英科学誌ネイチャー系オンライン科学誌「サイエンテイフイック・リポーツ」に掲載された研究結果は実に興味深い。
夜明けを告げる「おんどり」=雄の鶏の鳴き声の順番は、集団内の序列が決まっていた。
とする鶏界の長年の謎を解明した研究結果が23日発表された。日本の研究である。
最上位のおんどりが朝1番の鳴き声を上げる一方で、格下のおんどりたちは自分の番を辛抱強く待っていた。
夜明け前に最初の「コケコッコー」が聞こえた直後、近くから次々と他の鳴き声が続くのは、おなじみの光景。
だが、おんどりたちが誰が最初に鳴くかをどのように決めているのだろうか。
このレポートによると、「それは集団内の地位で決まっていた」という実験結果が出たというのだ。
日本の研究チームは、論文に「最上位のおんどりが常に最初に鳴き始める。
続いて下位のおんどりたちが、社会階級の上から順に鳴き声を発する」と記している。
また、最上位のおんどりを集団から物理的に排除すると、第2位の雄鶏が最初の鳴き声を発したという。
おんどりが鳴く行動は、自分たちの縄張りを誇示するための手段として考えられている。
鶏は非常に社会的で、階層化された動物である。
最も力が強い「最上位」おおんどりから順に、餌、めんどり、ねぐら、などを優先的に獲得できる。
最上位のおんどりは、夜明け前の鳴き声のタイミングを決める「優先権」も有していた。
集団状況では、下位のおんどりたちは最上位のおんどりに服従していることが今回の研究で明らかとなった。
と論文は述べている。
この論文の共同執筆者、基礎生物学研究所の「新村毅」氏は、
下位のおんどりたちは、自身の自然のリズムを抑制しており、
「最上位のおんどりが最初に鳴き声を発するのを毎朝待てるほどの忍耐強さがある」ことを、
実験データは示唆していると答えた。
「下級階層のおんどりたちは、社会的な理由で、自身の体内時計に背いている」=研究論文。
実に面白い。
長期間、早起きして雄鶏の鳴き声を調査してきた研究者の努力。我慢強さも研究対象にしたいくらいだ。
なぜこの研究が続けられたか。そこの研究も面白いかも。
地味な努力。ひらめいた疑問を研究続けた着眼点。
何世紀を解き明かされなかった謎の解明。
日本人は偉い。^^