ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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生涯未婚率が35年で6倍に増加している現実

2022-01-26 10:32:46 | 時事
近年少子高齢化が問題となっていますが、特にこれといった対策はなされていないような気がします。

この少子化の原因のひとつとして「生涯未婚率」の増加が挙げられます。国勢調査によれば、男性の生涯未婚率は1985年の3.9%から2020年では25.7%で6倍上昇し、女性は4.3%から14.9%へ3.5倍増加しています。

このように一生独身でいる人の割合を表す国勢調査の確定値が男性で4分の1を超えたことが話題となっています。

ここで生涯未婚率は50歳時の未婚率(実際は45〜49歳の未婚率と50〜54歳の未婚率の平均から算出)のことであり、その後に結婚する人は少ないことから生涯未婚率と称されています。

男性については、戦前から1980年までは3%未満の低い水準で推移していましたが、バブル時代に差し掛かる1985年に3.9%と3%を超えてからは急テンポで上昇傾向をたどり、2020年には25.7%と4分の1を超えています。

政府の社会保障・人口問題研究所による将来推計では、2040年には29.5%とほぼ3割の水準に達すると予測されています。女性の場合も上昇傾向についてはほぼ同様の動きとなっていますが、2020年で16.4%と男性より10%ほど低く、2040年の予測でも18.7%と2割は超えないとされています。

なお20代後半や30代前半の未婚率は、一時期急速な上昇を続けていましたが、最近は横ばい傾向に転じています。いわゆる晩婚化の影響が行きつくところまで行ってしまい、小さくなったといえそうです。

生涯未婚率の上昇は、結婚しない男女の増加を意味していますが、「結婚しない」という側面と「結婚できない」という側面があります。マスコミや専門家は、貧困問題や就職困難の問題と絡めて、結婚できないという側面を強調しています。

しかしそれ以上に大きいのが日本人の結婚観の変化、すなわち必ずしも結婚しなくても良いという意識が広まっているという見方もあります。日本人の意識の変化を長期的に追っているNHKの意識調査の結果があります。

設問は「結婚するのが当たり前だ」という意見と「必ずしも結婚する必要はない」という意見のどちらに近いかというものです。

前者を選んだ割合は、1993年から2018年にかけて44.6%から26.9%へと低下し、後者の「結婚する必要はない」を選んだ割合は、50.5%から67.5%へと上昇し、前者の割合の2.5倍と今や多数派になっています。

最新の2018年の男女・年齢別の結果を見ると、若い世代の8割近くは「結婚する必要はない」という意見であり、特に女性でその割合が高くなっています。

私のような皆結婚世代から考えると、なぜこんなに結婚観が変わってきたのか不思議ですが、これを現実とすると少子化の進行は止められないことになります。

友人の子供も結婚しないケースも多く、このまま進むとどんな社会になるのか不安が募ってきます。

オミクロン株が重症化しにくいのは侵入経路の問題

2022-01-25 10:28:38 | 健康・医療
新型コロナの感染者数は、月曜日の最多を更新しており、まだまだ増加しそうな勢いです。

このオミクロン株は、重症化しにくい傾向があることが明らかになってきています。基礎研究からは、ウイルスが細胞の中へ侵入していく経路がオミクロン株で変わったという報告があり、これが重症度の違いに関わっているのではないかと注目されています。

イギリスグラスゴー大学などの研究チームが、オミクロン株が細胞に侵入する経路に、ある変化が起きていることの論文を公表しました。

新型コロナウイルスはヒトの細胞表面に結合した後、細胞の中に侵入して遺伝子を注入し増殖していきますが、その侵入の経路は少なくとも二つあるとされています。

ひとつ目は細胞表面にくっついたまま、ウイルスの表面と細胞表面の膜が融合する「早期」の侵入経路(1)です。もうひとつは細胞表面に結合した後袋のような構造に包まれながら細胞の内部に飲み込まれた後で、この袋の膜とウイルスの表面が融合する「後期」の侵入経路(2)です。

研究チームは後期である(2)の経路を阻害する薬剤を使い、新型コロナの「スパイクタンパク質」だけが本物の疑似ウイルスを使って実験しました。その結果主に早期である(1)の経路で侵入することが知られているアルファ株やデルタ株では、薬剤の影響はほとんど出ませんでした。

ところがオミクロン株では細胞への侵入効率が大きく落ち込み、オミクロン株が主に(2)の経路を使っていることの証拠と言えます。またイギリスの別のグループも、本物のデルタ株やオミクロン株を使って同様の結果を示す研究を公表しています。

