだ、今日の話は」

本田はまだ微笑みを崩さずに言った。

「そんなことないですよ。それが分ったってことだけでもすごい収穫じゃないですか」

いったいどういうことだ。


                          つづく


<4>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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今年の収穫は?

2011-11-23 09:37:22 | 商店街の再生
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

寒いというよりも冷たさが身にしみます。
朝は特にそうですね。日中になるとポカポカとまさに小春日和というような暖かさがありますが、夕方になると急に冷え込んできます。
昨日ついに石油ストーブを出しました。
でもまだつけませんでした。何とか我慢できましたが、こたつから出ると、寒さがしみてきます。

昨日実家のある和歌山から、みかんと柿が送られてきました。
毎年この時期になると送ってきてくれます。
やっとおいいしいものが手に入る頃なんですね。

みかんは有田(ありだと読みます)みかんが特に美味。
柿は九度山産です。

九度山と言えば、真田幸村が徳川家康によって蟄居させられたところで、高野山の麓にあります。
このみかんと柿は両方とも、和歌山県が日本で1、2を争う収穫高です。
みかんはともかく、柿も収穫量が多いということは、こちらに来てから知りました。

この有田みかんを口にすると、近くで売られているいわゆるおいしいと言われるみかんなどは、うまさの基準が違うんじゃないかと思えるほどのおいしさです。

しかし同じ有田みかんでも、その栽培地によって甘さに差がでます。

とても甘くなるのは、海に向いている山の斜面に成るみかんで、海風と太陽がその甘さを倍加させてくれるのだと、小さい頃に聞いたことがあります。
とにかくみかんと柿が送られてくる頃になると、そろそろ年末だなあという感覚になります。

こちらもそろそろリンゴを送らなくては。


さて、今日は勤労感謝の日。あなたはお休みですか?
昔流にいえば「新嘗祭」ですか。
その年の五穀の豊穣を神に感謝する宮中独自の祭事です。宮中ではとても重要な祭事だそうです。

さてわたしの今年の収穫と言えば、なんといっても太田商工会議所の「商業店舗支援コーディネーター」についたことですね。

このおかげで、今まで知らなかった業種や、知ってはいてもその内部まではそれほど分からなかったところまで、いろいろ知ることができるようになりました。
このコーデョネーターになると、とにかく様々な業種のことを知ることができるといううれしさがありますね。
おつき合いいただいている各お店や会社にそしてその機械を提供していただいた太田商工会議所に感謝しています。

まだまだ未熟なところもありますが、自分なりには、ある程度できてきたんじゃないかなと総括しています。(思い込み?)
これからもまだまだ続いていきますので、自分でも勉強に精を出し、的確なアドバイスをしていこうと考えています。

またこの1年のうちで新しくアドバイスを求めてきたお店や会社もあり、的確なアドバイスや実際的な販促企画も提供できたと自負しています。
今までのクライアントにはさらにアドバイスを適宜行い、新しいクライアントには、その求めてきているものに応じた的確なアドバイスをしていくつもりで、こちらも毎日が勉強ですので、がんばっています。


それでは今日はこれで。
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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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