言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その1>

2011-11-09 10:05:03 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

今週からまた新しい物語が始まります。
今回は今までのものよりも長くなっていますが、気長にお読みください。


「ある地方商店街の小さな一歩」<その1>

いつもなら閉じられている店のシャッターが、数年ぶりで開けられた。

そこに入っていったのは、満天通り商店街で青果店を営んでいる大艸と、理事長であり精肉店を営んでいる田島、それに役員で鮮魚店を営んでいる増野、そして同じく役員で雑貨店の村上の4人の商店主たちと、販促コンサルタントの本田だ。

そこは3年ほど前に閉店した大衆食堂だった。

閉じられたまま3年も経っているので、中はもちろんほこりがたくさん積もっていると思いきや、暗い店内のテーブルやカウンター、椅子などの上には、うっすらとあるかなしかのほこりが積もっているだけだった。

「清さんは律儀な人だったから、毎年閉めていても1年に一回は掃除していたんだな」

増野が言った。

「ああ、ここを閉めた日は最後は涙を流して、ひとつひとつ触りながらお礼を言ってたっけ」

大艸が言った。

「でも、去年倒れちゃったからなあ。それまでは何とか再開したいって、いろいろがんばっていたけどなあ」

村上が言った。

「ここを使わせてくれって奥さんに言ったら、びっくりしてうれしがっていたよ」

満天通り商店街の現理事長でもある田島が言った。

「みなさんそれぞれ、歴史がありますから。閉店したからって、なかなか店を手放すことはできないですよね」

本田が最後に言った。

「それじゃ、まあちょっと調理場を見せてもらおうか」と田島を先頭に調理場の方へ進んだ。

電気は切ってあるので、それぞれ懐中電灯を点けて奥へと入っていった。

田島が調理場の隅から隅へと懐中電灯を移動させながら照らしていった。

きれいに片付いていた。

ステンレスの調理台の上には、大きさの違う寸胴が3つ伏せられている。

鍋や釜類もきちんとその場所におさめられ、まるで次に使われる時を待っているようにそれぞれの場所にあった。

「すぐにでも使えそうですね」

本田が言った。

「ああ、明日からって言ってもできそうだな、これなら」

田島が言った。

「大丈夫だ、これなら。いつでもOKだ」

大艸が言った。

「じゃあ早速電気とガス、それに水道に連絡して、使えるようにしてもらおう」

田島が言ったのを汐に、5人は外に出た。

これから始まる新満天通り商店街の第一歩が、これだと確信しながら。


これはある地方の町の、どこにでもある、今やシャッター通りと化した商店街の、小さな再生の物語だ。


                           つづく


<2>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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「虎屋ブランド物語」を読んで

2011-11-09 09:47:03 | 読んだ本から
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今朝も快晴とはいえないけれど、結構雲も少なく、青い秋の空が目の前にあります。
朝起きてブライド越しに川の方をみると鴨が数羽羽搏いて飛んでいました。

彼等も水の上にいるときはのんびりしていますが、飛ぶときはとても力強く羽搏いています。
水の中にいるときも、水中では大きいオレンジ色の足を盛んに動かして、自分の位置を川の流れに逆らって確保しています。
みんなそれなりに隠れたところでがんばっているわけです。

川の畔に連なる桜も、みんな赤い葉になり、その半ばはすでに散っています。
秋なんですねえ。

落葉樹はみずから枯れた葉を落とすそうで、逆に枯死した樹木の枯れた葉は、いつまでも散らないで、木にくっついたままです。

来るべきときに備えて、みずから次へのステップアップのために古いものは削ぎ落とし、削ぎ落とした部分に、次の年のためにつぼみを残すという準備を怠らないわけで、いつまでも枯れた葉っぱを身にまとわせているのは、自身の死を証明しているようなものなんですね。

仕事でも同じことが言えますね。

いつまでも古くなってしまったシステムやダメなもの、そして誰かがやるイベントなどにしがみついて、お客様が来ないと言っているということは、死んだも同然ということなんです。

来るべき春に備えるためには、自分なりに古い葉っぱを削ぎ落とし、新しいつぼみをみずから作り上げるか、またはその専門家に相談して(手前味噌?)、自分や自分の店の新陳代謝を図るということをしなければ、発展性がないということです。

企業の寿命は30年前後ということをよく聞きます。
しかしそれ以上50年も、100年も持続している企業も無数にあります。
消えてしまう企業と消えないで持続している企業の違いは何でしょうか。

その理由は様々ですが、ひとつ言えることは、絶えず新陳代謝を怠らず、明日に向けて新しいものを生み出そうと努力しているということではないでしょうか。



「虎屋ブランド物語」という本を読みました。
その中にこんな言葉ありました。

「虎屋という背景があっての自由さをわきまえた上で、新しいことをやることは伝統を壊すことではない。あまりこだわらずに変えていけばいいのではないかと思う」

伝統にこだわって頑固に固まってしまったら、その伝統を壊してしまうというパラドックスめいたことですが、新しいことに常に挑戦するということも、「伝統」を残すために必要なことではないでしょうか。
それが次の言葉に集約されています。

「伝統技に誇りを持つのはいいのだが、それを守り抜くことだけに固執してしまうと、今の生活の中で息づくモノは生まれてこない。」

最後にこんな文章を。

「これからの時代は、店頭基点ではなく、消費者基点に立って、本当に「お客様」は満足して買っているのか、どんな風に使っているのか、逆に購入してくれない「お客様」はどんな点から選んでくれなかったのか。そのあたりまで掘り下げた意識を持つこと、それを商品開発や売場開発に活かしていくことーーこれに真剣に取り組んでいかなければ、生き残ることは難しい。」

「」内はすべて「虎屋ブランド物語」からの引用です。



それでは今日はこれで。


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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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