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早期肺ガンの肺葉切除と区域切除での5年生存率

2022-12-06 10:35:22 | 健康・医療
親しい知人に昨年末初期の肺ガンが見つかり、今年2月に肺中葉切除の手術を受けました。

肺ガンは本当にガンかどうかは切除後細胞診を行うまで分からないようでしたが、この知人は早期の腺ガンであることが確定しました。その後6か月の健診でも異常はなくほっとしているところです。

早期肺ガンの治療は、ガンのある肺葉を取り除く「肺葉切除」手術が標準として行われてきました。日本の研究チームは今年切除範囲が小さい「区域切除」を行った方が、5年生存率が高いという研究結果を発表しました。

早期発見の場合は区域切除は増加しており、有効性に注目が集まっています。肺ガンの治療には手術、放射線治療、薬物治療の3種類がありますが、早期に発見できたガンでリンパ節への転移がない場合などは手術を行います。

肺は胸の左右にあり、右は三つ左は二つの肺葉に分かれています。従来行われてきた肺葉切除は、五つの肺葉のうち一つを丸ごととるため、呼吸機能がある程度低下してしまいます。

区域切除は肺を18個に分けて、ガンのある区域だけを切除します。進行しにくいガンが対象で、国内では手術件数の1割程度を占めています。身体の負担が少なく呼吸機能の温存が期待できますが、肺葉切除に比べて高度な技術が必要で、切除した近くで再発する可能性もあります。

このほかにガンとその周囲をくさび状にくりぬく「楔状切除」という方法もあります。慶応大学や国立がんセンターらの研究グループは、非小細胞肺ガン(2センチ以下)の患者約1100人について、肺葉切除と区域切除の効果を比較しました。

その結果区域切除を行ったグループの5年生存率は94.3%で、肺葉切除の91.1%より高くなりました。肺ガンは初期の自覚症状が少なく転移しやすいため、定期検診による早期発見が重要です。

ただ胸部エックス線検査では、小さな病変や淡く写るガンの検出が難しいとされています。胸部CT(コンピューター断層撮影)はミリ単位のごく小さな病変も検出できますが、自治体の指定検診では入っていません。

知人は定期検診で影があるということで、すぐ胸部CTを取り診断されましたので、運が良かったといえるのかもしれません。日本肺ガン学会の指針では、「死亡率低下の証拠がある」50歳から74歳の喫煙者に限定して、低線量CTを推奨しています。

このように肺ガン治療の手術法も区域切除となるのかもしれませんが、重要なことは早期発見であることは確かなようです。

ただ私はこの学会の指針から外れる75歳ですので、肺ガンになったとしても切除手術をしても放置しても寿命にはあまり影響がないだろうと考えています。


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