喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

伊予弁 

2010-12-10 | ブログ
 愛媛新聞に「伊予弁」というコーナーがあります。
新聞社の方から執筆依頼があって、迷いに迷った結果、
引き受けることにしました。
毎月1回、土曜日に。
半年間の連載。

 故郷、田舎、佐田岬、農業、教育などの内容で
書いていこうと思います。
 それにしても風景や自分の思いを
文章に変えて表すということは、とてもむずかしいです。
読んでもらえる人にどれくらい届くか。

 12月4日(土)に新聞掲載された第1回目の文章です。
ご覧いただき、感想などお寄せいただくとありがたいです。 

 題名は、「彩り豊かな岬の冬」

『四国最西端、日本一細長い佐田岬半島。
ここが私の故郷。
 
 師走初め、ぽかぽかとした小春日和の午後。
足元に黄色い素朴なつわぶきの花が咲いていた。
ふと山に目をやると、クヌギの山吹色、ハゼの紅色、かんきつのみかん色、
そして尾根まで続く石垣の碧色(あおいろ)など色鮮やかな風景が広がる。
 海を見下ろすと、照りつける日の光が、キラキラと銀盤のようにまぶしい。

 帰り道、九州の方へと落ちていく夕日が、空をみかん色に染め始め、
やがて海を覆い沈んでいった。
 あまりの美しさにしばらく見とれながら、先日届いた知人からの便りを思い出した。
「住んでいる時には、田舎の不便さが嫌やったけど、
故郷を離れ、歳を重ねる度に故郷のすばらしさを感じるようになったよ。」
 この言葉が、心に染みわたった。
 
 もうすぐ年の暮れ。親戚、友達、教え子が、故郷にたくさん帰って来る。
私たちにとって待ち遠しい時間だ。』
 
                     岬人