平成27年9月6日(日)に日本歌人クラブ主催の「第16回現代短歌セミナー水戸」
「再考・土屋文明~昭和短歌の源流をさぐる」をテーマに開催されました。
当短歌会からの出席は、三谷和夫・木下和子・佐々木フミ子・高橋毬枝・
麦島和子・岸野トモヱ・大倉康幸の7名です。
このセミナーの選者の一人として、当短歌会の講師・雁部貞夫先生が参加され、
トーク・セッション「文明調とは何か 歌集『山谷集』を中心に」のスピーカー
でもありました。
三枝昂之(日本歌人クラブ会長)の講演「土屋文明が問いかけるもの」
もあり大変内容のあるものとなっていました。
開催日 平成27年10月11日(日)午後1時~4時30分
会 場 我孫子駅前 けやきプラザ8階第一会議室
講 師 「新アララギ」選者 吉村 睦人先生
内 容 短歌作品の批評、添削指導
会 費 1500円/月
10月1日(木)必着で歌稿(短歌3首)を提出してください。
☆見学もできます。(見学の場合は1000円/回) 事前に短歌3首を提出すれば批評・指導が受けられます。
☆吉村先生は全国で屈指の短歌結社「新アララギ」の代表です。開成高校教頭・青稜高校校長を歴任するなど教育者としても知られています。
☆参加を希望される方は下記にメールしてください。
yohkuraq@gmail.com 手賀沼アララギ短歌会
新アララギ 2015年8月号より
・「おまかせ」の握りそれぞれ旨けれど終の一貫焼き穴子よし 小樽にて
・旨き物さいごに食らふわれの性(さが)貧しき性と自ら思ふ
・牡丹海老ねとりと残る食感を洗ひくるるは今日も国稀
・阿佐ヶ谷のガード下にて二人前鮨平らげしこの友なるに
・K2のベースに別れて十五年歳々たまふ大山(だいせん)の独活
・老兵は死なず消えるのみといふ吾も消えゆく境に近し
新アララギ 2015年8月号より
・蒲公英は垣根の外にチューリップは垣根の内に咲き盛りゐる
・長々と茎を伸ばして日の当たるところに咲きゐる姫檜扇は
・益虫か害虫の方か分からねど久し振りに見たり天道虫を
・プランターの中にてあれどヘンルーダ今年も花付け香を放つ
・土足にて私服三人立ちてゐき虚構にあらず白泉の句は
・一輪挿しと思ひて見しは戦時中に造られたりし陶器手榴弾なり
三谷和夫:わが植ゑし椿伸び立ち梢には巣立ちの後の巣空しく残る(新アララギ2015.8)
佐々木フミ子:霧の街にチラシ配りきて髪重し駅舎の上に白き太陽(新アララギ2015.8)
木村和子:赤き傘ときらめく法衣と稚児の列回向柱に向かふを背伸びしてみる(新アララギ2015.8)
千葉照子:夫洗ひし風呂に汚れの残り居て今日から吾も手抜きで行かむ(歌会2015. 8)
須田博:ブーム去りしボーリング場の在りし跡幾変りして今病院となる(歌会2015.8)
今野英山:一面のトップは朝あさ辺野古なり隣国日本の記事など見えぬ(新アララギ2015.8)
高橋毬枝:暴れ川の由来もありし鬼怒川の今日見る流れの瀬音清けし(新アララギ2015.8)
小熊宗克:八十路過ぎ人の名忘れ字を忘る三度の食事は忘るることなし(歌会2015.8)
山崎日出男:ひっそりとどくだみの花群れて咲き石の仏の半身を覆ふ(歌会2015.8)
麦島和子:*パソコンのトラブル直す息子(こ)と彼女意見交わしつつカーソル動かす(新アララギ2015.8)
岸野トモヱ:*北鮮に置き来し紫檀の文机は叔父の形見と母よく語りき(歌会2015.8)
大倉康幸:*まわりには高層ビルが取り囲む神社を今も聖なる地とす(新アララギ2015.8)
小那覇暁美:*腸閉塞手術の記憶はなくなりぬ時にはいいのか忘れゆくことも(歌会2015.8)
前澤重成:*沙羅双樹の白き花びら色深くなめらかな様(さま)柔肌の如し(歌会2015.8)
相川盈子:*鬼瓦に七福神の姿あり土蔵造りの明治の商家(新アララギ2015.8)
宮本通代:梅壇はうすむらさきの花盛り遠来の客を迎へてくれき 牧野記念庭園(新アララギ2015.8)