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kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

コーカサスの捕虜

2010年03月30日 | 日記
       
 29日朝、モスクワで地下鉄爆発事件が勃発し、多くの死傷者が出た。
連邦保安局の発表によると、北カフカス系のテロ組織が関与しているとか。
黒海とカスピ海に挟まれたカフカス地方は、チェチェン共和国などがあり
以前から激しい独立紛争を繰り返している。
『世界の火薬庫』と呼ばれ、民族・宗教・領土・資源・経済格差などを巡り、
テロや暴力による報復の連鎖が絶える兆しは無いという。
今回のテロも、犯人は夫を亡くした女性の自爆テロと報道されている。
絶望的な恐怖の連鎖である。カフカスに戦火が止む日は来るのだろうか。
        
 カフカス(コーカサス)の地名を聞いて思い出すのは、子供の頃に読んだ
トルストイの小説『コーカサスの捕虜』。
かなり昔のことなので記憶は定かでないが、コーカサス掃討作戦に出兵した
ロシアの若者が、韃靼人の捕虜になるも様々な苦労の末に逃亡する話。
若い時、トルストイもコーカサスへ派兵された経験があったようで、実際に
目にしただろう荒涼としたコーカサス地方の風景が、印象的に描かれていた。
子供心に強烈に残っている挿絵は、両足に鎖の足枷を付けた若い兵士の姿。
強い恐怖心に捉えられたことを覚えている。
彼を助けようとする韃靼人の少女、素朴な村人との交流、平和を求める心は
ロシア人もコーカサス民族も変わらないことが、子供向けに書かれた本だった。
多分トルストイの時代から、コーカサス山脈の光景は何も変わっていないだろう。
 社会情勢がますます複雑に入り組んだ難しい現代、コーカサスの地に生きる
数多くの少女たちの苦難を思うと、胸が締め付けられる。

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2 コメント

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人の一生 (ミイバーです)
2010-03-31 01:36:53
本当に残酷な事ですね。無差別に巻き込まれ傷を受けた方、犠牲になられた方々はどんな思いだったでしょう(祈念)
人の心ってのは見方によってはホント弱いものを思う時もありますね。路上にて金銭目当ての勧誘や如何わしい宗教団体に引き込まれたりマインドされ果ては我が心を失うような事も、今回の実行犯も悲しい運命の中に翻弄されてしまったようで、やりきれないですね。雄大な自然の中で生かされている私達人間の一生なんて人一人の年月なんてほんの一瞬に過ぎないようなものですものね。
そう思った時、私達も残りの人生を大切に致しましょう
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悔いなく生き切る… (kimitsuku)
2010-03-31 09:27:27
ミイバーさん、深夜のコメント有難うございます。
いつも楽しみに読ませて頂き、励みにしております。
人生、何処で何があるか一寸先は闇。人の運命なんてホント判らないものですよね。
今回のテロに巻き込まれた多くの人々や家族にとっては、災難だった…では済まない恨みが残り、
ロシア政府としても何らかの報復があるのでしょうね。「負の連鎖」が途切れることは無いのかも…。
 悠久の時の流れ、変わらぬ自然の恵み、営々と築かれてきた人類の歴史。
再び戻らない今日という日を大切に、悔いなく生き切りたいと改めて思ったことでした。
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