このグループはさまざまな細胞でデルタ株とオミクロン株のどちらが増えやすいか競わせる実験を行い、ヒトの鼻腔の細胞ではオミクロン株の方が増えやすく、肺の細胞ではデルタ株の方が増えやすいことを報告しています。

これまでの別な研究でも、オミクロン株はデルタ株に比べ、肺で増殖しにくいという動物実験の結果が報告されています。こういったことからオミクロン株に感染しても重い肺炎になりにくく、重症化の報告が少ないのではないかとみられています。

オミクロン株が上記(2)の経路を使っていることは、感染した際の病態にも影響を及ぼすと考えられます。侵入経路が違うことで、ウイルスがどの組織の細胞に感染しやすいのかが違ってくる可能性があるようです。

こういった研究結果が出ているものの、重症度を評価するにあたってはワクチンの接種率が高くなっていることなども踏まえる必要があるとしています。

現在出ている報告はほとんどがオミクロン株は重症化しにくいとする方向であり、新型コロナが単なる風邪に近づいていることは確かなようです。

認知症予防の点鼻薬を開発

2022-01-24 10:25:33 | 
現在認知症の治療薬は出ていますが、これは認知症の原因としてアセチルコリン説をもとに開発されたものです。

その後アミロイド説が出て、現在はこれが原因の可能性が高いとされています。この様に原因が変わってきているのに、昔の説に基づいた治療薬ではほとんど効果がないような気がしますが、依然としてそれが使われているのが現状です。

大阪市立大学の研究グループが、医薬品などの2つの成分を合わせた点鼻薬が、アルツハイマー病を含めた複数のタイプの認知症に高い効果を発揮することをマウスを使った実験で確認したと発表しました。

認知症はアミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積し、分子が数十個集まった状態の「オリゴマー」となって発症するとされています。

研究グループは1994年に結核などの治療に抗生物質として使われる「リファンピシン」に、オリゴマーを脳から除去し認知機能を改善する効果があることを明らかにしました。この薬は安価なのですが、肝障害などの副作用が生じる点が問題でした。

欧米で抗酸化サプリとして使われる天然のポリフェノールである「レスベラトロール」に、肝臓を保護する作用があることに着目しました。そこでリファンピシンとレスベラトロールの合剤を作って実験しました。

レスベラトロールは、神経細胞が自ら痛んだ細胞を修復する物質を作る作用を増強することが知られています。実験ではアルツハイマー病などの認知症のマウスに、合剤を週5日、計4週にわたり鼻から投与しました。

マウスの「モリス水迷路」で所要時間を調べる実験や、脳の組織の顕微鏡観察などにより認知機能や病理を調べました。その結果合剤を投与したマウスは、避難の所要時間が学習により正常に近いレベルで日々短縮し高い認知機能を示しました。

また脳内のオリゴマーの除去や、肝障害のレベルも正常値を保っており、合剤が相乗作用を発揮し有効性と安全性が高いと結論付けました。

このように点鼻薬として鼻から投与すれば、一部は血液を介さずに脳に到達でき、血液脳関門の透過の問題も回避できます。実際にレスベラトロールも認知症に対する効果が期待されていたものの、内服ではやはり効果が出ませんでした。

認知症は発症の20年以上前から脳に異常が生じ、発症時にはすでに多くの神経細胞が消失しています。今回の合剤の点鼻薬が認知症の予防薬として期待されているようですが、まだ初期の動物実験の段階ですので先は長いといえます。

アミロイド説に基づいた治療薬の治験がほとんど失敗していますので、この様な点鼻薬というのは新しい発想といえるような気がします。

早くても長くてもダメな睡眠の本質

2022-01-23 10:25:20 | 自然
私の信条として健康は食事と睡眠からということで、このブログでも睡眠はよく取り上げています。

私はベッドに入ると割と早く眠りにつき、7時間程度で自然に目が覚めます。その間トイレに行くこともありますが、すぐに眠れるようで睡眠には問題ないと思っています。

睡眠の専門家が睡眠についての解説記事を書いていましたが、まず睡眠についてのチェックリストを上げています。・電車に座ると居眠りをしてしまう、・昼食後に眠くなる、・コーヒーや栄誉ドリンク、ガム、タバコなどが無いとシャキッとできない、・運転中信号待ちなどで眠気に襲われることがある、・布団に入るとすぐ寝落ちしてしまう。

これに多くチェックが入る人は要注意のようです。「睡眠は質が大事」とか「良い睡眠をとろう」といった言葉をよく耳にしますが、睡眠の質や良い睡眠とは何かを説明できる人は少ないようです。

