










秋10月、あの暑かった夏を懐かしく思い出している、今日この頃の札幌です。
『女心と秋の空』、昔から言い馴らされた言葉ですがホント最近の天候は変わり
やすく、曇り時々晴れ一時的に雨、竜巻にも注意…みたいな予想不可能状態。
確かに昨今は季節も女心も男心も複雑怪奇、単純に括れないのが実態らしい。
さて読書の秋、芸術の秋ですが、本が売れない時代だそうで売れるのは肩の
凝らない気軽な読み物やタレント本、ハウツーものだけとか。
かく言うkimitsukuも、時々書店を覗いてみるが、さっぱり読みたい本が無い。
一冊二冊、手に取ってパラパラと頁をめくってみるも、興味が沸いてこない。
これって感性が鈍ったのか好奇心が薄れたのか、はたまた単に老いたのか…

そんな中、一冊の美しい画集が目に付いた。安野光雅さんの『黄昏のベニス』

本当は『旅の絵本』シリーズを探していたのに、先にこの本に出会ってしまった。
1990年初版で20年も前のものだが、絵も文も古びることなく実に楽しく美しい。
画家であり絵本作家でもある作者は優れた随筆家でもあるらしく、50代後半に
訪れたベニスの光景を柔らかなタッチで描いた水彩画、それに添えられた文章も
楽しく興味深い。またベニスを愛したゲーテ、アンデルセン、モネ、ターナーなど、
多くの芸術家たちにも触れて、紀行文とも美術指南書とも言えそうな仕上がり。
もっと早く出会いたかった一冊かも…、なぁんて思っちゃう素敵な画集でした。