昨日のNHKの報道特集はワーキングプアの実態だった。
敷金、権利金、保証人なし、ただし、違法建築。昨日のTVはこんなアパートに住む住人の生活ぶりを伝えていた。
大都会のビル、戸建住宅の一部で違法建築で大量の小部屋を間仕切りして住宅弱者に貸し出す業者の実態に迫った報道番組だった。
その日暮らしでまとまった資金もなく、保証人を見つけられない人たちがたどり着いた住宅環境だった。平均3畳弱。道具を置いたら寝るスペースも無い。窓も無い。建築基準法、消防法、行政条例、いずれも不適格である。住民達は働いている。月に10万に満たない賃金。家賃3万弱を支払うと生活はやっとだ。抜け出す資金は溜まらない。
突然の閉鎖の張り紙。違法建築を指摘された業者の対応だった。困るのは済んでいる住民だ。
区役所に相談して言われたことは「生活保護申請」だった。
住民は言う。働けるのに「生活保護申請はしたくない」だった。ワーキングプアの受け皿が無い。生活保護の水準に満たない収入しか得られない就労者の社会層と定義されている。
働いているのに、年間収入が200万円未満の人たち。その根拠は東京23区の生活保護水準が年間支出194万6040円であることによる。
いくら働いても報われない時代の作者「門倉高史」は年商14億円の会社社長から時給900円のコンビ二バイトにいたるまでこの本が書かれた時代の数は546万人、労働者の25%が該当するという。最大の要因は派遣社員、契約社員、嘱託職員、パートタイマー、アアルバイトという非正規雇用社員の増加が原因だ。
その後、その数は増大し、日本は現在800万世帯が該当するという。200万弱が生活保護世帯であるから、日本の貧困層は1000万世帯ということになる。日本の総世帯数5000万世帯中1000万世帯ということで2割弱が生活弱者という数字になっている。一人暮らしの高齢者の世帯数は400万世帯。ああ恐ろしい数字だ。
生活保護水準が引きあがられる環境には無いことが明らかだ。すべてのワーキングプアがフランス並に保護を受けることが可能となれば、日本は1000万世帯が生活保護世帯となる。その生活保護費用は一般会計予算規模を上回る。国家予算の全てを生活保護費用に廻しても不足するという事態なのだ。
どーも共産党の言うことが、算数の出来ない子どもの意見の様に聞こえてくる。
アベノミクスは経済論だ。経済学者のよく解る解説が欠かせない。21日の参議院選挙。国民の意思が試される。注目したい。