華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

事件です

2020年10月02日 19時45分35秒 | Weblog
事件が起きた。
夕方、Dが犬を連れてよく行く公園へ。私は家でお菓子を焼きながら帰りを待っていた。
家の前に車が止まる音がしたので顔を出すと見知らぬおじさんがうちの前をウロウロ。でも手にはDの車のカギを持っている。なぜ?と思って近づいたら、おじさんも寄ってきて、「あんたのダンナさん、ケガをした」。

は!?

でもおじさんは続ける。
「大丈夫。パニックを起こさないで。彼は大丈夫。とりあえず君の家の車と犬を連れてきたから」。

状況を聞くと、Dはある犬が変な場所(車と車の間?)にいるのを見つけて何事か確認しに行ったら、飼い主と思われる人が現れてDを突き飛ばしたらしい。そのときにもんどりうって、駐車場にあった大きな岩で背中を強く打ったとか。
その公園はちょうどパブレストランの目の前で、そこに勤める警備員が駆け付けたけど(おじさんはその警備員)、突き飛ばした人は逃げてしまった。すぐに救急車と警察を呼んでくれて、Dは手当を受けていたけど、犬が周りでウロウロしてどうしようもないので、おじさんと受付の女性が2台に分かれてうちの犬と車を持ってきてくれたという状況。「もしもダンナさんが帰って来られるようなら送ってきてあげるから大丈夫」といっておじさんは受付の人が運転する車に乗って戻っていった。

突き飛ばされただけだったら大丈夫かな~と思って家に入ったけど、いや、やっぱり現場に行くべきよね、と思って、急いで犬を車に押し込んで現場へ。そしたらまだ救急車が止まっており、Dが車内で治療を受けていた。
顔を見たらかなりショックを受けている様子。そして背中が痛いと言う。そりゃもんどりうってるんだから痛いやろうと思いながら観察(救急救命士さんが車のドアを開けて中を見せてくれていた)。ただ、なぜかヴァイタルをチェックしたときに救命士さんがリザーバー付きの酸素マスクをDに着けた。ここで嫌な予感。酸素飽和度を聞いたら少し低いという。そのときにもしや肋骨の骨折…? 折れてて痛いから大きく息が吸えないゆえの呼吸困難の可能性大。でも骨折だけはもう勘弁してほしいの、ホント。
もっと検査をしないといけないということで救急外来へ連れて行かれた。コロナのせいで現在、家族の付き添いは禁止。一時間後に病院に電話して、と言われてDと救急車を見送った。

一時間後きっかりに救急外来に電話。でも規則でかかってきた電話には情報公開はできないことになっている。話している相手が誰だかわからないからね。原則としてドクターだけが患者さんが緊急連絡先として指定した人にのみ電話をして情報公開できることになっている。なので「ドクターに伝えます」とだけ言われて切られた。
それからさらに待つこと一時間半。やっとかかってきた。「肋骨が4本折れてます」とドクター。

あぁ、一番聞きたくなかった言葉だわ。

年明けに足首を骨折したときもあんまり痛みを訴えなかったDが今は痛みに苦しんでいるという。肋骨の骨折って痛いっていうもんね。自己調節鎮静法(PCA: Patient Controlled Analgesia)を処方され、今夜は様子見のために入院決定。ちなみにPCAとはざっくり言ったらモルヒネ系の強い鎮痛剤が静脈注射を通して処方されるんだけど、それが患者さんのタイミングでできるということ。通常はモルヒネ系の薬は看護師2名が必要に応じて投与するんだけど、それでは追い付かないぐらいの痛みを患者さんが抱えていると判断された場合に適用される。頻度や用量は状況に応じて点滴の機械に設定されるので、過剰投与されることもない。整形外科ではよく見るもの。
そんな大層なことをされるぐらいなんでだいぶ痛いんだと思う。痛みに鈍感なDがそんなものが必要だからだいぶ痛いんやと思う。かわいそうに。

いろいろと無理難題を投げかけてくれるオット・Dやけど、こういう状況になって心配だし、かわいそうに思う。おかげで私の抱えるストレス度もうなぎのぼりやけど。
明日の仕事は事情を話してお休みをもらった。面会時間は決まっているけど、なんと明日退院かもしれないと言われているので。ベッド数が足りないから痛み止めを処方するしかない患者さんには退院してもらうってことらしい。えげつないよねぇ~。でも治療費無料やから仕方ないか。Dが帰りたがったら連れて帰ろう。

あぁ、また苦難の日々が始まるよ~。
平凡がいかに幸せか。本当にね。もうドラマは要らないのよ。勘弁してよね。
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