開催日 平成29年9月10日(日)午後1時~4時30分
会 場 我孫子近隣センター並木本館
講 師 「新アララギ」選者 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
8月31日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
yohkuraq@gmail.com 手賀沼アララギ短歌会
新アララギ 2017年7月号より
・隠れ処(が)の如き「杜庵」は君の家ふた夜泊りて飛騨の鮎食む 高山の夜祭り
・曳山の鉦と太鼓と笛の音聞え来れば靴しかと締む
・曳山の長老曰く「上を見よ」鳳凰瓔珞こはさぬやうに
・曳山の難所いくつか海老坂と料亭「洲崎(すさき)」と松の木の枝
・曳山の祭り終ると声あれば飛騨の「めでた」の声わき上る
・「どしやまくり*」の客なる我も声合はす夜祭り果てのむ辻に「めでた」を *「招かざる」客のこと
講師・吉村睦人先生の歌(2017年7月)
新アララギ 2017年7月号より
・蟻地獄かと思ひて見れば雨垂れの跡にてありき藤棚の下
・戦死せし兄と最後に撮りたりし写真に写るはこの未央柳の花
・子規茂吉のやうな後輩を育ててくれ口癖なりき曽弥武校長(開成学園)
・声上げて園児ら球根を埋めたりしチューリップは一列に並び咲きをり
・入院してゐし間に全集の資料のコピー類処分されたり
・今までに書きし物だけでも取り纏め一冊にせむか『土屋文明先生』
三谷和夫:我が村は平氏ゆかりの地なりしを知る人をらず我(わ)も知らざりし(新アララギ2017.7)
佐々木フミ子:残業なき中国を言ふ娘婿赴任二年目ふつくらとして(新アララギ2017.7)
木村和子:長寿会の面々と行く石川町願ひどほりの桜つづく街 福島県(新アララギ2017.7)
今野英山:年明けにコスモス咲くを不思議とも思はず沖縄暮らしの三年(新アララギ2017.7)
高橋毬枝:蓬莱シダと和名のありしアジアンタム四季枯るるなく咲き継ぎ呉るる(新アララギ2017.7)
麦島和子:*休日のすべて費やし夫は遊具作る孫の笑顔を思い描くや(新アララギ2017.7)
大倉康幸:*積もるのは困るけれども積もらぬは寂しきものなり東京の雪(新アララギ2017.7)
相川盈子:*マドリッドに人ら眠らず宿に聞くラッパの音と消えぬざわめき(新アララギ2017.7)
宮本通代:人は皆時間が解決すると言へど時経ぬる程夫の恋しき(新アララギ2017.7)
葛岡昭男:*ふる里の友より来たる夏野菜ふみに夫は黄泉に行きしと(新アララギ2017.7)
新アララギ 2017年6月号より
・沈黙の茂吉と活力に充ちし文明と敗戦日本の対極示す
・春の光雪の原野に充ちみちて川蛇行せり大石田にて
・最上川蛇行のさまのしるければ葛飾の奥戸を思ふかの雁の歌
・最上川渡りて「次年子(じねご)」の蕎麦食はむ空腹感をしばし抑へて
・山へ入る迂回路あれど雪深しあきらめよとぞ「次年子」の蕎麦は
・大石田へ戻りて吾ら蕎麦を食ふ妻は熱きを吾冷たきを
新アララギ 2017年6月号より
・父も母も兄も姉も生きざりし齢(よはひ)を我は生きてゐる
・野性化し葉の硬くなりし韮なれど幾度か摘む汁に炒めに
・柵の中土筆はあまた生えをれど水道局は入るを許さず
・三角形の二辺をわれは杖に行く一辺は坂上がり坂下る故
・先生の歌ひしハシドイはこれならむ円錐花序にて白色四弁
・ 「土屋先生の破れ傘」と言ひて差し上げて皆に見せたる茅野貫一氏
三谷和夫:我が家にかつてなかりけむ男の子の米寿我は白寿を目ざして生きむ(新アララギ2017.6)
佐々木フミ子:読み返すほどに身に沁む妬みとはおのが足りなさと詠まれし一首(新アララギ2017.6)
木村和子:吹きぬける風のつめたき弥生なり三日凌ぎて四温を待たむ(新アララギ2017.6)
千葉照子:父好みし鰯の吸ひ汁つくり呉る従兄は干潟の農家を継ぎて(歌会2017.6)
須田博:平成の年号縦ひ代わるとも平和保たむ何時の世迄も(歌会2017.6)
今野英山:フィナーレの「勝利の歌」はサンバのリズム思ひそれぞれ手は掻合(カチャーシー)(新アララギ2017.6)
高橋毬枝:命終はいつ来てもよいと思ひつつ健康のためのストレッチに励む(新アララギ2017.6)
山崎日出男:ふるさとに父母のみ墓を独り訪ふ父母越えし齢を過ぎて(歌会2017.6)
麦島和子:*微かなる嬰児(えいじ)の笑みのもたらせる家族にふっくらとせしもの戻る(新アララギ2017.6)
岸野トモヱ:*歌舞伎座のチケット二枚とメール有り五十二年目友との再会(歌会2017.6)
大倉康幸:*気がつけばトマトばかりを食べているそういう暮らしにいつしか慣れて(新アララギ2017.6)
相川盈子:*セビージャの山を越えれば地中海はるかモロッコの山を見わたす(新アララギ2017.6)
宮本通代:遺されし仕事を一つ成し終へぬ「よくぞやつた」とほめ言葉欲し(新アララギ2017.6)
葛岡昭男:*福島の友の畑の荒れ果ててブタクサ群れて原発見えず(新アララギ2017.6)
渡辺澄子:*子規の膝延ばせぬ故に切り込みをつけし机上に今日も野の花(歌会2017.6)
石川芳江:*人ごみの中に君見え待ち切れず白きパラソル我は掲ぐる(歌会2017.6)