開催日 平成30年3月11日(日)午後1時~4時30分
会 場 我孫子駅前 けやきプラザ8階第2会議室
講 師 「新アララギ」選者 雁部 貞夫先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
3月1日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆雁部先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表・選者です。登山家としても知られています。
歌集「ゼウスの左足」で島木赤彦文学賞を受賞しました。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
yohkuraq@gmail.com 手賀沼アララギ短歌会
< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:利根の水を遠く引き来て友は田にチバコシヒカリの米をつくりぬ(新アララギ2018.1)
佐々木フミ子:乳飲み子をつれて歌会に出でし我に優しかりし人ら疾うに世になし (新アララギ2018.1)
木村和子:夕方の郵便配達まち遠し厨にて聞く投げこむ音を(新アララギ2018.1)
須田博:年の瀬のアメ横行けば客を呼ぶだみ声飛び交ふ「安いよ安いよ」(歌会2018.1)
千葉照子:隠れ棲む具視自ら支度せし土間の厨に竈が遺る(歌会2018.1)
今野英山:日の暮るる丘を下りぬアンリ・ルソーの蛇の顔出す葉群の小道(新アララギ2018.1)
高橋毬枝:新しきサングラス得て湧く旅心紅葉づる山の極み見たかり(新アララギ2018.1)
山崎日出男:声高に今の不安を叫ばぬが独り呟く国の危うさ(歌会2018.1)
麦島和子:*長き人生悲喜こもごもありたれどやんわり生きゆく変らぬ母よ(新アララギ2018.1)
岸野トモヱ:*酉さんよ病を連れて飛び立って戌は吾が干支病無きよう(歌会2018.1)
大倉康幸:*『異邦人』のムルソーのかの無表情生きる辛さは今も変わらず(新アララギ2018.1)
相川盈子:*チェコの宿にネット繋ぎて唐突な民進党の分裂を知る(新アララギ2018.1)
宮本通代:気がつけば寄りかかり立つ吾なりき洗面台にも流し台にも(新アララギ2018.1)
葛岡昭男:*薄き髪を隠して被るヘルメット同期の友は過去を語らず(新アララギ2018.1)
渡辺澄子:*重箱の手作りおせちの幾品か老いて手抜きすこの年の瀬は(歌会2018.1)
石川芳江:*元気です充実してると強がりを賀状に書きいる師走の宵に(歌会2018.1)
丸山さち子:*街の灯がともればヤモリ現れて小さき手を見せガラス戸にうごく(新アララギ2018.1)
戸田邦行:*花も木も生きていること喜ぶか考える葦は無駄に生きるが(新アララギ2018.1)
鈴木英一:*玉眼がきらりと光る運慶仏吾の心を見透かすごとし(歌会2018.1)
新アララギ 2018年1月号より
初任地の佐倉の生徒ら連れて来し佐原も眠れる町と見えしが
伊能大図(だいづ)の石巻図幅ここにあり実測図なり国宝なりとぞ 伊能忠敬資料館
集落はおほむね「浜」と記す中に渡波(わたのは)町あり母の故里
疎開児童吾ら遊びし「鷲の巣」を歩測してゐき伊能忠敬
昼は歩測を夜は天測くり返し忠敬努めき五十一歳
カフェもあり仏蘭西料理の店もある町屋の通り五十年経て
新アララギ 2018年1月号より
父も母も長からずして世を終へぬ八十八歳目前にわが思ひゐる
米寿のあと一年置きて卒寿ありまだ世を卒する心算(つもり)無けれど
還暦の集ひに生きたき年言ひ合ひ九十五と言ひ厚かましと言はれき
国(くに)寿あり草(くさ)寿ありて櫛(くし)寿あるどれも生きてみたしと思ふ
白寿が二度あることに気付きたり八十九歳と九十九歳
夜の雲を照らし出だしゐし稲妻も遠ざかりつつ消えてしまへり
手賀沼湖畔の「文学掲示板」、2月は当短歌会の作品です
手賀沼湖畔文学の広場にある「文学掲示板」、2018年2月は手賀沼アララギ短歌会の歌が6首掲載されます。
・真実はどこにあるかを知りたくて「ダラスの熱い日」など読み返す(我孫子 岸野トモヱ)
・かつてなき怖き思ひに予報聞く竜巻は場所を選ばず通る(取手 木村和子)
・宮地先生在さば嘆かむ「ら」を抜きて「出れず」と詠むあり新聞選歌に(牛久 佐々木フミ子)
・沼の辺に茂吉の歌碑の立つ辺り行き交ふ人無く風の音のみ(我孫子 須田博)
・ターナーの絵画の光は空ゆえか吾が目を細めて抽象として観る(松戸 千葉照子)
・色白の腕しならせボール打つ老理髪師のサーブ返せず(我孫子 山崎日出男)