簡単にいうとぐっすり眠れるというのは「深睡眠(徐波睡眠)」が良く取れている状態のようです。睡眠には大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の二つがあります。

ヒトが眠りにつくとまずレム睡眠が始まり、次にノンレム睡眠が訪れ再びレム睡眠に戻るという繰り返しが約90〜120分間隔でおきます。レム睡眠は眠りに入った直後や起きる間際のうとうと眠っている状態で、「浅い睡眠」といわれます。

その間筋肉は緩み体は休息状態に入りますが、脳は活発に動いており、1日にあった出来事や学習したことを整理して、記憶という形で固定するという作業を行っています。一方ノンレム睡眠は深い睡眠で、脳を休ませ体の疲れを回復させるため脳も身体も深い休息をとっています。

ノンレム睡眠は眠りの深さによって3つのステージに分かれており、脳が一番リラックスした状態で深い眠りに入っているのがステージ3の「深睡眠」です。

最初に深睡眠がやってくるときに、傷ついた身体の細胞の修復を行う成長ホルモンの分泌がピークを迎えることも明らかになっています。深睡眠は眠りについてからの30分、および2〜4時間後に出現し、明け方に向けてレム睡眠が多くあらわれるようになります。

従って眠りの初期段階、すなわち眠りについてから4時間以内に深睡眠が十分にとることが重要となります。

睡眠に関しては午後10時から午前2時までのゴールデンタイム説が出ていますが、必ずしもこの時間帯だけでなく眠りについてからの4時間でしっかり深睡眠がとれていればよいようです。

この専門家は最初の4時間で脳と身体の疲れの80%は取れてしまうとしていますので、睡眠不足でもなんとかなるというのはこの辺りからきているのかもしれません。

世界で大注目の「東洋医学」

2022-01-22 10:25:57 | 健康・医療
近年通常の医療では治癒が困難な病気に対して、「東洋医学」が注目されているようです。

私は「漢方」に関しては、何となく胡散臭いような気がして使ったことが無かったのですが、先日外出先で胃が痛くなり、薬局に行き薬剤師に相談したところ漢方胃腸薬を進められました。

これを飲んだところ10分もたたないうちに胃がすっきりして、痛みが取れ見直しても良いような気がしています。

東洋医学に関しては、アメリカでは「腰痛」への鍼治療が治療ガイドラインでも認められ、公的な医療制度にも採用されています。またヨーロッパでもうつ病の治療に鍼灸やヨガが用いられるなど、東洋医学がブームになっているようです。

実際にアメリカ軍でも耳に鍼を刺す「耳鍼」を使って痛みを緩和する治療法は、「戦場鍼」と呼ばれ、戦場での応急処置を主眼として研究と導入が進んでいます。

この背景にあるのがアメリカ社会で大きな問題となっている「オピオイド(鎮痛薬)」の乱用問題で、腰痛などの痛みを止める薬によって薬物中毒が多発しています。そのため年間数万人の死者がでるなど深刻な被害が続いているようです。

鍼治療の科学研究を整理すると、その最も大きな治療メカニズムは、いわゆる「コリ」の解消とされています。筋肉が疲労すると血行が悪くなり、組織が硬くなりコリができ、たまった老廃物などが周囲の神経を刺激して「痛み」が生じます。

そこでコリに鍼を打つと、その刺激が神経に伝わり血流が増加し、血行が良くなることでたまった老廃物も除去されコリも解消します。専門家によると慢性腰痛患者の約7割は、腰回りの筋肉にあるコリが原因とされています。

残りの3割は脳に変化があり、脳科学研究によって慢性腰痛の患者では、痛みを感じる機能が変化し痛みを過剰に感じているケースがあることが分かってきました。2020年の研究では、慢性腰痛の患者に鍼治療を行ったときの脳の働きをMRIを使って検証しました。

症状が改善した患者では、脳の痛みを抑制する機能の中心であるPAGに変化が見られました。PAGと脳内の痛みに関わる部位のネットワークが強化され、痛みを抑制する働きが回復していました。

ここでは腰痛に対する鍼治療の効果を見てきましたが、東洋医学は怪しいものではなく、科学的にも効果が裏付けられた治療法といえるようです。

その他東洋医学では「漢方薬」という長年の経験に基づいた良い薬もあり、他の痛みや更年期障害などの改善、心不全を改善する方法もあるようです。

私はまだ鍼治療を受けたことはありませんが、東洋医学を少し勉強しても良いような気がしています。